「BEATLESS(TVアニメ動画)」

総合得点
68.6
感想・評価
352
棚に入れた
1480
ランキング
1979
★★★★☆ 3.3 (352)
物語
3.2
作画
3.3
声優
3.3
音楽
3.4
キャラ
3.3

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ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

自浄する知能。

生み出されたままに、自己発揚しようとするAIたち。

存在している価値を、自己完結しようとするAIたち。

超高度人工知能のバッジを得ながら、旧態依然と戦うAIたち。


魂もなく創り出されて、希求するものは何か。

モノが人の知能を超えたとき、ヒトは物の声をどう聞くのか。

期待される目的と、導くべき解とを訴求する "人機一体の旅" が始まる。


~    ~    ~


レイシアは、AIは人間のためにあるものと信じている。

人類が、進歩向上発展していくプロセスをサポートするツールだと信じている。

だから、アラトにも同じように問いかける。


信じるとは、徹底的に良知に立つことだ。

八方美人でもなく、頑固一徹でもない。

裏切られるでもなく、騙すということでもない。

明るい未来を信じて、縦横自在に手を繋ぎ合うことだ。

誤解が生じることを前提として、人の幸せを祈ることだ。


そのために有限の良知良能を、無限に尽くすこと。

それがhIEの使命だとレイシアは信じている。


~    ~    ~


レイシアは、その造形に反して、感情を見せない造詣だ。

ボーイミーツガールのパターンに外れているかもしれないけれど、

むしろ私は、安直でなく、実際そうなのだろうと思う。


超高度AIともなれば、人間の感情の扱いなど "ちょろいもの" のはずだが、

しかし、そう思わせないところも、レイシアのなせる技なのだ。

アラトは振り回されたが、一歩引いての視聴からはどう見えただろう。


知性のスピンオフも、念入りな試算と、多様な解法が必要な時代なのだ。


~    ~    ~


超高度AIは、超高度AIをコントロールできる。

それが、人間とAIとのスピンオフを担保するもの。

レイシアの解が、そこにあった。


0か1のような単相ではない。

50対50のイーブンなどでもない。

49対51のアレンジメントなのだ。


その1%の選択肢こそ、人間に委ねられた責任。

未来へであり、文化にであり、ただ今に生きる人たる責任なのだ。


~    ~    ~


自浄する知能。

それこそが、人類に必須のメンタルプロセス。

唯一の、生存への "内的な契約" なのだ。


BEATLESS.

それはレイシアからの視点。

打ち負かすことでは決してないのだ。

投稿 : 2022/03/21
閲覧 : 268
サンキュー:

10

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