「Buddy Daddies[バディダディーズ](TVアニメ動画)」

総合得点
67.8
感想・評価
169
棚に入れた
437
ランキング
2251
★★★★☆ 3.4 (169)
物語
3.2
作画
3.6
声優
3.5
音楽
3.4
キャラ
3.4

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ネタバレ

てぶくろ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 2.5 作画 : 3.0 声優 : 2.5 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

いざ!アクションホームコメディブームの波に乗れ!

 はじめに
 {netabare} 殺し屋バディがひょんなことから4才の女の子を引き取るハメに、慣れない育児に悪戦苦闘しながら仕事の依頼もこなさなければっ! この先一体どうなってしまうのかっ!? というお話。

 イントロダクションやテーマから、某スパイな家族作品の流行の影響を感じますが、せっかくのブームですから積極的に利用していきましょう。

 気がかりな点としては、『作品の個性を出せるか』という点です。
 家族愛という面では前述した作品の存在が今は大きいですし、殺し屋×幼女という組み合わせも目新しいとは言えません。
 となるとバディの関係性の方に期待ですね。

 もうひとつ個人的に注目している点として、ストーリー原案、脚本に 下倉バイオ の名があるところです。
 下倉バイオといえば、あの伝説のクso…、、いえ、怪物アニメ「東京24区」でストーリー構成と脚本を務めていらっしゃいました。
 この作品は当時、頼むから同時期にやっていた同じcloverworks作品には迷惑をかけないでくれ、と祈られていた程でした。
 今回はP.A worksとのタッグですがどうなるでしょうか、期待ですね。 {/netabare}

さて、第1話です。
 {netabare} 全体通してなんだかコテコテな感じは否めませんが、1話らしいといえばらしい回でしたね。滑り出しとしてはまずまずだったと思います。
 サブマシンガンの弾をトレイで受けとめていたのはちょっと笑いました。ホテルのトレイがカッチカチで良かったですね。
 
 細かいところで気になったのは、ターゲットを殺して 撤退する場面です。
 子供を抱えてエレベーターを待つ人混みを叫びながらかき分けて進んでいましたが、仕事を終えた殺し屋がそんな目立つことしていいんですかね?
 ケーキ作戦は考えても退路の方は考えてなかったんでしょうか?
 ていうか、なんでエレベーターで悠長に降りようとしているんでしょうか?
 相棒のように颯爽と降りれば良かったんじゃないでしょうか?
 子供がいるから、と理由付け出来なくもないですが、その割には階段で降りるハメになった というコメディにいくわけでも、子供を抱えながらも颯爽と降りるカッコ良さにいくわけでもない。なんとも中途半端で何がしたいかよくわからないシーンでしたね。
 
 後は世界観設定についてなんですが、ここは一応日本なんですね。敵も自分たちもえらく気軽に銃をぶっぱなしていましたがそういう世界線ということでしょうか。
 今後の話で言及があるかもしれませんね。カジノのシーンとかは前フリだったりするんでしょうか。
 作品の雰囲気的に海外の方が合っていそうですが、なにか日本としていることで得なことがあるでしょうか? 今後に期待ですね。{/netabare}

 第2話視聴しました
 {netabare}1話目のまずまずな滑り出しの勢いそのまま順調な第2話だったと思います。
 後半のドタバタコメディな部分も、第1話にて作品の雰囲気が分かっていたので安心して見ることができました。
 コメディなだけでなくちゃんと次回への引きがあったのも良かったですね。

 私は、この作品は何故舞台がパッと見海外っぽいのに日本なのか?という疑問を持っていましたが、これは世界観設定上の深い理由があるとかっていうよりもっと単純に、 2人のパパの行為が虐待と取られないように みたいな部分が大きいんでしょうね。
 今回も車にミリちゃんを置いていこうとしていたりしてましたしね。
 4才の子供が電車乗り継いだりっていうのも日本という設定ならギリ許容範囲といった事でしょうか。

 他に言う事といえば、OPとEDがつきましたね。どちらも楽しげで非常に良いですね。
 特にEDのミリちゃん七変化は可愛らしく仕上がっていました。
 現状ミリちゃんは若干ヘイトを集め気味なので、こうしたEDでフォローが入るのは大切ですね。
 この作品はミリちゃんが嫌われてしまうとだいぶ破綻してしまうので、この先の展開でただのクソガキじゃないことを存分に出していってほしいですね。

 さて、1話2話と順調に進行している様子を見ると、放送前 下倉バイオという名前に戦々恐々としていた私としては安心したのと同時にちょっとだけ拍子抜けでもあります。
 いや、真っ当に面白いアニオリが増えることになんの文句もないんですけど、如何せん前作のインパクトが凄かったもので…。
 とは言え、この1話2話と脚本は 柿原優子さんが担当されているので、これから先どんな展開になるのかはわかりませんね。次回に期待です。{/netabare}

 第3話視聴しました。
 {netabare} 今回のお話はミリちゃんの母親が登場したり、零パパについて触れられる回となりました。
 母親の方はこれからミリちゃんと暮らすための理由付けであったり、零パパの方はキャラの紹介的な役割もあったりして、全体的にこれからの話に繋げるためのブリッジになった回だったと思います。
 
 個人的に気になった点が3つあります。

 まず1つ目は冒頭で一騎パパが、所詮俺らは日陰者だからミリちゃんとはいられない、みたいな事を言っていましたが、これはちょっとおかしいですよね。
 ミリちゃんと暮らしているこの現状が不味いのは自分たちが日陰者であるとか以前の問題のはずです。
 この時点ではまだ母親の人物像は掴みきれていませんし、少なくとも父親の方は自分たちで殺している訳ですしね。
 この発言はもっと後の展開で発揮されるものであり、今聞くとちょっと自分の境遇に酔いすぎな発言になってしまっています。

 2つ目は、全体的にハードボイルドさが足りていないことです。
 ミリちゃんの母親の話などシリアスなところでもどこか軽さを感じました。なんというのでしょうかテンプレートな感じが否めないんですよね。
 ああいう事を言いそうなキャラがそのまんま喋っていて、わりと重要なキャラなのに舞台装置でしかないのは残念ですね。
 そのせいか、一騎パパの台詞も浅いものだけで構成されていました。
 あのチンピラも登場して殴られて逃げるだけで何がしたかったんでしょうか。

 3つ目は、零パパの株の上げ方です。
 終盤、警察官の前で自分がパパだと宣言するいいシーンでしたが、そもそもなんであの警察官はあんなにも高圧的だったのでしょうか?
 相手迷子の4歳の女の子ですよね? 嫌がる子供の腕を強く掴むとかしないと思うんですけどね?

 いや、このシーンの役割は零パパの株を上げることで、殺し屋という裏家業をしている都合上 警察が敵役になるのはわかるんですけど、わざわざ敵役ではなく悪者にする必要はあったでしょうか?
 警官として適切な対応をしている方がより脅威に見えますし、パパ達の裏家業のリアリティも上がったように思います。

 この株の上げ方の何がそんなに不味いのかと言うと、一方のキャラを上げるために片方のキャラを下げる、という非常に安い手が使われていることです。
 この手法がすべからく悪いというわけではありませんが、主要キャラの初決めシーンで使われるとこの先の展開にどれほど期待できるのか疑問になってしまいます。

 まぁともあれ、まだ3話目まだまだ期待したいですね{/netabare}

 第4話視聴しました。
 {netabare} ミリちゃんの保育園入園回となりました。
 本作品の見どころでもある、新米パパのわちゃわちゃが存分に出ていた回だったと思います。
 
 ただ、作品の大きなラインとして社会モノをやりたいのはわかるんですが、いちいち雑なんですよね。
 保育園に入るまでの苦労をやっておきながら、最後はめんどくせぇ!でハッキングで偽造ではい解決!とかやってしまいますしね。
 その辺りをギャグっぽくしてしまうなら始めからしなきゃいいのに…。

 後、思ったことは、わちゃわちゃのところもそうなんですが、ちょっと一騎パパのキャラがいまいちよく分からないんですよね。
 子供に関することに無知で不慣れである事と、常識がない事が一緒くたにされているように感じます。
 参謀担当でありながら、保育園の下調べや貰った資料を読まなかったりとかですね。
 殺し屋に常識を求めるのも変な話ですが、バディのバランスが悪いように感じます。


 これから先、注目していきたいのは二人のパパのミリちゃんへの向き合い方が、「育児」になっていくかどうかですね。
 今はまだミリちゃんの扱いがペットとさして変わりありません。
 ミリちゃんのクソガキムーブの描写に余念がないことは結構ですが、前にも書きましたがミリちゃんにヘイトが集まり過ぎてしまうことが心配です。
 正直個人的には、色々事情があるのは百も承知ですが、何でこの子にこんなしてあげなくちゃいけないんだ、という気持ちが無いわけじゃないです。
 常識のない金持ちの育児アニメ、からいち早く脱却すること期待します。{/netabare}

 第5話視聴しました。
 {netabare} まだまだ日常パートのターン! という事で今話も割とほんわかした話となりました。
 殺し屋だという設定は一旦忘れていきましょう。
 
 冒頭、出費がかさんだ事と仕事をしていないことから金欠であることが明かされます。
 一騎パパは領収書を取っていたり、家計簿をちゃんとつけていたりするんですね。その割に考えなしに出費をしたりするので、几帳面なのかだらしないのか相変わらずよくわかりません。
 零パパはよくこんな人間にお金の管理を任せていますね。じゃあ、自分で出来るのかというと無理そうなんですが…。

 その後、仕事に復帰しようかというタイミングで保育園が学級閉鎖になって、てんやわんやとなっていきます。
 話のフックとしてこういう展開になるのはある程度致し方無いんですが、いい加減ミリちゃんの存在を足枷として扱うの止めましょうよ。
 ミリちゃん引き取ってるのも金欠なのも仕事が捗らないのも全部全部、自業自得ですよね。
 なんで全体的にちょっと被害者面してんだよ。
 
 それと、今回ミリちゃんが2人のパパの仕事について興味を示していましたが、第2話での出来事はミリちゃん的に完全にお出かけとして処理されているんでしょうか?
 銃を撃っている姿は保育園の面接官にも話すくらい印象に残っていたはずですが、忘れちゃってしまったのでしょうか。

 
 私はこれまで、ミリちゃんに対していまいち好感が持てない という旨の話を何度か書いてきましたが、何故そう思うのか5話という時間を経てようやく府に落ちました。
 それは、制作陣によって表情豊かに表現力も溢れ、EDでオシャレに着飾っていても、それはあくまでガワでしかなく「キャラが確立していないから」だと思います。
 ミリちゃんは比較的等身大の子どもとして奔放な様子が描かれていますが、かと思いきや銃撃戦の火中でも平気で笑っているような 子どもの無邪気さを詰め込まれたキャラ としての一面も見せる非常に曖昧な存在です。
 話を動かしていく役割としては力不足だと思います。
 
 また、ミリちゃんによってもたらされたモノがトラブル以外に無いというのも大きい要因ですね。
 ドタバタな感じを出すにしても仕事の邪魔をする、汚す、壊す、散らかす以外にも手はあったはずです。
 この感じが続くなら、疑似家族のホームコメディとするより、ギャグっぽく子連れ殺し屋としていた方が幾分マシです。
 これからに期待です。{/netabare}

 第6話視聴しました。
 {netabare} まだまだ続くよ日常パートのターン!
 殺し屋の設定は一旦忘れましょう…っていうかなんかもう別に殺し屋じゃなくていいですねこれ。
 7話以降の後半から活かしてくるのでしょうか。


 さて、本編です。私は今回の第6話 非常に "逃げ" の一話 だったように思います。

 まずはアバンパート、一騎パパがなにやら父親としての義務感に燃えていましたが、ここで1つ疑問 彼はいったいどのタイミングで「父親」としての自覚が芽生えたのでしょうか?
 これまでもミリちゃんを気にかけている様子はいくつもありましたが、でもそれはあくまでも保護対象としてだったはずです。
 ヤンキーミリちゃんの妄想は良かったのですが、あの年齢くらいまで育て上げるという心の踏ん切りはいつついたんだという話なんです。
 なにかそんなに親子の絆が深まるようなイベントありましたか?
 この作品において父性の芽生え、赤の他人の子を娘だと自認すること、父親として自覚すること、をすっ飛ばしてしまったら何をやってるのかわかりません。
 前回のキューちゃんの最後のセリフが切っ掛けになるのかと思っていたらこの冒頭に飛ぶんだもんなぁ…。
 父親としてちゃんとしなきゃ をギャグっぽくしてる場合じゃないでしょうよ。


 OP終わっていざ遠足へ となっていくパート、ここも色々となぁ…。
 細かいところ言うと、一騎パパがミリちゃんを迎えに来て貼り紙を見て一言「ん、明日は遠足かぁ 弁当気合い入れねぇとなぁ!」……いやいや
今ここで知る訳わけねぇだろ…。 またお前は資料とか貰ったプリントちゃんと読んでねぇのか。何故この違和感あるセリフを放置するんだ…。

 そして、ケンカのことを知らされる訳なんですがよくよく聞くと変なんですよね。
 ミリちゃんとタイガくんのやり取りを見ていた他の子が「2人がケンカしている」と先生に伝えた とのことなんですが、ミリちゃんはもちろんタイガくんもケンカしていたと思っていないなら何が問題になったのでしょうか?
 子供だから説明が上手くできないと言っても、2人に「ケンカしたの?」と聞けば、2人とも「ケンカしてない」と答えるでしょう。
 当人同士の釈明は子どもだからと無為にして、目撃した子どもの証言の方は信じるって中々に気色が悪いですね。
 タイガくんを爪で引っ掻いてしまって血が出たとかなら問題になるのもわかるんですがね。
 
 今回の諸々の件、問題は大人の早とちりでミリちゃんは意外としっかりしている子、としてしまう事になんの意味があるのでしょうか、なにが生まれるというのでしょうか。
 ミリちゃんはパパ達の影響関係なく元々いい子ということにして、子どもが衝突から学び成長するといった描写ができる機会を潰し、一騎パパ自身が親無しであるが故の「親とはなにか」という苦悩を描くわけでもない。
 
 こういった、子どもが起こした問題 というものを物語で出す場合、その子と親に対して明確な意図があるべきです。
 今回のような、問題は初めから無く子どもを信じてあげるべきだった などという耳障りだけが良いような言葉で流してしまうのは非常に悪手だと思います。
 まがいなりにも育児を主題におく物語で、「育てる」という言葉の意味合いから逃げるな。


 後、ボコられるためだけに登場したコンビニ強盗犯さん こんなものは言わずもがな最悪です。
 こんな強盗いないだろ、とかいうレベルじゃない。
 メイン軸の中身がないことを悟ってか、しっかりとオチの付け方に困っちゃってるじゃないですか笑。
 爆破オチ、夢オチとやってる事さして変わらないですよこれ笑。
 一応、拳銃(おもちゃ)を出して緊迫感を出そうとしてるのが健気ですね。

 なんですか?めちゃくちゃ眠たい時に脚本を書いたんでしょうか?

 次回、新キャラ登場でなんだか話が動きだしそうな予感ですね、そういえば2話と5話で出てきたガチ殺し屋のおじさんも未だに空気ですね。
 次回に期待です。{/netabare}

 第7話視聴しました。
 {netabare} 今回のお話はこれまでと比べると見応えのある回だったと思います。
 展開や演出はベタでしたが、ベタならではの魅力が出ていたように思います。
 
 この作品はこれまで、育児のあるある 又は 子どもが登場する作品のあるある をふんだんに用いてきました。
 この試みは確かに共感を呼ぶという目標は達成していたように思いますが、あるある を用いてのプラスアルファがなかなか見受けられませんでした。
 あるある を使っての展開作りというよりも、この あるある をやりたいが為の展開 と言ったところでしょうか。
 これをすると話が総じて薄い印象になったり、行き着くところまで行くと前回の話のようなことになります。

 さて、今回はどうだったでしょうか。

 今回は「非協力的なパートナーに堪忍袋の緒が切れる」というものでした。
 本物の家族ならなかなか笑えない展開になるところですが、深刻さも出しつつポップな感じで進行することができました。 疑似家族ならではですね。
 さらに言うと、一騎パパに一人で思考させる時間を生み出し過去のことに触れる切っ掛けにもなっていました。
 正に あるあるを用いてプラスアルファを生み出す、今話でようやく あるあるが正しく運用されたように思います。

 
 では中身についてです。

 まず冒頭、すごく細かいところで重箱の隅をつつくような指摘なのはわかっているんですが、一騎パパはなんであんな門のところで待っていたんでしょうか?
 普通、先生たちが立っている所まで迎えに行ってそのまま待ちませんか? 雨も降ってんだし。
 このシーンでの目的は一騎パパのトラウマスイッチを押すことなので、そこに至るまでを省エネするにしてももっとやりようはあったように思います。

 その後、家事に忙殺される一騎パパは幸せについて考えます。
 ここで1つ疑問なんですが、そもそも一騎パパは幸せになりたかったんでしたっけ?
 自分のせいで妻を殺してしまったと自罰的になり、贖罪のため生きていたんじゃなかったでしたっけ?
 このシーンの時点で自分の幸せを考えているのは些かおかしいような気がします。

 そして、俺はお前らの家政婦じゃない!とキレるシーン。
 ついつい一騎パパに同情し肩入れしてしまいそうですが、よくよく考えると一騎パパって家政婦みたいなもんですよね。
 第1話の時から、掃除洗濯炊事を一手に担っていたように思います。
 その時の零パパの「居候…」というセリフから、収入の大部分を 受け取ってもらえない仕送りにあてている一騎パパを家事と引き換えに住まわせていることが分かります。
 もしかすると、食費や光熱費も出してもらっているかもしれませんね。
 つまり、一騎パパがやっている家事のあれこれは善意からの行為ではなく、正当な対価であるように思います。
 ですので、今回のキレ方は割と逆ギレと言っても過言ではありません。
 ミリちゃんについてのことも気持ちは分かりますが、拾ってきたのは一騎パパですしね。
 中途半端に手を出すなという自分の言葉が特大ブーメランになって返ってきてしまいましたね。


 場面変わってキューちゃんに愚痴る一騎パパ。
キューちゃんから楽しそうで変わったな、と言われますがいまいち得心しかねます。
 前にも書きましたが、ミリちゃんによってもたらせたものがないので、変わったなと言われてもピンと来ません。
 5年前と比べてということかもしれませんが、こいつは殺しのために特大ケーキを拵えたりと意外と楽しそうだったように思います。


 かりんちゃん登場により一騎パパのトラウマが明らかになりました。
 そりゃあんなピタゴラスイッチ的に事故がおきてしまっては自分を責めるしかありませんね。
 そして、何故か当然のように墓地でエンカウントするかりんちゃん。
 向き合って話すことで元気になった一騎パパ。
 正直1話から振っていた割にえらくあっさりと解決した感じは否めません。
 「一騎も前に進もう、その方がお姉ちゃんも嬉しい」この一言で吹っ切れてしまう程度のことだったんですね。
 何より気持ちの整理をつける場面でミリちゃんのことをほっぽって来ているのはなかなか致命的な気がします。
 ミリちゃんとは関係ないところで勝手に吹っ切れてどうする。
 なんらかの理由をつけてミリちゃんと一緒にお墓参りにきているところにかりんちゃんと出会うで良かったんじゃないでしょうか。(親戚の子を預かっていると聞いているうえで)
 かりんちゃんは一騎が殺し屋をやっていて、預かっている子どもというのが、自らが父親を殺して成り行きで預り始めたものだと知ったらどんな顔するんでしょうね。
 
 これから先、殺し屋をやめるにはみたいな感じで展開していくんでしょうか。
 

 それにしても、下倉バイオは愛する人を人的要因の事故で亡くしてしまった悲哀、みたいな設定好きですね。 {/netabare}

 第8話視聴しました。
 {netabare}今回のお話は零パパのパーソナルなことが語られたり、一騎パパとの出会いの回想があったりと注目ポイントの多かった回だと思います。
 そしてなんと言ってもアクションシーン、とても格好良かったですね。
 スピード感や迫力は勿論のこと、アクションの中に展開があったのも素晴らしかったです。
 また、激しい戦闘の中でもキャラの表情はお互いのことを知っているが故の心情の乗った渋い表情が描かれ、トータル非常に"魅せる"アクションシーンだったと思います。
 零パパは前回から、真っ当にこの作品のテーマに沿った姿を見せてくれますね、一騎パパと違って。
 本当に良いアクションシーンだったので、スーパーで買い物してる一騎パパの後ろの商品棚の距離感がバグっていたり、かと思ったら次のカットで魚から肉に変わっていたりしたことはスルーしましょう。

 
 今話は概ねつつがなく進行していったと思うのですが、やっぱりどこか小骨が引っ掛かる感じがするのは一騎パパなんですよね。
 最初の電話のシーン。帰りが遅くなることを伝えた零パパに対して「こっちにも都合ってもんが…」と返します、気持ちは分からなくもないですがそれを言ったらブーメランになることが何故わからない…。「仕事か?」の一言が何故言えないんだ…。
 この辺りが一騎パパの気持ち悪いところなんですよね。
 
 後、個人的には正直 一騎パパが迎えに来たことによってシーンが非常に盛り下がったように感じました。
 電話した直後にもう車で到着している、とか どうしてもちょっと展開的にゴリ押し感が否めないんですよね。
 電話を切られた後の一騎パパが行動に移すまでのカットがあるとか、時間経過がわかるカットがあるとかのフォローが必要だったと思います。
 そして、零パパの「ミリを置いてきたのか」という当然の疑問に、一騎パパは「心配ない」と一蹴。これ、なんの根拠もないですよね?
 
 そして、車内で2人が出会った頃の話が語られます。
 2人が共同生活を始めるまでがサラッと明かされましたが、一騎パパは奥さんを亡くしたダウン時期を如何様にして抜け出して一緒に住もうとなったのでしょう?
 ボスパパに会うのは3年ぶりということから零パパが1人暮らしを始めたのがそのくらい、事故から2年程しか経っていません。
 しかも、その頃から掃除や炊事をバリバリこなしていた模様、一騎パパメンタル強いですよね。
 もちろん、悲しい出来事があったら生活が滅茶苦茶にならなければいけない なんてことはありませんけどね。

 しかし、そうなると というかそもそも、一騎パパはなんで殺し屋やってるんでしょうね?
 そのメンタルの強さと生活力があれば別の道もありそうですが。
 第3話で、親無しでグレてそのままこうなった と言っていましたが、奥さんを亡くしてからも続けている理由はよく分かりません。
 ボスパパにも腕は三流とか言われていますしね。
 零パパやコンセプトおじさんはスタンスがハッキリしているんですが、一騎パパは謎です。
 なんとなく社会悪がターゲットになっているようですが、本人にそういった目的があるわけではない。
 一騎パパについて心象があまり良くないのは、立ち位置がふわふわしているから ということがありそうです。

 今後、あのコンセプトおじさんが敵となり、奥さんの仇みたいになるのでしょうか、ちょっとしょうもないですね、次回に期待です。{/netabare}

 第9話視聴しました。
 {netabare}前回は総集編だったので、一週飛んでしまいましたね。
 総集編のタイトルを「intermission」=幕間 とか「cherry pick」という風にちょっとでも良さげな感じにしているのは、なんだか健気でかわいらしいですね。


 さて、本編です。 と、言いたいところですが、今回のお話は 保育園の運動会に行きました、楽しかったです。 と、まぁこんだけです。
 良くも悪くも中身のないほのぼのとしたお話でした。 前回の不穏な引きは一旦忘れましょう。
 一応、零パパの心境の変化や家族の絆風なことがありましたが、個人的にあまり印象に残らなかったのは、ミリちゃんとはともかくバディ同士の繋がりがいまいち弱いことにありそうです。
 二人の出会いについては前回で終了なのでしょうか。
 まだまだビジネスパートナーという印象が強いなか、俺たちは家族だ!と一足飛ばしに言われてもなぁ。
 というか、親子参加レースの借り物お題が「かぞく」って、なんか頭痛が痛いみたいなことになってますね。

 cパートにて、コンセプトおじさんが久ちゃんに依頼の催促的なことをしていましたが、運動会での写真をパシャパシャ撮ったりできるならもう自分で調べたらいいのに笑
 次回への引きが前回と全く同じになってしまいましたがこれはいいんでしょうか、次回に期待です。{/netabare}

 第10話視聴しました。
 {netabare}今までの話の中で一番良かったように思います。
 ミリママは久しぶりに登場して事情をペラペラと喋ってくれました。
 彼女の言葉にはなにか裏があると思うのは勘繰りすぎでしょうか。
 場面変わって楽しいお出かけシーンの中には、葛藤や諦念 哀愁を感じることができ、これまでの積み重ねも大したものではないにしろ作用していました。
 続きが気になりますね。


 私は今話が一番良かったと書きましたが、何故そう思ったのか、それは この「Buddy Daddies」という作品の"切り札"である「疑似家族の解消」が使われたからだと思います。
 上手く切り札を使えたことに安堵しつつ、同時にここから先が本作品にとって正念場になると身構えさせられました。
 残り2話、これまであれやこれやと書いてきましたが、ここの2話をきちっと締めることができれば御の字だと思います。ぬるい結末だけは勘弁してほしいですね。
 本当にここからの2話の出来にこの作品の命運がかかっているといっても過言ではありません。
 

 これは完全な妄想なんですが、最終話らへんで時系列がいきなり飛んだりしそうですよね。
 高校生くらいになったミリちゃんがお母さんの遺影に手を合わしてから、「いってきます」って学校にいくみたいな登場しそう。
 6話の時に出た、成長したミリちゃんが伏線になってたりしないでしょうか。
 そこからなんやかんや事件に巻き込まれて、見ず知らずの殺し屋に何故か助けられる…みたいなことありそうです。
 ミリちゃんは2人と暮らしていたことはほとんど覚えていないけれど、3話のときのミリちゃんの「困ったとき助けてくれるのがパパだよ」という台詞が伏線として機能したりしないでしょうか。
 ただの妄言ですけれど。

 いずれにしても次回以降に期待です。{/netabare}

 第11話視聴しました。
 {netabare} ミリちゃんがいなくなって生活のハリがなくなってしまった、一騎パパと零パパ。
 哀愁を漂わせながら会話する二人の様子が印象的でした。
 
 零パパはボスパパに会いに行き、そこでミリちゃんに危険が迫っていることを知ります。
 ボスパパは殺しが完了してから零に報告すればいいものを、先んじて伝えてしまうなんてよっぽど言いたくて仕方なかったんでしょうね。可愛らしい一面を垣間見ました。
 この終盤にあたってとても分かりやすく悪役を引き受けてくれるボスパパに感謝ですね。

 そして、コンセプトおじさんのお仕事の時間です。
 相手の最後の言葉を聞くため即死させないというおじさんの信条は、作品の展開上 都合が良くて助かりますね。
 一騎パパの頭脳プレイ(笑)は相変わらずガバガバですが、作中で散々 三流だ三流だと言われているので流しましょう。
 それにしても「警察って知ってるか」のくだりは大分ダサかったですけどね。ニヒル気取ってる感じがラノベ主人公的と言うか、厨二病的というかなんと言うか…。 もっと普通に殺し屋がすぐ警察に頼るっていう裏切りの感じでいいのに。
 というか、第3話で警察をあんな感じに描いておいてよくもまぁ…。


 いや、そんなことより、ミリちゃんのママ殺されちゃいましたけど…。それも とばっちりで。
 唐突に改心して登場して実は病気でしたって同情引いたのに、次話で殺すってなんだかなぁ…。
 ミリちゃんを親から引き剥がしといた方が作品の都合上良いからって、これはないでしょうよ。
 なら、最初から孤児って設定で良かったやん。
 

 セーフハウスにて、これからについて言い合う二人のシーンはバディっぽくて良いなって思いましたけど、もうだいぶ取り返しつかなくなってる状態で守るだなんだ言われてもしょうがない気がします。
 マジでミリちゃんに関わるべきじゃなかったですよね、ミリママも中途半端に実はいい人ムーブをしてしまいましたし。
 どうせ殺すなら、クズキャラを全うした方が良かったように思います。

 もうほんわか家族模様を見せられてもちっとも笑えませんが、これからあの二人がミリちゃんにどう接するのかは見ものですね。
 
 当初の予測通り、殺し屋をやめる という方向性で行くようです。
 具体的にどうするのかはめちゃくちゃフワフワしてますが、基本的に1話完結で進んできたこのアニメで目標らしいものが設定されたのは良いことですね。
 次回に期待です。 {/netabare}

 最終話視聴しました。
 {netabare} 迫る組織の魔の手からどう逃れるのか!?という問題に、テンションで乗り切るという見事な手法を披露してくれました。素晴らしいですね。
 どうせ追われるなら、カチコンで暴れてやるぜ!はヒャッハー過ぎませんか?
 逃げることはできないけど、殴り込んで暴れて生きて帰ることはできる勝算ありなんですか、んなバカな。

 前回、零パパから考えるのはお前の方が得意だろ!と発破をかけられていたので、何か作戦の一つや二つ考えてくれるもんだと思っていましたが、「たった一つの冴えたやり方さ」とか零パパにツッコまれる程のテンションの高さなどのギャグっぽく済ましてしまいました。 参謀としての見せ場なしですか。

 というか、そもそも、組織としてはあまり関係ないミリママを殺しただけで標的(最優先はミリちゃん、次いで一騎パパもかな)は逃している状況で、パパ達にとっては非常にピンチのはずです。
 何を呑気に家に戻ってフレンチトースト焼いとんねん。
 何を普通に保育園の送迎やってんねん。

 前回に書きましたが、ほのぼのされても「でもお母さん殺されてるしな…」という考えが脳裏をよぎります。


 なにはともあれ、諏訪家の門前までやってきました。
 ここで一つ疑問なんですが、なんで一騎パパから仕掛けてんですか。一応は話し合いに来たってスタンスなんですよね?
 だいたい、このカチコミ自体のゴールはどこなんですか?
 なにがどうなれば成功なんですか?

 零パパが屋敷には8人って言ってましたけど、なんか詰所みたいな所にいた人たちはカウントしないんですね。
 ってか早々に8人以上出てきてますけど、なんなんですかね。

 そこから、コンセプトおじさんとの戦闘になります。
 おじさんは公式ホームページには仕事を求めては各地を転々としている、とあるはずなんですが、このおじさん何でそんなに組織に忠誠を誓っているんでしょうね。
 
 零パパも話し合いに来ただけだ!って自分たちから仕掛けといてそりゃ無理がありますぜ…。
 下っぱ達も一応まだ次期当主であるファミリーの御曹司を容赦なく撃ちますね。
 下っぱにしてみれば零パパを殺してしまった時の方がまずいことになりそうですが。
 
 コンセプトおじさんの裏切り者宣告によって誤魔化されそうになりますが、零パパは家に来た時点では別に裏切ってないんですよね。
 ほんと何であそこで仕掛けたんだ…。

 おじさんとの決着は、自身は最後の言葉を残すことができなかったという皮肉めいたもので良いなとは思ったんですが、同時に惜しい気もしました。
 最後の刺され方、プロの零パパの不意打ちは避けられたのに、一騎パパのはくらっちゃうのか…。
 何故、おじさんは壁に首を両手で絞めながら押し付けるという分かりやすく背中をがら空きにしてしまったんでしょう。
 そんなに零パパに因縁ないでしょうよ、あんた。

 
 応急措置も済んで、ボス部屋とたどり着きました。
 ボスに対して護衛の一人もいないって、ボスの人望が心配ですね。
 
 零パパがケジメとして腕を撃ち抜くのは漢気が溢れていて格好良かったですね。
 ですが、ボスパパの言い分によるとここで重要視されているのは殺し屋としての腕前ではなく、諏訪家の血筋そのものな気がしますね。
 ボスパパにしてみれば、腕なくても継いで欲しいなぁ…が本音でしょうね。
 その後、クリスマス会に出ることもできて良かったですね。

 場面変わってエンディング。
 私の妄言が一部ですが的中してて驚きました、行ってきます のところで吹きました。
 ただ、ボスパパに私が死んでも組織から追われるぞと脅されたのに、高跳びしたりせず普通に日本で暮らしてるのはなかなか舐めプをかましていますね。
 まぁでも、ただただ気の毒な子供になってしまったミリちゃんがハッピーエンドを迎えられて良かったですね。{/netabare}

 全体を通して
 {netabare} 私がこの作品になにか言葉を贈るなら、「見通しが甘い」だと思います。
 物語の序盤から、なんだったらイントロダクションを読んだ時から、さらにさらに言うならこういう設定にした時から、当然出てくるような疑念や障害にほとんど答えることができませんでした。

 殺し屋がバディを組んでいると聞いたら、そのバディの間にはどんな関係性があるのだろう となるのは当然でしょう。
 子供の父親を殺し更に自分たちがパパだ嘘をつけば、そんな誤魔化しでいいのかという疑念は当然出るでしょう。
 ミリちゃんのクソガキムーブが出れば、二人が「育てる」ということにどう向きあうかが気になるのは当然でしょう。
 殺し屋と育児は両立できるのか!?と言われれば、お仕事描写と育児描写のバランスが気になるのは当然でしょう。
 母親が戻りミリちゃんが二人の元を離れたなら、今後はどう関係を持っていくかが気になるのは当然でしょう。
 自分たちのとばっちりで大好きなお母さんも殺されてしまった子にどう接するかが気になるのは当然でしょう。
 殺し屋をやめると言うなら、何故殺し屋をしているのかが気になるのは当然でしょう。(一騎パパお前のことだぞ。)
 

 これらの事に対して、尺が足りなかったとか他に優先したい事があった とはとても思えず、逃げやがったなテメー、という気持ちの方が大きいです。
 話のとっかかりや主題を決める際に時代の流行を意識しただけで、やってること「東京24区」の頃と変わんないじゃないですか。
 話作りの難しいところをサボるなってば。
 
 そんなんだから、この作品にとってミリちゃんの存在がほぼペットと同義になってしまうんですよ。
 パパ達もミリちゃんを可愛がることはしても「育てる」ことはしませんでしたしね。

 家族愛というのはいつの時代もうける不動のテーマだとは思うんですが、本作品にしてみればこのテーマで特に言いたいことはなく、かといって冷静に武器として扱うこともできなかった、というところでしょうね。
 更に言うと、二人のパパという家庭環境や保育園に入るためのハードル などの社会的トピックスについて、出来もしないくせに中途半端に手を出すのは本当に下倉バイオの悪癖だと思います。
 
 この作品を語る時、どうしても某スパイ作品がよぎってしまいます。
 大雑把なジャンル分けだけで比較するのは不粋だと思いますが、オリジナルアニメーションでありながら世相の流行作品と比べないで欲しいというのもまた無理があると思います。
 真剣に見た身とすれば、某作品との狙いの差は分かりますが、「あ、流行にあやかろうとして上手くいかなかった作品だ」という意見に反論できないのは悲しいですね。

 次の下倉バイオ作品に期待ですね。良い意味でも悪い意味でも。
{/netabare}

投稿 : 2023/04/05
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