2S-305 さんの感想・評価

4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態：観終わった

くどい、くどすぎる・・・だが、それがいい！

BDにて視聴。

サンライズの手がけるロボットアニメ、キャラデザインがCLAMPということで、「あれ？」と思いながら視聴しました。
まず最初に感じたのは主人公の台詞回しの中○全開なくどさ。「うわっ！これは無理！」と思ったのですが・・・。
あらゆる意味で既存のサンライズアニメとは一線を画す挑戦的な作品で、まず第一に主人公ルルーシュが自己中心的で智謀に長けている代わりに戦術的な才覚がないおよそ主人公らしからぬ設定でした。サンライズアニメでロボットの操縦が下手な主人公ってすごいですね。
言い方は悪いですが、ちょうど銀河英雄伝説のラインハルトを俗物且つ矮小にした感じ（極度のシスコンという点もかぶってますね）でしょうか。しかし、とてつもなくキャラが立っており、みっともないところもさらけ出しまくっています。
主人公の対を成すスザクは、どちらかというと既存の主人公キャラで戦術的能力に長けている正義漢、C･C、カレン、シャーリーその他の登場人物も味があり大変魅力的です。

とてつもなくくどいキャラデザインにくどい設定・物語を真正面から描いた結果・・・いや、これが実に面白い！

作品のつくりとしては、物語の頭脳戦・心理戦が緻密というわけではなく、「高度な頭脳戦・心理戦を行っている情景」を描写しつつ主人公をケレン味たっぷりに演出し物語を展開していく、といった感じですので頭を抱えるような難解な点はなく、終始一貫・徹頭徹尾エンターティメント性に重きを置いていると感じました。
また、セリフの言い回しなどは意図的にデフォルメした表現を演出しています。この辺がさらにこの作品を濃くしている所以でしょう。
ルルーシュとシャルル皇帝の会話などは、シャルルの発音が「ルゥルゥ～～シュゥ～」。あたかも歌舞伎の大見栄の如くです。特濃ですね、つぼに嵌って腹がよじれました、徹底してます。
ルルーシュのくどさはやはり遺伝だったようです、得心しました。

そのような徹底的な演出により、印象としては変な例えですが、コテコテのとんこつベースのラーメンにチャーシュー・角煮をトッピングしたような作品ですが、充分煮込んでいるため不思議と「臭みがうまみに変わって後を引く」ようなそんな魅力を感じました。

全然関係ありませんが、「バクマン」の主人公二人が書きたかったのはデ○ルマンじゃなくて、このような作品だったのではないかと思ってしまいました。

まさに邪道で王道のアニメですね、オススメです。