「錬金3級 まじかる?ぽか~ん(TVアニメ動画)」

総合得点
60.9
感想・評価
96
棚に入れた
384
ランキング
5546
★★★★☆ 3.6 (96)
物語
3.4
作画
3.5
声優
3.8
音楽
3.5
キャラ
3.8

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ネタバレ

レトスぺマン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

没個性も立派な個性となる

長文のため本文はネタバレで隠します。

{netabare}
本作は2002年放送「おねがいティーチャー」のスタッフ+αで作られた作品であるが、その割に知名度はかなりマイナーとなってしまった印象がある。

その理由として、一つは本作が放送された2006年の春というのは、有名作品が多数放映された時期でもあり、それらに埋もれてしまったこと。
もう一つはキャラクターを一目見ただけでは、当時のどこにでもありそうな「ブヒリティの高いアニメ」の一つとして認識されてしまったことが要因ではないかと思われる。

そのため、時を経ていくごとにマイナー度は高くなり、評価する人も少ないから作品全体の点数も低くなってしまうわけだ。
しかし、よくよくエピソードを見ると悪いどころか結構良い出来なのではないかと思えてくる。

本作は魔界からやってきたプリンセスの主人公ゆうまが、「錬金術3級」の資格しかないために魔法に失敗して、同じ魔界からやってきたキャラであるパキラ、りる、鉄子を巻き込んで馬鹿騒ぎしたりするドタバタコメディである。

この通り、個々のエピソード一話一話は上記の流れで進み、内容もくだらないものが多く、一応ストーリーの基本となる起承転結はあるものの【結】の部分であるオチがあるのかないのかの微妙なところだ。

だから、初見の人は「?」としか思えず、また題名の通り「ぽか~ん」状態になってしまうことも考えられるわけだ。
そして先述の通り、キャラ自体も「ブヒリティの高いアニメ」やそれにおけるテンプレ感があって新鮮さもあまりない。

しかし、それこそがこの作品の良さともいえるべき部分であるのではないか?
その理由としてまず初めに、ここまで列挙した【くだらない話】【魔法】【魔界から人間界へ】【オチの弱さ】といったものは子供向けのアニメにありがちな話でもあるわけだ。

そしてそれらを萌え的なキャラクターで再現すると、可愛さによって物語自体のインパクトが強いものとなる。
そこから、視聴者が萌えアニメにハマる前に見ていた子供向けアニメのワクワク感や、そのころに帰らせるような気分を引き出してくれたりするわけだ。

だから、子供心に戻りたい気持ちを持っていればハマりやすいし、逆にそういった気分に乗れないと極めて「ふつー」の物語となってしまうわけだ。
だから、本作は老若男女問わず見れる作品というよりは、限られた中での内輪的なお祭りがどこかで発生すればOK的なノリで作られている作品なのだと思う。

それは、逆を言えば大衆向け作品にはないエアポケット的な良さがあると言えるし、本作を見ることで喧噪から外れた雰囲気が味わえ、なおのこと子供の純粋な心に帰らせてくれるということだ。

そしてもう一つのこの作品の良さを挙げるのならば【くだらない話を続けた後の最終回】だ。
本作の最終回は主人公ゆうまが初めて魔法に成功(?)する話だが、この最終回もそれより前の話を見ないで視聴しても、イイ話だが印象には残りづらいかもしれない。

しかし、23話まで延々と見てきた視聴者にとってはくだらない話と子供心で【洗脳】をされた事もあり、この話がすごく感動してしまうと思えるのと同時に、本作の本質がドタバタコメディではなく実は【ゆうまの成長物語】であったことがわかるわけだ。

つまり本作は端的に言えば【既視感】の集まりといえる。
しかしその【既視感】を2006年当時のアニメ技術とタイアップさせることによって、ハマれる人にはめちゃくちゃハマれる作品特有の【個性】を導き出してくれる意味では、ほんの少しでもいいからもうちょっと評価されてもいいのではないかと思えてしまうのであった。
{/netabare}

投稿 : 2023/07/21
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