pastaくんくん さんの感想・評価

3.9
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態：観終わった

期待が外れた

【バレ無し】
■概要

思春期に突入した当たりから会話もなく，目を合わせることもなかった兄妹のドタバタラブコメ（？）

兄・京介は妹・桐乃の趣味が妹モノエロゲーであることを，ある日突然知ってしまったことをキッカケに桐乃に「人生相談」と称したオタク世界への誘いを受ける．

妹の友人やオタク仲間との交流を媒介として，妹との距離感を縮めていき，妹の大切さを認識していき，恋愛感情にまで発展するのかしないのか？！

■簡単な説明と感想

完全な豚アニメです．

「妹に恋愛感情を抱く」，「登場女性キャラが例外なく主人公を好きになる」という使い古された設定であるにもかかわらず，キャラデザのかわいさと，うざさと紙一重なほどのツンデレをうまく表現した声優陣によってこの作品が至高の豚アニメに昇華されていると思います．

一期は本当に素晴らしい出来で，2010年は不作の年だったのですが，これとけいおん！！は素晴らしいできだったと思っています．俺妹は2010秋クールにおける覇権アニメとして君臨しています．

約二年間空けての二期は，超電磁砲Sや進撃の巨人とぶつかってしまい，覇権は（率直な感想だと，）とれないでしょうｗ．というのは，ネタバレの部分で書きますが，演出に問題があったと感じているからです．

原作も読みましたし，この二期にとても期待していたので正直期待が外れたという印象は拭えません．しかし，キャラデザ・作画・声優の評価は高かったので，全体的にはまあまあな点数をつけました．

主題歌[reunion]はよかったです．

インターネット配信の追記あり（8/20)
{netabare}
【ネタバレ有り】
■もう一度全体の感想

待ちに待った二期だったので本当に期待していて，実際みてるときはブヒブヒ言ってたのですが，冷静な評価をくだすとすると，「正直がっかり」という感じです．

要所要所で綾瀬，桐乃，黒猫には見せ場があったものの物語自体の進行が早すぎというか，感情の遷移やイベント発生が唐突に感じられ，原作の甘い雰囲気がだせていませんでした．

また，主題歌はよかったのですが，劇中の挿入音楽があまり雰囲気を盛り上げてくれなかったかなという印象です．


■悪かった点

☓前半の導入やいらないエピソードに時間をかけすぎ

これは正直仕方ない部分もあるのかなと思っています．一期を見てない人や忘れてる人のために一話使って登場人物の紹介をしてました．でもリピーターの私からすれば，「そんなんいいからさっさと本編行け」って感じでしたし，二期からこのアニメを見始める人なんてそんなに多いんでしょうか，と思っていました．

他にも早織が姉と和解する話などは，実は物語の整合性のために必要なので，あそこにいれたのは仕方のない部分もあったと思いますが，そこで整合性を保つのに，キャラの感情遷移の唐突さは無視なのか？それだったら，整合性を犠牲にしてでもキャラの感情やイベントの発生を成熟させたものにしたほうがよかったのでは？とおもってしまいます．

☓綾瀬告白(12話）と最終話(13話）の適当さ

俺妹二期の評価がガタ落ちした原因は最後の二話にあるといっても過言ではありません．

一人暮らしした京介の家に通い妻する綾瀬が告白する12話ですが，告白のシーンとそれに至るまで経緯を省きすぎ！！リアルタイムでみてたとき，あと5分しかないけど，どうやって告白するのか？などと思っていたら，突如雰囲気がかわり，いきなり告白し，振られ，キスする，といった超スピード展開でした．もっとこう，なんか，えええええええええええええええええええええええって感じでした．

もっとうまく演出できたし，告白のときの音楽も気に食わなかったし，原作の綾瀬の「あなたのことなんか大嫌いです」はあんなもんじゃなかったんですよ！！私はあれで1日ゴハンが喉を通らなかったくらいです！本当にこの話に関してはがっかりしました．

なんでもっとこの話に時間を使わなかったのか，綾瀬が本当に京介のことを好きだという気持ちを表現できなかったのか，悔やんでも悔やみきれません．この話だけでは「綾瀬はほんまに京介が好きなんか？」と思ってしまいました・・・

最終話（13話）は何がやりたかったのかはっきりいって謎っていう感じです．続編が8月にあることは公表されているので，それのつなぎというか，そのための導入でやったのはわかりますが，一応クールの最終回なんだからそれなりに盛り上げて終わって欲しかった！！化物語12話が完璧に終わって，その後の翼キャットにも続く内容だったのとはエライ違いです．

桐乃が実は京介のことが昔から好きだったという話をするのはわかります．今後の展開にも非常に重要なことです．ストーリー自体はできているんです．なぜうまく演出できないのか？監督に対する不信感でいっぱいです．

■良かった点

◯黒猫回の素晴らしさ

黒猫告白→付き合う→別れるまでの流れは素晴らしかったです．お互い初な感じが非常にうまく表現できていたし，黒猫の想いから別れるといった決意までの流れは胸を打ちましたし，切ない気持ちになりました．当然かなりブヒりました．一瞬黒猫派になりかけました（あの時点ではなっていました）．

◯全体を通してのキャラのかわいさ，コミカルさ

俺妹の良さといえばもうこれに限るといってもいいくらいじゃないですかね．なんといってもキャラデザがかわいい，キャラがかわいい，そのかわいさ故に茶番と思えるギャグもコミカルに感じられ，「ああ桐乃に罵倒されたい」「綾瀬に蹴られたい」と思わせてくれます（ブタ限定）．あとは綾瀬の私服がかわいかったです．本当に本当にかわいくて，私はずっとドキドキしていました．死にたいとすら思っていました．

■まとめ

長々と書きましたが，結局一番長く書いた「演出に関する不満」がこのアニメの評価を落としていると感じます．８月に続編がありますが，正直あまり期待していません．あわや原作レイプになりかねないこの演出でファンが離れるかもしれません．

アニメしか見てない人は是非原作も読んでいただきたいと思います．

■追記

テレビ未放送分

△アニメよりは雰囲気，テンポもよかったんですが，やっぱり京介が告白して桐乃が「はい」というところとかは，最高潮に達せずってカンジでしたかね〜．ブヒったんですけど，全力でブヒれなかったという感じでしょうか．

◯一方真奈美とのバトルはかなり良かったと思います．佐藤聡美の本気が見れて大変満足しました．

◯終わり方も非常によかったので，概ね満足してます．

△しかし，生命線の原画がすこし変だったというか，俺妹から絵のうまさが抜かれたら一瞬で駄作になるのに，そこに力いれてないんじゃないのか〜？と思うようなカットが幾つもありがっかりしたのも事実です．そこはもっと本気でやってもらいたかった．

ブヒアニメは基本的に絵が全てです．ストーリーとかは矛盾だらけ，冷静に考えれば気持ち悪いで一蹴できるので．

ブヒアニメが好きじゃない人しか見れませんね．そして俺妹が好きなひとじゃなきゃ見れないアニメだとも思います．