「新世界より(TVアニメ動画)」

総合得点
87.4
感想・評価
3341
棚に入れた
15918
ランキング
149
★★★★☆ 3.9 (3341)
物語
4.2
作画
3.6
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
3.8

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ネタバレ

plm さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

静かなる残酷さ

この作品は本当に鋭い内容で、怖ろしく残酷なメッセージを無情に表現してしまっている。
最終話の言い様も知れぬ静かなる凄惨さは、切なくも胸を衝かれ複雑な感情の余韻が後を引いた。

最後の出来が素晴らしかった、それゆえに中盤の作画・演出崩れでネタ的に観ていたのが口惜しい。
しかし終わってみれば、原作の力の大きさを感じさせてくれる程には優れた出来だったのかもしれない。
作画は最たる不信要素だったが、ベースは味のある"影なし作画"が挑戦的かつ斬新で好きだった。
欠点は目立つが、アニメ化としての魅力も存分にあったと思う。

「呪力」ヒトには強大すぎる超能力を手にした世界で、それがもたらす影響と悲劇とは。
――想像力こそが、すべてを変える。 想像力を欠く愚かしさと、想像力を尽す無限大を感じる物語。

最終話視聴後感想 ネタバレ含む
{netabare}
 悪鬼と呼ばれた子や、奇狼丸の最期に心の痛みを感じると同時に、
それは弾け飛んだ雑兵バケネズミたちにも重なり、早季たちとの感覚とのズレを感じてくる。
バケネズミに対する憐みなどあってないようなものだった。

そして感情的視点は次第に逆転していく、今まで抱いていた立場の意味が変わってくる。
――偽りの神に抗え それはこの作品の真の視点はどちらの側に置きたかったのか示す言葉だったのか。
無意識的に他者を虐げること、それこそが想像力の欠如であり、人の愚かさなのであろうか。

■早季という人物像
 語りは時代を前後するが、この作品は渡辺早季という主人公の人格を主軸に進んできた。
早季は、我は強いけど決断できない、他人任せですぐパニックになる、わりと不快なキャラだった。
もともと恐怖演出系作品なので、恐怖を煽るためのキャラクター性なのだと思っていたが、
これこそが人間の悪とは言い切れない愚かしさを象徴している醜い人間像なのかもしれないと思った。

割り切れない問題に対して、本当にいいんだろうか?と疑問は抱き思い悩むものの、行動できない。
大切なものは守りたいし、目の前に惨状があれば憤るし憐れむ。でも何も救えない、そんな無力さ。
これは早季のことを言っているんだろうか? もしかすると誰もが抱えていることなのかもしれない。

■フロム・ザ・ニューワールド
 結局、この作品のメッセージとは「想像力こそが、すべてを変える」なのかな、と思った。
バケネズミに対する想像力の欠如が悲劇を生んだのではないか しかしそう考える者は多くない
そのような態度が人間の(支配する側の)愚かしさである といったことが読み取れるのだろうか。

一方で想像力は無限大だから、こんな話がつくれるんだぜええ
というポジティブなメッセージが込められてるのかもしれない、と両読みしてみる。

視点変換は効果抜群だなー。間違いなく物語はトップクラスの面白さを誇っていたと思える。{/netabare}


視聴中感想 五話くらいから毎度文句言ってました
{netabare}第一話
なんだかまだ全然わからないけど迫力はあるな
第一印象は「もののけ姫」+「禁書目録」+「Another」て感じ

第二話
あ、これ面白いなああ 学業的なの生徒の自主性があっていいな これは楽しみになりそう

第三、四話
やっべぇ面白くなってきた。今までは面白いといっても雰囲気どまり、"面白そう"な範疇だったけど、
これはぜひ観てない人は三話までは観てほしいと思った。今期ほんと面白い作品多いなー。

第五話
ぎゃー!第四話まで不可解ながらも丁寧な描写で質を感じるアニメだったのに、
この盛り上がりどころの5話で何が起きてるのかわからない描写不足・カメラワークの悪さ、
ちぐはぐなシーンカットに作画が妙で表情がぎこちなく声と合ってない、
おまけに元々世界観が難解なのに話がどんどん進んでいく。
見返してみれば凄く面白い展開なのに、見せ方が悪すぎてなんて残念な5話なんだ……。ああーー

第六話
面白いけどつなぎが悪い。毒ガス装置辺りがツギハギ状態でヤバイ。
つなぎ、というか心理描写が全然無いせいか。何を考えてどういう状態に陥って、どう変わったか
が一瞬で切り替わっててわけわからんことになってる。でも作画戻ってて前回ほどひどくない。
アニメとしては凄い良い題材だと思うけど、なんとなく制作に余裕がない感じが……。

第七話
またキングクリムゾンがしばしば発動してる……
スクィーラとの駆け引きや、奇狼丸が船でやってきたとき、そして再開シーンと
そこら辺もうちょい丁寧にメリハリつけてやれば良いのになぁ、単調すぎる。
物語いいのに、演出?作画?がここ三話失敗してる。これは評価上げずらいな。

第八話
相変わらず作画に違和感な上、成長して見かけも変わり……何やらいろいろ新世界。
なんか口動いてなかったり、下手なアフレコみたくなってるのは狙ってやってるんだろうか。
ある意味不気味さはあるし、物語進んでる感じはするけど、やっぱり心理描写とか全然わからないな……。
好きだけど好きになりきれないアニメになりそうだウワァァン。

第九話
今回も顔アップと描写不足が気になったなぁ。
鏡で木を映すところとか、それ自体も回想も一瞬すぎて、つなぎ方も意図が分かり辛かった。
逐一説明せずに推察させる構成はこの作品に合ってると思うけど、そのやり方が上手くないような。

作画は三話くらいまでやってた人がもうでてきそうにないので諦めるほかなさそうだが、
脚本、絵コンテ、演出、作監が毎度ぐるぐる変わってるようで、どうしたって不安定になってるよう。
何か毎回噛み合わないように感じるところがあるのは、それら色々な要因のせいなんだろうなぁ。
物語自体はしっかりしてるし、起伏もあるのに、そういった脚本・演出・作画の不協和音が、
急ブレーキとアクセルを交互に繰り返してる感じで、ついていけずにメリハリがないように思えてしまう。

第十話
今回は不思議と惹き込まれた。
不安定さは感じるものの、それが物語とマッチしてて作画も悪くなかったかも。
物語の中核的なネタばらしの回だったし、瞬の葛藤や呪力の恐ろしさが伝わってくるようで息を呑んだ。
これは活字では味わえない良さじゃないか。かなり胸にくるものがあり、余韻が後を引いた……。
こういう回なら不可解演出もいいな。いや、それでもやっぱり今回は丁寧めに出来てたのやも。

第十一話
うわあ急に作画良くなった!いい感じにホラーな展開だし、見入ってあっという間だった今回。

第二十二話
もうしばらくレビューを書いてなかった間に話もだいぶ進んだものだ・・
本当に話の面白さはトップクラス、絵の雰囲気も良いけど、
見せ方の分かり辛さ、チープさが、慣れたけどモッタイナイと感じるアニメ。

今回の開幕手紙からの一連の演出はシュールで笑ったww{/netabare}

投稿 : 2016/09/14
閲覧 : 351
サンキュー:

34

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