「凪のあすから(TVアニメ動画)」

総合得点
90.5
感想・評価
6455
棚に入れた
25536
ランキング
53
★★★★★ 4.2 (6455)
物語
4.2
作画
4.4
声優
4.2
音楽
4.2
キャラ
4.2

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三崎鳴 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

とめどない明日に、変わらない僕たちを。

『true tears』『花咲くいろは』等でお馴染みのP.A.WORKS制作オリジナルアニメーション作品。かつて古来に海中に住んでいた人間達が地上にも進出して住み分けがされていた時代、都会から少しはなれた風光明媚な砂浜の町を舞台に繰り広げられる大地と青のファンタジー。岡田麿里といえば『とらドラ』『true tears』『あの花』などリアルな人間模様を描く手法が定番だが今回はファンタジー要素を濃く絡めて2クールかけた重厚な作品を描いた。設定としては海と陸の間に揺らぐ対立やしがらみを根底においており『人魚姫』を彷彿とさせる部分もある。海の寓話と言えば『浦島太郎』を思い出すが本作では2クール目、いわゆる第2部にさしかかる部分で一度人間関係をリセットする手法を使っている。第1部では主人公の成長と幼馴染たちの感情の動くを繊細に心理描写として重点を置いていたが、第2部においては第1部から5年もの時間が空く。ここで交錯した矢印関係は0に近い状態へと戻り、ぐっと面白みを増す。キャラクター達は成長し季節は夏から冬へ移ろぐ。個人的には序盤から中盤にかけては後半への布石だと受け取れたが当初の評判はあまり芳しくなかった。しかし伏線を回収しつつ無理のない形で畳んでいく後半で評価が格段と上がる。些細ながらもSF的な側面もあるが細かい設定については行き当たりばったりの展開(唐突なエナ覚醒など)やご都合主義が見受けられるため粗はある。作画について、背景はいつもの事ながら高水準で安定しているがキャラデザインは後半若干ながら崩れるところもあった。主題歌や音楽については雰囲気を盛り立てる役目をきちんと果たしており文句の付け所もないが、演出面について不要なものを挟んで少し滞る所があったのが悔やまれる。〆が弱いのがPA作品の悪い癖だといわれがちだがこれはこれで余韻を残して良いのではないか、とあくまで自分はプラスの方向で捉えている。総評としては、個人体に本作はP.A.WORKSの集大成であり最高傑作であったと思う。ちなみにタイトルの語源は『earth color』より。

投稿 : 2014/04/16
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サンキュー:

3

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