「オーバーテイク!(TVアニメ動画)」

総合得点
68.3
感想・評価
104
棚に入れた
250
ランキング
2094
★★★★☆ 3.5 (104)
物語
3.5
作画
3.8
声優
3.5
音楽
3.4
キャラ
3.3

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ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

名作一歩手前の良作でチェッカーを受けた感じ。

詳細は公式でも。

F4(フォーミュラ4)を題材にしたオリジナルアニメ。制作はTROYCA。監督は「Fate/Zero」「アルドノア・ゼロ」「Re:CREATORS」などを手掛けたあおきえい氏です。

いや、まいりました。
こんなダークホースが潜んでいたとは。

TROYCA社長、あおきえい監督、KADOKAWAの間で交わされた雑談の中で、F4が面白いという話になったことが企画の端緒となったそうです。ちなみに、本作はTROYCAの10周年記念作品に位置づけられています。

んで…

=====第1話視聴後、所感です。
{netabare}
何かトラウマを抱え、人物撮影ができなくなったフォトグラファー・眞賀孝哉(CV:小西克幸さん)が、SUPERGTの撮影を行うことに。

相変わらず車など無機物の撮影はできるものの、人物に対してどうしてもシャッターを切れない孝哉。そんなとき、ふとしたきっかけでF1の下部組織であるF4という存在を知る。

参加するチームはF1以上に目的がそれぞれ。ガチ勢は少しずつランクアップしてF1を目指し、チームのおっさんオーナーがフォーミュラカーのドライバーをやりたいというエンジョイ勢もいる。そんなF4に参戦する弱小チーム・小牧モータースのドライバーである浅雛悠(CV:古屋亜南さん)に心惹かれ、孝哉はリタイアした悠の姿を写真に収めるのであった。

という初回の内容。

まず作画。さすが実績のあるTROYCAだけあって、キャラデザも良好。そして、なんといっても圧巻だったのはレースシーン。3DCGですが実車の製造メーカーである童夢から監修とフィードバックを受け、制作が進められているとのことで実にリアル。思わず鳥肌が立つほどでした。

ストーリーも、あえてのフォトグラファーという外部からの目線をメインに、F4に懸ける男たちの姿を描くという、スポーツアニメの王道といったところ。孝哉のトラウマの原因や、悠に惹かれる理由といった謎なども散りばめられ、視聴意欲を刺激していく感じ。

激戦が予想される秋アニメレース。強大な資本を盾に、2時間SP、3話ぶち抜き放送という物量作戦を展開するチーム日テレの1stドライバー(フリーレン)、2ndドライバー(薬屋)。これに対し、10周年記念作品でも初回は通常の30分枠。オリアニだけど大々的なPRも行われず、下馬評はまったく無印。

でも、まさに本作の内容みたいに、チーム「ベルソリーゾ」を追い上げていくチーム「小牧モータース」のように、初回は本作がポールポジションを奪った印象です。今のところ。

面白いです。これはダークホース中のダークホースになると予想します。
{/netabare}
=====第2話視聴後、追記です。
{netabare}
面白いんですよ。面白いんだけど、主人公をアホにして話を動かすのは悪手でしかないです。

いくらなんでも、大のオトナがF4とはいえ、スポンサーになって出資するのに金銭感覚がお子様すぎやしませんか?
まあ、そこで挫折して、スポンサーを募るのに車体ステッカーを活用しようという、いくら世間知らずでもそれぐらい知ってるでしょという流れ。

こういう展開にしたいから、主人公がそんなことも知らない、そんなことにも気づかないというのは、ちょっと…

とは言え、まだ面白いとは思います。巻き返しに期待。
{/netabare}
=====第3話視聴後、追記です。
{netabare}
悠を騙し討ちでCM出演させることで、清涼飲料水メーカーがスポンサーになったよというのはちょっといただけない展開でしたが、ベルソリーゾのセカンドドライバー・徳丸をかわして4位に入ったという熱い展開はなかなかよかったです。

うん、まだ上位争いできているかな。
{/netabare}
=====第7話視聴後、追記です。
{netabare}
本作と、今期放送中の「SHY」を観ていて、1クールアニメって駅伝に似ているなあという思いが生まれました。

1クール12話すべての話を面白くするのって本当に難しい。
本作で言えば、5話の市民マラソン回。いや、マジで本当に必要のない面白くもない回でした。まあ、いわゆる「溜め回」だったのは理解していますが、それにしたってねえ…

で、前回のベルソリーゾのファーストドライバーがレース中の事故。で、その引きを受けての今回。またも孝哉が人物撮影にトラウマを感じてしまうといった展開。非常に観応えがあって面白い展開になってきました。

なのでまあ、5話が大ブレーキになったとまでは言いませんが、区間6位ぐらいの走りだった印象。それぐらいで落ち込みを抑えられれば、ここから終盤に向けて上位キープは可能ではないかなという。ただ、トップ陥落というのは致し方ないところではありますけどね。
{/netabare}
=====第9話視聴後、追記です。
{netabare}
孝哉を探して東北まで行く悠。
「めっかっちゃった」とばかり、見つかった孝哉は用があるから、まだ帰れないと。んで、待ちの時間があるので、と東北の町をイチャコラデート。

おいおい、BLくせえなあ…

と鼻白んでいたら、Bパートで一気に巻き返されました。
孝哉の人物を撮れなくなった本当の理由を知る悠。震災の(津波の)描写があります。ある意味では、日本国民のトラウマ。かなり攻めた内容です。

でも、決して不謹慎ではないです。涙が止まりませんでした。こういう話を持ってくるから、本作を高く評価しているんですよね。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
うん、いい最終回でした。

F4というマイナーなモータースポーツを題材にした本作。
ただ、テーマ性としてはW主人公のトラウマを払拭して、勝利を掴むといったお話。それが父の死であったり、東日本大震災の記憶であったりと、けっこう重めな設定というところが、スコーンと底抜けに明るい話ではなかったという印象でしたね。

作画は非常に高いレベルで安定していました。特に感動したのは、レースシーンのCG。もちろん、フォーミュラカーのようなものこそCGの独壇場ではあるのですが、それにしてもレースの臨場感を非常によく再現していたと思います。

まあ、基本的にモチーフが男の世界だから、ウィーアーオールメンにならざるを得ないし、終盤は悠の孝哉に対する態度が非常にホモくせえと感じてしまった嫌いはありますが、ギリといえばギリセーフというところ。

これは賛否あるかもですが、F4でさまざまなチームが参戦しているのですが、完全にスポットライトを小牧モーターズとベルソリーゾに絞っているのは好判断だったと思います。これで他チームのライバルとか出しちゃうと、話がブレますんでね。

総じて満足度の高い作品でした。ただまあ、これは上記で挙げた登場キャラを絞った弊害かもしれませんが、1クール12話すべて意味のある話だったかというと、そうでもないという部分があったと(特にマラソン大会は要らなかったねぇ…)。そういった面で傑作とまでは呼べませんが、かなりの良作に仕上がったというところでしょうか。
{/netabare}

投稿 : 2023/12/21
閲覧 : 674
サンキュー:

4

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