「空の境界 第五章 矛盾螺旋[ムジュンラセン](アニメ映画)」

総合得点
77.9
感想・評価
850
棚に入れた
4873
ランキング
574
★★★★★ 4.2 (850)
物語
4.3
作画
4.4
声優
4.1
音楽
4.2
キャラ
4.2

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ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

渇望せよ

奈須きのこ原作。

万物の綻び「死線」を視る力、
直死の魔眼を得た独りの少女の物語。
魔術師である荒耶が張り巡らした、
死そのものを体現化する太極の結界、
両儀式の直死の魔眼は結界を打ち破れるのか!?

シリーズ全七章を代表する第五章、
第一章~第四章を総括する物語である。

境界とは日常と非日常の隙間であろう。
暴力衝動も性描写も躊躇することなく描かれる、
劇場公開とは思えない勇敢で衒学的な作品である。
私的には、黒沢清、リンチ、夢野久作、etc、
いくらでも世界観の源泉にあがりそうな気配だ。

舞台となる小川マンションの異常性は、
そのシンメトリーな構造にあるのでしょう。
{netabare}そこでは常軌を逸した実験が行われている。{/netabare}

{netabare}荒耶は、東棟、西棟で条件を変え、
死に差異が生じるのか、実験を繰り返している。
死を等しく、肯定することは可能か、
荒耶の求めるものは、この言葉に尽きる。
救われもせず、報われもしない、
無意味に死んでいったものたちの死を、
彼は意味のあるものにしようとしている。{/netabare}

シリーズで最も複雑な作品です。
語り尽くすには、知識が足りませんが、
共感の覚えるメッセージもあります。

それにしても、面白い。

投稿 : 2022/02/05
閲覧 : 331
サンキュー:

18

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