「ブラック★★ロックシューター DAWN FALL(TVアニメ動画)」

総合得点
65.7
感想・評価
64
棚に入れた
218
ランキング
3113
★★★★☆ 3.4 (64)
物語
3.2
作画
3.5
声優
3.4
音楽
3.5
キャラ
3.4

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ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

中途半端で終わったアニメの完結編

あれ?またやるんだ、が第一印象。
しかも以前やったブラックロックシューター(以下BRS)とは全く別の内容で、今更どうして?とは思ったけど、監督が天衝ということで興味はありました。
因みに天衝氏が1コ前に手掛けた作品は“アズールレーン”で、個人的にはそこそこ評価高かったり。

そしていざ見てみると…滅茶苦茶マッドマックスなんだけど、それに輪をかけて妙に初代デジモンっぽくない?
荒廃した世界を旅しながら行く手を阻む教育機関を避けたりちょっかいかけたりする辺り…ふざけた見た目してめっちゃ強いスマイリーがエテモンと被るのかな?
(エテモン自体がヒューマンガスを意識してたってことはあるのかな?)
後半スマイリーはスパイダーマンのベノム柄のペイントを施すけど、それすらもメタルエテモンの印象の方が勝ったりw
ついでに図書館のロボはアンドロモンでしょー。


でもって話を一旦アズールレーンに戻すのだけど、あの作品って

『美少女の姿をした人ならざる者が人類を守って戦闘をする』

というよくある設定。
さりとて「じゃあなんで美少女の姿なんだ」を深堀りしたり、「美少女の姿であるからには──(こんな展開が考えられる)」を模索してる作品ってのは好きです。
多分これはアニメがプラモなどの玩具売りがメインで、玩具のデザインがメーカーにより先に決まってて、それが映えるストーリー・演出をアニメーターが考えてた時代…の見方なのかな?
「なぜ少年が巨大ロボットに乗って戦わないといけないのか」や「なんで巨大メカは人型なんだ」「人型であるからには──」とかを追求する姿勢ね。
(逆を言えば玩具が美少女に代わっただけで今も昔も企画過程はあんまり変わってないのかも知れない)
アズールレーンはそれが出来てたかどうか判断の難しいところだけど、それをやりたそうな雰囲気は強く感じた。
単に天衝がそういうのを匂わせるのが上手いだけかも知れないけどねー。

そして今作のBRS、妙にエロ推しなのは、単為生殖のAIが有性生殖に憧れてるってことかなー?と解釈してるけど、「美少女の姿であるからには──」の答えの一つではある。
なにより、海が荒野に変わっただけで設定がアズレンと酷似してない?
美少女の姿をした人ならざる者が人類を守って戦闘をするって…しかも中盤から登場したルナティック(アルテミス)がセイレーンと被りまくり。
過去に苦い経験をして現在本調子じゃないというのもエンタープライズと被る。
だからといって二番煎じって意味ではない。
アズレンはセイレーンの正体や目的が不明なまま中途半端の内に終わったけど、こっちではハッキリ明かしてて、おや?これってひょっとして──
「天衝の中では(あくまでアニメ版の)アズレンのストーリーが出来上がってて、それの結末(※)を描きたがってた」なぁんてことは、無いかな?
アズレンやオリジナルでは企画が通らないからBRSのIPをお借りして実現した…とか。
そう考えると「今更どうしてBRS?」という謎も解決しちゃうのがどうにもこうにも。
監督がどこまでストーリー作りに関与できるか知らんけど、ハンドシェイカー→W'sの様な意地(ワガママともいう)的なものを感じる。
普通にアズレンの続編…というか「もしアズレンの完結編がアニメ化されるとしたら、こんな内容になる」というのを見させられた気分。
むしろそうやって見た方が興味深いかも?
共通点と相違点をそれぞれ書き出してみると色々と発見があるかも知れない。

とはいえ、アズレンが中途半端に終わって「ナンだかなー」と当時は思ったものだが、「どうせ結末を描いたところでこんなもんだぞ?」というのを見せてくれたとも解釈できてしまう。
まぁつまり…その…あんま面白くない。
1クール作品の限界なのか、そんなに長旅してる感じがしないんだよねー、キャラへの愛着・感情移入が追いつかない。
頭の隅っこにデジモン(4クール)ぽいなーと思ってるせいで余計際立ったせいもあるんだろうけど。
東京上空や4年前の光が丘事件などの凝った設定も無いし、なんせクライマックスまで描くとなるとそれだけで話数喰うので他が薄味になってしまった…ということなのかなぁ。
あとメインキャラとモブとで命の重さが違いすぎるのも気になった。
ヘーミテウスユニットは特別だからいいとして、ただの人間の大佐が他の隊員に比べ随分と(生存的に)優遇されてるのは、作り手から依怙贔屓されてる感じがして全然共感できなかった。
敵に洗脳されたシャーロットがデジモンでいうテイルモンポジだとするなら感動の核はウィザーモンの涙ぐましい自己犠牲だった訳で、大佐がその役を担えてたかというと…なんか違う、足りない。

ついでにかつて自分が書いたアズレンの感想を読み返したら、当時も「どうせ最後まで描かれてもモスピーダみたいになるのがオチだろう」と諦めムードだったw
けどモスピーダよりはずっとマシ、そういう意味では「良かった」になるのかなぁ?



人類が反抗する力を溜めるまで200年かかると算出してアルテミスは「それまでひと休み」と眠りに就いたら、人類は意地を見せて50年で反抗作戦に出て虚を突いた──というところで終わったけど、これは「結末まで描いた」ってことでいいだろう。
これで人類が勝てなかったら計算違いを起こした意味が無くなるし(メタ的考察になるのか?)



総評
初代デジモンをベースとしたアズレンの完結編をマッドマックスに偽装して作った作品。
アニメが途中で終わって「最後まで見せろよ」と思っても「最後まで見たってこんなもんだぞ」という実例…というか、途中で終わってもあんまりイラっとしてはいけないという戒めにはなった。
「美少女があんな格好でそんな戦闘をする世界であるならこんなことが起こりえるよね」の追求はできてると思う。
もっと話数があればもっと面白くなり得た気がするが、今の時代じゃ難しいかー。

投稿 : 2022/06/23
閲覧 : 376
サンキュー:

5

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