「機動戦士ガンダムUC/episode1 ユニコーンの日(OVA)」

総合得点
77.5
感想・評価
1022
棚に入れた
5201
ランキング
603
★★★★★ 4.1 (1022)
物語
4.1
作画
4.4
声優
4.0
音楽
4.2
キャラ
4.0

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ネタバレ

くらうち さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

宇宙世紀総決算

一年戦争から描かれ始めた宇宙世紀も、ついに総決算ですね。

宇宙世紀のガンダム作品は、分かり合えない大人たちが起こした戦争、その中での子供達の成長が共通のテーマであったように思います。
それらの作品を全て一本の筋で貫くということを、ユニコーンではやってのけました。
{netabare}
ラプラスの箱の中身はなんだんだと、ずっとワクワクしながら観ていました。
私は形のないのものなんじゃないかと予想していましたが、ちゃんとありましたね。ただ、重要なのは事実であって、箱は証拠にすぎないと考えれば、形のないものといえるかもしれません。

箱の中身を知って思うのは、やはり「誤解」が争いの原因なんだな、ということです。ニュータイプの出現は予期され、共存をしようというコンセンサスが存在してた。その存在が広く共有されていれば、アースノイドがニュータイプを恐れ、過度な防衛に走ることもなかったはずです。
宇宙世紀100年の歴史は、誤解に始まったのだと思い、非常にやるせない気持ちになりました。

だからこそ、「誤解なく分かり合える存在」であるニュータイプは可能性なんですね。
リディは連邦政府議員の嫡男ですから、アースノイドのはずですが、最後はニュータイプとして覚醒しています。
スペースノイド同士だけでなく、アースノイドとも分かり合える。宇宙に進出し進化した人類にはその可能性があったんじゃないかと。

最終的には、可能性に希望を見出したい者達と、可能性にすがっても人は争い続けるだけであると諦めるフロンタルの戦い、という構図にシフトしていきます。
サイド共栄圏を作ったところで、今度は地球の人達が恨みをつのらせ、憎しみの連鎖が断ち切られることはない。
そしてその連鎖の先にあるのは、フロンタルのいう「虚無」。
支配し支配される関係を続けるか、分かり合える可能性にかけるのか。人類存続に向けたアプローチの違いですね。
富野監督が描き続けてきたテーマが、収束に向かっていくのを感じました。

本作をもって宇宙世紀はその全体像を明らかにしたわけで、福井晴敏はまじで天才って感じです。
非常に残念なのは、アニメ化するにあたって尺が全然足りてないってことです。特に、フロンタルが死ぬシーン、コロニーレーザーを止めたバナージが追撃してくるゼネラル・レビル艦隊を無力化するシーンは、何が起きているのかよくわかりませんでした。
episode7の前にこれまでの作品の回想をするepisodeがあるのですが、そこはもう知ってるから本編を膨らませてくれよって感じでしたね。
分量の多さから中々手をつけられずにいた原作を読まなければならないようです(^_^;)

シナリオの素晴らしさばかり述べてきましたが、メカデザインも最高でした。
私の中で最もかっこいいMSはνガンダムなのですが、ユニコーンガンダムはこれを超えたかもしれません。変身シーンはもう、かっこいい〜!と涙が出そうになります。

そして、BGM。UnicornとRX-0は、テンション上がりまくりです。EGOはマジで泣けます。
{/netabare}
数々のガンダム作品を見てきましたが、文句なしの最高傑作であると思います。

投稿 : 2014/05/26
閲覧 : 268
サンキュー:

4

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