「劇場版 メイドインアビス -深き魂の黎明-(アニメ映画)」

総合得点
85.5
感想・評価
525
棚に入れた
2257
ランキング
235
★★★★★ 4.2 (525)
物語
4.1
作画
4.3
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.2

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

飽くなき探究心の光と闇。

R15+という指定に、
どうしても怖気付いてしまうところがあり、
なかなか重い腰が上がらなかったのですが、
やっと観られました。

↓率直な感想。
もう衝撃的。。。
観るのしんどかった。。。

、、、んですが、
続けざまに2度観ちゃいました。
で、これ書きながら3度目観てますw

大袈裟かもしれないが、
エヴァの旧劇を観て以来の衝撃かも。。。

言うても、
エヴァを観たのは学生時代なので、
それからウン10年経った今の衝撃度合いは、
当時とは計れないものがあるが、
私の劇場アニメ史上では、
ダークファンタジーの最高傑作と言っても、
過言では無いかもしれない。

私、正直バトルものは苦手だし、
血も嫌いだし、
刃物や針にも恐れを感じるほどのヘタレなのでw、
原作で事前情報を得ていたからこそ、
それなりの覚悟を持って観られましたが。。。

それでも、
{netabare} レグとプルシュカの拘束シーンは、
ホントにキツかった。。。
見てるとおへそのあたりがチクチクしてくる。。。w {/netabare}

もしこの作品が等身大キャラだったら、
間違いなく観ていられない。
興味深く観られた一番の理由は、
やはりキャラの可愛さにあるのだ。

↓以下、登場人物についての感想。
{netabare}
・ボンドルド
こういうダークな作品は殆ど観ないので、
あまり知らないのだが、
私が知る限り、
ここまで猟奇的なキャラ(なのに人気ある)って、
他にいないんじゃなかろうか。

カートリッジで上昇負荷を肩代わりしてもらうというのは、
ヤバいとしか言えない。。。

この男、
最終的な目的が何だったのかは、
本作では明かされておらず、
サイコな研究者という印象のまま、
謎を残して死んでいる。
(死んではいないが。そもそも初めから死んでる?)

最強ボスキャラのようではあるが、
決して戦闘目的で武装をしているわけではなく、
レグとのバトルを繰り広げてはいるものの、
ボ卿は応戦しているだけであったり、
レグを誘拐し、拘束したのも、
敵意ではなく、研究者としての興味本位であったり、
まさに悪意の無い闇と言える。

また、常に平静を保ってはいるが、
ただ一度だけ、
覚醒したレグの火葬砲をナナチが抑えようとした時に、
「いけません、ナナチ!」と、
声を荒げている。
やってる事こそ常軌を逸してはいるが、
ナナチやプルシュカへの愛情や、
人の姿を無くした子ども達の名前も全員覚えていることから、
「愛です、愛ですよ」は、
ボ卿なりの本物なんでしょう。
サイコな外道だが、本心から憎めない悪役という印象で、
よく作られたキャラである。

・リコ
やはりこの子は侮れない。
ボ卿に対し「ロマンは分かる」と、
一定の理解を示していたり、
ボ卿に「思ったよりもこちら側」と言わしめていたりと、
一筋縄ではいかない子。
思い返せば、
レグと出会った当初に、
電気を流したり刃物を立てたり火を放ったりと、
ボ卿と同じようなことしてるのだ、この子は。

彼女こそ探究心の塊だし、
一歩間違えれば、ボ卿のようなサイコ研究者にならないとも言えないが、
最後のシーンでプルシュカが言った、
「あんたはとっても明るいから」
という言葉が何かの暗示のようにも聞こえる。
アビスの闇を照らす光と成り得るのか。
ただの無鉄砲幼女ではない、
今後も見届けるのが楽しみなヒロインである。

・ナナチ
ボ卿に対して、
敵対心だけではない複雑な感情を抱いているのは、
作中で痛く伝わる。

序盤での、
「ホントに楽しいな、ちくしょう。。。」
という台詞は、
まさにナナチの複雑な思いを象徴している台詞と言えるでしょう。
終盤でボ卿の死を見届けるシーンでの、
単に憎しみだけではなく、思うところがありそうな表情は、
何とも言えず切なくなる。。。。

・プルシュカ
本作中、一番可愛い。。。
、、、けど、
ボ卿に拾い上げられた時から、
既に運命が決まっていたことを思うと、
この子の生き様もまた苦しい。

おそらく生まれてから殆ど人と会う事はなく、
同世代のリコたちに出会えた事は、
プルシュカの運命を変えるほどの、
大きな出来事だったのだ。

だからこそ、リコたちと一緒に冒険がしたい、
という思いは本心で、
プルシュカのカートリッジから「命を響く石」が出てくるシーンは、
彼女が初めからこうなることが決まっていたことを示唆しているようで、
終盤のこのシーンは一番辛い。

ナナチが「こんな短期間で」と驚きを見せつつも、
ふとミーティを思い出す描写がまた切なく、
リコを思うプルシュカの気持ち、
ナナチを思うミーティの気持ちが、
人を思う気持ちは決して時間の経過だけではない、
ということが窺い知れる名シーンと言えるでしょう。

・レグ
覚醒した姿がどんな意味を持つのか、
「気になる」がどんどん増してくるキャラですが、
まだまだ謎だらけです。
今作で判明したことはただひとつ。
ナナチのモフモフで興奮しちゃうところw
(↑ちょっと、、、この子だけ感想が適当じゃね?。。w)。
{/netabare}

これはまだまだ何度でも観たくなる。
観るたびに新たな発見がありそうで、
それだけこの世界の緻密さには惹かれるものがある。
ダークファンタジー嫌いな私が、
ここまで惹かれる作品は、
ハッキリ言って相当珍しいのだ。
続編を楽しみに待ちます。

投稿 : 2021/10/26
閲覧 : 164

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