「坂道のアポロン(TVアニメ動画)」

総合得点
86.3
感想・評価
2171
棚に入れた
10041
ランキング
202
★★★★☆ 4.0 (2171)
物語
4.0
作画
3.9
声優
3.8
音楽
4.4
キャラ
3.9

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ネタバレ

ほるん吹き さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

甘酸っぱい、爽やかな青春モノ

ジャズを通じていつの間にか友達になった薫と千太郎。

二人は体格も性格も違うし、家庭環境も違う。だけどそんな二人だからこそ惹かれあう。千太郎の自由で奔放なところに薫は惹かれ、薫の人間関係を大事にしようとするところに千太郎は惹かれました。

ケンカをして心がすれ違い、不器用同士なかなか仲直りできないこともしばしばありました。
そんなモヤモヤする感じも、たった1回のセッションで全て吹き飛ばし、またすぐに心が通じ合える。仲直りするのに2人には言葉なんていらないんですね。

そしてそのジャズの演奏シーンこそこの作品の一番の見どころ。
作画スタッフ死ぬんじゃないかと思うくらいとにかくよく動き、特殊なエフェクトを使ってるわけでもないのに演出は迫力満点。ちょっとした仕草やアイコンタクトにまでこだわっていて、作りの繊細さにも驚かされました。

{netabare}ジャズはほとんど聞いた事がありませんでしたが、とりあえずアポロンのサントラはとっくに放送終わった今でも聞いていますw
ということで、作中で使用される代表的な曲について、感想やそれにまつわるエピソードなど…(曲目解説はもっと詳しい方のレビューを参考にどうぞw)


Moanin'
 
この曲を聴くとどうしてもNHKのとある番組を思い出してしまいますw 
千太郎のドラムを聴き、ジャズの魅力に触れた薫が最初に手にしたレコードの曲でもあります。叔母さんがいない間にピアノを使って必死に練習しているシーンが印象的でした。
「スウィング」の仕方が良く分からない薫は、とにかくレコードを聞いてはピアノを弾いての繰り返し。独学でマスターしようとしていきます。このシーンが私にとってあるあるネタ過ぎて少し笑ってしまいました。
 中学生の私、とても好きな曲があったのですが楽譜を手に入れる事が出来ず、仕方ないのでCD聴きながら、楽譜を書くこともできない私はカタカナでドレミの音階を起こしていました。弾いてみて分からなくなったり間違えたりしたらまたCD聴いての繰り返し。そうやって試行錯誤しながら楽譜(正確にはカタカナの羅列w)を仕上げた記憶があります。
まぁ薫とは次元の違う話ですけどねw


Someday My Prince Will Come

 この作品の主人公の薫は勉強こそできるものの、ケンカは弱いし人とのコミュニケーションも苦手で、最初はあまり良い印象がありませんでした。
 そんな印象を一気に払拭したのはりっちゃんへの告白。この曲を弾いた後に薫が、「君の事が大好きなやつがここにいるよって、それだけ伝えたかったんだ。」と一言。直球でしたね~。しかもまだ3話だったのに!(何話でも関係ないですけど)
 薫は恋愛に一途で積極的であり、それ以外にも思った事は実行する、といった意志の強さがあり、最終的にはとても魅力的なキャラに仕上がっていったと思います。


But not for me
 
落ち着いた雰囲気の楽曲で、ヴォーカルの甘い歌声はつい聴き惚れてしまいます。
え?淳兄トランペットだけでなく歌もいけるの!?と驚いたのはこの曲の演奏。トランペットだけでもカッコイイのにそんなんまで見せられたら惚れてまうやろー!!と百合香さんだけでなく視聴者みんなが思ったはず! 
淳兄と百合香さんといえばオトナ~な恋愛を見せてくれました。
淳兄は百合香さんの事を想うがゆえ、彼女の将来や世間体などを第一に考え、深い仲になろうとしませんでした。でも実際のところ、百合香さんにはそんなことはどうでもよく、淳兄への想いの方が強かったんですよね。9話のラストシーン、そして百合香さんも淳兄を想うがゆえ、彼の意志を尊重して別れを決断。ああもうこの二人は終わりなのか、と思った電車が閉まる瞬間、淳兄が百合香さんを列車内に引き込む! 
いつもクールでカッコつけた淳兄らしからぬ大胆な行動でしたが、本能ではやっぱり彼女と一緒にいたいという思いがあって、とっさに手がでてしまったんでしょうね。
何にせよ、この2人としては良い結末になってよかったです。


バードランドの子守唄(Lullabys of Birdland)
 
第5話、薫が母親との再会を約束し、そのとき一緒に演奏しようと渡したレコードの曲。これもまた綺麗な歌声、優しい雰囲気に包まれた名曲ですが、作中で使われるタイミングも絶妙すぎる!
最初は母親との再会を多少はためらっていた薫。無事再会を果たせたのは、一緒についてきた千太郎のおかげと言えるかもしれません。
母に会い心のわだかまりも解けていく薫。
失恋した事も打ち明け、笑っておもしろおかしく話す事でそんなことちっぽけでどうでもいいように思えてくる。
 薫の心理面回復のエピソードでした。

My Favorite Things

 そうだ京都へ(ryのCMでよく聞く曲。サウンドオブミュージックの曲としても有名です。
 何と言っても2年の文化祭、ハプニングの場つなぎとして薫がこの曲を演奏し出したのが印象的です!
それまでケンカしていて距離を置いていた千太郎との絆を取り戻すきっかけとなるシーンでもありました。
噂を嗅ぎつけて次々集まってくる生徒たちもまた高揚感を誘い出します。演奏シーンにつられて、彼らの動きもまたヌルヌルだったのもおもしろかったです!
この曲に続いて、Someday My Prince Will Come、Moanin'が次々演奏されていき、観客はすっかり彼らの演奏に心奪われていきました。
 そして演奏を終えた二人は湧きあがる観客を尻目に、逃げるようにその場を去っていく。
普段は地味~な学校生活を送っている薫や、ケンカっ早くてみんなから避けられてる千太郎が、こうやってみんなの注目を集め、声援に包まれているのはなんだか感慨深いです。
いや~個人的には2012年全アニメ中最高のエピソードといってもいいくらいの素晴らしい出来でした!!
この曲については最後の文化祭で、りっちゃんヴォーカルつきバージョンが聞けなかったのが唯一の心残りです。



曲とは関係なくだいぶ話が脱線してしまいましたが、ここまで読んで下さった方々ありがとうございましたm(__)m{/netabare}

投稿 : 2012/11/12
閲覧 : 334
サンキュー:

35

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