「ましろのおと(TVアニメ動画)」

総合得点
69.6
感想・評価
193
棚に入れた
609
ランキング
1711
★★★★☆ 3.5 (193)
物語
3.4
作画
3.4
声優
3.5
音楽
3.7
キャラ
3.4

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ネタバレ

RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

三味線を通じた自分探し

またニッチなところを突いた音楽物ということで視聴開始。

【作品概要】
青森在住の主人公澤村雪(16歳)。
津軽三味線の無名の天才である祖父にあこがれ、
自身も三味線を奏でますが、腕の程は…。
祖父の死を契機に当てもなく上京するところから始まります。

【作品に対する感想】
子供のころ三味線に関してのイメージは
「爺さん、面白くない、古臭い」
でした。
流石に今となってはそこまで酷くはないものの、
確り聞こうという意識には届いてませんでした。

それを大きく転換させてくれる、いい作品だったと思います。

物語はまだまだ道半ば。
自分探しも見つけては折られての繰り返し。
続きが非常に観たいです。

1)物語
 まあ、王道っちゃあ王道です。
 三味線という特殊な世界であるものの、
 自分を見出せない孤高の天才が
 仲間やライバルと出会って影響されて成長して行く。

 でも王道だからこそいい物でもあるんです。

 序盤、若い雪にとってはちょっと大人のしんどい
 側面を垣間見ることにはなりましたが、
 その辺は作品の個性かなと。

2)作画
 雪が高校生には見えません(笑
 
3)声優
 なんといっても津軽弁!
 実際に行ったことがないので、再現率については
 良く解りませんが、十分凄いと思いました。

 現地の方からすれば、まだまだあめーよって
 感じるのかもしれませんけど(^^;

 ふらいんぐうぃっちの倉本パパのと比べると、
 まだ聞き取れますね。

4)音楽
 同じ曲でも奏者の解釈でいろいろ表現方法が
 異なるっていうのが面白かったです。
 
 吹奏楽でもコンクールの課題曲で
 指揮者によって別の曲になるようなもんですね。

 後半演奏シーンが多くなり、
 視聴者によっては「飽きた」ってなりそうなんですけど、
 私は三味線の魅力を伝えるのに
 プラスになったと受け取ってます。

 まあ、団体戦で素人集団が入賞ってのは
 ちょっとどうなんかなとは思いましたけど。


5)キャラ
 割と強烈なのがそろってます。

 ➀澤村雪
  天才のわりにじっちゃんの遺言に振り回され
  イマイチ自己肯定感が低い主人公。
  こういうキャラ、割と好きなんでプラスに働いてます。

 ➁澤村梅子
  強烈な個性のおかん。
  自分の母親だったら…
  ある程度歳取るまでは頭痛の種かな(^^;
  
  この人はこの人で、
  松吾郎の重力の井戸に魂を引かれた人なんでしょうね。

  人それぞれ価値観が違うのは重々承知ですが、
  トロフィーを割ったのは大人気なさ過ぎて
  流石にどうかと思いました。
  まあ、私財なげうって作ったイベントの
  出演者が意図通りに動かなかったことに
  立腹するのは分からんでもないですけど。

6)印象深いシーン
{netabare}
 ➀団体戦
  雪が各位の見せ場を作っていくところに
  彼の成長を感じました。

  まあ、
  本番でいきなり無茶ぶりするなよ
  とか
  素人集団がいきなり入賞
  とかは、ちょっとどうなんかねとは思いましたけど(^^;

 ➁個人戦
  音楽と映像のコラボが一番映えたシーン。

{/netabare}


7)音楽とアニメーションについて

 この作品を含めて音楽がテーマのアニメーションを
 いろいろ見てきた結果、感じること。
 四月は君の嘘
 のだめカンタービレ
 ヒーラーガール
 響けユーフォニアム
 ・・・
 音楽とアニメーションは相性がいいのかもしれません。

 もちろん相応の作り込みは必要なんですけど。

 音楽から何かをつかみ取る能力というのは
 奏者としての力量、知見があった上で高められるもので、
 素人からするとやっぱり取りこぼしが多いと思うんですよね。

 作曲者が込めた意図・思い、
 演奏者が込めた意図・思い…。
 聴き手はその何割を拾うことができるのか。

 物語はそれを補い
 アニメーションはそれを補い
 演出はそれを補い
 聴き手の力量不足を補完する。

 アニメーションの作り手の解釈によっては
 作曲家や演奏者の意図が曲解されて
 おかしな伝え方になる危険性は否めませんが、
 それでも音に込めた意図をより多くの人に
 伝えるには良い媒体なのだと感じました。

投稿 : 2022/07/26
閲覧 : 142
サンキュー:

15

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