「翠星のガルガンティア(TVアニメ動画)」

総合得点
88.0
感想・評価
2863
棚に入れた
14359
ランキング
134
★★★★☆ 3.9 (2863)
物語
4.0
作画
4.0
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 1.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.5 キャラ : 1.5 状態:観終わった

formula taker

高評価みたいなのでロボアニメで育った者としての意見をば。私ごときの意見でこの作品の評価が覆ることはないでしょう。なのでロボSFアニメとして観た観点から心置きなくブッ叩きます。

虚淵氏お得意の〇〇かと思えば〇〇だったというやつ。最小の結果で最大の効果を出し続けるエリートサラリーマン。各ジャンルで愛されてきた「お約束」を雑に使い潰し、また他のジャンルに移っては先人の積み重ねを食い荒らしていく焼き畑農業。アニメなんか作らずにもっと大きなビジネスやればいいのにとすら思う。

しかし虚淵氏の発想にはいつも驚かされる。これって内容はラノベでよくある「ぼっちが打ち解けて頼りにされてチヤホヤされる話」。そしてそのガワとして「ファーストコンタクト(以下FC)」を持ち出してくるとは!アニメばかり見てたオタクには出来ない発想。様々な表現媒体に触れてきたであろう氏ならではの突飛かつ柔軟な発想。アイデアマンとして評価するなら虚淵氏は紛れもなくアニメ界の至宝。FCを使えば自然とSFやらロボがついてくるってだけ。

ここにはホントに度肝を抜かれました。ロボアニメやSFアニメが苦手でもこれは観れるってのは至極当然。本作品はロボアニメやSFアニメではないからだ。本筋はよくあるやつの焼き直しでガワだけ差し替える彼のいつもの手法。こう書くと悪口に聞こえるが、そもそもこの程度すら出来てない作品の多いこと。換骨奪胎どころかパロディすらも上手くない。パクリ云々とか言うつもりはない。そもそもエヴァだってまどマギだってパクリ。今の時代は組み合わせを楽しむしかないってのを氏はよく熟知している。

チェインバーの外観を見ればロボが主役ではないと一目でわかるダサさ。だが見進めていくうちに愛着も沸きカッコよくも思えてくるギリギリ感を攻めたデザインの妙。装甲の質感。洗練されたUI。絶妙なスケール感の全長設定が没入感を高める。巨大ロボではダメなのだ。背景美術も素晴らしい。世界観の演出が作品評価に多大な貢献をしているのはもう誰でもわかる。SFでは宇宙空間に彷徨う宇宙船の閉塞感を使って表現する様々なものを、海に浮かぶ船にすることで重くなりすぎないようにしているのも巧い。

絶賛も当然の高品質な作品。アニメ史に残る傑作であることにはなんら異論はない。『SFロボアニメとして観なければ』。


パイロットとAIの役割が通常と逆なのもいつもの逆張り。ただこれのせいで少しづつズレてくる。SFのお約束を楽しみたい層以外はどうでもいいでしょうからビジネスとしては好判断だとは思いますが。

ロボSFアニメとして観れば最終話がヒド過ぎる。
お約束の醍醐味の中でも最強クラスだから使いたいのはわかる。

・「ラスボスが実は死んでて戦ってるのは思想継承した無人機」
・「AIの独断でパイロットを強制排出、その後単騎特攻」

これをなんとまあー、雑な使い方しますこと。
大事なお宝を踏みつけられた気分でした。

実際最終話が違えば並程度でしたが、ここまでSF好きを馬鹿にするような雑さを見せつけられたら支持は出来ません。せめて一個づつ二回に分けて使うとかしてくれたら。後者についてはそもそもパイロットよりAIが人間臭い設定の時点でSFとしては破綻してるんですよ。これは機械的で非情で合理的な判断しか出来なかったAIがパイロットと色々積み重ねていくうちに人情的で非合理的な判断をしてしまうようになるってのがキモなのに。ただのバディもので相方が死んだってだけの安っぽいお涙頂戴でしかない。いやまあそういうふうに使ったんでしょうけどね。お涙頂戴は必要だし意図的にそうしたってのは今振り返って考えたらわかるんですけど、観た瞬間「は?」って声上げてマジでキレました。

自分は嫌いだが他人には勧められるという稀有な作品ではある。

投稿 : 2021/02/21
閲覧 : 356

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