演劇おすすめアニメランキング 35

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの演劇成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月07日の時点で一番の演劇おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

67.7 1 演劇アニメランキング1位
弱キャラ友崎くん 2nd STAGE(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (111)
327人が棚に入れました
友崎文也は、日本屈指のゲーマーながら現実ではぼっちの高校生。“人生はクソゲー”だと言い切る彼が出会ったのは、学園のパーフェクトヒロイン・日南葵だった。「この『人生』というゲームに、真剣に向き合いなさい!」人生ははたしてクソゲーか、神ゲーか?日南の指導のもと、弱キャラ高校生の人生攻略が幕を開ける!

声優・キャラクター
友崎文也:佐藤元
水沢孝弘:島﨑信長
日南葵:金元寿子
中村修二:岡本信彦
七海みなみ:長谷川育美
竹井:水野駿太郎
菊池風香:茅野愛衣
夏林花火:前川涼子
泉優鈴:稗田寧々
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

正しさの証明

原作未読ですが面白かった
すごくデキがいいアニメだし、何よりキャラクターの描き方が上手だし、1期の引きこもりな友崎くんの視野はまだ狭くて目の前の出来事で終わってたけど、2期になってリア充の仲間入りした友崎くんの視野は凄く広くなって、クラス全体が見えるようになって人間関係が大きく広がりました、今まで目に入らなかったことが見えるようになって友崎くんの成長がこんなところにも表れています
不自然なこともあるけど、とてもいい作品です!いちばん好きなのは水沢

一期は引きこもりコミュ障だった主人公をリア充に変えていくのがメインテーマのようだったけど、1期の主人公の成り上がりはこの作品全体の本筋ではなく、前フリというか準備期間かな?
キャラクターの描き方がとても上手で、奇抜なキャラ付けに頼らず見事に様々なタイプの高校生を描いているので普通にラブコメとして面白いけど、作者の描きたいものはラブコメのもっと先にあるように思いました

【日南は友崎くんに何をさせたいのでしょうか? 考察】
まず、2期を見ていくと{netabare} この物語にとって主人公が弱キャラからリア充になるのは手段であって目的ではないことがなんとなくわかります、2期の終わり方もハッピーエンドのように見えるけど、この物語の象徴のような位置の日南のことはほとんど掘り下げられてないですからねー
日南はなんで主人公をリア充に導いたのでしょうか?
ゲーム的に表現するなら、私は「ラスボスである日南に挑む勇者を育てたかった」んじゃないかな?って思いました

日南は他人の人生なんて放っておけばいいのにすごく面倒くさいことをしています
「人生なんてクソゲーだ、与えられたものが最初から違う」と言う友崎くんに対し、「私は努力をしてリア充になった」「正しさを証明する」と言う日南
友崎くんをリア充にすることで日南は自分が正しいことを証明したいんですね
じゃあ手間をかけて証明しようとしているその正しいことって何なの?
「一生懸命努力をして作り上げてきた今の日南は正しい」これを証明するのが彼女の目的なんじゃないかな?
「葵に妹って一人しかいないはずなんだよ」これと関係ありそうですね
この一言を言うためだけに10話のBパートまるまるつかってやっていたので日南の鍵になる話だと思う
日南は友崎くんに「彼女を作る」という中くらいの目標を出しました
「彼女を作る」はもっと高いと思うけど中くらいということは、彼女を作ることは日南にとって重要じゃないということです、日南は中学の時に彼氏を作ったけどすぐフったという話がありました、コレ、たぶん日南が自分の正しさの証明の一環でとりあえず彼氏を作るというミッションを達成したかっただけな気がします、だから友崎を自分と同じリア充にさせるために必要な過程なのでしょう
インタビューの時「嘘をついていると思います」と分析する菊池さん、「そのインタビューは聞こえのいい言葉に本音風の毒を混ぜただけのハリボテ」という印象を友崎くんは抱いていました
日南は自分のキャラクターを嘘で塗り固めて本当の自分を隠しているみたい
それと「正しさを証明する」というセリフ
日南ほど努力してきた人なら、本当はそれが正しくないことに気づくと思うから、友崎くんに自分と同じように努力して日南と同じくらいのリア充になってもらって、否定してもらいたかったのかな? パーフェクトヒロインを演じる自分を辞めるきっかけが欲しかったのかな? なんて思いました

日南はキャラというよりまるでこの作品の「システム」のようで、一期から一貫して相手が人間だという感覚を捨て去ったAIのような冷酷さを感じて、1期では不自然さが強かったけど、2期になってキャラが増えていく中、日南だけ意図的に人間味のないキャラクターとして描かれているように思います
日南が言った通りにしたら友崎くんは見事にリア充になることに成功した、っていうことは日南が正しい?
でも、最初から一貫して人間味のないキャラとして描かれている「日南が正しい」という結論でこの物語が終わるとは思えなくて

そんなわけで3期はいよいよ日南のおかげでリア充になった友崎くんが、「日南の努力は正しいかもしれないけど、人生はゲームじゃないよ」って感じで「日南が築き上げてきた圧倒的な正しさ」と戦う話になるんじゃないか?と予想します

そのうえで「弱キャラ友崎くん」というのはどういうことなのか、一期の最初ですら友崎くんは言うほど弱キャラじゃないんですよね、「キャラ」って言葉には「そういう人間を演じている」という側面もあるのでタイトルの「弱キャラ」の意味は、「弱い人間を演じている友崎くん」ということじゃないのかな?って思いました、大好きなゲームを極めた友崎くんは確かな自分を持っていて、リア充になって学校での立ち位置は大きく変わったけど、好きなものを素直に好きと言い、「人生なんてクソゲーだ」と断じる彼は最初から強い人だったようにおもうし、日南は友崎くんが「本当は強キャラ」だって認めたから彼を自分と同じくらいリア充に育て上げたんだと思う
パーフェクトヒロインの彼女が勝てない相手って、ゲームの友崎くんだけだから、一つのことを極めた彼の強さを、努力を信条とする日南が気づかないわけないと思うんです
日南のことはまだ全然良くわからないけど、きっと彼女は強いキャラを演じているだけで本当は強くなんてない
リア充になって弱いキャラを演じることを辞めた友崎くんが、強いキャラを演じている日南と向き合って、彼女を救う?
そんな話なような気がしました{/netabare}

気になったところは、2話3話あたりの {netabare}エリカや花火の行動、クラスメイトの反応や日南の対応がどれも不自然で共感できなくて、まるで全員が台本通りに動かされてるような気持ち悪さを感じた
もうちょっとこのエピソードは自然にできなかったのかな?
例えばエリカのことは、いくらクラス全員が味方でも上位グループの派手で性格がキツい女子を攻撃する勇気ある高校生なんてほとんどいないと思う、クラスで孤立させても他のクラスの子は? 先輩後輩は? 学校外でやばい人と繋がりあったらどうするの?
私はどんな報復されるか怖くてできないです

でも話の面白さとは関係ないのでこのくらいに
{/netabare}
先の話がとても気になります! おもしろかった

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

君の描いた選択肢が、みんなの物語になる

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
物語の内容に繋がりがあるので、前作未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

アニメーション制作がproject No.9さんで、キャラデザが矢野茜さん。
この最強タッグの作品が視聴できることが素直に嬉しく思います。

これまでこの最強タッグは、「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」「りゅうおうのおしごと!」「超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!」「弱キャラ友崎くん」などの作品を輩出してきました。
どの作品も華のあるひろいんが目に浮かぶ作品…と言いたいところですが、ネトゲの亜子ちゃんと、りゅうおうのあいちゃんに、よりその傾向が強く感じられますね。

そして亜子ちゃん、あいちゃんのどちらも演じているのが、ちゃんりななんですよね。
これは運命的な何かを感じるのは気のせいでしょうか^^;?
そう言えば、この度、内田雄馬さんとご結婚されましたよね。
おめでとうございます!! 末長い幸せを祈念しています。


友崎文也は、日本屈指のゲーマーながら現実ではぼっちの高校生。

“人生はクソゲー”だと言い切る彼が出会ったのは、
学園のパーフェクトヒロイン・日南葵だった。

「この『人生』というゲームに、真剣に向き合いなさい!」

人生ははたしてクソゲーか、神ゲーか?
日南の指導のもと、弱キャラ高校生の人生攻略が幕を開ける!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

第1期では自分を知り、周りとの距離感を知りました。
そして第2期は周りとの距離を縮めつつ、より高校生活を満喫できるようシフトチェンジする展開だったと思います。
距離感に気付き、意識するようになったのは主人公の友崎だけではありません。
七海みなみ、菊池風香、そして少し毛色は違いますが夏林花火の存在がより増した展開であったとも思っています。

個人的には、七海みなみの良い子っぷりが堪らないんですけど…
友崎をブレーンと呼称したり、突然夫婦漫才を始めてみたりと、お互いの息がピッタリ合う感じは、視聴者のみならず本人たちも気持ち良かったのではないでしょうか。

そしてそんな空気を同調できるからこそ、気付いてしまうコトもあるんですよね。
きっと知らないフリをしていても良かったと思っています。
だって、未だ成就出来ていないのだから…
でも、みみみは自分のことより相手を優先する女の子なんですよね。
どこまでもムードメーカーたらんとする彼女に言動には、こちらも思わず貰い泣きです。

そして、ここまで視聴してきて一つ気付いたことがあります。
友崎の変化によって、クラスメイトや友人との立ち位置も変化したと思います。
きっとこれは良い変化なんだと思います。

ですが、パーフェクトヒロインである日南葵の立ち位置だけは全く変わっていないんです。
最初は、友崎のアドバイザー的な役割だからだと思っていました。
でも、彼女の不変はとても頑なで、距離感が近いようで決して自ら歩み寄ることの無い雰囲気が見え隠れしたように感じてしまいました。

私は原作未読なので、アニメを視聴した範囲の事しか分かりません。
ですが、これがもしも彼女のSOSだったとしたら…と考えると、本当に救済すべきは彼女なのかもしれない、と思ってしまいました。

作画も良いクオリティで安定しているので、とても見易くしっかり感情移入できる作品だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、「イージー?ハード?しかして進めっ!」
エンディングテーマは、「誰かじゃないから」
どちらもDIALOGUE+さんが担当されています。

1クール全13話の物語でした。
原作は小説は既刊13巻(本編11巻+短編集2巻)まで発行されているようですが、漫画は全6巻全29話で完結しているそうです。

もしかすると完結までアニメで視聴できるのでは…?
と甘い気持ちを抱いているのは、きっと私だけではないと思います。
続編が制作されるなら、是非、日南葵にメスを入れて貰えると嬉しいです。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

Dave さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

キモい陰キャの話になり下がった2期

うーん…1期はそれなりに面白かったのに、2期は正直つまらなかったですね。なんかあーでもない、こーでもないとごちゃごちゃ言った割には全くすっきりしないエンディングで、かなり途中から視るのがしんどかったです。一気に陰キャによる陰キャのための陰鬱としたアニメになり下がっちゃった感じ。

虐めに関する2期の前半は、まあストレスは溜まりましたがまだ話としては理解できたんですよね。ああ、主人公は非モテから脱して、ようやくクラス内政治に首を突っ込むようになったのかっていう。なかなかクズだらけのクラスで、私なら当事者にならなくても転校したくなりますが。

最悪なのは2期の後半で、劇中劇が出てくるんだけど、これが長ったらしいわりにちっとも面白くなくて酷い。そもそもアニメの登場人物にさえ感情移入できるか部妙なところなのに、その中の劇中の人物なんて完全にどうでもいい。少なくとも、2重のハードルを超えさせられるほどの力をこの作品は全く持ち合わせていません。なんかクラスのキャラクターを劇中劇のキャラクターになぞらえているらしいのですが、そもそもわかりにくいグチャグチャとしたないようなのに、なんでこんなにわかりにくい表現方法を採った?

1期は非モテがゲーム感覚で脱皮していく、というわかりやすい「目的」と、着実な「手段」、そして努力に対する「結果」が出ていて、それなりに楽しめたんですよね。しかし1期でそれなりに結果が出てしまったから、そのままモテ男路線を極めていくのか、別のテーマに移るのか。いずれにしても茨の道ではありますが、本作は後者を選んだ…そして見事に撃沈した。結局2期はそもそも目的がイマイチわかりにくい(というかない)し、選んだテーマもイジメやら恋愛やらブレブレで。

その土台の脆弱さをグチャグチャ理屈?をこねくり回すことで誤魔化そうとして、テンポも悪ければ共感もできない、感情移入しにくく話も分かりにくいものとなりました。1期は陰キャを問答無用の特訓で更生させたのに、2期は陰キャの煮え切らない恋愛を見せられる気持ち悪さ。

そもそも誰でもいいから付き合うってどんな鬼畜な目標だよ。恋愛って、あふれる感情とか突き動かされる衝動とか、理屈じゃない部分が熱いわけでしょ?そういう情熱が皆無。最後に結ばれるヒロインのことを「好き」っていう感情、まったく描かれてなかったじゃん。ギャルゲーより酷いよ。これじゃ、誰でもいいから今年中に「ヤる!」と息巻いてる童貞と変わらない。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

81.9 2 演劇アニメランキング2位
やがて君になる(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (668)
2468人が棚に入れました
人に恋する気持ちがわからず悩みを抱える小糸侑は、中学卒業の時に仲の良い男子に告白された返事をできずにいた。そんな折に出会った生徒会役員の七海燈子は、誰に告白されても相手のことを好きになれないという。燈子に共感を覚えた侑は自分の悩みを打ち明けるが、逆に燈子から思わぬ言葉を告げられる──。「私、君のこと好きになりそう」

声優・キャラクター
高田憂希、寿美菜子、茅野愛衣、市川太一、野上翔、寺崎裕香、小原好美、中原麻衣、森なな子、小松未可子
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

真面目な百合アニメ、、、いや、青春群像劇かな。

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
これまで観た百合アニメでは、トップレベルに面白かったです。

私は基本的には「ほら~。女の子同士がいちゃいちゃしてるなんて萌えるだろ~」みたいな百合モノは苦手なんですが、本作は、心理描写がメインであったこともあり、そういう部分で楽しめました。

逆に言えば、ライトなノリの微百合モノや、エロ系の百合モノが好きな方には、あまり合わないかもしれませんね。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
百合というより、同性愛。

それに対して、かなり真面目に描いていると思う。

ただ、そういう「同性愛」という部分とは別の、「闇(病み)」「歪み」がそれぞれのキャラにあって、独特の魅力があった。

侑は「誰も好きになれない」。七海は「誰にも好かれたくない」。槙は「他人の恋路を楽しむ」。紗弥加だけがシンプルに「同性愛の悩み」。

彼ら彼女らは、それぞれが主人公に成り得るだけの魅力が、深みがあるキャラクターだった。だから、本作は青春群像劇なんだと思う。恋愛の悩みの裏にあるのは、アイデンティティの確立。まだ「何者かになりかけている」彼ら彼女らだからこその、輝き。

原作者は百合作品を描く理由として、(Wikiから引用)「{netabare}人を好きになる気持ちがあまりにも当たり前で説明不要なものとして描かれている作品を自然に受け入れられなかったが、同性愛を題材とした恋愛作品には、相手を好きになる理由や葛藤、あるいは理屈をねじ伏せてしまうような強い関係性が描かれていることが多く惹かれていった。{/netabare}」と述べている。

世の中にある大半の作品は、「人は恋愛するもの」「恋愛は正義」という前提に立ち、「どう恋愛するか」「誰と恋愛するか」を中心に描くが、本作は「そもそも恋愛する必要があるのか」という根底部分からの問題提起をしている。この点は特に面白く、本作がただの百合萌えアニメと一線を画している最たる点だろう。

そんな「自分を確立できていない」登場人物達の中でも、アニメで描かれた範囲では七海が魅力的だった。

自分のことが嫌いだから、そんな自分を好きになる相手のことは嫌いになる。でも、自分のことは誰かにさらけ出したい。さらけ出して嫌われたら嫌だし、さらけ出したして好きならたら、それも嫌。

つまり、もし自分のことが好きになれたら、自分を好きになる相手のことも好きになれる。メンドクサイながらも、可愛い女の子。

完璧な姉に憧れ、そんな姉が死に、家族や周囲は沈み、だから姉自身になろうとした。

このあと、七海はどうなるのだろうか? 死者(姉)は成長しない。生者(七海)は成長し続ける。だから、いつか必ず姉に追い付き、追い越さなければならない日がある。その時、初めて七海は「君」になる。つまり、これはある種の「姉殺し」の物語である。

物語は、かなり良いところ(中途半端)で終わる。最後、生徒会劇までやらないのは意外だった。普通なら「放り投げるなよ」と評価を下げたくなるところだけど、本作に関しては「これもアリ」だと思った。

原作連載中のアニメのラストは主に3パターンで、Aアニオリにして完結。B俺達の闘いは続く。Cキリの良いところでキッチリ終わらせる。

Aはうまくいけば好評、下手すれば大バッシング。Bは大抵叩かれる。Cは一番良いが、尺の問題で毎回できる訳じゃない。

本作はBの俺たたエンドだと思うけど、なぜ腹が立たないかというと、①繊細なテーマだけに、下手にいじってほしくない。②最終話までに丁寧に心理描写を重ねてきたから、十分に行間を読める(満足できる)。③最終話の気合いの入った作画や美しい挿入歌といった演出が見事で、単なる日常回にある程度のカタルシスを持たせたアニメスタッフの手腕。 などが、重なったからだと思う。単純に2期を観たいし、2期やらんなら原作読みたい。良いラストだった。
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
本作は百合アニメだが、登場人物達は同性愛以外にも悩みを抱えており、同性愛の要素を除いたとしてもなお、魅力があるキャラクター達だった。特に七海はメンドクサイながらも可愛い良ヒロイン。

本作の凄さは「そもそも恋愛ってする必要あるの?」という根底からの問題提起。そして、ある種の「姉殺し」とも言える成長ストーリー。

ラストも深みがある「俺たたエンド」で、2期が楽しみになった。
{/netabare}

【余談~優秀な兄、姉に持つ気持ちの、性差?~】
{netabare}
七海が、「姉になりたい」と言った時、「きっと作者は女性なんだな」と思いました(勿論、他にも女性らしい視点は多々ありましたが)。

私にも優秀な兄がいるので、七海の気持ちは半分理解できます。確かに兄には憧れましたが、どちらかとライバルで、追い越すべき存在でした。これが10歳も違えばただの憧れだけど、1~3歳なら、下手すりゃ勝てるしね。けれど、特に小学生くらいの数年間って、スポーツにしろ勉強にしろ遊びにしろ、絶望的な差があって。周りからは「兄貴と同じ年になったら勝てる」と言われたけど、それじゃあ嫌で。あくまで、「今、対等な条件で」勝ちたかった。それが、男兄弟の一般的な感覚だと思います(多分)。

だから、「姉になりたい(同化)」という欲求は、共感はできないけど、なんか、「女性っぽい」と思いました。女性って、お揃いとか女優が使ってるコスメとか、好きだしね(多分)。

と、ここまで書いて、原作者が男性だったらどうしよう。まあ、だったら「女心が分かる素敵な男性」ということで(笑)
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆2
侑の視点(オウンビュー)が多用されるってことは、侑に感情移入しながら観てほしいってことかな? これは男子君、可哀想だな~。普通にいけるって思っちゃうよな。てか、これでありがとうって、この男子君、人間出来すぎだよな。百合なんだな~。完走できるかな?

2話目 ☆3
沙弥香さん、完全に嫉妬闇落ち要員くさい(笑) ここでキスかあ。意外と展開早いな。侑の性格というか、性根が独特ですね。

3話目 ☆3
アカリの方がちゃんと恋愛っぽい。七海がやけに可愛らしく迫ってくるし、侑の塩対応が男前だな。その演説は、、、悪目立ちしないか(苦笑)

4話目 ☆4
剣道やろうよ(笑) この学校の生徒会役員は、会長の任命なんだな。台本に七海がいたな~。七海はいつも発情してるな~。ソッコーで見られてますやん(笑) 槙くん、実は腹黒い? 槙くん、攻めるな~(笑) 槙くん、サイコパスやな~。

5話目 ☆3
小説で、ひと波瀾? ウチくる? 七海が完全に負けてるな。

6話目 ☆3
ついに、沙弥香の怖さが表に出てきた。なんかこう、難しいな。歪んでる感じだな、お互いに。

7話目 ☆4
沙弥香さんはガチだからな~。現文なんて、やることない、確かに(笑) 歪んでるな~。大人の百合カップルだな~。LGBTのことに、(多分)真面目に踏み込んでいる感じがなんか良いね。

8話目 ☆3
これ、本当に「今」となっては、なんだろうな。紗弥加さんの、怖さよ。七海がまた、怖いな、やっぱり。

9話目 ☆3
喫茶店のお姉さん、素敵だな。あれ? 惚れた?

10話目 ☆3
嫌われない一番の方法は、好かれないことかな。私も遊びでいくつか書いたことあるけど、わりと難しいよね。「なんでもない会話なんでもない笑顔なんでもないからふるさとが好き」って感じかな。

11話目 ☆4
着替えのシーンが、やけにリアル(いや知らんが)w 姉さん、全然タイプ違うんだな。姉になりたい少女が頑張った結果、似てないとか、酷い話だよな。

12話目 ☆4
この脚本、うまく出来すぎだよな(苦笑) かなりすごく甘えちゃう。これ、男と女なら、批判されてるのかな?

13話目 ☆4
水の表現、良いね。お、踏み込んだ。電車の隙間から景色見えるところとか、めちゃリアル。レズビアンやバイセクシャルじゃなく、女性と付き合うという立ち位置なわけね。劇で終わらせず、放り投げたな。原作連載中で、アニオリラストにするより、行間を読めってことか。タイトル、「やがて君になる」じゃないんだ。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 53
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

それでも、向き合っていくんだ

高校1年生の小糸 侑が、好きという感情に向き合う作品。
{netabare}
本作は百合作品です。それは作品が七海 燈子という人物に、主人公へ告白させたから。
ですが、同時に、本作は百合というジャンルの中にありながら、恋愛対象への「好き」という感情を解き明かしていくことがテーマになっていると感じました。

それは小糸侑という少女が、高校1年生で人を好きになるという感情が「わからない」としたからです。

1話の例を出せば、侑は、卒業式に中学生時代の男子に告白されていた状態から始まります。高校生活が始まっても、彼への返事を出せずにいました。
さて、1話の内容そのまま書いてしまいそうなので、詳細は省きますが、
要は、侑にとって、男性に告白されようが、同性に告白されようが、彼女は好きがわからない、
もしくは、侑いわく、少女マンガやドラマみたいな、きらきらしたものがないと、感じているのです。

彼女にとって、きらきらと、好きと言ってきた相手に感じてしまう心こそが、彼女のイメージしてきた、「好き」なんですが、
現実ではそんな事はなかったことが、彼女の疑問を生むことになります。

また、「好き」というテーマを、燈子という、同性愛の視点から、男女の垣根を越えたテーマとして、扱ってしまっています。
燈子という、「好き」がわかってしまった側の侑へのアプローチによって、侑はどう「好き」を考えていくか?

「好き」を考えることと、燈子を好きになるかは別の事です。
これが好きってことなんだと、燈子の行動をみてわかったと感じるのではなく、
彼女の疑問の初期衝動、好きといわれた人に、その時にきらきらを感じない。その感情を大事にして欲しいなと思い、期待してみさせていただきます。

PS.百合作品はあまり好きではないので、燈子が侑に何かするたび、これは、
友人のやり取りとしてなのか、それとも思い人へのやり取りとして、正しいのか、
困惑しつつ、セーフ、アウト・・・セウトな感じで見ています。

【恋に恋して、人に恋せず】
{netabare}
どこかで侑の気持ちにわかるところがあるなあ、と感じていたんですよね。
彼女、恋に恋してたんですよ(と解釈してみました(我ながらチキンな))。
中学生までの侑は、恋愛に対し、素敵な理想を描いていたのでしょう。
「結婚したいなあ~」という言葉は必要に駆られてる面がありますが、
「恋愛したいなあ~」という言葉は心を満たすものを求めているんじゃないかな。(侑が言ったわけではないので、あしからず)

心が満たされるもの、それって自分の満足感のためにあって、お相手がいない。
恋愛をすれば満たされると思っていた、中学生時代の侑はお相手と関係をつくる事は考えていなかった。

それが、男子に告白されて、恋愛というものが、お相手がいて、自分がお相手をどう思うかがあって、自然とだれかに与えられるものじゃないと気付いた。
そう考えると、かなり身近な事で侑は悩んでいるのかもしれないと思えますね。

{/netabare}



{/netabare}


【2話以降から11話付近までの話】
{netabare}
やはり最初にえ?と来たのは、七海さんによる「好き」の再定義の回からかなあ。
「好き」が暴力的だとしているのに小糸に「好き」を使う七海。つまり、作り手も七海も、暴力的自覚を持ちつつ「好き」を小糸になげかけていること。
作品内での個人の言葉の再定義という、七海の性格の歪みの演出がエグい。そして好きをあえて使う七海がさらにきつい。七海を支配しているのは優しさではなく、暴力的な愛と捉えました。

それに対比するかのように、小糸の七海への感情は優しい。七海が小糸を、優しいと言うのは、ある種
正しいと思います。
七海が嫌がるから、七海に好きと言わない小糸。七海の中では暴力的な言葉で、それを使わない小糸は、確かに暴力的ではないわけです。
その定義を当てはめて見ていくと、小糸は七海を好きになっていくにつれ、暴力的にみえるわけです。
でも、この描写、自分ルールを自分の好きな人、もしくは自分が好きな人におしつけている(特に、小糸が七海の事を軽く好きといっただけで、態度をこわばらせたシーン)ので、七海が自己中、暴力的なことから、好きになれないんですよね。
そういう演出なんだけどね!
そんな暴力的な七海を、小糸が好きになっていくのを見て、小糸が暴力側におちていくようで、見ているのがつらいんですよね。
七海はゆうの優しさを利用しないでよね!プンプン


そして、七海が誰にも譲れないと考えていた、お姉さんになるという思想。この考え方はもう真っ向から嫌いだったのですが、かわいそうともとれます。
七海という人が生徒会活動を通して、どう変わっていくか、それもこの作品の楽しみです。
七海の姉の人物像が揺らぐストーリーが来たとき、やっぱ作り手も全て考えた上だったんだなあと、安堵しました。
{/netabare}


まとめ【12話感想含む】
{netabare}
侑があのスタンスの強い姿を見せることがこの作品のラストであるのは実に良かったと思います。

人物を最終的に整理すると、
見せ掛けの姿が強く、内面が弱い燈子。他人になろうとするのも、好きを侑に言うのも、弱いから。燈子が他人になろうとするという思想を打ち砕く侑という構図にしたことでおのずと作品のメッセージがわかると思います。

好きな人の心の中に自分を置こうとしなかった沙弥香の、性格のささやかな変化。嫉妬心などの醜さを内包しつつ、ささやかな燈子との進展で喜びを感じる描写で少女性をギャップで強調したのかな。

誰も好きになれないと思っていた侑を第三者(槙)的目線で見たときの変化。誰かを好きになることが無い槙君が普通じゃない側の人間として侑がもう好きを知っていると判断した事からも、侑は普通の子であり、侑の好きは普通の恋心を描こうとしていたと思います。
侑と沙弥香で、燈子のすることに対して、否定と肯定によって二人の性格の明確な差別化がされました。また、好きであるから生まれる欲求の差、相手に幸せな方向に代わってほしいと思う侑と、相手のすることを許容し、相手に受け入れられたいと思う沙弥香、燈子が好きであるのは変わらないのに、欲求や行動のベクトルが違う事がはっきりと出ていて、キャラ立ちという意味でよかったと思います。
侑に関しては、最初のきらきらとした恋愛に対する憧れを失っていないような終わり方だったのでそれはよかったと思います。燈子の好きに始まる恋愛に対する考えが、自分を守ったり利益を得るための自分勝手なもので在るとするならば(同時に、相手の変化を許さない事まで含んでいる)、侑の恋愛像はその逆であり、相手に変化を求める最終回はまさに二人の恋愛観が対立しうるものであることを表現していたと感じています。


{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 51
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

特別への欲求たる青春を百合で描いた作品

世界観:6
ストーリー:8
リアリティ:7
キャラクター:8
情感:7
合計:36

<あらすじ>
人に恋する気持ちがわからず悩みを抱える小糸侑は、
中学卒業の時に仲の良い男子に告白された返事をできずにいた。
そんな折に出会った生徒会役員の七海燈子は、誰に告白されても相手のことを好きになれないという。
燈子に共感を覚えた侑は自分の悩みを打ち明けるが、逆に燈子から思わぬ言葉を告げられる──
「私、君のこと好きになりそう」
(公式サイトより)

今期はシーズン中の作品を、評価が高い噂があるものを積極的に視聴する試みをしており、7話までの時点で引っかかったので視聴を開始した経緯です。
(前情報では百合物(しかもガチなやつ)といったものであり、一般受けはしないだろうに、それでも評価されているようだということで興味がわきました)

先に結論から言うと、とても面白かったです。
私は恋愛物自体あまり得意ではないので、そこにもハードルがあったと思うのですが、それを乗り越えてきました。

{netabare}1話では、主人公の侑が生徒会の手伝いをすることになった経緯で、たまたま、自分と同じく恋愛の感覚がわからないという先輩の燈子に、自分が回答できていない告白の答え(お断り)について相談して、その場で相手に電話することになり、その直後に燈子から「好きになりそう」と告白されるというやや唐突な話で、よくわからない状態のまま、続く2話でキスもしてしまうという展開はとっつきにくく、{/netabare}1話か2話で切ってしまった人もいるのではないかと推測されます。

この、燈子が恋をした理由というのは後ほど説明もできるものとなるのですが、それはそれとして、続く3話あたりまで見ると、この作品の美しさであったりユーモアであったり、私の重視する心情描写やリアリティが結構しっかりしているので継続視聴する気になりました。

キャラデザは正直、そんなに魅力を感じていません(途中、数話で作画崩壊しないか心配になりましたし)。しかし、多くの場面では綺麗に描けていますし、目や表情を多用した心情描写があり、違和感はなくなりました。背景作画は今期の作品の中で上位ではないでしょうか。キャラデザについて、原作者及び原作ファンのために徹したように感じられたのが、(私は原作を知らないので、ネットの画像検索でいくつか見ただけですが)嬉しく思えました。

作画崩壊してしまったりすれば、原作者はもう絶対アニメ化したくない程トラウマになりそうですし、ファンも悲しいですからね。

良かったのは恋愛の機微の部分。{netabare}私は3,6,7,12話を優良回と評価していますが、このあたりは素晴らしかったです。何というか、恋愛の対象は異性である必要があったのだろうかとか、人生のパートナーに選ぶべき、気心が知れて、信頼ができる人物が同性であった場合、その関係を否定するほうが難しいように思いました(もちろん、生物学的に二人の子供ができないという面はありますが)。

学生間の恋愛をテーマとしてリアリティのある綿密なものを作ろうとすると、男性は若すぎてしまうんだろうなとか、精神的な繋がりを求める関係を純化すると、女性カップルというのが自然なんだろうなとか思います。

本作を見て気づいたこととしては、世のアニメの多数は二十にもならない学生を主人公にしていて、その世代の価値観(青春)を描くとすれば、普遍的なテーマのひとつになるのが「特別になること」だと思います(今後、私は「特別欲求」と言おうと思います(笑))。自分が好きな人の特別になること(⇒恋愛)、自分が友達や誰かの特別になること(⇒親友や承認)、自分がなりたい自分になること(⇒自我、自尊心)、自分がやりたいことで自立すること(⇒進路、専門分野での成功)といったように。

6話で燈子が侑の言葉に折れず、「死んでもそんなこと言われたくない」と突っぱねるシーンがあって、個人的に好きなシーンです。燈子には恋愛だけではない、特別欲求があって当然なのです。そして、人物描写としても、燈子はその特別な自分を認められることで、自分を支えている人間だということも見えてきます(人間には、譲れない物があったりします)。

続く7話では、侑と燈子の関係を快く思っていないように見えた沙弥香の回で、彼女の境遇と心情描写が加わることで、大幅に深みが増しました。本作は伏線的なカットや、巧みな心情描写が多く用いられており、このあたりではストーリー評価が9点にまで上がっていました。

情感面。泣ける作品はそれだけでも評価を上げる要素になりますが、化学調味料による泣きではない、なぜ泣いているのか説明がうまくできない涙が流れる作品のほうが好みです。本作は様々な演出が幾重になっていることによるためか、特に泣かせようとしているように見えないシーンでも涙腺を刺激されることがあり、充実感も大きかったです。(これが「尊さ」なのか?)

9話、11話で作画が危うくなって声が浮いているように感じたところがあったり、物語が若干停滞したことで少し評価が下げてしまいましたが、{/netabare}7話時点で今期の覇権だと思ったほど、見応えのある良作でした。

OPも物語の進展につれて良くなり、しばらくはYoutubeで聴いていましたが、その後、デジタル音源を購入しています。

ということで、恋愛物の苦手な私にしては高評価です。百合が苦手な方も、リズ青が好きな人はストライクゾーンに入る可能性が高いと思いますし、3話までは続けて視聴し、判断していただくのが吉かと思います。

<2018.12.30追記>
今期の上位作品を比較してみたところ、やはりこの作品だと思ったので評価を微修正させていただきました。

(参考評価推移:3話4.1→6話4.3→7話4.5→9話4.3→11話4.2→12話4.3→13話4.2→調整4.3)
(視聴2018.10~12)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 36

78.3 3 演劇アニメランキング3位
心が叫びたがってるんだ。(アニメ映画)

2015年9月19日
★★★★☆ 4.0 (1198)
6265人が棚に入れました
監督 長井龍雪
脚本 岡田麿里
キャラクターデザイン 田中将賀
制作 A-1 Pictures
青春群像劇 第2弾 劇場版完全新作オリジナルアニメーション 

幼い頃、何気なく発した言葉によって、家族がバラバラになってしまった少女・成瀬順。
そして突然現れた“玉子の妖精”に、二度と人を傷つけないようお喋りを封印され、言葉を発するとお腹が痛くなるという呪いをかけられる。それ以来トラウマを抱え、心も閉ざし、唯一のコミュニケーション手段は、携帯メールのみとなってしまった。高校2年生になった順はある日、担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。一緒に任命されたのは、全く接点のない3人のクラスメイト。本音を言わない、やる気のない少年・坂上拓実、甲子園を期待されながらヒジの故障で挫折した元エース・田崎大樹、恋に悩むチアリーダー部の優等生・仁藤菜月。彼らもそれぞれ心に傷を持っていた。

声優・キャラクター
水瀬いのり、内山昂輝、雨宮天、細谷佳正、藤原啓治、吉田羊
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

始まりの言葉

言葉は誰かを傷つける。

このフレーズによって
すでに私たちは作品の世界に引き込まれている。

純粋で、ストレートであるがゆえに
傷つきやすい思春期の心の
その傷や痛みさえも美しく見せるものが青春だとすれば
青春という特権的な時間の中にのみ現れる
尖鋭化された、純粋な言葉へと
すでに定位はなされている。
言語一般に解消するのは誤りであると思う。

この作品で言葉は、テーマというよりはむしろ
もっと具体的な、マクロ的な機能を担って現れているようだ。
特に注目したいのは、ストーリーの展開の軸となる次の二つ、
「傷つける言葉」と「本当の言葉」。
これらを物語の展開に即して辿っていきたい。
そこには当然、この作品の主題も絡んでくるはずである。



{netabare}
「傷つける言葉」が現れるのは、物語の発端。
それが、ヒロインの成瀬順と田崎大樹とを結ぶ接点となる。

この二人は、反転させた相似図形のように
順は、メンタルな傷によるフィジカルな痛みを
田崎は、フィジカルな傷によるメンタルな痛みを抱えて
自分の殻に閉じこもって周囲から孤立している。

田崎は無神経かつ暴力的な言葉で順を傷つける。
その彼が、後輩の言葉で逆に傷つけられた時
「言葉は人を傷つける」ことを順が言語化する。
田崎にとってそれは、世界が一変するほどの衝撃だった。

田崎の「謝罪」から物語は動き出す。
彼の変化は、「傷つける言葉」を経験して
他者というものの存在を初めて意識したことによる。
はじめは拓実の苗字さえ知らなかった彼が
クラスの一人一人の個性に共感を示せるほど
今では周囲との関係の中に融和しているのである。

言葉を前景として展開されていく
この作品の中心主題とは、「関係の危機と回復」
そう捉えてよいのではないだろうか。
関係の危機に際して二人がとった対照的な態度が
このあとの展開の鍵となっているように思う。

順の場合、原因となった言葉を封印することで
不幸を回避しようとして、結果的に関係を遠ざける。
このネガティブな論法を、田崎はポジティブな行動で打ち破る。
彼は、言葉による関係の回復を証明してみせた。
それが彼の「謝罪」の意味である。

最初に田崎が殻を破り、関係の世界に踏み出した。
だから、本番直前に失踪という形でクラスの仲間を裏切り
順がふたたび関係の危機に陥った時、彼女のために
再起へのチャンスを懇願し、的確に方向性を示して
クラスの空気を一瞬で変えることができた。
田崎は先に進み、順が自分に追いつくのを待っている。



「本当の言葉」が現れるのは、物語の最終盤
順と坂上拓実との間に交わされる対話の中である。

拓実が失踪した順を探し当てた場所は
「すべての事のはじまり」の場所である
今は廃墟となった、山の上のお城(ラブホテル)だった。
不幸が繰り返された結果、原点に回帰して
すべての根源を断ち切りたいという無意識の願望が
おそらく順をここに誘ったのだろう。

二人の間に交わされる対話は、物語の最重要場面だが
短い時間の中に内面の動きが極度に凝縮されているため
観る側の解釈による補足がどうしても必要になる。
例えば、関係という補助線を引きつつ
二人の言葉を糸口に、経過を注視していくと
順と拓実との間で「本当の言葉」が交わされ、連鎖的に
二人の心に劇的な変化が生じてゆく過程が見えてくる。


まず、順から拓実へ。

無残な廃墟と化したホテルの部屋は
順の心の内部を象徴するものだろう。
童話風なステンドグラスの窓は、はじめは薄暗く
対話が進行するにつれて、徐々に明るい光が差し込んでくる。
宗教的な空間を想起させるこの場所で
彼女の魂の再生が行われることを暗示している。

絶望に駆られ、すべてを呪詛する順に
拓実は、「本当の言葉」を聞かせてくれ、とせまる。
順が怒りに任せて叩きつけた罵倒の言葉は
確かに「本当の言葉」だったかも知れないが
あっという間に種切れになった。
物語の少女とは違い、現実の彼女は
言葉で誰かを傷つけたことは一度もなかったからだ。

自分のおしゃべりが原因で家族が崩壊したという
あまりにも不幸な体験が再現しないよう
痛みを伴う強烈な自己暗示をかけて言葉を封印した。
その際、誰かを傷つけてしまうから、という
単純化した論理を用いて自分を戒めてきたのだろう。

その順を「傷つける言葉」へ誘導することで
意図せずして拓実が行ったことは
対話によって患者をトラウマの根源に導いていく
精神分析の治療法を想起させるものだ。
ただし、治癒は一方的なものではなく、相互的に進行する。
先に変化が生じたのは、拓実の方だった。


拓実から順へ。

順は、拓実の名前を繰り返して三度、呼んだ。
その時、思いがけず拓実の目から涙がこぼれ落ちた。
この呼びかけが、彼の心の一番奥深くにまで届いたのは
それが順の「本当の言葉」だったからだろう。

彼が順に打ち明けたのは、心に澱んだ虚しさだった。
自分には誰かに伝えたいことが失われてしまっている。
伝えたいことがない、という空虚感は
裏返せば、他者との関係の希薄さを意味している。
つまり、彼もまた順と同じように
心の殻に閉じこもってしまっていた。

伝えたいことで満ちあふれる順の心の躍動に触れ
何より、関係を諦めない順を通して
自分が渇望していたものを知ることができた。
本当の言葉を伝えることとは、言葉を介して相手を受け入れ
自らも相手に受け入れられようとする、関係への願いである。

いま、それが実現していた。
猛烈な勢いで罵倒されてもうれしかった。
名前を呼ばれた時には
空虚だった自分の存在が満たされる気がした。
そして彼の中に、伝えるべき本当の言葉が生まれた。
お前に会えてよかった、という感謝。
これが、ようやく拓実が伝えられた「本当の言葉」だった。


ふたたび、順から拓実へ。

拓実のストレートな心情の吐露が
すべての原点にまで遡って、順の中の固定観念を
転倒させることに成功する。

私のおかげ? 私のせいじゃなくて?

この時、順のトラウマの原因が、父親の言い放った
「お前のせいだ」という言葉だったことが明らかになり
自らにかけてきた、卵の呪縛から解き放たれる。
殻が破れた瞬間に見えてきたものはやはり
これまで育んできた仲間たちとの関係だった。
だから、彼女の中に感謝と後悔が自然に湧いてくる。
「みんな」が待っている場所へ行く。その決意とともに
物語は一気にフィナーレへと加速する。

その前にあと一つ、伝えなければならない
「本当の言葉」が順には残されていた。
それを伝え終えたあとの表情には、傷心よりもむしろ
自分に対して一つの決着をつけられた清々しさが勝っていて
順が生まれ変わったことを強く印象づける。
失恋は終わりではなく始まりとなった。
彼女は新しい世界へ踏み出していく。



フィナーレでは「言葉」は前景から退き
代わって「歌」が、順が踏み出した新しい「世界」の
メッセージを高らかに歌い上げる。

ここに、雀犬氏のレビューから一文を引用させて頂こう。

「この映画で最後に見せたかったものは
 自分の殻を破り外の世界に飛び出した成瀬順に対する
「新しい世界からの祝福」だと思われる。」

これは、ラストの田崎の告白に関してのご指摘だが
この卓見はフィナーレの全体にまで敷衍することができる。


思い返せば、ミュージカルの発端にあったものは
順がケータイで紡いだ物語と、拓実のピアノとの二つ。
そのいずれもが、閉ざされた内部に封印されてきた想いを
外の世界へ向けて解き放とうとするものだった。
それが周囲の多種多様な心を取り込んで、膨れ上がり
一つの作品にまで結晶する。

ラストの全員合唱のシーンにオーバーラップする
日常の片隅の、さりげない情景の数々。
日々繰り返される、何気ない
そしてかけがえのない「日常」の愛おしさ。
彼らの過ごしてきた日々が集約されている
誰もいない教室を写した一カットにはいつも胸を打たれる。

明らかにここには、「世界」の意味するものが
具体的なイメージとして重ねられている。それは
一人一人の内面の「小さな世界」を包みながら
同心円状に、クラス、学園、地域へと広がっていく
コミュニティと呼ばれる、古くて新しい私たちの「世界」だ。

集団のエネルギーの総和である、ミュージカル。
無数の関係の集積として成立する、コミュニティ。
アナロジーで結ばれたその二つの場が向かい合い
同一の空間を形成するのが、この作品のクライマックスである。
そして、物語の最大の焦点であった順と母の和解は
二人がそれぞれ、一方の場所からお互いを見出し
言葉を介さずに理解しあうという、象徴的な描き方がなされている。

個々人の葛藤が、共同性の中に止揚されるこの図式は
祝祭というものの本質的な機能に即している。したがってそれは
個と集団との対立のない、調和的な世界であって
甘さとして指摘できる部分だが、こうした批評的な掘り下げは
本作にはあまり似つかわしくないようにも思う。
「あの花」とは異なる、これがこの作品の独自性なのである。

青春のリアルな感触を伴った本作の魅力は
逆説的だが、一種のユートピア性にあるのではないだろうか。
同じ印象をかつて自分は、「耳をすませば」から受けた。
私たちの日常と隣り合った、いわば親密なユートピア。
アニメーションはこれを志向し、私たちもそれを憧憬する。
アニメがもたらす幸福感の源の一つが、確かにここにはある。
{/netabare}



言葉は誰かを傷つける。

そのことにまた傷つき、立ち止まり、それでもなお
「本当の言葉」を交わしあいながら、彼らは前へ進んでいく。

危機に瀕した関係を回復する「謝罪」も
相手を肯定し、関係を深化させる「感謝」も
新たな関係への願いである「告白」も
彼らの言葉は、ありったけの真情をこめた叫びのように
未知の可能性に向かって発せられる。

だから、青春の言葉はいつでも
「始まりの言葉」なのだ。


(初投稿 : 2020/08/02)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

音楽を題材にしたアニメにはずれ無し!

初日舞台挨拶付上映を観てきました
それほど期待していなかったのですが
素晴らしい映画でした!

あの花スタッフが贈るなんたらかんたら~
みたいな宣伝をひたすら続けていたので
あの花がそこまで好きになれなかった身としては
「あの花スタッフが贈る」はキャッチコピーとしてむしろマイナス

『あの花』は後頭部を鈍器で殴って「ほら、目から涙が出ただろう?」みたいなやり方をしていた
というのはつい先日のインタビューで長井監督自身の発言ですが
まさに言い得て妙だと思いました

あの花は{netabare}1話がピークだったというか
女装のあたりで物語から振り落とされて
それ以降登場人物にほとんど感情移入できずに
テンションはどんどん下がっていって
最後は醒めきったまま作業的に消化
そして興奮して盛り上がっている方々に
「これで泣けない奴は人間として終わってる」とまで言われ
疎外感をたっぷり感じながら
遠巻きに眺めている感じでした{/netabare}

しかしこの映画は自ら鈍器で殴られに劇場に来ていた人たちには
若干火力が足りなかったかもしれません
4人の主人公たちがそれぞれに抱える悩みを
じっくり掘り下げて書いているので
青春映画特有の古傷をチクチクと針でつつかれるような痛みなら
ぎっしりと詰まっているのですが
こういう青春映画の良さって
現役バリバリで青春真っただ中の人には
あんまりピンとこないかもしれません

そもそも4人の抱えている問題は
{netabare}過去に起こしてしまった取り返しがつかない過ちに起因します
田崎の問題だけは他の部員との軋轢という意味では現在進行形ですが
怪我で大会を棒に振るという変えられない過去に端を発している点では彼も同じようなもの
年月がたっていなかった分最も早くそれと向き合うことができたともいえましょう
他の3人は古傷が心の中にしこりになって残っていたものを
すこしずつ吐き出して前に進んでいく物語なわけです
そうなるとどうしても古傷をたくさん抱えている大人の方が
こういった作品と向き合った時に
心の奥底まで物語が浸透しやすいんじゃないでしょうか{/netabare}

私が作中で一番印象に残ったシーンは
{netabare}廃墟で二人が対峙するシーン
あのシーンの拓実は本当に格好良かったですね
ミュージカルと平行して進む会話の中で
順の告白はきっぱり断りつつ絶望の淵から救い出す
その二つはなかなか両立できたもんじゃないですよ

それまでの拓実がしていたように
相手を傷つけない言葉だけを選んで会話するのは
一切の会話ができない順に比べて生活に支障が少ないだけで
本質的なところはたいして変わりません
たしかに言葉は人を傷つける
でも言葉は人を傷つけるだけではない
逆に言葉にしないことが人を傷つけることもある
たとえ相手を傷つけることになったとしても
自分の本当の気持ちを相手にぶつける勇気
その覚悟と誠意のこもった言葉が
順の殻を破り刺さったのでしょうね

そこからラストまでのヒロインダブルキャストのミュージカルがはじまり
悲愴のメロディにのった「心が叫びだす」と
OverTheRainbowを基調とした「あなたの名前叫ぶよ」のクロス・メロディまで
本当に完璧な仕上がりでした{/netabare}

物語を満点からわずかに減点したのは
最後のシーンがあまりに唐突過ぎたからです
あの締め方自体は決して嫌いじゃないというか
すごく良い終り方だと思いますが
ちょっとそこまでの描写が足りていませんでした

{netabare}思い返してみれば
最初は順のことを小馬鹿にしていた田崎が
徐々に順のことをリスペクトしていく描写は
ところどころに有ったのは分かります
たしかにそういう伏線めいたものは感じられましたが
それ以上に初期に仁藤に言い寄る田崎の印象が強くて
それが消えていくような描写が見当たらなかったのが問題かな
穿った見方をすれば、坂上たちが付き合い始めて脈なしになったから
代用品として順を選んだようにも見えてしまいます
そしてその節操の無さが妻子持ちながらお城に通う順の父とかぶるというか・・・

ここからは憶測ですが
たぶんこれは演出家の考えが足りないわけではありません
むしろそこでサプライズを起こしたいから
敢えてミスリードを残し、そこに繋がる描写を最小限にしてあるのです
どうしてそう思うのか?簡単なことです

それがマリーの常套手段だから

全体のバランスとか細かい整合性よりも
唐突に吹き出す感情のインパクトを重視するのが彼女の流儀
それがぴたりと噛み合うと傑作が生まれるわけですが
空回りしていることのほうがずっと多い印象
だから私は彼女の実力はある程度評価していますけど
はっきり言ってあんまり好きな脚本家じゃないですね
今回みたいな完全オリジナルならまだ許せるけど
続編ものとか原作付とか他の人が積み上げてきた土俵で
何もかもぶち壊すのは本当にヤメテ!{/netabare}

音楽に関してはミュージカルが題材なだけに
当然かなり力が入っています

ミュージカル部分の担当はクラムボンのミト
ショウバイロッカーにとってはラボムンクのミトミトンですねw
日本人になじみの深いミュージカル曲を選出し
それを劇中劇としてまとめ上げました

もう一人の劇伴作家は横山克
最近だと君嘘の音楽を担当されていた方で
私はあれでファンになったのですが
今回の作品でも物語をカラフルに彩る
心地よい音楽に仕上がっています

この二人の仕事は非の打ち所がありません
それでも音楽に満点をつけられなかったのは
エンディングの存在が原因

のぎさかなんとかはあんまりよく知らないので何とも言えませんが
秋元康って日本を代表するヒットメーカーなんですよね?
詩の内容は多少映画の内容を意識してはいるんですが
むしろそれが却ってマイナスです
それまでスクリーンに映し出されていた濃厚な人間ドラマと
そこに内容をがっちりリンクさせたミュージカル
それらすべてを引き継いで締めるにはあまりにも薄っぺらく
取ってつけたような物語とのリンクは蛇足の一言に尽きます
これならばまだ方向性を変えて
真っ向勝負を避けたほうまだマシだったでしょう

例えるならリレー競技で
全員一丸となって必死に走ってきたのに
トップでバトンを受けたアンカーが
余裕こいて軽く流してたら
なんか最後抜かちゃいれました
みたいなものすごい興醒め感です

声優に関しては全く文句ありませんでした
特に水瀬さんの声にならないうめき声と
はまり役すぎるほどの内山君が素晴らしかった
それから順の母親役の吉田羊さん
話題作りのためにTVや映画で活躍する有名人をキャスティングして
散々な出来だった作品をいくつも観てきました
乃木坂同様不協和音にならなければいいと心配していましたが
こちらは全くの杞憂に終わりました
やはり一流の女優さんは声だけの演技であっても
その実力がはっきり見て取れるものなんですね

作画も全体的にすごく良かったと思います
特に言葉を発することができない順の心情を
水瀬さんのうめき声とともに見事に表現していた表情芸は素晴らしかったし
途中の携帯を使ったLineっぽい演出も面白かったです

ついでに言っておくとこのアニメも西武線アニメなので
西武線の電車がちょいちょい出てくるのは想定内だったのですが
なんと今回は西武バスも出てきます!
地元民以外からすればなんのこっちゃ?って話なんですが
毎日家のすぐ前を通ってるのと同系のバスが出てくると
なんか無意味にテンションあがりますねw

音楽を題材にしたアニメ作品で
過去のトラウマを乗り越えて成長していく青春群像劇
A-1Pictuers制作でプロデューサーはアニプレ斉藤P
劇伴には横山克、要所で流れるベートーベン
そしてやけに主張の激しい小道具として使われる西武線(笑)
水瀬いのりも瀬戸小春役ででてましたし
このアニメ実はかなり君嘘と共通項が多いです
ひょっとするとあの花ファンだけじゃなくて
君嘘ファンにもおすすめしていい作品かもしれません

全体としてはかなりレベルの高いところでまとまっていたと思います
時間を見つけてもう一回見に行きたいですね

おまけ

舞台挨拶でキャストの方々が
是非サントラを買って帰ってください!
何て言うもんだから買って帰ろうとしたら売り切れ・・・
まぁそりゃあんな風に言われりゃみんな買おうとするし
私らの回は挨拶付上映2回目だから1回目の客が買って帰って終わりだわな

仕方なく家に帰ってから通販で購入したのですが
アニプレの通販特典でセルフライナーノーツがついてきました
映画パンフにあったミトさんの話をさらに膨らませた感じの内容で
版権の問題で没になった曲なども含む
ミュージカル選曲案(第一稿)もついてました
これは、会場で買わないで通販にして良かったかもしれないw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 37
ネタバレ

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

Shout at the Devil

あれは確か私が中学2年の時、
放課後にクラス全員で校内行事の合唱コンクールの練習をしていた時の話だ。
やる気もあまり感じられず、どことなく気怠い空気が蔓延していた。
そんな中、ある女子生徒の一声が教室中に響き渡った。
「みんな、もっとちゃんとやろうよ!! コンクールまでもう時間ないんだよ!!
私はこのクラスのみんなと一緒に精一杯やりたいよ!!」
女子生徒はその場で泣き崩れてしまう。
それを目の当たりにした野球部の男子生徒が
「そうだよ!みんなもっと声出るだろ!!本気でやろうぜ!!」と
女子生徒の訴えに呼応するように叫びだした。
その後クラス中で嗚咽をもらすという空気になっていったわけだが、
そんな中、私は
「おいおい、こいつら青春ドラマの見過ぎだろ・・何の茶番劇だよ・・」と
一人その場を冷静に観察していたというまさに外道!!w(リアル中二病とも言う)
そんな私が「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(あの花)
を観て感動などできるはずもなく、
クライマックスシーンは、はっきり言ってドン引きしていました。
ええ、そうです。私はそういう人なんです!!

本作は「あの花」のメインスタッフが再び集結して作られた作品です。
そうと分かっていながら何故視聴した?という話なんですけど、
評判も上々でしたし、
制作側も「あの花はちょっと露骨過ぎた」的なことを発信していたようなので、
それならばと思って視聴してみました。

では、ここからはネタバレありで本作を語っていきます。


{netabare}まず、結論から言うと、
王道の学園青春アニメ(映画)としての出来はかなりよかったと思います。
「あの花」よりもこちらの方が断然好みでしたし、
感動して泣いてしまったというのもよく分かります。
私もぐっときたシーンはいくつもありました。

けど・・・けれどもなんですよ!
まぁそれは一先ず置いておきましょう。

幼年期あれだけおしゃべりだった主人公成瀬順が、
高校生になるとろくに声も発しず、携帯等の文字のやり取りしかできないような状態に・・
そこまで変わるものなのかとも一瞬思いましたが、
そうなるには充分な説得力(トラウマ)があったと思います。

成瀬順から言葉を奪ったのが「玉子(の妖精)」なら、
再び声を取り戻すきっかけとなるのが「王子」。
「玉子」と「王子」・・・似て非なるもの、表裏一体、アンビバレントな、
というのは意識して作られていたのかもしれませんね。
言葉というのは毒にも薬にもなり得るものですし、
「せい」でなく「おかげ」なんてことも本作中で語られていましたしね。
本作のミュージカル中には、
マッシュアップ(2つ以上の曲から片方はボーカルトラック、もう片方は伴奏トラックを取り出して
それらをもともとあった曲のようにミックスし重ねて一つにした音楽の手法)
が取り上げられていましたけど、これもそこら辺に掛かっているのかな?
まぁ小難しい考察は他の方に任せますw
あとは、ベタだけど玉子の殻を破ってとか、玉子を様々なメタファーとして用いていましたね。

まぁ、とどのつまり本作は、主人公成瀬順が再び声を取り戻す再生の物語なんですけど、
普段接点のない者達が集まって、一つの目標に向かっていくというのは、
やっぱりキュンキュンときめいてしまいますねw
その距離感と緊張感の演出は本当に素晴らしかったと思います。

はい、ではここからは、けど・・・けれどもの部分の話をしますよ。

声を失った少女、そしてミュージカルと
私は本作の中盤くらいからクライマックスシーンをある程度もう想定していました。
それはどんなものかというと、ミュージカルの劇中、
成瀬順の母親も見ている中で成瀬順が唐突に叫び出すんです。
そう、それこそ私の中二時代の合唱コンクールの練習時のあの女子生徒のように。
舞台裏のクラスメイトが「ねぇ、こんな台詞あったっけ?」なんて狼狽する中で、
少女はこれまで溜めに溜めてきた鬱屈した心情を魂の咆哮によって吐き出すのです。
「私が言葉を発してしまったせいで多くの人を不幸にしてしまったから・・・
だから・・・私は自分なんて存在しない方がいいって思っていたけど・・・
けれども私は、私はここにいる!ここにいるよ!!」
そして、拓実を一瞥した後に、
「あなたが、あなたが教えてくれた!想いは声にしないと伝わらないって!
あなたは私の王子様じゃないかもしれないけど・・・
けど・・それでも私はあなたが好き!!」
こんな展開なら私はおそらく号泣してましたw

ベタだけど、こっちは泣く準備ができていたからそういうのを期待していたのに、
それなのに・・・なんだあれ?
すべての始まりである今は潰れたお城(ラブホ)という舞台にあまり文句はないですけど、
(まったくないわけではない)
脇が臭いだの、ピアノが弾けるからってモテると思うなよとか、
それとあの女も同罪だ!ああいうのが一番たちが悪い!とかさぁ・・
マリーさん脚本得意の女子特有のドロドロの本音ってやつなのでしょうか?
その後の拓実への告白シーンはよかったですけど、
その告白の前の生々しい心の叫びというのは絶対必要なんですよ。
自分のおしゃべりによって家庭を壊してしまった後悔、これまで抑圧してきた感情、辛い想い、
成瀬順にはもっともっと叫ぶことがあるだろ。
それなのに、成瀬順の心の叫びを、
恋の嫉妬からくる罵詈雑言に矮小化してしまっているような・・
あれがしゃべれなくなってしまう程のトラウマを抱えた成瀬順の本当の魂の咆哮なのか?
とかなりの物足りなさを感じました。
それに、拓実のリアクション。「うん、、うん、、、」
とひたすら頷いている(成瀬順を肯定している)のにも「なんだかなー」という気持ちに。
これまでは成瀬順が言葉を発することによって不幸が訪れる、
つまり、人間関係が壊れてしまい、成瀬順は否定されてしまっていた訳ですけど、
拓実はひたすら肯定してくれます。そういう対比の場面だと思いますが、
でも、拓実もかなり複雑な家庭環境でしたよね?
だったら、「自分ばかりが特別だと思い込んでるんじゃねーよ!」くらい言って欲しかった。
お互いが本音を言い合い、それでもその関係は壊れない(肯定される)。
それが成瀬順の救いとなり、過去のトラウマからの解放、本当に声を取り戻す。
その流れで告白っていうのを期待していたんですけどね。
これは本作を視聴中に常に頭の中によぎっていたことなんですけど、
皆が皆、成瀬順を甘やかせ過ぎのように思えました。
劇中のキャラってことだけじゃなく、そもそもシナリオレベルでね。
最後の田崎が成瀬順に告白って場面でもそれは思いましたよ。
これは救済的な措置かな?なんてね。
ご都合主義とかじゃなく、やっぱり甘やかせ過ぎっていうのがしっくりくるかな。

私としては、ミュージカルの本番前にトラウマの発端となった舞台(ラブホ)で
拓実とのやり取りがあり、
ここでのやり取りは劇中のような罵詈雑言をぶつける、いや、ぶつけ合ってほしかったですけど、
とにかく、そこで成瀬順は声を取り戻す。
そして、ミュージカル本番に見に来ている母親の前で、拓実の前で、
成瀬順が本当に叫びたがってることを、熱い魂の咆哮をって展開の方がよかったかなと。
ミュージカルの劇と成瀬順と拓実のやり取りをリンクさせる見せ方は上手いとは思いますけど、
流れとしてね。

若かりし頃というのは、満たされないことが多いでしょう。
私も年中欲求不満で、エネルギーを持て余していましたw
私の場合、カラオケで発散していたんですけど、
2~3人で行って、ほぼ毎日6時間超えは当たり前、パンツ一丁で浴びるように酒を飲み、
ひたすら叫びまくるという、まさにクレイジーそのものw
でもそうでもしなきゃさ、
自分だけが不幸なんじゃないかって、他人が羨ましくてしょうがないって、
いろいろやってらんねーぜ!って心境だったんですw
今思えば己の卑屈さや器の小ささに忸怩たる思いを禁じ得ないのですが、
でも、成瀬順よ、お前は違うんだろ? 
あの程度の心の叫びなら、それこそカラオケでも行って発散すればいい。
ただ、そんなものは俺の心には響かない。
心が叫びたがってるんだったら、もっと本気でかかってこいやぁぁぁ!!!{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 54

67.5 4 演劇アニメランキング4位
探偵オペラ ミルキィホームズ(TVアニメ動画)

2010年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (806)
3561人が棚に入れました
架空の怪盗や探偵が活躍する近未来の世界を舞台としている。この世界では「トイズ」と呼ばれる特殊能力を持つ人間が存在し、トイズの力を振るう「探偵」と「怪盗」が互いに争いあっている。物語は将来探偵になることを目指す4人の少女「シャロ」「ネロ」「エリー」「コーデリア」を中心に展開される。

声優・キャラクター
三森すずこ、徳井青空、佐々木未来、橘田いずみ、明坂聡美、岸尾だいすけ、寺島拓篤、下野紘、南條愛乃、沢城みゆき、新谷良子、田村ゆかり
ネタバレ

dbman さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

登場人物みんなアホ ネタ満載すぎる狂気のバカアニメ

原作:ゲーム/ギャグ・パロディ/全12話/アニメーション制作:J.C.STAFF

2010年に放映された作品で、その萌え萌えしたキャラデザから敬遠していたが、いまさらになって先日に視聴しハマってしまった『ラブライブ』のキャストが数人出演していることがきっかけで視聴。ただの萌えアニメや声優アニメなんて思っていたらとんでもない。笑いどころ満載の突き抜けた超絶バカアニメでした。

観始めてすぐに思ったのは、萌え系というよりも作風が日朝などで放送されているプリキュアなど幼児向けアニメといった印象。(プリキュアはまともに観た事ないけれど)ただ、こちらの作品はギャグやパロディがとても豊富なので、そこはやっぱり大きいお友達向けというか、パロディの元ネタを知っていれば知っているほど楽しめる側面もあるので、アニメ上級者向けよりにはなっているかもしれません。

この作品は、物語がきちんとあることも間違いないのだけれど、これでもか! ってくらいにギャグやパロディが散りばめられているので、一度や二度観ただけでは到底拾い切れない気づけないネタが満載。視聴後に解説サイトをちら見したけれど、あまりにも多すぎてそっ閉じしてしまったほど。おそらく全てを把握し、しゃぶり尽くそうとしたら、結構な時間を必要とするでしょう。

ただ、あまりにもネタが多すぎるというだけで、初見の視聴だけでも十二分に楽しませてもらいました。全体に渡って幾度爆笑してしまったかとても数え切れないし、なかでも第4話は個人的に神回すぎてやばかった。怒涛の如く押し寄せてくるジブリ作品パロディ群は、言葉どおり笑い転げてしまい、涙で画面が見えなくなり一時停止したほど。おそらくパロディネタにおいて生涯でこれほど笑ったシーンは記憶にありまてん。とりわけ、{netabare}ナウシカで有名な「らんらんらららんらんらん♪」を絶妙な音程で歌う三森さん(シャロ)が、最高すぎることに加え、そこからの「ルールルルールルー♪」コンボに涙腺&腹筋崩壊w{/netabare}

登場するキャラクターもバラエティに富んでおり、メインキャラだけでなく悪役側やサブキャラも含めてすべてが愛すべきキャラだらけ。お気に入りはネロと小衣だったけれど、どのキャラも良キャラすぎてとても語りきれません。もちろん萌え系のキャラデザなので癒し効果も抜群だし、さして面白くないネタでさえも許せてしまう。基本的にほぼすべてのキャラが突き抜けたアホというのが何よりもこの作品の面白いところかもしれない。

漫画やアニメでのパロディネタを面白いと思うことが限りなく少ない私において、この作品はちょっと別格。こんなに面白いパロディもあるんだなあと考えを改めさせられました。萌え系すぎる作画だからと、これまで敬遠して観ていなかったことが大変に悔やまれるってやつで、笑いのツボがあえばアホみたいに楽しめる素敵な一作。シリーズは第4期まで続いているようなので、続編もゆっくりと堪能させてもらおうと思います。


▼キャスト
シャーロック・シェリンフォード:三森すずこ 
譲崎ネロ:徳井青空 
エルキュール・バートン:佐々木未来 
コーデリア・グラウカ:橘田いずみ
アルセーヌ(アンリエット):明坂聡美
トゥエンティ(二十里海):岸尾だいすけ
ストーンリバー(石流漱石):寺島拓篤
ラット(根津次郎):下野紘
明智小衣:南條愛乃
長谷川平乃:新谷良子
遠山咲:田村ゆかり
銭形次子:沢城みゆき

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

マジ天使 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

オマージュに限りなく近いなにか

-物語----------------------------------------
優等生が超能力が使えなくなり、能力を取り戻すという密度が濃いがプロローグを上手く纏めてる
2話目以降では常軌を逸した作品であることを匂わしており、特に作品が面白いと感じたのは4話と8話
物語がいいとかの次元ではなく、脚本(ネタの使い方)が面白い作品
スタッフの遊び心でコマ毎にネタを散りばめらたりとすべてにおいて凝っている作品だと思いました
-ニコ動との関係----------------------------------------
元がニコニコ動画で主役声優のオーディションをしたり、
無料放送や宣伝を行ったりしているため、ニコ動の色が濃く出た作品
提供がドワンゴなので分からなくもないですね。

内容の半分以上は版権ネタなので評価はこんな感じで分かれそうな気がします。
①ニコ動を利用しておりかつ、重度のニコ厨である。
実際ニコ動をよく使っているとよく聴くパロディネタが多く。大体がニコ動にあるためを共有できる
エンドカードなんか見るとニコ動でよく見かける人が多いのも頷ける

特にこの作品でツボに入った4話ですね。軽く引用すると…
「天空○城ラピュタ」「風の谷○ナウシカ」
「あらいぐまラ○カル」「フラ○ダースの犬」「ルパ○3世 カリオストロの城」

宮○駿に喧嘩を売りたいのか、それとも顰蹙を買いたいのかどっちやねん!と突っ込んでしまった。
実況向けアニメに近く、「おいおい」と突っ込みを入れたい場面がいくつもありました。

②ニコ動を利用していない、パロディネタを知らないなど
殆どがパロディであるため知らない作品のネタを出されても理解できないのも事実
ここら辺がパロディ系ギャグアニメの問題でもあり限界。個人的には大好きなんですけどね。
いい意味で「ターゲットを絞った作品」悪い意味で「評価されずらい作品」

-まとめ----------------------------------------
かなり「コアなアニメファン向け作品」でもあり、上級者向けアニメのタグは納得。
完全にパロディギャグアニメなので好みの問題もあるし、まず知ってるかどうか。
最近あった「生徒会の一存」なんかは角川ネタが多い作品でしたが、こちらは手広く使ってる感じ。
思わぬところで知っているネタがあるとついつい止めて、まとめサイトを探し出す。
4話がこのアニメの根本でもあり、4話の受け方しだいで評価は変わるでしょう。
よく訓練されたオタクならば容易に楽しめる作品


下に個人的に笑ったパロネタを記載有。










-個人的に好きなネタ----------------------------------------
4話 ラ○♪ラ○ララ♪ラ○ラ○ラ○♪
「風の谷○ナウシカ」のクライマックスシーン。
4話 「バ○ス!」
ラピュタ崩壊呪文 どうみても完全に一致です。本当に(ry
4話 「アイリーンちゃんは大切なものを盗んでいきました」「それはわたしたちのこころ…さんです」
絶対このセリフ入れたいがために、キャラ設定入れたんじゃね…
8話 棚にある「老山龍の紅玉」「毒怪鳥の頭」「古龍種の剛翼」
CAPCOMのゲーム「モンスターハンターF」シリーズに登場する素材。
8話 トイズ忍法火の鳥
ガッチャマ○の必殺技「科学忍法火の鳥」
10話 CM明けアイキャッチ
どう見ても、ギャラクシーエ○ジェルです
10話 赤い海と巨大なアルセーヌ
「劇場版エヴァンゲリオン Air/まごころを君に」の最終話にあたる「まごころを君に」のラストシーン

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
ネタバレ

ともか さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

≪酷評気味≫ ドタバタ喜劇……ですよぉ。

結論から言うと個人的には好きになれなかった。。


物語について、
「トイズ」というのが物語全体を通してのキーワードで、
端的に言えば「魔法」や「特殊能力」といったイメージです。
以前は優秀な探偵だったメインキャラ4人「ミルキィホームズ」が
とある経緯でトイズを使えなくなってしまい、探偵としてもダメダメに…
3か月の猶予期間中にトイズを復活させることができなければ退学処分、
という状況に追い込まれたミルキィホームズたちが悪戦苦闘します。

探偵もののイメージとはかけ離れているし、
音楽にもほぼ関係ありません。

第一印象として、
回想シーンが多く、テンポを損ねてしまっている感じがしました。
…そうかと思えば、
あるキャラが台詞を発している最中に他のキャラも喋り出して、
お約束のドタバタ展開に。
「間の取り方」が終始メチャクチャです。
好意的に捉えれば変化を持たせて退屈させない演出とも言える
のかもしれませんが、私としては好みではありません。

物語は1話完結ではないけれど、続け方に脈絡が無さすぎる。
時系列的には順番通りになっています。


音楽について、
OPはこの作品にまぁまぁ合ってると思えました。
EDのほうは映像面で動きが無さすぎ、
曲調もこの作品に合ってるか、正直言って微妙です。

OP曲:正解はひとつ!じゃない!!
ED曲:本能のDOUBT


ドタバタがお好きな方にはオススメできるかもしれません。
近年の芸人にありがちな「マシンガントーク」系と似ている印象です。

私は肝心の笑い所でツボから外れてしまっていました。
「マシンガントーク」が発動してる時は(当然)みんな早口になって、
何を喋っているのかも非常に聞き取りづらい。
面白い事を言ってるとしても、聞き取れなくては意味が無い。。


…と、ここまでマイナス点だらけでしたが、すべてが悪いわけではありません。
キャラの表情が豊かで顔のバリエーションが豊富。
敵サイドのキャラたちも含めて馬鹿さ加減が良い味を出しています。
ドジっ子、露出狂、料理人で剣術遣い…等々、
個性的なキャラがある程度揃っていたと思います。

でも残念ながら、視聴時間に見合う分だけ楽しめたとは思えません;


最終12話の後半だけ
{netabare}真剣(?)バトルがあり、このバトルの衝撃でトイズが消えてしまって
再びトイズを取り戻すべく退学期限は春まで延期{/netabare}
というかたちで2期に繋いでいるようです。
2期は「よほど暇だったら観てみようかなぁ…?」程度です。


物語重視とは言い難い作品のはずなのに、視聴にかなり疲れました;
キャラも覚えにくく、最後まで顔と名前が一致しなかった。
まぁ、合わなかったということで…(-_-;A



以下は観終わった方だけご覧ください。

{netabare}能力を失って粗末な部屋に閉じ込められて、そこから脱出するために
頑張っていくお話だとは知らなかった。
2、3話観た時点で、
みんなが能力を駆使してバトルを何回も繰り広げていく展開をする
期待を持たされてしまっていたので、
後半になる程みじめな思いばかりしながら頑張っていく4人の姿、
応援したくなるというよりも何だか気の毒な感じがしてしまいました。
「ネタ」にしてもあんまりです。残念。。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22

72.2 5 演劇アニメランキング5位
THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!(アニメ映画)

2014年1月25日
★★★★★ 4.1 (535)
3100人が棚に入れました
芸能事務所765プロに所属する13人の少女たちが、アリーナライブに向け切磋琢磨する様子を描く。

声優・キャラクター
中村繪里子、長谷川明子、今井麻美、仁後真耶子、浅倉杏美、平田宏美、下田麻美、釘宮理恵、たかはし智秋、原由実、沼倉愛美、若林直美、滝田樹里、赤羽根健治、大塚芳忠
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

春香の「夢」「成長」「未来」

[文量→特盛り・内容→感想系]

【総括】
「THE IDOLM@STER」の続編にあたる劇場版。当たり前ですが、「THE IDOLM@STER」の視聴が前提となり、ここから観てもダメなタイプの劇場版です。

ファンなら必見、ファン以外なら観ても、ん? かな(私はファン♪)。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
冒頭の765プロ総出演の映画ですが、実写であれだけのCGや特殊効果は、リアルだったらムチャクチャ金かかるんじゃ(笑) てゆうか、シンフォギアっぽいし、何より同時上映の紹介までする姿勢には笑ったw

日曜夜のゴールデンに事務所単独でアイドル番組もってるって、全盛期のモー娘。や、AKB48以上やないか~い(カン♪)w

海での合宿、ここから入った視聴者は(ほとんどいないだろうけど)、「なんだ、水着回に温泉回か」なんて思うかもしれないけど、本編から観てきた視聴者は当然、「春香の夢、願い、叶って良かったね!」と、早くも涙腺緩むに違いないのです(断定w)。

アリーナでのライブというか、その前に、皆で向えることが、ね。

研修生との対比で各自の成長を魅せるのは良い演出です。平和な765プロの中に波風立てないために、今さら765プロ内に優劣はつけられないし。

劇中歌「ラムネ色 青春」に乗せ、合宿の様子を伝えるのも良かった(ガーリッシュナンバーの九頭Pなら動画回して売り出すな、とか思ってしまったw)。前から何度か書いてるけど、セリフなしで魅せられるアニメは優秀です。キャラがたってる証拠だしね。

事務所での窓越しの雨のシーン。実写かっ!? というレベルの作画力。ちょっとびっくりしました。でも、可奈と春香がお菓子食べるシーンとか、ミキと春香のトイレでの会話シーンとか、律子が屋上で走り出すシーンとか、なんか人物の動きが奇妙な感じがするシーンがいくつかある気がするんだけど、気のせいかな?

しっかし、提供だろうけどローソン無駄に出過ぎw

バックダンサーにそこまで気を遣うってのは、?

ファンはそこまで観ないし、シホはバックダンサーなのに出過ぎでしょ。イラッとする(笑)

春香は苦労を背負いこむ星の下に生まれてきたんすね、きっと。まあ、でも似合ってるから大丈夫(笑)

ただ、これはちょっと苦言だが、スクールの後輩たちの悩みについて(あまり苦言を述べたくないアニメなので隠しておきますがw){netabare}可奈の逃亡期間、春香にしては対応が遅れた気がする。あの「こうだと決めたら真っ直ぐ突き進む」「良くも悪くも空気読めてない」春香なら、可奈のサボりを聞いて、あるいは辞めたいメールを見たら一目散に駆け出していきそうだけど。あのウジウジは、なんか春香っぽくない。それに、可奈の太ったクダリは、気持ちは分かるけどやはり叱られて然るべき行動だと思う。多少まるくなったとはいえ、千早や伊織あたりはプロ意識高いからイラッとしそうだし、志保に関しては間違いなくキレるはず(バックダンサーのくせに春香に食いつくくらいの活きのいいルーキーですからw)。う~ん、春香を筆頭に皆が熱い気持ちを吐露するアリーナの場面、感動はしたんだけど、やっぱりひとつ突き抜けなかったのは、可奈の我がまま自堕落っぷりに引いてた部分があるかも。みんな可奈をかばってたけど、(一人で自主練習してたとかなら良かったんだけど)あからさまに可奈が単独で悪いだけだから、なんか同情できなかったです。それなのに{/netabare}少し尺をとりすぎたかな、と。

春香が以前経験したような悩みを、今度は先輩という立場で見せたかったのもわかるし、今後の商業的な展開からも新人達も魅せたかったのでしょうが、やはりみんな本編のファンなわけで、しかも多人数ヒロインのアニメ。もっと、少しでもたくさん765プロの面々のストーリーを観たかったのが本音。それこそ、研修生には引き立て役に徹してもらって。

ただ、その中でも、伊織と雪歩の成長はよく描かれていました。プライドが高くて野心家で、ワガママお嬢様だった伊織が周囲に気を使えるようになったり、引っ込み思案で常にみんなの足を引っ張っていた(と少なくとも自分では思っていた)雪歩が、春香と一緒に研修生の食卓についたりと、「大人になったな~」と感動する場面も。研修生や他のメンバーを自宅に招いたがこの2人だったのも驚き。これが(家の広さは別として)千早やあずさだったら驚きはしないのだけれど、「へ~、この2人が副キャプテン的な役割をこなすようになったのか~」と感慨もひとしお。

逆に、千早や美希は本編で準主役級の扱いを受けていたこともあり、少々大人し目でしたね。まっ、要所要所での一言には含蓄があり、やはり他の面々より一歩先に進んでるな~とは思わされましたが。

そして、私が好きな真は今回もほぼ出番なし。贔屓だぁ、不憫だぁ(笑)

終盤、合宿の集合写真をバックに「私もみんなと一緒に変わっていきたいな」と春香が言ったことに驚き。本編で、あれだけみんなとの関係性が変わっていくことに悩み、暴走した春香も、しっかり成長していたんだな~と実感。

ラストを飾るライブに関しては圧巻で何の文句もなし。歌もアイドルっぽくて(まあ、ライブの1曲目に歌う曲じゃないけどw)良いし、なによりカメラワークと作画! 特に、アイドルを手前に置きながらなめるように2階席までうつした時の観客との一体感と、花道をアイドル達が走ってくるのをカメラで迎えたり追いかけたりする所の疾走感は並みじゃない! 気合い入ってるな~と素直に拍手!
{/netabare}
ED含め、THE IDOLM@STERという名作を締めくくるに相応しい劇場版でした。満足!

(蛇足)
{netabare}ラストのライブシーンの直前や最中、ジュピターの面々や音無さんをうつすのは良いんですけど、善澤さんうつす余裕あるなら、千早のお母さんうつそうよ(汗) まさかシンプルに忘れたってことはないだろうけど、あそこで登場させない意味が分からない。それと、横浜アリーナのキャパで、メインのアイドルが12人いて、バックダンサーが7人って少なすぎるんじゃ? (アニメには出せないが)せめて20人くらいほしいって思うけどw{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 25

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

音楽に生かされ、音楽に殺された不遇の迷作か!?

グレンラガンのキャラデザで名を馳せた錦織敦史の初監督、元京アニのネ申演出家である高雄統子を招き入れ、A-1Picturesと名立たる豪華スタッフに支えられて2011年に幕を閉じた『アニマス』
その豪華スタッフが再度集結し今度は劇場版を作ると来たもんです
いやはや、仰天やで・・・っておい!どこにも「待田堂子」の名前が無いぞw
(お察し下さい、待田さんはWUGで忙しかったんです)
もうこの時点で実はちょっとガッカリ気味だったんですわ
「待田×高雄」のタッグが描く『少女像』ってのがあってこそのアイマスだとオイラ思ってたんで










テレビシリーズ26話の後、遂にアリーナでのライブをすることになった765プロダクションのアイドル面々
アリーナライブはアイドルとしての一つの到達点である
またこのライブの後に美希はハリウッドデビュー、千早も海外での本格的な音楽活動を控えていた
そんなアリーナライブでの演出の一環として、765プロオールスターズは初のバックダンサーを従えることとなる
新人育成の意味も込めて、プロデューサーと律子は久々に全員集合した765プロオールスターズと新人ダンサー7人で合宿を取り計らった
しかし現役アイドルとして鍛え抜かれた765プロとの実力の差は激しく、現実に強く打ちのめされる新人達
やがて新人達の間にこのままアイドル志望でいるべきか悩む者が現れ、それをきっかけに軋轢が生じてしまう・・・
プロデューサーから今回のライブのリーダーに抜擢された春香は彼女達をとりまとめようと奮闘するのですが・・・









まず冒頭からテレビシリーズの「生っすか!?回」で荒れまくった(笑)高橋龍也の脚本らしい劇中劇ネタが飛び交います
これはホント素直に面白かったですw
そしてOPには永遠の名曲「THE IDOLM@STER」が流れ、テンションは高まる


本編でとにかく注目したいのは今作でようやく劇場デビューを果たした春香役の中村繪里子さんの熱演ではないでしょうか
自身も「春香に飲まれる(春香しか代表作が無いということ)」を深く気にしつつも、そんな春香というキャラとそのファンに支えられ辿り着いた現在(いま)
「今までの全てがあって現在がある」
劇中の台詞通り、重みを感じる一言です


続いて今作のもう一人の主人公となる新キャラクターの「矢吹可奈」を演じた木戸衣吹ちゃんも素晴らしかったです
今作の一部では木戸ちゃんの歌声も炸裂(笑)しており、今期の『pupa』と『ノブナガ・ザ・フール』じゃ木戸ちゃん成分物足りん!と思っていたオイラには一安心でしたわ


そして、今作には3人目の主人公がいると言っても過言では無いでしょう
それは美希・・・じゃなくて!千早・・・じゃなくて!なんとまぁ【伊織】だったわけです(爆)
一見してワガママに見えても本当のところはメンバー想い
そんな成長した伊織が、かつての自分を見るかのような態度を取る新人、北沢志保に【良き先輩】として指針を示す様は今作のアツいポイントの一つ
オイシイとこ持って行きやがりますホントw


時系列が過去に移ると撮影効果で淡い光に画面全体が包まれる高雄演出のお約束もあり、この辺はマニア泣かせ(?)


ただ、とにかくすんげぇ残念な部分が多いのも事実なんです
『WUG』が7人のキャラクターに上手くスポットを当てつつ上映時間90分で収めたのに対し、こっちは引っ張りに引っ張って120分
長い、長過ぎます


千早の趣味がカメラになったのは何時からだ!?
これはオイラのリサーチ不足かもしれませんけど、伏線まるで張れてませんよ?


765プロの事務所にある箱○とPS3がカットによって色違うし!(←単純に背景ミスですね、これは)


とまあ一回観ただけで気付くポイントが多い


プチシューをとっちらかすカットは何故ロトスコ(?)なのかw
まあ作ヲタ的には笑ったけどw


クライマックスのライブシーンはCG+作画、ですが2次元と3次元の境目がわかっちゃっててそーゆーのはまだ『ラブライブ!』の方が上手いと思います


一番ダメダメなのは音楽ですかね
【劇伴がとにかく五月蝿い】
劇場音響意識したボリュームなのはまだわかるんですが、問題は劇伴の入れ方です
静まり帰ったシリアスな会話に飛び込んでくる耳を劈くようなBGMのイントロ・・・これは酷い、本当に酷い
しかもそれが一回や二回ではないのです
せっかくの声優さんの熱演を掻き消すようなBGMの使い方、こいつぁちょっといただけませんでした


うーん、結局のところテレビシリーズ以上に色々な課題を残してしまった感があります
単純に一本の映画としてはこちらより遥に低予算で仕上げられた『WUG』の方が良く出来ていたと思いますし
まあ、なんにせよファンが観て幻滅するような内容ではないのでギリギリ及第点ってとこだとオイラは思ってます
錦織監督自身が重視しているのもソコだしね

投稿 : 2024/05/04
♥ : 25
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

一人ひとりの想いが伝わってくる、私の考える最良・最愛のアニメ

この作品の魅力を、ひとことで語るのは結構難しいです。
ただ、一点だけ指摘しておきたいのは、鑑賞した回数によって、この作品の見え方が微妙に変わってくるのではないか、ということです。

まず1回目は、誰だってこの作品のストーリーを追いかけます。
鑑賞し終えての感想は、大方は「幾らか波乱はあったけれども、最後は予定調和的に綺麗にまとまって良かった」でしょう。
2時間ちょっとという尺では、やはり少し物足りなく感じる方が多いのではないでしょうか。

※以下は2回目の鑑賞時の感想です。
ストーリーは既に頭の中に入っているので、今度は作品のテーマを読み取ろう、という鑑賞姿勢になっています
→後から読み直すと、強引で一面的な見方をしていて結構恥ずかしい内容ですが当時の率直な感想として。
--------------------------------------
{netabare}
この作品のテーマを一言でいうと、社会人教育の定番中の定番

△ディール・カーネギー『人を動かす』
△スティーヴン・コヴィー『7つの習慣』

の説く「動機づけ型リーダーシップ」の哲学をまんまアニメ化した作品!!!!
に私には見えた!
まず間違いないだろう。バンダイナムコ狙ってたな。

つまり、少しだけ解説すると、リーダーシップというものには実は、

①自分がグイグイ引っ張るタイプのリーダーシップと、
②周囲の人の想いを掬いあげ、メンバーの各々の力を引き出していく動機づけ型リーダーシップ

の2種類があって、普通の人は、①だけがリーダーシップだと思いがちなんだけど、本当に凄いリーダーってのは②ができる人のことなのです(とカーネギーとかコヴィーは言っている)。

で、プロデューサーがなぜ春香をリーダーに任命したのかというと、それは春香が自分では気づいていなくても、②が出来るタイプの人だったから、というのが、このアニメのミソです。(※追記あり)

可奈ちゃんを切り捨てていたら、一時的にはライブは上手くいったかも知れないけれども、それはそれだけの話。
結局は、彼女らは大切な仲間を一人永久に失うはめになってしまいます。

あそこで可奈ちゃんの心を拾うために最大限の努力をしたからこそ、765プロは仲間を誰も失わずに、前よりも高いステージに進むことが出来た(できる)はずで、ビジネスの言葉でいうと、貴重な人材を失うことなく全体の戦力を高められた、ということになるのでしょう。

※追記
一番のビッグ・アイドルの美希が「本当は春香が羨ましい」「春香はプロデューサーが選んだリーダーだから」「美希は自分の出来ることを頑張るの」といって、春香をそれとなく勇気づけるこのアニメのキーシーンがあります。

春香とは対照的な性格の美希は、典型的な①タイプで、その持前のグイグイ引っ張るリーダーシップで、竜宮小町が台風でライブに遅れて765プロが困っているときに、人一倍頑張ってステージを支えて、竜宮小町以外のメンバーも注目を浴びるきっかけを作った功労者(第13話)なのですが、TV版の最後のほうでも、この映画でも、春香の自分とは違った良さをちゃんと認めて、彼女を支える発言をしており、美希もまた春香とは別の個性が光っていてやはり好感度が高いです。
{/netabare}
(終わり)
--------------------------------------

このようにストーリーを把握し、かつ、妥当か否かはともかく作品のテーマを自分なりに推測したあとの3回目から4回目にかけての鑑賞時は、
主人公である春香および本作のキーキャラである可奈の感情推移をじっくり追いかけて推測していくことになります。

さらに、5回目以降の鑑賞になると、春香や可奈に加えて、千早・美希・伊織さらには他のメンバーたちの一瞬毎の行動や発言に対しても、その意図や想いについて推測する余裕が出てきます。

そこまでくると、この作品が、どこまで細やかに一人ひとりのキャラの想いを描き込んでいるのか、ということに気づいて改めて感嘆の気持ちを強く抱くことになると思います。

私はこの作品を劇場で10回近く鑑賞しましたが、それでも飽きない感動がありました。
10月8日のBD/DVDリリースが待ち遠しいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 59

67.0 6 演劇アニメランキング6位
アイドルマスター シンデレラガールズ 2ndシーズン(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (579)
3011人が棚に入れました
歴史ある芸能プロダクション「346プロダクション」には数多くのアイドルが在籍している。そこで新たにスタートする「シンデレラ プロジェクト」! 普通の毎日を送っていた女の子。アイドルの卵に選ばれた彼女達が、初めて見る世界で紡ぐシンデレラストーリー。みんなと一緒にお城へと続く階段を登っていく事が出来るのか。今、魔法がかかり始める――。

声優・キャラクター
大橋彩香、福原綾香、原紗友里、黒沢ともよ、上坂すみれ、大空直美、内田真礼、山本希望、青木瑠璃子、洲崎綾、五十嵐裕美、高森奈津美、大坪由佳、松嵜麗、武内駿輔
ネタバレ

ゆ~ま さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

26話(特別編)のレビューを追記。待ってた甲斐がありました。

原作ゲームは1stシーズン開始後に手をつけました。
1stシーズン視聴済。
デレステも配信時よりプレイ。


26話(特別編)視聴後-----
ネタバレしかないので
前情報無しで視聴したい方は回避してください。
{netabare}
これでアニメとしては一区切りということで、
幾分かの寂しさを感じずにはいられません。
が・・・また何らかの形での戻ってくると信じたいと思います。
(劇場版とか劇場版とか劇場版とか)


ということで円盤9巻26話についての感想を。

アバンでの「なんちゃって劇場版告知」は
このコンテンツのお約束ということで・・・w
CPとPKの共演企画とは、美城常務(専務?)の方向性も
少しずつでも変化しつつあるんだな~と。

ホラーが苦手でも小梅との仕事にチャレンジした蘭子ですが・・・。
良い話風に終わるかな?と思いきや、安定の「あの子」オチ。
非常口のピクトグラムの細工は面白かったw
というか「怖がる蘭子」は殆ど素だったと思うのですが。

美波の負けず嫌いな一面を覗かせた大貧民パートは・・・。
初見で僕の口から出た言葉は「怖い」でしたw
その後何度観てもヤバさしか感じないですね、あの目は。

とときら臨海学校ロケということで、
急遽ダイエットということでアドバイスを求める莉嘉ですが・・・。
登場キャラ皆ツッコミ処しかないw
一番参考にならない人を引き合いに出すわ。
その人見てるはずなのに信じちゃうわ。
『ワンパクでもいい。たくましく育って欲しい。』って
お前は何歳だ?とw
太鼓の達人ダイエットて・・・中の人ネタだし。
イカの着ぐるみで『納得いかな~い!!』て・・・。

イメチェン?を目指す卯月も・・・
髪の毛の巻き方がって、分かり辛すぎるw
比較図とか無いと誰も気付かないってw
読めてた展開ですが武内Pは
「良いと思います。」ばかりで・・・。審査できてないw

バレンタイン。
凛のお相手が誰なのかを探るメンバー達だが・・・。
まぁそこに落ち着きますよねw
個人的には川島さんの反応がツボでした。遅いよw
凛が稀に発する『はっ!?』というセリフ・・・良いですよね。

ラストは、兼ねてから疑問に思っていたCPのエンブレムについて。
由来とか意味とか知りたかったので嬉しかったですね。
{/netabare}


採点と総評(10/23記述)-----
元々あった項目内に最終話まで観た上での物を追記・上書きしました。

●物語●
{netabare}
元々ソシャゲであって、
物語も人間関係も背景的な物も
ハッキリと描かれていない状況。
基本ゲームで描かれているのは
アイドル達の「陽」の部分メイン。
そしてアニマスのように下地にできそうなお話も無い。
そんな中でここまでの1本のストーリーを生み出せただけでも
普通に称賛できることだと思っています。


常務の改革に端を発する各ユニット・他部署とのやり取り。
NGS内部(特に卯月関連)。
2つに大きく分けられたように思う。
それぞれ完全に独立した作りではなく何かしら関係はありましたが。

1stと比べて、物語はシリアス中心で、
毎回何かしら次への引きを作っていたように感じました。
その要因の1つは常務なわけで、
彼女無しで語れるシーズンでは無かったように思います。
常務の手腕や結果、彼女の求めるアイドル像などが
もっと目に見える形にできていたら
モヤモヤの大半は無かったとは思います。


アニマスと比較して、CP内の団結・結束があまり強く描かれていない。
そう感じましたし、そういう声も他にもあるようですが、
最後まで観てみてアニメ版シンデレラガールズとして感じたのは
「アイドル達の成長物語」という部分でしょうか。
そもそもアニマスとこの作品では、
人間関係のスタートラインが異なっているのですから
単純比較というのも無理な話かとも思います。


対立しているのが「常務」というのも難しくしている要素かと。
同じ企業内で経営サイドで親族で。
黒井社長のように排除できるキャラならば爽快感もあったかもしれない。
排除か独立か融和か。着地点としてはこれくらいしか無い中で、
極端な悪役を作らずに大団円的な終わり方をするならば・・・
これくらいがギリギリかと思います。

アイドル達の誰かに極端な悪役を背負わせられない。
その点も物語を今一つスッキリさせてない要因だとは思います。
トラアドプリムスの3人が
それでもヘイトを背負う立場にはなったとは思ってますが・・・。


アイドル動物園的な作品にすれば良かったという声をみかけますが、
やったらやったで「起伏が無い」「平坦」と
真逆の批判を受けるのでしょうね。
それに日常的な内容なら
ゲーム内でも展開されてると思うのですが・・・。


総じて尺不足だった感は否めない。
1話から伏線や仕掛けや鍵を配置して、
表情・しぐさ・背景などの繊細さな演出で
見た目以上の情報量を示していたが・・・。
「CPメンバーの掘り下げ」「CPメンバーの関係性」
「常務の手腕や正当性」「他の部署の現状」など
描かれて欲しかった点も多くあります。
(アニマスでも同じ感想を持ちました。)
常務の行動と、その結果に結構な時間が割かれていたとは思うが、
最低限の必要性はあったと思う(これ以上削ると常務がただの無能に)。
ライブシーンの時間不足・描写不足も結局は
「尺不足」に起因しているのではないか?とも思います。

「NoMkae」「マジアワ」「ドラマCD」などに
サイドストーリーや補完的な役割を持たせていたが、
その内でも幾つかは本編内でやっておくべきだったように思える所も。
(きらりのオーディション、PKの本音等々)
尺が足りないからこそ、こういう方向に振っていたのかもしれません。
{/netabare}

●声優●
{netabare}
この作品で初めて、本格的に耳にしたキャストさんが多く。
あまり大層なコメントはできないですが・・・。

1st途中からそう感じていた所ではありますが、
開始直後と最終話にかけてギャップが激しかったのは、P役武内さん。
ご本人の成長・スキルアップ・役作りの軌跡なのか、
そういう演技指導なのかは、知る由もありませんがw

終盤の担当回で衝撃的だったのが、卯月役・大橋さん。
不安を見せないように「普段通り」を装うテンションと、
NGSの2人や武内Pに心の内を吐露した時の落差は鳥肌モノでした。

凛役・福原さんは・・・少年役が結構ハマってそう。
未央との台本を使ったシーンは良かった。
{/netabare}

●キャラ●
{netabare}
2ndシーズンだけでも相当な数をぶっこんできたな~と。
チョイ役含めての状況なので、出番の無かったアイドルや
声の無かったアイドルの担当Pさんの内心は・・・。
2クールでこの配分で、この状況なわけですが
「ミリオンライブ」アニメ化となると・・・全員均等に扱えるのか?
AS組を外してもアニマス・デレアニの倍以上の数がいます。

・美城常務
2ndシーズンを語る上で外せないのが、MJこと美城常務なわけですが。
良くも悪くも目立っていたと思いますし、
尺を持っていったと思います。

彼女の手腕が実際どうなのか。
NoMakeなどを聴いてみても、ハッキリと描写されておらず。
クローネ結成(元の計画通りかは謎)や、
偶然とはいえTPの3人に目をつけたり、
他の「部門」では成功してる案件もあるようで、
全てがダメというわけでもなさそう。
自身が抱く「アイドル像」も決して間違ってはいないのですが・・・。

やはり引っかかるのは「やり方」ということになるのでしょうか。
彼女が考える方向性・範囲以外は認めない。
(当初はそうでもないが、後に結果が出せていても認めない。)
結果や対案を求めるが、色々性急すぎる。
それまで結果を出していたアイドル達にすら方向転換を迫った。
総合的に「独断的」といいますか「独善的」といいますか。

やっぱり両極端な人材だったと思います。

・トライアドプリムス
常務含めた上でのTPも少々損な役回りだったと思います。
成長物語として観てる上でも、
CPと敵対(?)するプロジェクトに
友人・恩人を巻き込んでしまう流れは、
正直好意的な感想は持てない部分が大きい。
元々ゲーム上では人気のあるユニットなのでしょうが、
登場させるにしても他の流れは無かったのか?と。

・卯月
13話視聴時点での不安が半ば正解だったな~と。
夢物語としてでは無かったが、目標が持てていなかった。
自身の武器・持ち味が何なのか。
それを自覚できずにいた所に、
CPメンバーはそれぞれの道を、
凛や未央も新たな未来へ進み始めるわけですが、
それらの要素が(無自覚だった)不安を目覚めさせ、
最大の持ち味である笑顔を曇らせて行く・・・。
「アイドルになる」ことが目標で、
その先を考えていなかったのは彼女自身の問題だったとは思います。
が・・・「笑顔」というポイントは自身では気付き辛いとも思えました。
武内Pか凛から早い段階でその辺を聞けていたら・・・とも。
24~25話で復活した姿をみせてくれましたが、
もしかするとまだ明確な目標や答えは見つけていないのかも?と。
心構えと漠然とした何かを胸に、頑張っているのな?とも思えました。

・凛
1stでは抑え役といいますか、
NGSの精神的な軸だと思えた彼女ですが・・・。
未央の成長分を含めて、立場が逆転したかな?と。
要所で感情を露わにする姿は、1stの頃からは想像できなかった。

・未央
凛とは逆に、成長著しく頼れるリーダーになれたのが彼女。
6~7話の騒動~夏フェス成功を経たことにより、
他のメンバーを思いやれるようになりました。

・武内P
物語や演出の面から、1stと対比されるシーンが多かったと思うが
着実に成長・変化している姿は良かったと思う。
常務に凛・アーニャを引き抜かれた話では若干不安を感じたが、
それでも冷静に自身のプロデュース方針を見失わず、
アイドル達のことを考えてきた結果が
「シンデレラの舞踏会」なのだと思う。

・きらり
1stの時点でも安定して「聖母」的でしたが、
2ndでは輪をかけて、だったように思います。
全く自身に不安定要素が無いわけではないけど、
メンバーを思いやれる器の大きさ・視野の広さが良かったと思います。
{/netabare}

●作画●
{netabare}
1stでは少々不安定さが感じられたが、
2ndは通して安定していたと思います。
(終盤特番が2回入ってますが・・・。)

シナリオの流れやテンションが演出に直結する作品だったので、
2nd全体的には暗い印象が強めに残ってます。

表情・しぐさ・間・背景などの細かい描写で
心情や状況を表現する為に、情報量はハンパじゃなかった。

何度となく観てきたはずの1stの1シーンですら、
2ndでは実は重要な意味が有ったり、
伏線というほどでなくとも仕掛けやつながりが有ったりで、
目が放せない見応えのある作品だったと思います。
{/netabare}

●音楽●
{netabare}
2ndシーズン内で選ぶなら、
凸レーションぽくない曲調だが
シーズンのテーマに沿った歌詞が良かった『私色ギフト』。
トラプリのハーモニーと、
ピアノメインで疾走感のある曲調がカッコ良かった『TrancingPulse』。
この2曲を推したいですね。

物語のシリアスさや引きに圧倒されてしまい、
ユニット新曲は軒並み印象に残り辛かったように思います。
特に『この空の下』はNGSの騒動でBGM程度にしか聴こえなかったかと。

以下各曲に思いついたことや感じたことを。
・『この空の下』
作詞作曲が・・・調べてみて、予想外で驚きました。
個人的には「明るい・ノリの良い曲」という印象だったので。

・『TrancingPulse』
加蓮の歌声にあまり初めて感が無いと思っていましたが・・・
渕上さんといえば「アウトブレイクカンパニー」の姫様役でしたね。
EDのキャラソンがお気に入りでした。
この歌が常務のセンスなら・・・有能な部分だともw

・『Shine!!』
OPアニメでの卯月の表情やしぐさ。
実際に2ndをなぞったかのような歌詞。
そんな面で2ndシーズンにふさわしい曲だったと思います。

・『S(mile)ING』
アニメで聴いてみて、印象が変わった曲ですね。
それまではあまり意識して彼女の歌を聴いたことなかったですが。
この歌に合わせて物語を作ったのか。
アニメ化を見越した上での歌詞だったのか。
24話用に録音し直してるらしいのですが、
こだわりといいますか、愛されてるといいますか。

・『できたてEvoRevoジェネレーション』(TPバージョン)
歌唱者が変わるだけで、ここまで印象が変わるかと実感しました。
全く毛色が変わるといいますか、端的に表すなら・・・蒼かったw
頑張って元気に歌ってるとは思うのですが、
どうしてもハーモニーが目立ってしまっているかと。
TPの3人の声は相性良いのでしょうね。

(以下追記)
・『心もよう』
流れていたシーンがシーンだけに、
聴くだけで涙が出てきてしまう、そんな存在です。
EvoRevoや流れ星、夕映えとは
全く異なるNGSを感じさせてくれた曲です。
ニコ動での特番で、裏話やこだわりなど聴いて、
この曲の持つ雰囲気に納得させられました。

・『流れ星キセキ』
この3人には、こういう明るい曲が似合うな~と。
アニメでは回想部分が多くライブという感じではありませんでしたが、
TP~先輩3人との会話~舞台への流れ(NNGS・生ハムメロン)が
とても印象的だったのでこの曲も聴くだけで涙が出てしまいます。

・『M@GIC』
『GOIN'!!!』に比べると1枚落ちるかな~という感想。
(Cパートのインパクトが強い分『おねシン』に持っていかれてる?)
ライブシーンの細部に
アニマスへのリスペクトが感じられて、その辺を思い出します。
CDのcwの『S(mile)ING』のLiveMixも良かったです。
{/netabare}


12話視聴後-----
{netabare}
シンデレラの舞踏会。
どんな仕掛けかと思いきや、
複数ステージを使用した・・・フェス形式?みたいですね。
屋内とはいえ、複数のステージを回す為には
それなりのアイドルが必要なわけで、
346の底力みたいなものを感じましたね。
(描かれていたのが「全員」とは限らないかと)
そして「切り捨てる」「枠にはめる」だけの選択をしなかった
武内Pだからこその、企画だったと思います。
秋の定期ライブは「審査」としての義務感だったのに対し、
こちらはアイドル達に「総力」と言わしめる。
そこが常務と武内Pの最大の違いだったのでしょう。


正直・・・常務との決着は舞踏会の前までにつけておいて、
ここでは純粋にアイドル達の活躍が観たかったという思いもある。
但しCPの存続が決まるのが「舞踏会」という流れだったのだから、
これを最後に持ってくる流れになるのも、納得もできる。
上に書いたのはあくまで個人的な希望ですかね。

常務の有能さについては、判断が分かれるところだと思う。
「経営者サイド」「アイドル部門統括常務」「P」「上司」。
他の部署にも仕事があったようなので、尚のこと。
方向性を問わなければ実務能力あり。
アメリカ帰り故の(?)懐の深さも持っていて。
「美城」の血も人脈などに生かされる。この辺は良い方向。
自身の理想像が全てで、他人の理想を認められない。共存できない。
「押し付ける」「独断」「削る」「狭める」方策が目立つ。
逆にこの辺が悪い方向。
常務を評価するにあたり難しい点は・・・
『一面的には正論、側面的にはそうでもない』
そんな極端な思考をしていたことでしょうか?


NGSの出番直前3人に声を掛けるのが、
3話と同じ先輩達というのが良かった。
未央と舞台で一緒だった茜。卯月が何としても結果を見せたい美穂。
そしていつも3人をCPを気にかけてきた美嘉姉。

3話の流れを踏襲したのはNGSのステージシーンもでした。
迫り出し・掛け声・演出。
全く同じではないが、意識されてるのがよく分かりました。
ついに出番を迎える「生ハムメロン」w
(24話で出てくるかと思いましたが、卯月ソロなので無しだった模様)
そして衣装は・・・『デレステ』でのSSR+の物。

NGS新曲については、演出としては回想メインでした。
ガッツリとライブを期待していた視聴者的には不満の声が大きいようですが
物語中心で観てきた身としては、これはこれで問題無いと思います。
仮に24.5話があったとして、MJ関連・卯月関連に全て決着がついていれば
ライブシーンメインにして欲しかったと思いますが・・・。
『心もよう』が意外ですが、NGSの楽曲としては
基本的に明るいPa向きな方向性なのでしょうか。
TPの『エボレボ』とか全く印象が異なりましたから。

『流れ星キセキ』『M@GIC☆』共に、
早くフルバージョンが聴いてみたいですね。

M@GICのステージ明けからエピローグということですが・・・
舞踏会から数か月後の春ということで良いのでしょうか?
CPメンバー各々が自身の新たな道を拓きつつ。
そしてプロジェクトには2期生が。
部屋も地下から上階へ戻っていたようで、本当に良かった。

城ヶ崎姉妹の共演がようやく観れて・・・感無量。
凛のシンプル&満面の笑顔が最終話でようやく。

MJがMSに。舞踏会でのポエムバトルが
彼女なりに変化をもたらしたのでしょうか。

エピローグを含めて、初出も込みにすると、
この1話だけで何人のアイドルを登場させたのかw
2クール通しで100人前後というカウントもあるようですが・・・。
ただそれでもゲーム上では半分なんですよね。
これでも救われてないPさんが沢山いっらしゃるのでしょう。

『Shine!!』のcwに入っていた時点で、
ある程度は予想していましたが・・・やはり最後は『おねシン』だった。
シンデレラプロジェクトが次代のシンデレラガールズとして
舞台に立つ、そんな流れだったわけですが。
正直・・・1コーラス位姿を観たかったな~と思う。
1年前は先輩達が立った位置に、今はCPの14人がいる。
その姿が夢ではなく現実の物として観れたのは素直に嬉しかった。
{/netabare}

11話視聴後-----
{netabare}
終盤に入ってからは、
1期のとの繋がり・関連性や
伏線と思しき物など情報量がハンパでなく。
書きたいことも全部は書けていないと思います。


23話ラストで、何かしらの答えを持っての出社かと思いましたが
かなりギリギリまで卯月の中では葛藤や思うところがあったようで。

凛・未央に促された部分は大きいと思いますが、
思い切って(?)事務所を訪れてみて。
CPメンバーや武内Pと正面から相対してみて、
ようやく彼女なりの決断ができた。
その結果がラストの『S(mile)ING』なのでしょう。
完全復活というより再び一歩を踏み出した、そんな感じ。

今回の為に歌い直したと思われる卯月ソロ曲は、
演出やシナリオと合わさって、
頑張る卯月の姿が良く表現されていたと思います。
正直、特にこの曲には思い入れは無かったのですが
24話を観てかなり印象が変わりましたね。

NGsのライブなのに
「リハ無し?」とか「衣装制服?」とか
「いきなり卯月ソロ?」とかツッコみたい部分はありましたが。
セットリスト(進行表とかも?)を渡してあるみたいですし、
制服で歌うのは卯月の意志(Pも認めてるでしょう)ですし。
意味を持つ演出の1つとしても受け入れたいと思います。

歌いだす前には戸惑い、泣きながらも笑顔で歌い切った姿は
やっぱり彼女の笑顔は特別な力を持つものだと
再確認できたと思います。


コメント対象は変わって、美城常務。
定期ライブでの失態(?)から
少しは思うところが有ったのか?と思ってましたが、
残念ながら・・・現場スタッフ(上司含)としては
無能だと証明してしまったように思います。
卯月、楓、美嘉姉、クローネなどが
常務の真逆の方向で結果を提示していると思います。

彼女の最大の失敗は、
全て白紙化して自身の思惑だけで進めようとしたことか。
アイドルもPも機械や物では無いのに。
結果が出ていることも、出せそうなことも、
自身の方向性と異なるという理由だけで否定して。
それ以外認められないでは・・・誰も何もついてこないと。

彼女の行動で成功していると思えるのは、
恐らく「美城」のブランド・影響力を行使した部分だけ。
当初は「口出しも支援もしない」と言っていたはずが
ハードルを増やし、プロジェクト内部へ干渉し。
最低限の約束すら守れてません。

彼女がアニマスでの黒井社長と同じポジションだとするなら、
次回何かしらあって改心して、という流れは無さそう。
というか最終話は、
アイドル達と舞踏会メインにして物語を構成して欲しい。
企業内人事で一喜一憂するなんて展開は御免です。
卯月のステージのラストで立ち去る姿が、
常務の今後を描いてくれれば・・・と思います。
何らか形にしたいなら・・・25話アバンでお願いします。


開始直後からラストのステージ直前まで、
卯月と凛(未央を含めても可)の距離感が絶妙だった。
互いに吹っ切れても無い。修復出来てるでも無い。
その感じが上手く描かれていたと思います。

凛は基本クールだけど、
一定ライン超えてしまうと、
良くも悪くも全く抑制が利かないタイプか。
未央は1期に比べて、成長著しい。
卯月の感情を気にしながらも、
凛のストレートな部分を上手く抑えつつ、
2人を繋げていたと思う。
凛と未央は1期と2期では逆の役割になったかな?


久しぶりに出社した卯月が、
CPメンバーとレッスンや話をする中で
回想っぽい所が・・・やはり最終話が近いことを実感しました。
「もう半年」というセリフがありました。
個人的には「まだ」という印象なのですが、
作中で頑張ってきたアイドル達にとっては
「もう」という濃密な時間なのかもしれません。

やはり勿体無いと思えるのは・・・
NGs以外のCPメンバーの掘り下げが少なかったこと。
ゲーム本家やデレステ、のまけ、マジアワ、CDドラマなど
関連したコンテンツは確かに存在してましたが、
アニメ内で描けていれば、アイドル達に深みが増したと思う。
(アニメ内に入れたら情報量が凄いことになりそうです。尺とか。)


元CPのプロジェクトルームだったと思われる空き部屋が。
どうみても使ってる風では無かった。
・・・これはこれで無駄では?
常務の「改革」は、もっと順調に大規模に進行するはずだった?


武内P不審者扱い再びw
ネタ以外で・・・何回目だ?w
NGs3人と絡むと、
まるでノルマのように警察(?)のご厄介に。


また長々と書きましたが、
今回については「卯月の表情」について
自分の中で、まだまだ整理が出来ていません。
アバンで久しぶりに3人揃った時。
ライブ前に武内Pと正面から心の内を吐露した時。
ステージの上で。
その辺書けるのは、恐らく25話の後になると思います。
{/netabare}

10話視聴後-----
{netabare}
卯月自身と、cvである大橋さんに
全て持っていかれた感のある23話でした。

まずは大橋さん。
ここまで、1話と7話以外で大きな動きの無い役ではありましたが、
今回の中でも含めて、素晴らしい演技・表現だったと思います。
この23話な中だけでも・・・アバンでの電話シーン、武内Pの前、
養成所のトレーナーさんの前、NGsの2人の前、そして公園にて。
建前・本心・敬語・タメ口。
きっちり心情が表現されていたと思います。


NoMakeのあらすじで「卯月が養成所に」という所はバラされてたので、
いろいろ悪い方向に心配してましたが・・・。
外部からの圧力などでは無く、
彼女自身が出した答えの1つだったわけで。
結局はCPメンバー達の前から逃げる為の口実でもあったわけですが。
後々凛が問い詰めてますが、どれも本心だったと思います。


クローネへの参加やソロ活動で離れたことが原因では?と
負い目みたいな物から、凛と未央は推測するわけですが・・・。

だから凛は問い詰めてしまったのだろうな~と。
笑顔でTPに送り出したのも、
間違いなく卯月の本心だと思います。
きっと既に卯月の心の中には不安が渦巻いていて、
タイミングが重なっただけ。
卯月自身が抱え込んでしまっただけ。

対して未央は冷静に動いていたように思います。
当初の推測はハズれていたかもしれませんが、
凛が大爆発してくれたおかげか、聞き役に回れていたと思います。


やはりというか・・・今回の卯月の件は、
彼女自身が解決・乗り越えるしか無いことなんだと思います。
3人で公園で話して、彼女が何かを掴んだのか。
次回へ続く展開だったので、
それが何なのか知る由もありません。
というかここで続きは2週後とか・・・モヤモヤする~w


「笑顔なんて誰でもできる」「私には何も無い」
と卯月は言いますが・・・そんなことは断じて無いと言いたい。
武内Pの「笑顔です」も、凛の今回のセリフも真実だと思う。
只の笑顔や作り笑いなら誰でもできるかもしれない。
1話の公園での笑顔は、描写や演出もありましょうが、
圧倒されました。心を鷲掴まれました。
正直・・・あの笑顔で視聴し続けることを決めました。
あんな笑顔・・・これまでのどのエピソードでも
どのCPメンバーでも見たこと無い。
ましてや感情を表に出すのが苦手そうなPからしてみれば・・・。


1期の一部を除いて、卯月があまり物語に係わってこなかったのは、
単純に「終盤に担当回があるから」では無く、
「私には何も無い」というセリフに繋げる為だったのだなと
勝手に解釈しております。


養成所に戻ったり。
プリンを持って行ったり。
凛がPに養成所の場所を訊いたり。
3人で話すあの公園だったり。
1期との対比が多かった回だとも思います。


アニメがこんなシリアスな展開をしている中で、
デレステにはかなり軽いノリのイベントやコミュがあるので
結構違和感がハンパないです。
「ガンバリマス」とか言われると
「本当に大丈夫なの?」と不安になります。
{/netabare}

9話視聴後-----
{netabare}
ようやく?秋フェス本番。
ちょいちょいシンデレラマスターの楽曲を使ってきますね。
奏・美波・蘭子&小梅。
でもアーニャは新曲・・・。
TPとアーニャの新曲はCDを楽しみに待ちたいと思います。

常務は・・・立場的には高みの見物で構わないはずなのですが、
Pと同じ立場でもあるんですから。
1期13話と似た流れでクローネが躓くのですが、
何があるかわからないのですから、フォローできる位置にいてください。
Cパートで現場に出てる描写があるので、
その辺早速反映してる辺りは評価できるのかな?と。

TPの2人はもう少し未央や卯月に言うべき言葉があると思う。
どういう流れにしても
2人が舞台に立てているのは
NGsのおかげではあるので。
NGsの2人が頑なに反対していたら・・・無かった話かもしれない。

せっかく好きな食べ物の話をしたのに、
掛け声は「チョコレート」w
(「生ハムメロン」が一度も出てきてないのは、何か意味が?)
トラブルの間を埋めたり、クローネのフォローをしたりで、
CPメンバーが先輩として動けているのは印象的でした。

トラブルも乗り切って。
CPへの評価時期も本来の「舞踏会」に戻って。
今回こそはスッキリと終われるかな?と思っていたんですが・・・
Cパートに極大の爆弾が。
ED流れるのが早かったですし・・・。

次回はついに(決して良い展開ではないのですが)卯月回へ。
アニマス終盤の春香みたいな、表向きと内心のチグハグな、
そんな痛々しい表情だった・・・。

彼女の発する「がんばります」は一種の呪いみたいな物かと。
ここまでは(武内Pに見出されるまで?)
彼女を前に進めてきた物ではあるのですが・・・。
凛も未央も他のCPメンバーも
それぞれの道・方向性を模索・見つけている中で
彼女自身の「次」が見つからない。
そう考えると・・・常務のやり方が有効だと思えるのは
卯月のような気がしないでもない・・・。
常務のアイドル像と一致するかは不明ですが。
意外と卯月を救う手助けをしてくれるのは、
常務なのかもしれないと考えていたりします。

「12時過ぎの魔法」(魔法で良いのか?)を掛けるのは・・・
武内Pか?
凛・未央?
CPメンバー?
常務?
{/netabare}

8話視聴後-----
{netabare}
未央がソロを始めた理由。
凛が何をみているのか考えているのか知りたい。
1期の時のような、自爆気味の暴走でなくて良かったと思います。

正直・・・凛とアーニャの行動については
半分肯定半分否定というのが、僕の気持ちです。
(全く常務を正当に思えない、CP派なので尚のこと。)

常務の行動については・・・
基本的に良い表情・描写というのは無いな~と。

20・21話が6・7話と対比されている展開とはいえ、
NGsとラブライカは一緒に何か起きる流れだな~と。
凛&アーニャが出向、未央&美波がソロ活動。
これで両方が2組ユニットなら・・・ですが
果たして卯月はどう動く・流れされていくのか。

結果的に秋の定例ライブ(秋フェス?)には
NGsとラブライカは不参加ということになるわけですが。
半分なり1/3なりメンバーが抜けるユニットで
結果を出せなんて・・・無理に決まってますから。
それを理由に処遇を決め兼ねないというのが、
僕の常務への信頼度なのですが・・・。

未央の言わんとすることを察したり、
凛の背中を押してみたりと
彼女なりに考えて耐えているように見えますが・・・。
彼女の心の中がどうなっているのか
甚だ不安でしかない回だったと思います。
特に、歩道橋での凛との会話とか。
かなり喰い気味というか、
全部言われる前に予防線張ったようにも見えなくもない。

卯月の強みはやはり「笑顔」ということが再確認されたラストですが
ここからどう物語は進むのだろう?
武内Pから卯月へ1つの方向性が示されたが、
これはどう影響・左右するのだろう?

アスタリスク+なつきち&ウサミン。蘭子+小梅。
面白うそうなユニットが結成されるようで、
定期ライブがどうなるのか楽しみです。
基本的に視線も合わせない、会話すらなさそうな
プロジェクト・クローネの第一歩は?

定期ライブで鳴り物入りでお披露目という
破格の扱いでのプロジェクト・クローネだが・・・。
そもそも常務の目指したクローネとは、
現在のメンバーでも形でもなかったのだと思う。
CPから反対されたり、選抜したアイドルから袖にされたりが
無ければ・・・もっと早い段階で結果は出せていたと思う。
(ただ・・・元々の人気を引き継いだだけの結果だとは思うが)
現状は色々な部署から引き抜きをした上、
自身が企画を阻害した奈緒・加蓮を含めてでも構成しないと
成り立たなくなっているのは・・・内心焦りはあると思う。
(アイドルロックバンドというのも、その影響かと)

クローネメンバーを見て「常務有能」というのは。
正直何処まで本気なのかはわからないが・・・
知識や情報・経験を含めて「ゲームに左右されすぎてる」と思う。
ゲーム現状ので人気や傾向などは内輪ネタ。
アニメのみ(ゲームに接触してない視聴者)組からすれば
「誰これ?」「また人物増えたよ?」くらいの物でしょう。
(2期に出てきたアイドルの大半に当てはまるだろうが。)

やはり常務の有能性や正当性が
ハッキリした形で描かれていないことが、
大きな問題というか影響を及ぼしていると、思います。
その辺り・・・終わってみて評価を左右しそうな気がします。
{/netabare}

7話視聴後-----
{netabare}
とりあえず・・・常務の動きが本格化してきたのと、
凛&アーニャの決断をどうとらえるべきかと、
卯月は大丈夫なのかな?というところと。

常務の手腕・成果がようやく出てきた感はある。
プロジェクト・クローネ(王冠ですか)人選とか。
(クール偏向メンバーだとは思いますがw)
ただ・・・「美城」の力で何とかしてるのは否めない。

定期ライブにクローネをねじ込んできたり、
(普通のアイドルがそんなところからスタートできるか?)
以前口にしたことを反故にするような処遇をしてきたり。
「各部署から代表を出せ」は問題ないですが、
「クローネメンバーを他部署から引き抜き」
「CPへの判断時期を繰り上げる」とかは、正直・・・。
クローネメンバーはまず「常務のシンデレラ」ではないし、
代案を出したCPの判断は期末(冬らしい)との約束だったはず。
手助けも妨害もしないと口にしたのは常務自身だが・・・?

今回の秋季ライブやクローネの人選が、
菜々・なつきち他の現CPへ流れた
アイドル達への当て付けだとしたら・・・
器が小さすぎるな~と。

プロジェクト・クローネそのものが、
企画者が常務では無く、こんなタイミングで無ければ、
やってみる価値や意味はある物だと思う。

こういう「引き抜き展開」は
会社同士や事務所同士でやるものであって、
同じ企業内で足の引っ張り合う(外部まで巻き込んでる)のは・・・
常務という立場としてどうなの?と。


凛とアーニャの出向の意味と結末は、
次回(以降)を観てみないと何ともコメントし辛いですね。
CPの置かれている状況と出向先が誰の元なのかを考えると、
正直スキルアップや新しい何かの為でも
素直に送り出したい場面では無いですね。
ユニットの両立の可能性や常務の言動は・・・。

奈緒と加蓮はどういうつもりでクローネに参加したのだろう?
CDデビューが中止になって、自部署では動けないように感じて。
自分たちを売り出せるならということか?
ただ・・・一応2人共CPの状況を知っていただろうし、
NGsに僅かばかりでも恩や借りはあったと思えるのですが・・・。
そういう意味で、正直評価は下がってます。
デビューへのこだわりも理解できるつもりですが、
文香や唯や他のクローネメンバーとは
立ち位置が異なりますから。

TPへの迷いを相談する凛でしたが・・・反応は両極端。
NGsへの想いをぶつける未央。
「わかりません」という卯月。
果たして卯月は「何がわからない」のか。
自身の気持ち?
背中を押すことと引き止めること、どちらが正しいのか?
とは言え、養成所時代にはヤメていく仲間達を見ているはずなので、
心中は複雑かな?とも思います。

先に視聴済みだった同僚に「終盤波乱」とは聞いてましたが、
まさかの未央がソロ活動宣言。
直前で追いかけた武内Pと美嘉姉との間で
どんなやりとりがあったのか。未央の真意は?

1期6~7話との対比のような物語だったので、
結論は次回以降に持ち越しですね。

常務やCP以外のアイドル達のおかげで、
物語に厚みやメリハリは出たと思いますが・・・。
それでもまずはゲームあってこそのアニメなわけで、
今後の展開によっては厳しい評価は免れなさそう。
下手すれば深刻なファン離れもありそうな気もします。
(ゲームはゲーム、アニメはアニメと理解はしてます)
{/netabare}

6話視聴後-----
{netabare}
正直・・・個人的には評価も思い入れもできない常務ですが
1話振りの登場で、いなきゃいないで物足りなさは感じるのだな~と。

『アイドルロックバンド』を組ませたいとのことで、
なつきち&輝子&松永さんが選ばれるわけですが・・・。
方向性ブレてませんか?
いや『私が考える最強のアイドル像』という意味では
一貫してるとも言えなくもない。
だったらそれは、どのプロジェクトでもどのアイドルでも
同じことが言えるわけでして。
結局常務が強権を振るえるのは
ただ単に『美城』という名前があるからでは?
街中の広告看板などが軒並み常務方向になっていますが、
それも常務の実力というより、美城のネームバリューではないか?と。

結局バンド計画もまた、選抜メンバーに袖にされるという
毎度な展開だったわけですが・・・有能ならそろそろ学習しようよ?
限定ユニットや1日限定とかならともかく、
本気で(長期的に)売り出すつもりならば、
音楽性も何もかも押し付けるスタイルでは・・・。

そしてその後にくると思われるのは、
偶然見かけた凛・奈緒・加蓮の3人組のようです。
個人的には出番は無いと思っていた「トラプリ」が
現実味を帯びてきたラストでした。
(結成に至るかは疑問だけども)
しかし・・・常務が有能か無能かは別として、
一番気に入らないのは、
自身が育てた(発掘した)才能は何一つ無いということ。
(奏・周子・フレデリカもどういう経緯かわからない)
ましてや凛は、武内PがスカウトしてきたCPのメンバーで。
奈緒・加蓮は一応残されたとは言え、別のプロジェクトのメンバー。
それを売り出して手柄にしようとか、
プライドは無いのかな?と、結構本気で思います。
NGsも何も無ければ手駒にする気だったんでしょうね。
だから名前を覚えていたのでしょう。(2話の初遭遇の時)

マジアワにて「意外と器は小さくない」との評価でしたが・・・
確かに極小では無いけど大きい部類には入らないが、正解かな。
袖にしたアイドル達がクビにならないは、
単に最低限の売り上げ(常務的)を落とすわけにはいかないからで。


なつきちとりーなの会話は・・・心臓に悪かったw
結局「にわか」とバレてはいますが、
りーな的には緊張したでしょう。
それでも・・・りーな(みくもだが)の貫く姿勢というのは
なつきちに大きな影響を与えたようで。
常務の誘いを断る後押しをしたのは、
アスタリスクの2人だと思います。
しかし・・・なつきちさんカッコ良かったw
髪を半分下ろしてるときが一番良かったかな。


そして話が進むにつれて
株爆上げなのが、みく。
若干思い込みで暴走しかけてましたが、
それでもりーなを思ってのこと。
自身の為にでは無く、相棒の為・仕事の為に真摯になれる姿は
純粋に「良い娘だな~」と思わせてくれました。
{/netabare}

5話視聴後-----
{netabare}
タイトルからの予想通りちえり&かな子回。
というかCI回かな?
アバンのとときらからもわかるように、
杏は彼女なりの持ち味を発揮していましたが、
他の2人はイマイチ引っ張ってもらってた部分はあるわけで。
いずれ当番回が来るとは思っておりました。

何だかんだで常務の動向は一々気になるわけですが
今回は表立っては出番無し。
一応彼女のプロジェクトは進んでいるようで、
奏・周子・フレデリカの3人が相当すると思われます。
(ゲームでの担当Pは・・・どう捉えてるのだろう?)
ビジュアル面はともかく、キャラについては・・・。
まぁ上っ面だけ映す分にはキャラはどうでも良いでしょうが。

「あんきら」は無いかなと予想してましたが、今回来ましたね。
同い年で誕生日が1日違いであのギャップというのが
側面にあるコンビだと思ってましたので、
ちえりとかな子を独り立ちさせつつ、
杏のコンプレックスという面でも上手い演出だったと思います。
というか、きらりが眩しいw

「あんきらンキング」を説明するに当たって、
ちゃんと言葉を選べる武内Pは、本当に成長したなと。
ちえりと一緒にクローバー探したり。

不労所得という割には・・・杏さんの燃費の良さと言ったらw
性能的にもコスト的にも。

インタビューの仕事が上手く行かず、
一念発起のかな子さんですが・・・
トレーニング(ダイエット?)から
きりこさんへのインタビューまでが・・・見事なまでの空回りっぷりで
観ていて辛かったです。

KBYD残ってた。
彼女らは何処の部署なんでしょうね?
幸子さんは1期1話OPのメンバーですが、他の2人は?
夏フェスにもいなかったように記憶してますが。

他の視聴者さまの指摘だが、
1回目の失敗インタビューと
幸子に気合を入れてもらった後とで、
店内の描写が全く違っているのだな~と。
部屋の灯りとか空模様とか、上手く表現しているな~と。

2期に入って以降、Pの口からよく聴かれる「笑顔」というワード。
最初からテーマではあると思いますが、このところ目立ってるな~と。
「笑顔には自信があります」という卯月だが、
そのセリフが今後どう関わってくるのでしょうか。

正直17話の方が、物語の抑揚がハッキリしていて、
色々収まった分、良かったと感じます。
が18話も良かったと思います。
特にちえり&かな子が一歩進めたのは大きいと思います。

次回(最速は今晩ですが)はアスタリスクとなつきちさんかな?
順番的にはラブライカと蘭子かと思ってましたが。
{/netabare}

4話視聴後-----
{netabare}
次回予告から美嘉姉に何かしらあるだろうとは思ってましたが・・・
やはり路線変更でした(楓さんと同じ考え方でしょうか)。
ただ今回の変更はそれほど間違った物では無かったとは思います。
 ・美嘉姉自身この先ずっとギャル路線だけではいられない
 ・大人路線の美嘉姉自体、悪いとは思わない
上記2つが理由でしょうか。
(※注)
個人的に大人路線といいますか、
髪下ろした美嘉姉はかなりストライクですw
ギャル路線の美嘉姉も好きです。

ただ・・・今回の一応の成功(?)は偶然の産物かと。
常務の思い描くモデル像と、美嘉姉のビジュアルが
たまたま偶然上手く機能しただけで。
互いの思惑が一致したり重なったわけでもなく
むしろ奈緒&加蓮が人質にとられていたような物ですし。

ここまで観て・・・常務の能力については
描写されない可能性が見えてきたような気がします。
あくまで障害としてのキャラ、それだけのような。
良くて「他の仕事では有能」
最悪「親族という肩書きだけ」
美城という会社を『総合芸能企業』と表現してましたが、
「総合」というには器量の狭い芸能企業だな、と。
バラエティだろうがキャラだろうが売れるなら投資できるくらいが
「総合」と名乗る大手企業だと思います。
というか先行投資ができない思考で芸能プロダクションとか
やっていけるようには思えませんが。

常務のやたら高いピンヒールと
外回りで磨り減った武内Pのかかとの対比が印象的でした。
しかし・・・一定の裁量があるとは言え、
結構背負ってる物が大きくなってきています。
自身の、CPの、更には他部署の未来さえも左右し兼ねない物。
ちょっとPの身体や精神が心配です。

とときら学園。
学校というより、幼稚園的な方向性に。
「学園」という名の幼稚園もありましょうし、
幼稚園も部屋は「教室」でしょうし。
でもせめて小学校程度のが良かった気がしないでも・・・w
(そういや、あずささんもスモック着てたな~とw)

みりあがお姉ちゃんという事実w
10は離れてそう。
そして・・・妹(弟?)の間の悪さ。

ガキか否かの判断基準が、カブトムシの捕獲数だったw

美嘉、莉嘉、みりあ。
それぞれが何かの板ばさみになって悩み、
成長していく回でした。
仕事と方向性のギャップ。家族。
仲間の助言などもあって乗り切って。
美嘉姉回かと思いきや、凸レーション&美嘉姉回でした。
(みりあの比重は大きいかも)
EDの新曲も「with美嘉」でしたし。

恐らくは社外と思いますが、
カメラマンさんにも常務の思惑はやんわり否定されてましたね。
宣材ではない、企業のCMやモデルとして、
コンセプトとモデル両方が一番輝く瞬間を、
撮影しただけなのでしょうが。

楓さんにしても、菜々さんにしても、美嘉姉にしても。
常務は良心でスルーしたのでは無いと思います。
反逆されたけど結果が出てるから手が出せない。
そんなところでしょう。
{/netabare}

3話視聴後-----
{netabare}
意外にも、武内Pの企画に認可が下りて。
結果的にPとプロジェクトの存亡を賭けることになりました。
企画を通した常務の意図があまりに微妙すぎかな?と。
上手く行けば会社に損は無い。
失敗すればプロジェクトを有無を言わせず解体できる。
楓さんの件があってか様子を見てるようにも。

武内Pの企画意図に対して賛同できないというのは
各々が求める方向性がありましょうし、流すとして。
「おとぎ話」という表現で否定的でしたが・・・
後に会議で語る彼女の方向性というのも、正直同じようなものかと。
理解できたのは「必要な仕事に必要な人材を」という点と
「バラエティは切り捨ててアーティスト性を」という点。

「私はできる」という謎の自信で「私のやり方」を貫くようですが、
それは実力が伴ってこそのセリフなわけで。
まず1つのプロジェクトでも立ち上げて(立場に物を言わせて)、
結果を出した上で「常務」としての権限を存分に行使すれば・・・
と思えてならないですね。
果たして何か急ぎたい理由があるのでしょうか?

バラエティ組だけを呼び出して方向転換を迫るというのも、
いろいろ筋が通ってないのでは?とも。
勧告をするのが部外者で、
そもそも担当Pがその場にいないとか・・・。
管理職を急かしたのか、担当Pに逆らう気が無いか(どうも前者っぽい)。

しばらくは他部署のアイドル達を「舞踏会」に巻き込んでいく、
そんな展開になりそうな気がしてます。がんばれ、シンデレラ達。
(キービジュアルに仁奈さんいましたが・・・まだ出番ありますよね?)

次回は城ヶ崎姉妹とみりあメインでしょうか?
CPメンバーには当面妨害は無いでしょうが、
美嘉姉がマズそうな雰囲気。
姉妹としても、CPの先輩としても大きな存在なはず。
きっと何か力になれると思います。
(美嘉自体は346にとっては上位だと思うが・・・常務の方向性かな?)

ウサミンの流れは・・・結構精神的にきました。
なかなか大きく進まない上での、方向転換勧告。
それでもみくに励まされながらも
自分のやり方を貫く決意をした姿は、
15話の楓さんと違う方向だとしても、
格好良いものだと思います。
相対的にですが、
『*』の関係性が確認できたのも良かったことかと。
{/netabare}

2話視聴後-----
{netabare}
武内Pと楓さんがかっこいい回でした。
同時に、やはりと言いますか・・・
卯月に不安が残る回でもあったかな?と

美城常務の結果重視・採算重視な考え方というのは、
彼女の立場からすれば至極当然な方向性だとは思います。

帰国直後にでも管理職(?)クラスには話したのかも知れません。
が・・・いきなり「決定事項だ」ではアイドル達にしろP達にしろ
納得も理解もされるはずも無く。
ましてや自身の手腕を示すわけでもなく、
「私がやれば上手く行く」では説得力も無く。
しかも自信満々な風だったが、
これまでに他のスタッフが育ててきたアイドル達を使って
自らの実績にしようとしているのですから始末が悪い。
どう見ても・・・人間相手の商売で上手くやっていけないタイプかな?と
他の仕事については優秀なのかもしれないですが・・・。

というか、346のアイドル部門の現状というのは
そんなに危機的な状況なのか?という謎が出てきます。
765proと比較して後塵を拝しているという「危機感」なのか。
財政的にかなり損を出しているという「危機」なのか。
後者ならば、部門自体無くした方が早い気がします。
前者ならば、戦力の集中といえば聞こえは良いですが、
それ以外のファンを減らすだけの結果になる可能性も有ります。
(実際僕自身メンバー脱退でファンヤメてますし。)
346アイドル部門の現状は描かれていないわけですから、
特に問題は発生していないと考えるのが自然だと思います。

「時は待ってくれない」と言いますが、
CPに至ってはまだ約半年ですし、
奈緒や加蓮はそれ以下の経験で、
どう結果を出せと?
何かにつけて極端すぎるんですよね、たぶん。

会議からラストにかけての武内Pへの対応も、
良くは無いかな?とも。
いきなりの会議での白紙化発表。
それに反対したら「代案は?」
企画を持って行けば「君に割く時間は無い」
最低でも「企画を聞く」位の対応はすべきでは?
というか現状維持も代案になると思うのですが。
(財政的な危機を抱えてない限り)

楓さんと話をした時も同様。
せめて断る理由を訊けば良いのに、
勝手な理屈や想像で話を進めてしまうから折衷案も出てこない。

今後何かしらの描写や仕掛けはあるのでしょうが、
このままだと常務は無能な上司になるだけですが・・・。

常務のやり方に怒りを覚えるので、
かなり否定的な見方になってしまっているとは思います。
まだ片鱗も見せていないだけなのか、
明らかな悪役として、制作側が意図的に描いているのか。

一方卯月さんですが・・・
・CP解体話を聞いた時のショックの受け方
・企画書を書こうという流れの中で、明確な何かが無い様子
などから、この先の彼女は結構不穏かな?と。
(春香ポジションだとするならば、なおさら)

卯月のキャラを考えてみると、
1期では芯の強さ、我慢強さ、笑顔、「ガンバリマス」が
目立っていたように思います。
養成所でも最後まで残っていた辺りからも伺えると思います。
が・・・悪い見方をすると
「待つこと耐えることに慣れてしまっている」
そんな風にも見えます。
だからか「アイドルになった後の、その先」を
持てていないのではないか?と心配になります。

楓さんが先陣を切り、CPは彼女らなりに行動を始めて。
今後、他のシンデレラ達がどう動いていくのか、楽しみにしています。

今回もですが・・・
奈緒さんの出番はそれほど多くなかったですが、
いちいち仕草が可愛いな~とw
いきなりCD延期とか酷い状況になってますが・・・。
{/netabare}

1話視聴後-----
{netabare}
PVは大体1話からだったかな?と。
(まだ出てない部分もありましょうが)

13話ラストに出てきた謎の女性の素性が
結構アッサリわかってしまいました。
(顔を写さないパターンもあるかな?ともw)
『アイドル事業部統括常務』ということで、会長の娘さん。
つまりは経営者側も側で、親族というわけですね。
(帰国の報告がメールとか、某家具屋思い出しました)
キャストが田中敦子さんということで、雰囲気出てましたね。

アイドルフェスから1ヶ月。
ソロ曲を収録したアルバムも発売されるようで、
順調に歩き始めているようで何より。

とそんな中に乱入する美城常務。
彼女がまず気にしたのは・・・
NGsなのか?武内Pなのか?(別室にいたので後で登場)

そんな緊張感から一転。
幽霊騒動からストーカー騒動へと、
違った緊張感も漂う物語に進むわけですが・・・。
この辺で感じたことを少し。
・笑ってるお侍さんはいるって・・・どういうこと?w
・なつきちさん、カッコ良かった。(イベント報酬の着物姿も○)
・346proの人材が豊富すぎるw
・ついに武内Pに手錠がw
結局正体は幽霊ではなく、
担当Pの情報を聞き出そうとするまゆさんだったわけですが・・・
これはこれで怖いw 

な~んだ、担当Pがいるのか~と
お決まりのオチに安心していたら・・・
Cパートでいきなり急展開に。
「アイドル部門を解体して白紙に戻す」
ということらしいですが、
果たして346のアイドル達、P達はどう動いていくのでしょうか。
(というか早く常務の言い分が知りたい)


ということで・・・2ndシーズン1話目にして
早くも物語が動き始めましたね。
美城常務はどういう形にしても「障害」になるだろうな
とは13話以降予想してましたが・・・まさかの白紙化宣言でした。
この発言への不安や疑問や予想を少し。

まずは次回予告込みでの不安ですが、
白紙化であって再編成でないことから、
アイドル達P達の未来はどうなるのか?と。
まだ発表の段階なので徐々に白紙なのでしょうが、
仕事とかスケジュール的に大丈夫なのか?とかも。
(美城という会社の信用とか)

奈緒や加蓮、まゆ、なつきちさん等の
CP以外のアイドルを表に出してきたことから、
ゲーム発のユニットや人間関係を描く方向性かな?とも思いましたが、
処遇によってはそれすらも危ぶまれる展開かと。
個人的にはシンデレラプロジェクトあってこその
「アニメ」だと思っているので、
バラバラになってしまうだけの展開は正直観たくないです。
ただ・・・ゲーム発の物語を観たい層も当然いるでしょうし、
その辺りの着地点としては有りなのかな?とも思いましたが・・・。
やはりこの展開では読めなくなってきました。

そもそもこのアニメ、先を読んだつもりでいても
その裏をかいてくるのが常でしたし。
もう・・・どっちが表でどっちが裏だかw

(追記分)
解体~白紙~再編成という展開も当然あるとは思います。
現実のアイドルグループでもユニット結成~解体~再編成というのは
よくある話だという意見を見かけます。

が・・・今回の場合は
企業内の一部署をまるごと白紙化するわけで、
プロジェクト内で納まる話ではないという点が
問題だと思うわけです。

そういう意味で
ゲーム発ユニットを期待する気持ちも理解しますが、
今回の解体によって起きる流れでは無いように考えております。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19

nk225 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「アイマスファンに優しすぎるだろ!」 漢字検定のPV後編が公開!

覇権アニメ『シンデレラガールズ』ついに1位!アニメ・コンテンツ偏差値ランキング
9月7日(月)~9月13日(日)のツイート数からコンテンツ偏差値を指標として算出、1週間単位で上位10位を発表する。

●9月7日(月)~9月13日(日)

順位:タイトル その週の偏差値(前週比較の増減)
1位:アイドルマスター シンデレラガールズ 2nd 76.69(+4.68)
2位:がっこうぐらし! 76.33(+4.72)
3位:Charlotte 65.07(-8.20)
4位:監獄学園 プリズンスクール 52.73(-5.74)
5位:のんのんびより りぴーと 49.80(+0.61)
6位:うしおととら 49.22(-1.50)
7位:戦姫絶唱シンフォギアGX 46.95(+0.64)
8位:モンスター娘のいる日常 46.21(-0.05)
9位:純情ロマンチカ 45.53(+0.33)
10位:乱歩奇譚 Game of Laplace 45.53(+1.24)

永らく2位、3位に甘んじていた『アイドルマスター シンデレラガールズ 2nd』がついに1位だ。10周年を迎える大御所コンテンツのシリーズアニメ作品。分割2クール作品で、1クール目もクオリティの高さから大人気だったこともあり、今期開始前は圧倒的覇権アニメとして1話から最終話までトップを突っ走るのではと多くのファンに思われていた作品だが、意外にもここまでは他に1位を譲り続けてきた。まもなく最終話だが、本当にこれでちゃんと終われるのかと心配になるほど目が離せない展開が続いている。やはり放送日直後に一気に伸びているが、さらにそれ以外の日も他作品に比べると安定して高い水準を保っている。新しいゲームがリリースされたことも影響がありそう。

僅差で2位となった『がっこうぐらし!』。その差はわずか-0.36ポイントと、ほとんど誤差と言っていいレベル。薄々わかっていたけど改めて絶望、という展開にはつぶやかずにいられない人も多かったことだろう。1位の『デレマス』同様、ポイント自体は上昇していることもあるし、この僅かな差が最終回までにどう動くか見ものだ。

3位『Charlotte』は-8.20ポイントと目立つ下降。前週のランキングでは1位だったが、物語が若干落ち着いた展開に入ったこともあり、Twitterでの反応も沈静化した感がある。しかし、放送日である上記グラフの9月13日(日)時点ではかなりの上昇をしている。この勢いを維持できていれば、来週のランキングには期待できそうだ。

最終回を目前に控えた時期の作品の盛り上がり方が明らかになってきた。ここまでランキングを見てきた限り、特に今期は上位3位までの作品が接戦を繰り広げていて、甲乙つけがたい良作と言っていい。物語と、ランキングの今後の展開に引き続き期待しよう。

「アイマスファンに優しすぎるだろ!」 漢字検定のPVが『アイマス』寄りで、Pも漢字M@STERに!?
歴史ある芸能プロダクション「346プロダクション」には数多くのアイドルが在籍している。
そこで新たにスタートする「CINDERELLA PROJECT(シンデレラプロジェクト)」!
普通の毎日を送っていた女の子。
アイドルの卵に選ばれた彼女達が、初めて見る世界で紡ぐシンデレラストーリー。
みんなと一緒にお城へと続く階段を登っていく事が出来るのか。

今魔法がかかり始める――

「アイマスファンに優しすぎるだろ!」 漢字検定のPVが『アイマス』寄りで、Pも漢字M@STERに!?
9月13日、日本漢字能力検定(以下、漢検)協会が公式PVを公開したのだが、そのPVの出来が、そこらのTVアニメを凌駕する出来となっており、案の定、大量のアニメファン(特に“P”)が悶えている。

PCやスマートフォンの台頭で活字離れが懸念される中、日本語や漢字文化の魅力をより多くの人に親しんでもらうべく、製作された漢検PV『彼女が漢字を好きな理由。』。手がけたのは、劇場版アニメ『鉄コン筋クリート』『ベルセルク』シリーズなどを世に送り出してきたスタジオ4℃。さらに、ヒロイン・平井春香役には『艦隊これくしょん -艦これ-』などで知られる洲崎綾、相手の男の子・相良祐介役には『食戟のソーマ』(TBS系)の主人公・幸平創真役で活躍中の松岡禎丞と、男女共に人気若手声優を起用するなど、漢検の本気ぶりが伝わる布陣となっている。

完成された『彼女が漢字を好きな理由。』の舞台は、夕日が輝く放課後の教室。高校生の祐介が何気なく教室をのぞくと、ノートにびっしりと“永”の字を書き取りしている春香の姿が。そのかわいらしさに心を奪われた祐介は、春香の気を引こうと字の美しさを褒めるが……といった、男女問わず憧れてしまうような物語となっている。

豪華で胸キュンな同PVを観たアニメファンからは、「こんなところに洲崎さん!」「松岡さん、キャ」「漢字できないあたすでも、こんな出会いできますか!?」など、多くの声が上がった。中には、「そう来たかー!漢検受けようかな」「こういうのやめて。漢検受けちゃうから!」と、これを機に漢検を受けようと思うファンまで出る始末。

また、ゲーム『THE IDOLM@STER』のキャラクターデザインで名高い窪岡俊之氏が、同PVでもキャラクターデザインを務めている上に、洲崎・松岡共に『THE IDOLM@STER』に出演していることもあり、「なんかアイマスだなーと思ったら、キャラデザも窪岡氏!」「そもそも何やってんのという感じだけど、P(プロデューサーもといファン)的に突っ込みどころが多すぎる」「アイマスファンに優しすぎるだろ!」といった声も多い。なぜ、ここまで『THE IDOLM@STER』に寄せたのかは謎だが、Pにとっては“ラッキーPV”となったことだろう。

今回公開されたのは前編で、後編も近日公開とのこと。前編ラストには、タイプが全くちがう活発なヒロイン(CV:飯田友子)が登場して終えているだけに、後編も見逃せない。

「アイドルマスター シンデレラガールズ」キャラクター人気投票、結果発表! 1位:渋谷 凛、2位:前川みく、3位:島村卯月!
アキバ総研のアニメポータル「あにぽた」が、2015年7月24日~8月16日の間実施していた投票企画「アイドルマスター シンデレラガールズ キャラクター人気投票」だが、その投票結果をお知らせしよう。

「アイドルマスター シンデレラガールズ」は、携帯・スマホ向けの同名ソーシャルゲームを原作とするアニメ作品。通称「デレマス」。2015年の冬アニメとして、今年1~3月に1期が放映されたが、7月17日よりファン待望の2期がスタートしたばかり。ゲームでは、プレーヤーが、346(ミシロ)プロダクションのアイドル事業部のプロデューサーとなり、「シンデレラプロジェクト」と呼ばれるアイドル発掘プロジェクトで選ばれたアイドルの卵たちを育成していく。なお、アニメ版では、所属するアイドルの卵たちそれぞれの奮闘が描かれる。

元々ソーシャルゲームからスタートしたアイドルアニメであるだけに、個々のファンの「推しメン」へのこだわりがかなり強いことが開始前から想像されてはいたが、実際に投票がスタートしてみると想像以上の盛り上がりを見せ、皆さんの推しメンそれぞれに次々と票が集まっていった。最終的には、投票総数5428票と、かなり多くの投票をいただいた形だ。

気になる結果は以下の通り。

1位:渋谷 凛(765票)
2位:前川みく(666票)
3位:島村卯月(589票)
4位:双葉 杏(557票)
5位:神崎蘭子(426票)
6位:アナスタシア(392票)
7位:新田美波(384票)
8位:諸星きらり(332票)
9位:三村かな子(254票)
10位:本田未央(246票)
11位:多田李衣菜(215票)
12位:緒方智絵里(206票)
13位:赤城みりあ(205票)
14位:城ヶ崎莉嘉(191票)

主役級キャラの中でも圧倒的な強さを見せたのは、クール系美少女の渋谷 凛。投票スタート直後からぶっちぎりの強さを見せており、ほぼ首位を譲ることなく、最後まで1位を貫き通した。

首位の渋谷 凛に続いて2位となったのは、ダークホース的存在の前川みく。ネコミミを常用し、語尾には「にゃ」をつけるなどの、いわゆる「猫キャラ」であるが、そのかわいらしさゆえからか、並み居る強豪アイドルを押しのけて、堂々の2位に輝いた。

3位は、アニメ版では主役キャラの島村卯月。渋谷 凜と1位争いを繰り広げるのではないかと思われていたが、2位の前川みくにかわされての3位となった。なお、3位の島村卯月までわずか32票に迫った次点の4位には、脱力系アイドルの双葉 杏がつけている。

ついに新番組スタート! この夏はどのアニメを観る!? 
人気アニメ『Angel Beats!』のP.A.WORKSが送るオリジナルアニメ『Charlotte(シャーロット)』や、アイドルデビューを果たした女の子たちのさらなる一歩を描く、『アイドルマスター シンデレラガールズ』に、2015年春アニメでは『血界戦線』や『SHOW BY ROCK!!』で話題のボンズが手がける『赤髪の白雪姫』なども注目!

他にも月刊「Gファンタジー」にて連載中のコミック『青春×機関銃』や、2011年の第二期から4年ぶりの新作アニメとなるTVアニメ第三期『WORKING!!!』など、7月放送開始のアニメは話題作が目白押し!

漫画・ラノベに続く、アニメの原作は……!? ソーシャルゲーム・アプリなどを原作とした今後のアニメ化作品をまとめてみた!
最近、ソーシャルゲーム原作のアニメ化の流れが来ていると感じたことはないだろうか?  2012年にアニメ化された『戦国コレクション』をきっかけに、『探検ドリランド』や『絶対防衛レヴィアタン』、2014年には『神撃のバハムート』と『ガールフレンド(仮)』が、そして今年に入り『艦隊これくしょん』と『アイドルマスター シンデレラガールズ』が登場した。 そして現在すでにアニメ化が決まっている作品も多数存在する。

そこで本稿では、ソーシャルゲームやアプリなど、Webで楽しめる作品で今現在アニメ化が決定しているものをリストアップしてみた。流れが来ているソーシャルゲーム原作アニメを、是非チェックしてみてほしい。

【放送予定アニメリスト】
■チェインクロニクル~絆の新大陸~
最果ての大陸「ユグド」。突如現れた暗黒の魔物たち「黒の軍勢」によって、大いなる危機が訪れようとしていた。このユグドの危機を打開すべく、ひとりの名もなき戦士が、義勇軍を結成して立ち上る――。(ゲームシナリオ)
「本当に面白いスマホゲームをあなたに」をキャッチコピーに、圧倒的ボリュームで楽しめる絆の物語。2014年12月13日に行われた「セガネットワークス ファン感謝祭2014」にてTVアニメ化が発表された。

放送時期:2015年予定

■アンジュ・ヴィエルジュ~第2風紀委員 ガールズバトル~
異世界とつながった日本の「青蘭学園」に集まった「プログレス」と呼ばれる異能に目覚めた少女たちの、日常と戦いを描いた物語。

放送時期:開始時期不明

■モンスターストライク
全世界でID数が3000万を突破した、大人気スマホゲーム。ひっぱりハンティングRPGと題され、モンスターをひっぱって敵に当てて倒していく、簡単操作で爽快感が味わえるゲーム。2015年5月12日に行われたミクシィの決算説明会にてアニメ化が発表された。詳細は未定だが、いったいどんなアニメになるのかファンの間でも話題となっている。

放送時期:2015年内放送開始予定

■ディバインゲート
パネルをめくってクエストを進めて、パネルを重ねて敵を倒していく新感覚パネルRPG。2015年5月31日に行われた「ガンホーフェスティバル2015」でアニメ化が発表された。詳細は不明。

放送時期:開始時期不明

■PSO2 ファンタシースターオンライン2
つい最近、2015年7月12日に開催されたオフラインイベント「アークスキャラバン沖縄」にてTVアニメ化が発表された。『ファンタシースターオンライン2 ジ アニメーション』は、『PSO』15周年記念プロジェクト第8弾として発表。近未来の地球を舞台とした完全オリジナルストーリーで、『PSO2』をめぐる、あなたの隣にいるかもしれないプレイヤーたちの物語とのこと。

放送時期:2016年放送開始予定

■ハッカドール
スマートフォン向けニュースアプリのアニメ化という異色の作品。アプリはサブカルチャー関連のニュースを扱う。アニメの放送時期はすでに決定しており、2015年10月より東京MXほかにて放送が開始される。

<放送時期>
東京MXテレビ:2015年10月2日(金)23:00~
BS11:2015年10月4日(日)25:00~

■艦隊これくしょん-艦これ- (続編)
2015年1月に放送された1期の続編。放送時期は詳しく発表されていないが、今後どんな展開がされるのか注目が集まっている。

放送時期:開始時期不明

■神撃のバハムート GENESIS (2期)
2014年10月から12月まで放送された『神撃のバハムート GENESIS』の第2期。2015年5月6日に開催された「神撃のバハムート GENESIS オーケストラコンサート」にて2期の制作が発表された。

放送時期:開始時期不明

アイドルアニメが過熱!「ラブライブ!」「アイマス」仮想アイドル戦国時代の2大巨頭
テレビアニメ「ラブライブ!」が劇場版アニメとなった『ラブライブ!The School Idol Movie』が映画動員ランキングで驚異の3週連続1位を獲得した。同作のようなアイドルを目指す少女を描いた“アイドルアニメ”が熱狂的なファンを増やし続けている。その魅力とはいったい何なのか。

『ラブライブ!The School Idol Movie』は6月29日時点で、累計興行収入は11億9,442万3,320円と10億円の大台を突破。同作のように深夜アニメから劇場映画が作られたアイドルアニメのヒット作には、昨年100館弱の上映館で累計興収6億7,842万2,000円を記録した『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』が挙げられる。この2作品の共通点から“今はやりのアイドルアニメ”を見つめる。

■スタート地点はアニメじゃない!
深夜アニメの続編として劇場版が作られた「ラブライブ!」「THE IDOLM@STER」(以下、アイドルマスター)だが、両作品ともアニメからスタートしたわけではない。

「ラブライブ!」は2010年に雑誌「電撃G's magazine」で、アスキー・メディアワークス、サンライズ、ランティスによるメディアミックスのユーザー参加型アイドル育成プロジェクトとしてスタート。誌面では彼女たちのショートストーリーが掲載されたほか、グループ名などの公募で積極的にファンの意見を取り入れたり、AKB48が大成功した要因でもあるCDのセンターを決める“総選挙”を行ったりと、ファンの声を積極的に作品に反映していった。そして2013年に開始したアニメや、スマートフォン向けアプリゲーム「ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル」で人気が加速した。

一方の「アイドルマスター」は、2005年7月にバンダイナムコゲームスが開発したアーケード用シミュレーションゲームとして誕生。ゲームのプレイヤーは芸能事務所のプロデューサーとして、所属するアイドルたちをトップアイドルに育てることを目的に、アイドルの曲や衣装などを選び自分好みの演出でステージを成功させてゲームを進めていく。2007年にはキャラクターをモチーフにしたロボットアニメ「アイドルマスター XENOGLOSSIA」が作られ、2011年にはゲームを基にした「THE IDOLM@STER アイドルマスター」としてテレビアニメ化。現在も家庭用ゲーム機などで新作ゲームが発売されているほか、200人以上の新キャラクターが登場するソーシャルゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」など派生作品も次々に登場している。

ちなみにゲームから、テレビそして劇場版の変遷をたどった作品には「アイカツ!」や「プリパラ」も挙げられるが、この二つは女児向けのデータカードダスゲームが原作。アニメも深夜帯ではなく、子供を対象に絞った朝・夕方帯で放送されている。そのため基本的には「ラブライブ!」「アイドルマスター」のファン層とは異なるが、“大きいお友達”と称される大人のファンも存在している。まだ映画が製作されていないものの、テレビアニメが人気の男性アイドルの活躍を描いた女性向け作品「うたの☆プリンスさまっ♪」もゲームが原作である。

■完璧じゃないアイドルが与えるもの
「ラブライブ」では、廃校の危機にひんしていた高校を救うべく、少女たちが学校を宣伝するためにアマチュアアイドルグループを結成し、学生アイドル(スクールアイドル)の大会「ラブライブ!」に出場する物語が展開する。そのためヒロインたちの活動は、自分たちで衣装を作り、ステージの演出を決めるという手作り感がある設定だ。「アイドルマスター」は芸能事務所に所属する、プロを目指すアイドルの卵たちが登場する。両作品ともアイドルとして登場する人物に、最初から完璧なアイドルやキャラクターが存在しないように見えることも特徴的だ。

アイドルの成長をファンが見守る図式は、1970年代に一世を風靡(ふうび)したテレビ番組「スター誕生!」の時代から、脈々と受け継がれているが、「ラブライブ!」「アイドルマスター」の原作のように、アイドルの育成方針にファンを自主的に関わらせようとする方法は、現実のアイドル界でもAKB48を筆頭とする最近はやりの手法だ。この方法はファンに「自分がいなければダメなんだ」という庇護(ひご)欲を芽生えさせる。またアニメやゲームのライブシーンを、現実世界でも声優が出演する本格的なライブで再現できるアイドルアニメの強みを生かし、現実と仮想を地続きで応援できる場を設けていることも人気の一端を担っている。自分たちの応援が明確に見える場所はファンに応援することへの意義や充足感を与え、より熱心なファンを生む。

そして驚異の3週連続1位を獲得した『ラブライブ!The School Idol Movie』や『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』といった劇場版アニメで、キャラクターたちが普通の少女からアイドルになる姿を追ったテレビアニメの物語を締めくくる。両作品ともアイドルとして成長したキャラクターたちが次の世代にバトンをつなぐことをテーマとしており、ファンにとっては単なるアニメの続編ではない。キャラクターたちの最後の雄姿を捉えた作品となったことが、映画がヒットした一因になったと考えられる。

また、「ラブライブ!」「アイドルマスター」はテレビアニメ以外の部分でファンから育てられるアイドルの図式を作り上げたが、これらとはまったく異なるシステムで、現実のアイドルとアニメをリンクさせたものが、今年9月に劇場版アニメが公開される「Wake Up, Girls!」だ。

「涼宮ハルヒの憂鬱」などのアニメーション監督山本寛が率いる同作は、オーディションで募集した実在の新人7人による声優ユニット「Wake Up, Girls!」を2013年7月に発表すると、2014年1月には劇場版アニメとテレビアニメ第1期を放送した。アニメ化までに3年以上を有し、地道に固定ファンを付けた「ラブライブ!」「アイドルマスター」と比較すると、非常に早いペースである。声優がまさに“本当の新人”であったり、キャラクターの名前がそれぞれの声優に関係していたりと、キャラクターが現実の声優とリンクしていることも、ユーザーに現実とアニメのアイドル両方の成長を見せようとする意気込みが感じられる。この作品がどのような結果を生むのかにも注目したい。

2015年1月から4月まで前半(1stシーズン)を放送し、2015年7月17日から後半(2ndシーズン)を放送。2014年4月5日に行われたライブイベント「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 1stLIVE WONDERFUL M@GIC!!」1日目にてアニメ化決定が発表され、PVと第1弾キービジュアルが公開された。

島村卯月・渋谷凛・本田未央らnew genertionsの3人を主人公かつメインキャラクターに据えて、大手の芸能プロダクションである346(みしろ=美城)プロダクションの「CINDERELLA PROJECT」(シンデレラプロジェクト)に彼女たちがスカウトされたところからアニメの物語は始まる。また、テレビアニメオリジナルキャラクターとしてプロデューサーが登場する。世界観はテレビアニメ版『THE IDOLM@STER』や劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』(および劇場版に登場する『ミリオンライブ!』)と共有である。

放送開始の前週には特別番組『TVアニメ「アイドルマスターシンデレラガールズ放送直前特番」〜お正月だよシンデレラガールズ!〜』が放送された。出演は原紗友里、青木瑠璃子、佳村はるか、松嵜麗。ノーカットの完全版がBD/DVD第1巻限定版に収録。第7話の翌週には特別番組『Special Program』が放送された。出演は大橋彩香、福原綾香、原紗友里、武内駿輔。

第2期・第23話翌週にはSpecial Program『Road to LIVE』を放送。出演は、武内駿輔、佳村はるか。続く、第2期・第24話翌週にはSpecial Program『Smile History』を放送。出演は、福原綾香、大橋彩香、原紗友里ほか。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22
ネタバレ

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

お願い!シンデレラ~アタシポンコツ常務~

一体どれだけの時間をこのゲームに費やしたのだろう・・・

このゲームというのは、スマホ用の音楽ゲームアプリ
「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」であり、
このゲームの為にタブレットを購入(端末課金)してしまう程やり込んでますw
元々2011年からリリースされている「アイドルマスター シンデレラガールズ」
というのがあり、こちらはモバマス、あるいは本家と言われています。
この本家を題材とした音楽ゲームが、2015年9月にリリースされた、
「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(通称デレステ)です。
SMAPの中居くんのCMでご存知の方もいるかと思います。

アイドルマスターと言えば、
765プロ(なむこぷろ)の「THE IDOLM@STER」を思い浮かべる方も多いと思いますが、
「アイドルマスター シンデレラガールズ」は346プロ(みしろぷろ)で、
まったく違う事務所ということになります。
その世界観を共有するも765プロと346プロの直接的な関係はないということです。
ただ本作(アニメ)において、765プロ関連のネタも若干ですが、仕込まれており、
ファンならニヤリとしてしまうシーンもあるのでよかったら探してみてくださいw

アニメの評価に入る前にまず、346プロのアイドルたちをまったく知らないで視聴した方と、
デレステをやり込んでいる私とでは事前の情報量が圧倒的に違います。
私の場合、劇中に登場するキャラはほんの一瞬画面に映っただけの端役であろうとも、
そのキャラの名前と特徴を挙げることができますし、
劇中には様々な楽曲が使用されますが、イントロ1秒で何の曲か分かるどころか
机上でノーツ(音符)を叩いてしまう始末・・・。
私はアイドルも楽曲も
デレステが本当に好きなんだと思いますw
しかし、だからと言ってそれがアニメ作品の高評価に繋がる訳ではありません。
「好き=高評価」というのは、私のレビュースタンスではないのです。

前置きが少し長くなりましたが、ここからはアニメの感想を述べていきたいと思います。

まず、「アイドルマスター シンデレラガールズ」のアニメ化ということについて、
2つの特徴を挙げることができると思います。
1つは、漫画原作やラノベ原作と違って、
台本がないのでストーリーを一から構築しなくてはならないということ。
もう1つは、最初から熱狂的なファン(視聴者)を多く抱えているということ。
最近で言えば「艦これ」なんかもこのタイプですね。
こうしたビッグコンテンツのアニメ化にはある種の制約が存在します。
その制約とは、「キャラを大きく動かすことができない」ということです。
ストーリーを動かすにはキャラを動かすのが効果的な手法です。
「いつも明るいキャラが実はこんな闇を抱えていた」とか、
「主人公と親しいキャラが実は黒幕だった」というようにキャラを動かすことによって
ストーリーをより劇的にし、視聴者に刺激を与えるというやり方ですが、
当然のことながらこうした手法と取り入れるのは、本作(アニメ)では非常に難しいでしょう。
何故ならデレマスには多くの熱狂的なファンを抱えているからです。
下手にキャラを動かすことによって、
キャラクターのイメージを毀損することにもなりかねません。
もしそのような事態になった場合、大炎上間違いなし!!ですね。
多くの熱狂的なファンを最初から抱えているが故にキャラを大きく動かすことができない。
それによりファンから非難されないような無難な作りとなると、
ストーリーは平板なものになりがちです。
それこそ数多くいるアイドルを紹介して、楽曲を試聴させるだけの
ただの見本市アニメに堕してしまうおそれがあるわけです。

では、本作ではどうなのか? ここからはネタバレありで語ります。


{netabare}数多くいるキャラにそれぞれの熱狂的なファンが既に付いている
ビッグコンテンツのアニメ化においては、
あるキャラを特別優遇することは許されない
機会均等という制限が存在するのですが、
デレマスにおいてはこれはかなり緩和されています。
すなわち、本作(アニメ)の主役は
島村卯月(しまむー)、渋谷凛(しぶりん)、本田未央(ちゃんみお)の3人のユニット、
「new generations」(NG)でしょう。
音楽アプリである「デレステ」においても、最初はNGの3人のうち誰かを担当することになります。
ファンの間でもNGがある程度優遇されるのは仕方ないという共通理解が存在する為、
この制限が緩和されているということでしょう。

「ストーリーを動かす為にはキャラを動かすのが効果的な手法」と前述しましたが、
本作において、その役を担ったのが、1期:本田未央、2期:渋谷凛、島村卯月です。
スポットを浴びるのは必ずしもいいことではありません。
それは煩わしいと思われてしまうような弱点を露呈することにも繋がりかねないからです。
1期のNGの初LIVEでは、その観客の少なさにリーダーの本田未央の心が折れてしまいます。
これは1期最終話のFESにおいて大雨が降り、
観客が少ない中でも精一杯歌うことへの布石となる
ストーリーを盛り上げる為には必要な場面なんですけど、
本作のようなキャラの動かし方は、
本田未央の担当P(熱狂的なファン)から嫌悪感を抱かれるおそれのある
かなりリスキーな作りだとも思いました。
実際に、私はネット上で、
「ちゃんみお(本田未央)をあんな扱いにしたアニメを絶対に許さないからな!」
という書き込みを見掛けたことがあります。
もちろん、このような声は一部ですし、
「アニメはまた別として見てるから」、「あれはあれでよかったと思う」という声もあります。
ただ私は、こうした賛否両論の意見が飛び交うのを目の当たりにしてというのもあって、
安全圏を確保しつつも、多少のリスクを背負って(キャラを動かして)、
話を動かそうとしている制作陣の気概を感じました。
これは2期の渋谷凛のNGとトライアドプリムス(TP)との掛け持ちの話や
島村卯月の葛藤の話でも同じことが言えると思います。

2期では、ストーリーを動かす役として346プロ会長の娘であり、
海外から帰国後、同社アイドル部門統括重役を務める美城常務の存在が挙げられます。
この美城常務、やり手として描かれてますが、実はかなりのポンコツですw
美城常務はこれまでのプロジェクトを解体して
346ブランドを強化する為に様々な策を施そうとします。

まずは、アイドルのバラエティの出演やネタキャラの廃止。
今の時代アイドルのイメージアップや親しみやすさを感じてもらう為にも
バラエティの出演やネタキャラって重要だと思いますよ。
それを廃止しちゃうなんてどうかと思いますけど・・・

そして、カリスマJKとしてすでに売れっ子の城ヶ崎美嘉に
ギャル路線から大人路線にと急な路線変更を言い渡します。
そういう路線変更は徐々にやりましょうよw
案の定街頭広告を見た通行人からは
「最近城ヶ崎美嘉ってなんか近寄りがたくなったよね」とか言われちゃってますしw
成果が上がってるとか言ってましたけど本当なのかw

極めつけは、自身の企画するプロジェクトへの参加をアイドルに要請するのですが、
誘い方が最悪ですw
木村夏樹を中心としたロックバンドをデビューさせようとするも、
ロックをこよなく愛する木村夏樹に
「君らはプランどおりにライブを行ってくれればいい」
とか言っちゃったらそりゃヘソを曲げられますわw
というかその前にもトップアイドルの高垣楓に、
高垣楓のデビュー会場を「お姫様に粗末な小屋は似合わない」とか言っちゃって、
プロジェクトへの参加を拒否されちゃってますよね。
プロジェクトの参加を拒否される→美城常務「何故だ?(真顔)」じゃねーよw
少しは学ぼうぜw
アイドルたちを上手く乗せて気持ちよく仕事をさせるという
モチベーターとして、あまりにダメ過ぎるw
ですが、そのポンコツっぷりに若干萌えの感情が湧いてしまったのは内緒ですw

アナスタシアのソロデビューやTPのデビューなんかは、
美城常務の功績だとは思いますが、
そのTPのデビューにしたって、
たまたま3人の声合わせの場面に遭遇した美城常務が「ピンときた」とかの理由だけで
即デビューさせようとしちゃっている辺りなんか行き当たりばったりのような・・w

美城常務を使って話を動かそうとしているのは充分に分かります。
ただ粗も目立ち、いまいちシリアスな話に徹し切れていない
中途半端さも感じました。
そもそも渋谷凛のNGとTPの掛け持ちの話にしたって、
これだけ大規模な芸能プロダクションならユニットの掛け持ちなんて当たり前だし、
過敏に反応しすぎなのでは?
まだ駆け出しの新人なんだから与えられたチャンスに
貪欲にトライしていくのは当然でしょう。プロなんですから。
全体的に、本作の(特に2期の)話の動かし方に対して、
「これって実はそんなに大した問題じゃないのでは?」と思ってしまうことが
多々あり、それが緊張感の欠如に繋がっているようにも思えました。
コメディとシリアスのバランスから言えば2期より1期の方がよかったというのが
個人的な感想です。
というか、1期も2期もシリアスな話があまりプラスに作用していないのかもしれません。{/netabare}


本作の総評として、キャラや楽曲の見本市アニメから脱し得ていないにしても
様々な制約がある中でキャラを動かし、
話を動かそうとするその気概は充分に感じることができました。
ただ、その話の動かし方は若干雑だったかなと思います。
しかし、キャラや特に楽曲はとても素晴らしかったです。
デレマスやデレステをプレーしている方も、新たにシンデレラガールズに触れる方も
共に楽しめる内容にはなっていると思うので、
及第点レベルには充分に達しているのではないでしょうか。
もちろん賛否両論だとは思いますけどね。

最後に、こういうアイドルアニメはLIVEシーンが非常に重要になってくるのですが、
そのクオリティは正直・・・いまひとつです。
ただ、控室から聞こえる音の反響音とかは非常にリアルでしたし、
舞台裏の描写はかなり力が入っていました。
華やかなシンデレラたちの舞台は、それこそ視聴者を含め、
多くの人たちの支えによって成立するものということを感じさせてくれたのは
とても良かったです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26

72.0 7 演劇アニメランキング7位
ひなこのーと(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (519)
2226人が棚に入れました
桜木ひな子は人前に出るとかかしのようにかたまってしまう女の子。
動物に好かれるため、田舎では本当にかかしとして働いていた彼女だったが、口下手で人と話すことが苦手な自分を変えるため、憧れの演劇部がある藤宮高校への進学を決意する。
田舎から出て、下宿先であるひととせ荘にやってきたひな子が出会ったのは少し変わっているけれど、とっても可愛い住人たち。
同級生のくいなや一つ上の先輩にあたる真雪に、演劇部に入るために上京してきたことを伝えると、彼女たちから返ってきたのは演劇部が去年で廃部になったという話で……。

声優・キャラクター
M・A・O、富田美憂、小倉唯、東城日沙子、高野麻里佳、吉田有里

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「せめて人前で固まらないように…人とスラスラお話できるようになりたい…」

この作品の原作は未読ですが、侮れない「コミックキューン」の作品である事は事前にリサーチ済…
この雑誌は「にゃんこデイズ」の時に存在を知りました。
萌え萌えなにゃんこちゃんたちには何度も心を奪われっ放しで、気が付いたら関連グッズに手を出している有様…
そんな作品を輩出する「コミックキューン」の作品…気にならない訳がありません。

この物語の主人公は、極度の人見知り&あがり症な桜木ひな子…
ですが、彼女は中学の時に見た藤宮女子高の演劇の舞台に感銘を受けて自分もそこで頑張りたいと目標を掲げて頑張ってきました。
全ては自分の欠点である人見知りとあがり症を克服したいから…

そしてひな子は憧れの高校生活のため遥々田舎から上京し、下宿先である「ひととせ荘」に向かったのですが…
そこにはどう見ても怪しげな女の子が一人…
決して姿かたちが怪しげなのではありません。
ひな子の目には今目の前に繰り広げられている事自体が怪しげに映っていたんです。

そんな怪しげな女の子は、ひな子と同じひととせ荘の住人で同じ年の夏川くいな…
ひととせ荘には他にも住人が居ます。
ひな子の1年先輩で喫茶店で働いている、まるでお人形さんの様に可愛らしい柊真雪。
真雪と同じ高校2年生でひととせ荘の大家さんでもある萩野千秋…
このメンバーに新たにひな子も加わり、いざ目標に向かって意気揚々と進もうとしたところ、序盤でいきなり出鼻を挫かれる出来事がひな子を襲うのです。

ずっと目標にして頑張ってきたのに…と落ち込むひな子でしたが、ひな子の進む道は一つではないことをひととせ荘のみんなに諭して貰い…物語が動いていきます。

この作品…通常の萌え枠とは一味違った作品だと思いました。
特にひな子には痛烈にそれを感じます。

ひな子は天然で…人前だと直ぐにカカシに変身してしまうほどの恥ずかしがり屋さん…
そのくせ、装備は一級品ときているから手に負えません。
デフォルメからノーマルにキャラデザが戻った時、彼女のスタイルにドキッとしたのはきっと私だけじゃないと思います。

そう…時折キャラに激しい色っぽさが感じられたのです。
例えばごちうさ、きんモザ、のんのん…どれもキャラデザは可愛らしく、特にごちうさの可愛らしさは段違い…激しい萌えは感じますが、色気を感じた事はありません。
(ごちうさ2期で登場したココアのお姉さんのモカ…雰囲気はありますが元祖「お姉ちゃんに任せなさいっ!」にでも、やはり色気は感じませんでしたし…)

この作品ではひな子のような爆弾娘は大家さんも…それに作り手もその辺りはしっかりと視聴者の事を考えてくれているのでしょう。
だからあざとさはしっかり感じつつも、つい魅入ってしまうんですよね…

このお色気路線を突っ走ったら作風はきっと全然違うモノになってしまうでしょう。
危ういほどの均衡を保ったのが真雪の徹底した可愛らしさと、くいなの食欲だったと思います。
ゆあのサポートも感じましたが、結局導火線への火付け役だったような気がするのですけど…

総じて可愛らしいキャラがみんなで同じ目標を掲げ、日々を一生懸命生きている姿が瑞々しく描かれています。
やっぱり目標を持って、それに向かって頑張る姿は本当に綺麗だと思います。
そんな彼女たちの日常を切り取った物語…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは「あ・え・い・う・え・お・あお!!」
エンディングテーマは「かーてんこーる!!!!!」
どちらも劇団ひととせの4人組が歌っています。
オープニング、エンディングとも今期の楽曲の中で中毒性No.1だったと思います。
特にこのオープニングは早口言葉交じりで難しい…
こういう曲をスラスラ歌えると良いんですけどね。

1クール12話の物語でした。
これまでの癒し枠の常識に一石を投じた作品だったのではないでしょうか。
この変化…個人的には嫌いじゃありません。
今回のアニメ化で原作のストックをどの程度消費したかは不明ですが、もし続編が制作されるなら是非視聴したいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

普通に良い出来。

まず、普通に良い出来のアニメだと思いました。


いわゆる日常系に類するものと言って差し支えないと思いますが、
演劇というベースがある作品です。
ただ、演劇といってもガチの熱い展開と言う訳ではなく、主人公の桜木ひなこが人見知りというか、話下手というか、人と相対して緊張すると「かかし」になってしまうという特技wを克服したいという思いで、演劇を志し成長していくという展開がメインです。

高校への進学を機に都会へ出てきて下宿するひととせ荘へやってきて、
夏川くいな、柊 真冬、荻野千秋、中島ゆあ、黒柳ルリ子らと出会い、彼女たちと演劇活動を中心とした日常を過ごしていく姿を「愛でる」w作品です。

ちなみに、キャラクター達は
どの娘も、どっかで見たような・・・wですし、
展開も田舎からできた女の娘が下宿先、学校で仲間と出会って・・・、というテンプレ要素満載なのですが、キャラの性格(個性)という意味ではしっかりと立っていて嫌な感じはしませんでした。


このコメントを書くのに公式サイトを確認したら大家さん(萩野千秋)の説明に「父親が舞台役者で、自らも4歳から舞台に立っていた。演劇の世界では有名で、男女問わずファンも多い。」との説明があった。
あ~なら、おっとり大家さんの別の顔もしっかりと観てみたかったなと、もう少し掘り下げエピソードを見てみたい気がしました。


そういえば、よくある各キャラ掘り下げエピソードみたいなのはあんまりなかったな、そういうのもあると楽しかったかもです。


あと、作画、音楽もしっかり、丁寧に作ってあったと感じました。
OP/EDも良かったです・・・。
というよりも・・・ここにどんだけのカロリー使っとるねん!!
という感じでした。
確かに、作り自体はどっかのハルヒや、どっかのらき☆すたを強く意識しているのは嫌でもわかりました。
しかしながら、わちゃわちゃ感を内包した、楽しげでわくわくするような作り、そしてキャラクター(声優)ががっつり前に出てくる。
映像もきれいで、歌も個性的(ミュージカルっぽい)、よくあのテンポ変化やセリフちっくな歌唱についていけるものだと感心しました。
見事だと思います。

作品全体をとおしてキャラクターもかわいらしく、
キャラ同士のいざこざなんてシーンも特になく、キャッキャうふふの進行でしたが、一応、演劇というテーマがあるので、ブレはあまりなかったと思います。
デフォルメキャラになるシーンもかわいかったですし、頭身上がったときにはちゃんとアニメ女子高生していました。


もし、拒絶反応が出るとしたら、
キャラがどっかの誰かにめっちゃ似ていること(容姿)、
少しだけ百合的要素(大したことはないと思います)があること、
ちょっとだけ、小僧向けの演出があることでしょうか(絵がきれいだけにネ)。

しかし、繰り返しになりますが、
総じてクオリティは高いアニメ作品だと評価します。
見るには十分楽しめる作品です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

TAMA さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

コミックキューンにしてはよくやったほうだが…残念。

全話視聴。

『ごち◯さ』+芳文社の手法の劣化版、時々『らき◯た』ですかね。OP、EDと良かったと思いますがOPは所々『日◯』のOPと似てる部分が多々ありましたね。『カカ◯タ』の方です。
『ひなこのーと』はいろんな意味で勿体無かったと思います。凄いチャンスを逃したと…。
リアルタイムで放送されてた時に他に日常系をやってなかったのでここでコミックキューンがドーンと行ければ…惜しい。

OP、EDは成功だと思います。とりあえず掴みはOKって意味で。作画も悪くない。潔くパンツ見せたりしたのも◯。物理法則を無視した捲れないスカートとか不自然な光で隠すよりは評価します。

ただ問題が酷似し過ぎた設定ですね。
キャラは『らき◯た』っぽい。
くいな→完全に『こ◯た』

ゆあ→ツンデレ担当『か◯み』

千秋→ほわっ、超人、巨乳等々…『み◯き』

真雪→料理上手等『つ◯さ』

みたいに感じました。
ま、くいなが酷いですね。
『くいな』の本や文学少女の所は『こ◯た』のネトゲとネット用語等を画面の世界を本に移行しただけ。7話のスク水はまんまでしたね。小学生のを使うのもカブってる。(パクってる?)

喫茶店などはもう『ごち◯さ』。表現はほぼ芳文社作品と同じ。お風呂で振り返りは『ひだま◯スケッチ』等々ちょっとツッコミ所がありすぎる…
パロ作品?ってなりました(-_-;)

ストーリーも日常系でやればまだマシだったのかな?と思います。変に劇団とか入れてしまったが為に最後までグダグダ感がありました。
とにかく『ひなこ』が成長が早すぎる!感情移入どころではない、置いてきぼりでした。
ルリ子の存在も酷い。この子が居ないだけで休部になる学校って…それに9才て…。学校は?役作りは?現役女優をやってるなら講師出来る時間無い筈です。子役でも拘束時間長いですし。
オペラ座、スカラ座等々を言ってプロっぽく見せられても…チープ。
あざといエロさと百合もちょっとマイナス。

本当に勿体無い。日常だけでやっていたらまだ良かったと思います。ただ8話の部分は少し良かったと思います。
37.5度で倒れるなんて!と思う人が居るかもしれませんが、現代の学生達は一昔前の人と平熱の体温が違います。統計学などで調べたところ今の子達は平熱が35.5度が平均らしいです(女性)。
だから37.5度ともなるとかなりの体調不良になり『ひなこ』の様に倒れる子も居ます。
一昔前の統計学では36.5度が平熱とされてましたが人間の身体も変わっていってます。だから8話の表現は中々合ってるなと私は思いました。

個人的にはくいなですね。
『こ◯た』だと言うのは大体の人が見たまんまでしょうが私はそれより声がまんま『ガヴ◯ール』にしか聞こえなくて…。富田さん、もう少し消そうよ…。ひなこのーと放送前のクールにやってたからそれが残りすぎてますね。

OPとパロディとしてなら多少アリ…?。
私からはあまりオススメしません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

74.2 8 演劇アニメランキング8位
夜は短し歩けよ乙女(アニメ映画)

2017年4月7日
★★★★☆ 3.8 (334)
1735人が棚に入れました
クラブの後輩である“黒髪の乙女”に思いを寄せる“先輩”は今日も『なるべく彼女の目にとまる』ようナカメ作戦を実行する。
春の先斗町、夏の古本市、秋の学園祭、そして冬が訪れて…。
京都の街で、個性豊かな仲間達が次々に巻き起こす珍事件に巻き込まれながら、季節はどんどん過ぎてゆく。
外堀を埋めることしかできない“先輩”の思いはどこへ向かうのか!?

声優・キャラクター
星野源、花澤香菜、神谷浩史、秋山竜次、中井和哉、甲斐田裕子、吉野裕行、新妻聖子、諏訪部順一、悠木碧、檜山修之、山路和弘、麦人

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

アニメ化してくれてありがとうヽ(*´□`*)ッ

このアニメの原作はわたしが大好きな小説です。
森見作品の中でも1番好き。
彼の小説はラノベでもないのにドラマ化よりアニメ化の方が向いているらしく,「四畳半神話大系」や「有頂天家族」がアニメ化されているのにこちらはアニメ化されていませんでした。
是非してほしいなぁとかねがね思ってはいたのですが,なんと映画としてアニメ化されると知った時は「なんとしてでも観ねば!!」と思ったものです。
でも,結局映画館に足を運ぶこともなく時が経ってしまいました。
4年も前の作品なのか…。

こちらは「四畳半神話大系」で登場した人達が出てきたりする(というか互いにリンクし合っている)ので,同じように作ってくれて感謝!!って感じでした。
とくにキャラクターデザイン。
キャラクター原案は中村佑介じゃないと!!
あと,言っておきたいのは声優ですね。
羽貫さんの中の人はわたしの中で1番馴染みがあるのは「ゴシップガール」のセリーナなんだけど,羽貫さんの声もやっぱりぴったりでまた彼女をキャスティングしてくれて良かったと思いました。
古本市の神様は…これ小津じゃん!!ちっちゃい小津!!
ぶっちゃけこの小説読んだの多分10年くらい前だと思うので,あんまりよく覚えてないのだけど小津ではなかったと思うんだよな…(笑)。
また読んでみようかな。。
あと何気にジョニーも同じ声優さんなんですね。
とにかく残念なのは樋口師匠ですよね。。
けれど,こちらの樋口師匠も全然良かった☆
また「四畳半~」のアニメも観てみようかな。
そして,以下は「四畳半~」とは違うキャスト。
まずは先輩の星野源。
もう星野源まんまじゃん!!って感じですね。
観る前誰がやるのかチェックしてなかったから星野源でびっくりした。
わたしはオールナイトニッポンで彼のしゃべる声だけを聴くっていうことがよくあるので(最近全然聴いてないけど),そのせいもあってか終始星野源がチラついて集中できない感じでした。
でも,よく頑張ってるなとは思いました。
彼の出演作品をあんま観てない人とかだったら特に違和感なく観れたんじゃないかなと思います。
星野源は「逃げるは恥だが役に立つ」の平匡さんといいこういう地味な男性の役が合ってるなぁ。
ただまぁ,「四畳半~」の「私」が良かったからなぁ。
それと比べちゃうとね。
チラつくといえば,ロッチの中岡ですね。
彼もとても上手だったけど,やっぱ中岡だなぁって。
逆にロバートの秋山は全然分かんなかった!!
え。出てた!?って感じでした。
黒髪の乙女の声はめっちゃ良かった★
とにかく可愛くてこんな声の女の子に生まれたかったと思いました。
そして,学園祭事務局長。
やば。色っぽいしイケボすぎる。
でも,妙に聴き馴染みが…と思ったら阿良々木くんか!!
正直,阿良々木くんの声が好きではないのですが,あたしこの人の声自体はむしろ好きなんだな。
「天官賜福」でもイケボだと思ったものなぁ。
先輩と学園祭事務局長が会話するとやっぱりアニメは声優さんだよなって思っちゃう。
演技力って点ではもちろん俳優さんでも良いんだけど,声優さんはイケボなのよ。
そして,紀子さん。
しゃべってる時は普通に観てたんだけど,歌い出してからびっくり!!
「え。うま。」って思って中の人調べちゃいましたよ。

そもそも「四畳半~」と「夜は短し~」の主人公と黒髪の乙女って別人物なのかな??
明石さんも黒髪の乙女ってことだったけど,ちょっとキャラは違う感じするよね。
「夜は短し~」の方が子どもっぽいというか不思議ちゃんな感じ。
それでいうと,わたしはこの不思議ちゃんな黒髪の乙女がとても好きで,ここ10年くらいずっと黒髪なのはこのキャラクターの影響もあるんだけど…。
(カラーしようとするたび「黒髪の乙女」というワードがチラつく)
この映画観てびっくりするくらい変な娘に描かれている気がしてちょっとショックでした。
ヘンテコだけど可愛らしい子っていうイメージだったから。
特に詭弁踊り。
あんな踊りだったの!?!?
活字だとどんな風に表現されてたのか覚えてないけど…。

総括です。
第一にこの小説をアニメ化してくれてありがとうと,まずはそこです。
でも,やっぱ原作は原作の独特の文体が1番の魅力で,「四畳半~」はそれが存分に活きてた感じだったけど,こちらはそうでもなく途中でちょっとだらけちゃいました,わたし。
やっぱ長々と観るよりはテレビアニメとして30分ずつ観ていくって方が集中力がもつというのかな。合ってる気がします。
小説って純文学と大衆文学っていう括りがあると思うのですが,アニメでそういう括りがあるとしたらわたしはこちらを大衆アニメではなく純アニメとしたいです。
観て面白い楽しい感動するというのではなく芸術作品寄りというのかな。
なので,好き嫌いは分かれるというのか,このアニメの味を理解できる人ってのは限られてくる気がします。
まぁ森見登美彦の小説自体割と人を選ぶみたいなので,そこは仕方ないのかもですが…。
わたしは彼の世界観が好きなので,このアニメも好きだと思いました。
また原作読みなおしたり,「四畳半神話大系」のアニメも観直してみようかな♪
(因みに原作読んだ当時に「ラ・タ・タ・タム」は読みました。実在する絵本なのでこのアニメが好きな方はこちらも是非☆)

追記
みなさんのレビュー読んで原作と違う点をいろいろを知り,「やっぱそうだよね!!」と共感することしきりでした。
原作読んだのかなり昔だから「わたしの覚え違いかな?」とか「こんなシーンあったかな?」「こんな設定・展開だったかな?」とか思ってたので…。
原作がとても素晴らしいので正直原作通りにやってほしかったかな。
特に一夜って設定は「え。そうだったっけ?」ってなった点です。
あと「魔風邪恋風邪」はもっと冬のほっこり感があった気がするけど,アニメだとカオスになってて残念でした。
やっぱ原作読みなおします!!
そして,もっと批判的なレビューを書いてやります!!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

この「世界観」初見で理解できるの? →先に「四畳半神話大系」で学習することをオススメ

【レビューNo79】(初回登録:2023/8/27)
小説原作のアニメ映画で2017作品。90分程度。
視聴理由は「四畳半神話大系」の森見登美彦×湯浅政明作品だったので。
キャッチコピーは「こうして出逢ったのも、何かのご縁」

(ストーリー)
舞台はある京都の大学。
「先輩」は、1年前から同じクラブの後輩である「黒髪の乙女」に恋をして
いる。
彼は日々彼女を追い掛け、なるべくその目に留まろうと「ナカメ作戦(なる
べく彼女の目に止まる)」を実行していた。
そんな先輩の気持ちはつゆ知らず、乙女は好奇心の赴くまま、夜の先斗町を
歩いていく。
これはそんな2人の夜にまつわる物語。

(評 価)
・「四畳半神話大系」は別格ながらも、個人的には本作も評価
 前回レビューしましたが、そもそも「四畳半神話大系」は1クール使って、
 最初は「平行世界」を描いて同じような展開を繰り返しつつも、伏線を巧
 妙にバラマキながら、終盤でこれらを見事に回収していき、皆を「あっ」
 と言わせる「神作品」ですからね。
 それを踏まえ本作は「四畳半神話大系」を彷彿させる世界観を描きつつも、
 映画の尺の中で、キャッチコピー「こうして出逢ったのも、何かのご縁」
 をしっかり落とし込んでいたので、個人的にはかなり評価できる作品かな
 と思います。

・この「世界観」初見で理解できるの?
 ただ私は「四畳半神話大系」で、この手の作品に免疫があったから楽しめ
 ましたが、これ本当に何も知らない方が視聴されたら「ついていけるの?」
 というところに疑問を感じました。
 「四畳半神話大系」も正直最初は「??」って感じで、上述の通り「平行
 世界モノ」で3回ほど同じような展開を観て、それでようやく馴染んできて、
 この作品の良さや味が判ってきたって感じなので・・・
 個人的には先に「四畳半神話大系」で、この世界観を学習することをオス
 スメします。

・内容は奇天烈感が強い(上述の補足)
 この作品の格子はシンプルで
 ★黒髪の乙女に恋する先輩は始めは縁遠く、「ナカメ作戦」等ヘタレな状
  況から、いろいろな人との「ご縁」などが巡り巡って、先輩も勇気を出
  して行動し、本当の「ご縁」にたどり着く。
 という「純愛もの」なのですが、この「いろいろな人との「ご縁」が曲者
 で、この部分の厚みが凄いんですね。ここが「森見登美彦×湯浅政明」作
 品の真骨頂であり、雰囲気を例えるなら(四畳半でも書きましたが)
 「ベクトルの違う『西尾維新×シャフト』」みたいな?!
 ストーリー展開も奇天烈感が強く、通常の「ピュアラブストーリー」感覚
 で観てると面食らう感じですね。なのでちょっと耐性が必要かなっと。

・以下簡単なあらあらすじを書いておきます(章立ては原作から)
 ・先斗町での一夜の物語
  原作では京都の四季になぞられ、各季節毎の4編の物語として描かれてい
  るらしいのですが、本作では「一夜の物語」と改変されたようです。個人
  的にはこの演出は◎。
  「夜の帳が下りてから夜明けまでを、2人がどう過したのか。」
  → タイトル「夜は短し歩けよ乙女」にピッタリハマる感じが心地よい。

 ・第一章(春):夜は短し歩けよ乙女
   {netabare}「恥ずかしながら、このとき私は単身、魅惑の大人世界に乗り出したい
   と思いました。要するに先輩方に遠慮することなく、無手勝流にお酒が
   飲みたかったのです。」
  この黒髪の乙女、かなりの酒豪です(笑)
  このお酒の「ご縁」から様々な「ご縁」を紡いでいき・・・
  樋口君&羽貫さんの「四畳半神話大系メンバー」が話を先導していく演出
  がニクい。{/netabare}

 ・第二章(夏):深海魚たち 
  {netabare}「ここはまるで本の海。私は深海魚となって獲物を求めて回遊する所存」
  「下鴨納涼古本祭り」を舞台に、2人はどんな本と「ご縁」があるのか。
  特に先輩にとっては、彼女にまつわる「古い絵本」をゲットするという、
  重要な使命が・・・{/netabare}

 ・第三章(秋):ご都合主義者かく語りき 
  {netabare}「学園祭とは青春の押し売り、たたき売り、いや青春闇市なり」
  学園祭事務局は、神出鬼没な集団「韋駄天コタツ」とゲリラ演劇「偏屈王」
  に頭を悩ませていた。そして黒髪の乙女もゲリラ演劇騒動に巻き込まれ、
  それを知った先輩は・・・
  ゲリラ演劇→「ミュージカル」と「恋愛」が見せ場になっています。{/netabare}

 ・第四章(冬):魔風邪恋風邪
  {netabare}「君はどんどん進んでいくから、なかなか誰も追いつけない。なのに何度
   も通りかかるやつっておかしいと思わない?」
  これまでの喧騒が嘘のように、巷では「李白風邪」が大流行。一人元気な
  な「黒髪の乙女」はそれまでの「ご縁」に沿って、いろいろな人の元にお
  見舞いに訪れます。
  そして最後にお見舞いに向かった先は・・・{/netabare}

テーマの「ご縁」に沿って、様々な個性的なキャラが登場しては入れ替わって
いき、上述の通り四季のイベントも入ってくるので、物語の展開はかなり早い
です。そして
「最初『点』で出会っていた人たちは、実は『線』で繋がっていた」
という仕掛けは、テーマ「ご縁」にピッタリで思わず唸ってしまいます。
{netabare}最後に「お見舞い」という形で、キャッチコピー
「こうして出逢ったのも、何かのご縁」
を回収していくストーリー展開は本当に秀逸です。{/netabare}
問題はその見せ方が好みにあうかどうか・・・
でも、こんな作品も楽しめるようになると世界が広がるのは確かなので、まず
は「四畳半神話大系」から「森見登美彦×湯浅政明作品」の世界に足を踏み入
れてはいかがでしょう。
って「何の作品のレビューやねん!」って感じですが(笑)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

命短し 恋せよ 男子も。

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
原作組なので、チト辛めの評価です。

非常に不思議な映画。映画単独で内容を理解するのは難し、、、いや、ほぼ無理なんじゃないかと思います。

アニメーションとして本作を観たとき、他にはない独特の映像表現が観られますから、アニメ好きなら観ても損はないでしょう(第41回オタワ国際アニメーションフェスティバル長編部門グランプリ、第41回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞受賞)。

ただ、もし映画を観て、ちょっとでも興味をもった方は、是非、原作を読んでほしいとおもいます。

第20回山本周五郎賞受賞作品。第137回直木賞候補、2007年本屋大賞第2位。2017年2月時点で累計売上130万部を超えるベストセラーとなっている(Wiki参照)のは、伊達じゃないということが分かります。

映画がかなり原作改編しているので、ある意味、映画を観てても関係なく、原作を楽しめると思います。

個人的には、映画版は☆3.5。原作は☆5です。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
細かな点での、改編の文句は勿論あります。(李白がショボすぎるとか、実行委員長の女装ピックアップとか)言い出したらキリがないのですが、一番を挙げるなら、文化祭編。パンツ番長と紀子さんのエピソード改編は酷すぎる。

原作では、紀子さんは紀子さんで、象の尻を展示するというエキセントリックな方法で、パンツ番長を探しています。そんな紀子さんを手助けするのが、「黒髪の乙女」です。そして、同じような廻り合わせの中で、パンツ番長の願いを叶えようと奮闘するのが、「先輩」。本作は、語り手がコロコロ変わるのが特徴の小説で、「黒髪の乙女」と「先輩」が微妙に繋がりながら、絶妙にすれ違いながらストーリーが進んでいくのが楽しいのですが、この学園祭編は、まさに真骨頂という感じ。最終的に、パンツ番長の願いを叶えるために必死になる先輩を見て、初めて「恋」の兆しを感じる「黒髪の乙女」。もの凄く大事なところなのに、映画では、「先輩」が「パンツ番長の恋より、自らの願いを優先している」ように見え、なぜあれで「黒髪の乙女」が惚れるかが謎です(抱き締められたからって、そんなバカな。確かに、原作でもそうだけど、抱き締めるまでの過程が違いすぎるでしょ)。

とまあ、予定より長く書いてしまいましたが(笑)、実は、そんなのは些事です。

一番大事なことは、監督が、この原作の「一番の旨味」を勘違いしていること。

本映画の独特の映像表現は、原作者「森見登美彦」さんの独特の文体を表現したものでしょう。夢と現実の境目が曖昧で、どこか酒に酔っているような、自分に酔っているような、古めかしくも新しい、軽妙な文体。いわば、「森見節」を表現するものとして、この映像表現は、非常に素晴らしい。その点に関しては、何の文句もない。

でも、本作に限って言えば、作品の一番の旨味(魅力)は、「キャラクターの良さ」なんですよ。

(奇しくも、入賞歴引用するためにWikiを開いたら載っていたけど)山本周五郎賞の選考委員だった重松清は、同賞の授賞理由として著者が黒髪の乙女の「一人称の「天然」を描ききった」ことを理由に挙げている。

とあるように(流石、重松さん♪)、とにもかくにも、黒髪の乙女の魅力なんです。

原作の彼女は、もっとつかみどころがなくて、可憐で、軽やかで、芯が強くて。天然ですけどバカじゃない。いや、高いレベルのバカではあるんですが、とにかくもっと、可愛いんです。

変態親父におっぱいを触られても、友達パンチ1発で終わらせ、鯉のリュックをワクワクして背負い、ご飯主義者とパン食連合の討論会で、「ビスコを食べれば良いのです!」と宣言し、りんご飴をチロチロ食べながら夜の町をトテトテ歩くような、不思議な可愛さなのです。

勿論、対となる先輩も、不器用ながら一途で、素敵な人です。

もし、この原作を映像化するなら、森見さんの文体の不思議さを表現するよりも、ヒロインの魅力をちゃんと表現し、主人公との恋愛を丁寧に描写した方が良かったとおもいます。スタート地点を間違え、ずっとボタンをかけ違え続けた映画化に感じました。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22

72.0 9 演劇アニメランキング9位
ラブライブ!サンシャイン!! 2nd Season(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (461)
1638人が棚に入れました
静岡県沼津市の海辺の町、内浦にある私立浦の星女学院。

駿河湾のかたすみにある小さな高校で
2年生の高海千歌を中心とした9人の少女たちが、大きな夢を抱いて立ち上がる。

それは、キラキラと輝く“スクールアイドル”になること!

諦めなければきっと夢は叶う――。
いまはただ輝きを目指して、がむしゃらに駆け抜けていこう!
ここから彼女たちの「みんなで叶える物語(スクールアイドルプロジェクト)」が始まった!

声優・キャラクター
伊波杏樹、逢田梨香子、諏訪ななか、小宮有紗、斉藤朱夏、小林愛香、高槻かなこ、鈴木愛奈、降幡愛
ネタバレ

おぬごん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なぜラブライブ!サンシャイン!!は感動できないのか

静岡県沼津市の浦の星女学院のスクールアイドル・Aqoursを描いたラブライブシリーズ2作目の第2期
(1期感想:https://www.anikore.jp/review/1549253/)

さて、1期感想でも触れたとおり私はμ'sを描いた初代ラブライブ(以下、無印)に魅了されたラブライバーです
このサンシャインも1期で物足りなさを覚えながらも、1stライブはLVで参加、2ndライブは西武ドーム2daysとも現地参戦し、聖地沼津にも2度足を運ぶなど応援してきたつもりです
…ですがこの2期でもその物足りなさを拭うことはできず、それどころかサンシャインは無印に決定的に及ばないとさえ思うようになってしまったというのが結論です
ではなぜそう思うに至ったのか、私見を書いていきます
(※折りたたんでますが、めっちゃ長いです。気が向いたら読んでください)

前提
{netabare}
まず前提として、私にとってラブライブ無印はアニヲタ人生の転機とも言えるあまりに大きな作品でした
アニメのイベントや声優のライブに行ったり、ペンライトを振ったり、ニコ生を毎回見たり、ニコ生一挙放送を完走したり、ゲーセンでフィギュアやぬいぐるみを取ったり…私に色々な「初めて」をくれた作品、それがラブライブです
ですからこの後の私見にはラブライブという作品を神格化するような、かなりのバイアスが掛かっていると思います
サンシャインという作品に、無意識にとんでもないハードルを課していたことでしょう
ですが私は最初からサンシャインを突き放して見ていたわけではありません
むしろ冒頭のとおりかなり作品を楽しんでいたと思いますし、本当は無印同様に心から感動したかったんです…
…何が言いたいかっていうと、私はいわゆるμ's原理主義ではありませんw
{/netabare}

サンシャインと無印の違い
{netabare}
1期放送後からこの2期までを通じて分かったのですが、サンシャインでは無印でやりたかったけどできなかったことをとことんやっていくスタイルを取っています

代表的なのはイベントですね
無印の声優陣はプロジェクト発足当時こそ無名の新人集団でしたが、1期の成功もあり特に南條愛乃と三森すずこが声優にソロ活動にと多忙になってしまい、9人そろってのイベントを組むことが難しくなってしまいました
またプロジェクト後期は30代のキャストが数人おり体力面に不安があり、特に南條愛乃は膝に先天的な持病があったことも発覚し、まともに踊れなくなってしまいました
そこでサンシャインでは若き新人キャストを揃え、専属契約に近い形でプロジェクトに専念させています
これによりかなりタイトなスケジュールでイベントを組み、さらにライブツアーを行うこともできました

また無印は予想外の大ヒットを記録したために、グッズ展開やコラボレーションが後手後手になってしまったこともファンの不満として挙げられていました
サンシャインでは公式twitterを見てると分かるんですが、週3くらいで新グッズの情報が出てきますwとても全部追えませんww
もちろん沼津という聖地を設けたのも、この2期でライバルユニットとコラボしたのも、「やりたかったこと」だと思います

良い言い方をすればスタッフも全力でやりたいことができ、ファンも全力で楽しめるようになった
汚い言い方をすれば、全力でリソースをぶっ込んでファンからお金を吸い上げる体制ができた、ということですねw
{/netabare}

計画性とその功罪
{netabare}
サンシャインは無印の成功を受けて作られた、成功が約束され、そして成功しなければいけない2作目です
そのため常に先の見えない道を開拓し続けていた無印と違い、サンシャインはかなり計画的にプロジェクトが進められているように思います…下手したらアニメ、ライブを中心に最初から最後まで完璧にスケジュールが組まれている可能性もあります
たとえば無印は1期放送後の3rdライブのサプライズで2期制作が発表されたんですが、この時キャスト陣全員がガチで驚いて喜んで泣いてたんですよね
ところが、サンシャインではこういったキャストを巻き込んだ大きなサプライズがほぼありません
多分キャストもあらかじめ全てを知らされ覚悟ができていて、それにより地に足をつけた計画的なプロジェクト運営ができているのでしょう
一方でその計画性は作品の根幹を成すテーマである「みんなで叶える物語」とは相反するものでもあります
1期の感想でも書きましたが「どうせ俺が応援しなくても成功するでしょ?」って思えてしまうんですよね
そしてその計画性故の管理体制がアニメにも影を落としてしまったのではないかと考えています
{/netabare}

アニメ制作上の縛り ~ライブでの再現前提の演出~
{netabare}
サンシャイン1期の最終回は、放送後にかなり叩かれました
批判点はモブの出しゃばり、ライブ前の長い寸劇、レギュレーション違反の3点でしたが、
このうち1期全体を振り返るライブ前の寸劇は、現実の1stライブで再現することを前提とした演出でした
1stライブ後に酒井監督も「今夜の彼女達のパフォーマンスでやっと13話(最終回)が完成した様な気持ちです」とツイートしていたことからも、これは明らかだと思います
そしてこの2期でも、ライブでの再現を前提とした演出が多々ありました
特に2期はライブシーンでそれが顕著で、6話の千歌のバック転なんかはその最たる例ですね
これはライブで千歌役の伊波杏樹がバク転を成功させて初めて感動が生まれます
アニメ内だと無印で凜ちゃんが雨の屋上でウルトラC級の床技を決めてましたし、サンシャイン1期でもセイントスノーの妹(理亜)が3mくらい跳んでムーンサルト決めてましたからねw 今更バク転じゃ驚かない世界ですw
また9話のセイントスノーとのコラボも、本編後のライブ開催のCMを含めたサプライズありきで、本編ストーリーとのつながりを考えたらむしろ11人で歌うのは不自然だったり…

もちろん、アニメとリアルの融合はラブライブ!の1つの大きなテーマです
ですがアニメはアニメとして、完結した一つの作品として作って欲しかったです
少なくとも無印は、ライブで補完しないと完成しない作品ではありませんでした
むしろライブシーンでは昼夜が入れ替わったりワープしたり、現実で再現不能な演出が多々ありました
それをライブ班がどう再現するか、といった楽しみ方もあったんですけどね…

先述の「計画性」にも繋がるんですが、あまりに計画的に作られているせいで、制作側の自由な創作を縛ってしまっていたように思います。なぜならこうした演出は、アニメスタッフの一存で入れられものではないからです
酒井監督が優れたライブシーン・PVを作れるのは、シングルのPVや1期2期のOPを見ても分かります
ただ作中のライブシーンでは、現実での再現前提の演出が足を引っ張り持ち味を出せていなかった印象です
{/netabare}

アニメ制作上の縛り ~ストーリー~
{netabare}
この2期のテーマは主に、浦の星女学院の廃校、廃校決定前後のラブライブ挑戦の意義の変化、そして千歌が探し追い求める「輝き」の3点です
そもそもサンシャインは、プロジェクト発足当時から「廃校が決定している学校が舞台」という設定でした
それがアニメでは1期で廃校の可能性が浮上しただけで、廃校の行く末も2期に持ち越しとなっていました
なぜなら1期の最大のテーマはAqoursの独り立ちで、そして2期が最初から「計画」されていたからです
Aqoursの独り立ちを描くためには、廃校問題を全て後回しにせざるをえなかったんですね
そして恐らく、この1期のAqoursの独り立ちというテーマは、アニメスタッフではなくプロジェクトの創意として、ラブライブサンシャインというプロジェクトのために組み込まれたモノでしょう
それは今年9月の2ndライブを経て現実のAqoursが独り立ちを遂げるまで、サンシャインと無印のコラボはもちろん、キャスト陣が無印に触れること(果南役の諏訪ななかがμ'sの紅白出演への感想ツイートを削除したり)が徹底的に排除されてきたことからも予想できます

こうした事情のため2期では廃校を阻止できない展開を描かなければならず、シリアスにならざるをえない
しかしラブライブという作品はシリアス一辺倒ではいけない
明るく楽しく前向きでなければならず、特に2期では1期でスポットの当たらなかったキャラをピックアップしなければならない
この二律背反のせいで、2期はシリアス、キャラ回がともに浮いてしまっていたように思います
特にメインストーリーから完全に外れていた5話のよしりこ回とかね
ファンからの評価は高いですし私も好きな回ですが、後々2人差で廃校が決定してしまうことを考えると、犬と遊んでる暇あったか?本当に全力尽くしたのか?と思えてしまいます

そもそも酒井監督は、シリアス面を描くために選ばれた監督だと思っています
酒井監督が無印で担当した回(1期7話「エリーチカ」12話「ともだち」、2期11話「わたしたちが決めたこと」)を見れば一目瞭然です
サンシャインもおそらく、ストーリー面、シリアス面だけを切ってみれば、恐らくよくできています
ただ先述の事情により、明るいキャラ回やギャグを組み込みにくい構成になってしまったのかと

もちろんそれでも良い作品に仕立て上げるのが監督の仕事だと言えばそりゃそうなんですが
{/netabare}

積み重ねが足りない
{netabare}
サンシャイン2期では無印同様、ラブライブ優勝と3年生の卒業(+廃校)が描かれました
最終回の優勝と卒業の感慨、寂しさを描いた描写・演出は素晴らしく、無印にも劣らないものがありました
ですが、いまいち感動できなかったんですよね
その原因は恐らく、サンシャインが積み上げてきたもの、少なくとも時間が明らかに少ないからだと思います
無印はTVアニメ化に3年の下積みを要し、2期のラストの時点で4年が経過していました
そしてその間、作品の人気はCD売り上げ500枚のスタートから2期BD1巻11万枚まで駆け上がっていたのです
一方でサンシャインはプロジェクト発足が2015年4月、1stシングル発売が同年10月です
この2期の時点でまだ2年しか経っていない上に、その1stシングルも最初から5万枚売れてるんです
1期のBDや最近のシングルも5万枚前後の売り上げです…安定してるんですよね
もちろん人気を安定させることは大変なことだと思いますし、短いこの2年間にもドラマはありましたが、
残念ながらそこに無印と同様の感慨深さが生まれることはありませんでした
これは初代の後を受けた2作目としての宿命とも言えるかもしれません
江戸幕府を築いた初代家康の陰に、幕府を安定させた秀忠が隠れてしまうように…
{/netabare}

粗が目立つ→それを覆すインパクトの欠如
{netabare}
この2期、話の展開の粗、矛盾点が目立ちました
例①:3話、予選から学校説明会まで間に合わない!バスも船も無理だからミカン収穫用のトロッコだ!
   ←親に車出してもらえ!お姉ちゃんたち軽トラで間に合ってるじゃねーか!
例②:7話、ライブ終了後80人だった入学希望者が深夜に増え続けて98人に
   ←どうやって出願したんだよwww ちなみに作中で願書、調査書、受験料納付証明が必要とあり
例③:7話、12月の朝5時なのに明るい屋外
   ←静岡地方の12月の日の出は6時30分~6時54分
例④:9話、お姉ちゃんのためにルビィと理亜の2人(+よしまる)で内緒で用意してきた
   ←Aqours+セイントスノー11人で完璧なライブパフォーマンスを披露

もちろん無印にもこうした粗、突っ込みどころは多々ありました
ですが無印には、京極監督のラブライブには、それを全部ぶっ飛ばすインパクト、大きな感動があったんです
1期のレビューでも書きましたが、サンシャインに最も足りないのはこのインパクトです
そしてここまで擁護してきた酒井監督に足りなかったのも、このインパクトで魅せる力です
同時期放送の京極監督の作品「宝石の国」を見ても、京極監督の魅せる力、インパクトを残し感動させる力は類い希なるものがあります

そもそもサンシャインという作品には、無印のにこのような作品のアイコンとなる人気キャラ、そして「にっこにっこにー!」のような作品を代表するフレーズもありません
善子がその枠になってほしかったみたいですし、善子の「リトルデーモン」や曜の「ヨーソロー!」などキャッチーな決め台詞も用意されていますが、力不足
せいぜい絵里の「ハラショー」くらいの位置づけでしょう

ここまで色々不満を言ってきましたが、インパクトさえあれば、大きな感動さえあれば、それらの不満は全ては覆されていたと思います
それがラブライブという作品です
{/netabare}

まとめ
ラブライブ!サンシャインは無印の成功を受け、非常に野心的で、かつ計画的に作られている作品です
その計画性がアニメのストーリーやライブといった魅力を縛り付け、物語の展開に粗が生じ、また2作目故に作品としての積み重ねも少ないためにラストの感慨深さも生まれませんでした
そして何より、それらを覆すインパクトが足りませんでした
だから私はサンシャインに、心から感動することができなかったのです


ですが、私はラブライブから、サンシャインから離れることは無いでしょう
それは何だかんだ言って、ラブライブに触れている時間は最高に楽しいからです
この2期の放送中も、各話の感想やイベントについて友人ラブライバーと密に語り合っていましたw
またライブ中やライブ後や聖地で、初めて会ったラブライバーと話すことも多々ありました
沼津に行った際は韓国人ラブライバーと写真を撮ったりもしましたw
作品だけに留まらない楽しさ、経験、初めてを提供してくれるラブライブ
「今が最高」「過ごしてきた時間の全てが輝き」を体現するラブライブが、何だかんだ言って大好きなんです


以下、書くタイミングを失った雑感の箇条書き
{netabare}
・CGの進化が半端ない。特にOPは衝撃だった
・一方で手書き作画は珍しく崩れることも…特に8話Aパートは気になった
・音楽では寂しさをはらんだOPとカーテンコール感あふれる最終回EDが好み
 でも音楽もインパクトないんだよね、サンシャイン。結局スノハレノーブラ級は現れず
・キャラではルビィが印象に残った。実質個人回の8,9話だけじゃなく、7話で一番最初に「優勝」を口にしたり、
 ドームをドゥームと言ったりw、一番キャラとしての背景、ドラマが見えたのがルビィだったかな~と
・1期では無かったよしりこが2期では特盛りにwww5話でなれそめを描いてから回を増すごとに親密に…
 6話で遂に実現した「リリー」呼びは個人的に2期のハイライト
・1期で若干クドかったしいたけの使い方が上手くなってた。ラストでメスで仔犬出産という衝撃の展開が待っていたが、お前千歌が小学生の頃からいる老犬だろww大丈夫かよww
{/netabare}



最後に、もしここまで全部読んでいただいた方がいらっしゃったなら、本当にありがとうございました

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

一言 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

アイドルアニメとは

一言で言えば、キャラデザも音楽も最高なのに脚本が酷すぎるアニメ。


最初にことわっておくが、かなり辛口なレビューだと思う。
しかしアンチではなく、この作品に期待していたからこそのレビューであることを知っていてもらいたい。
もう一度言うが、批判しかしていないので、この作品を十二分に満足した人は読まないことをお勧めする。

{netabare}
・キャラクターの言動について
千歌
全話を通して言えることなんだけど、「輝きたい」とか「奇跡」とか毎回毎回同じことを言い過ぎているし、演出も毎回同じすぎる。
ここぞというときにすればいいのに、毎回ミュージカル風に語り出して毎回同じような演出だから、キャラクターが台本を読んで演技しているみたいに感じる。
主人公の熱意が、綺麗事とお決まりのポエムで塗り固められていて、とても薄っぺらく安っぽく感じられてしまう。
奇跡の安売りをしすぎ。
1期は普通の女の子がひたむきに、前向きに一生懸命頑張っている印象ですごくよかったのに、2期では奇跡ダイスキポエマー怪獣と化して理解が追い付かないキャラになったのが非常に残念。

善子
善子はわりと好きなキャラなのに、正直2期をみて苦手になってしまうほど酷かった。
まじめな話の流れを無視した尺稼ぎの厨二発言が本当にうざい。
シリアスや重要なシーンで厨二でギャグを取りにくるのは全然面白くない。
スタッフはちゃんと話の流れを見てギャグを入れているのだろうか?
流れが悪くなるうえに雰囲気をぶち壊し、視聴者にストレスを与える。
本当にひどかった。毎回毎回。
あと、犬を拾う善子と梨子の回の、善子の返した犬を取り返すというセリフ。せっかく出会った大切なものをなくしたくないとかそういう意図はわかるんだけど、取り返すとかいうセリフ…人としてどうなんだ。
突拍子もない言動はキャラへの好感度も下がるし、行動原理もわけがわからなくなってくるから、ちゃんとセリフを考えてほしい。

梨子
絵が下手なネタ、完全に中の人に影響されている。
趣味が絵画だったというのに、中の人の画伯設定がつけられてしまった。
中の人は悪くない。採用する方が悪い。ラブライブと言うコンテンツは中の人ありきということは重々承知しているが、キャラクターと声優は別物というのは絶対のルールであり、禁忌を犯している。本当にありえないからやめて欲しい。
あと、犬を拾う回で、梨子が犬嫌いとはいえ、狭いケージに入れっぱなしにして一日犬を放置してるのもちょっと異常…。サイコパスすぎやしないか。やめて欲しい。


・第3話について
脚本がおかしい。これにつきる。
正直、視聴をやめようかと思うほど脚本がひどい回だった。

ラブライブと学校説明会がかぶってしまった→どちらかを選ぶなんてできない→5人と4人で、二手に分かれて両方に出演するしかない→しかし9人そろってない状態のライブなんてそれでアクアと呼べるの?→最善の策をとるしかない…→

千歌「あっ!みかんだよみかん!みっかーーーーん!!!!」

→場面は変わってライブ当日。ラブライブ会場の黒沢姉妹+2年生の5人組。→拍手がまばらで、不安げな5人の顔。なぞの不穏な空気…→からの突然の説明会組の4人「勘違いしないように!」「私たちは一つじゃなきゃね!」→

そして9人で始まるラブライブ…

→ライブシーン(新曲)終了後→2年生「さあ行くよ!」「ここからが勝負よ!」→2年生以外のメンバー「まさか学校説明会に!?」「間に合わせるつもり?!」

ここでようやく千歌の「みっかーーーん!」という一言でしか片づけられてなかった内容の説明が明かされ、走ったりトロッコを使って学校へ行く、という流れ。


いやいや、なんだよこの脚本は……。


まず、一番の問題、「みっかーーーん!」発言である。
わけがわからなさすぎる。なんの説明もされていない。
「みっかーーーーーーーーーーーーん!(やっぱり9人じゃないとアクアじゃないから、ラブライブは9人でやって、ライブ終了後に最短距離を走って、みかん畑のトロッコに乗って、9人みんなで説明会に行けばいいんだ!)」

…いやいや、みかんの一言で分かるわけないよねそれ…。

なぜ、この内容(以降、みかん作戦)を視聴者に説明していないのか?
そして、おかしなことに、上記にも書いているがラブライブ終了後の2年生組の「さあ行くよ!」というみかん作戦実行の掛け声に対し、他メンバーが「まさか説明会に?!」というリアクションからして、このみかん作戦を2年生以外は誰も知らされていないのである…。

視聴者だけならともかく、何故他のメンバーに説明していないのか。

そもそも、説明していないのだとしたら、学校説明会組のメンバーは二手に分かれたのにもかかわらず、身勝手に学校説明会を捨てて、ラブライブを優先したこととなる。
仮にも廃校を救うと奮闘している人物のする行動なのかこれ?
ちぐはぐ過ぎやしないか?学校廃校への緊張感や想いが雑すぎないか?
結局、廃校阻止より自分たちのアイドルとしての輝きを優先させたのか?

仮に、説明会メンバーが身勝手に説明会をすっぽかしたのではなく、最初から9人集まることを約束していたのだとしよう。
だとしたら、4人が後から駆け付ける展開はおかしい。
どうして最初から9人揃って舞台に立ってないの?という話になってくるし、あのライブ前の不穏な空気と、不安げなメンバーの表情の説明がつかなくなってしまう。

なので、そうなるとやはり、不安な表情だったのは、黒沢姉妹+2年生のみで歌うというメンバーが揃っていない状況への不安感を演出していることになる。
このことから、やはり説明会メンバーは説明会をほったらかして、あんなに学校を救いたいと言っていたのにもかからわず、仮にも理事長も説明会メンバーなのにも関わらず、勝手にラブライブを優先させたという解釈にならざるを得ない。(みかん作戦の存在を知らなかったことから、説明会へ間に合わせるつもりはなかったと取れるので、説明会を捨て、勝手な行動をとったと捉える他ない)


また、ラブライブは1番に歌わなければ、学校説明会には間に合わないといいつつ、なぜ24番目に歌っている上に、最短距離とはいえ、徒歩+トロッコで説明会に間に合っているのか?
そもそもラブライブというものが、ミューズの時代より大きなものになっているという設定なのに、バスも電車も通ってない山中で行われる地区予選がおこなわれるだろうか?沼津でやるだろう、普通に…。(まあこの辺はご都合主義として普通は目をつぶるのだが、あまりにもここまでの流れが酷いのでついでにツッコみざるを得ない…)
このことから、単にみかんトロッコがやりたかっただけなんだろう…。
やりたいにしても、脚本を考えて、矛盾をなくそうや…。
{/netabare}
このように、キャラが話の都合で無理に動かされている・言わされている感強くて、本当に可哀想になってくる。

いちいち「現実感ガー」ってアニメに喚くのはタブー、そんなことは分かっている。
しかし、現実感と整合性は別物である。
この作品は整合性がない。辻褄があっていない。
矛盾が生まれている。キャラの行動原理が謎なんて、聞いたことがない…。

その展開はさすがにちょっとおかしくないか、っていうものが多すぎる。本当に。
{netabare}
例えば、入学希望者が1話時点で10人で、目標100人なのに、県予選突破していない時期に曜がさらっと「もう50人集まったよね~」みたいなことを言っていたけれど、特に何をしたわけでもないのにそんなに集まってるのおかしいでしょう…。

最終話前の、入学希望者が増えるのを全員で祈りながら待つシーンも茶番にしか見えない。
あんな一日でじんわりじんわり増えていくのって、どうなんだ……。
まあこれは整合性は関係ないから、個人的に好きではない展開、というべきだろうけれども。
自分としてはなんかもうちょっとひねった展開が欲しかったな。


・最終話
「ラブライブ」という作品なのに、重要なラブライブの優勝した描写が全くないってどうなんだろう。
そもそも千歌がスクールアイドルにあこがれた理由は、普通の私でも、あんな風に輝きたい、っていう憧れから。

それがあとから、学校が統廃合になることをしって、あくまで「後付で」「ついでに」学校を救う、という流れでしたよね。
あくまで廃校阻止はあとから出てきた目的で、最初は輝きたい・何かをしたい・スクールアイドルがやりたい!だった。

なのに、ライブシーンを描かずに、これって…??
歌や踊りでアイドルが輝いている描写、観客の熱気や興奮、結果発表の緊張感、優勝して涙の感動、そういう王道展開がアイドルアニメには約束されているはず。それこそがアイドルアニメの醍醐味。

なのに、それをすっ飛ばすして終わり?何がしたいんだ?

{/netabare}
だいたい、今更いうことでもないがそもそも廃校要素が足を引っ張っている。
田舎のフッツ―の女子高生が、ミューズに憧れ、少しでも内浦を活性化させようと奮闘するストーリーみたいなのが良かったと思うんですよ。

廃校阻止なら、どうしても二番煎じになるし、千歌たちがどれだけ学校が好きで、どれほど廃校を阻止したかったのかが伝わらない。
学校を救いたい、それに感情移入させたいのなら、学校での日常、つまり運動会やらのイベント、授業風景などの思い出を入れないと視聴者は感情移入できない。
それはミューズで学ばなかったのだろうか…?


前作のミューズでも感じていたことだけれど、サンシャインは前作以上にライバルキャラの立ち位置も緩かった。
黒沢姉妹とセットで、姉妹をテーマに描きたかったのかな。
ライバルなら、ライバルとして登場させて欲しかった。
ライバルとのかかわりが、なんだかうやむやで、結局仲良しごっこで終わったという感じ。
最強のライバルを主人公たちが超えてこそ、盛り上がるんじゃなかろうか。

ライバルキャラのライブ描写もなければ、アクアたちがアイドルとして悩みぶつかっていたシーンが本当にない。(アイドルとしての掘り下げより彼女たちの内面・キャラクターの掘り下げばかり)
{netabare} だからラブライブ優勝の凄さが伝わらない。{/netabare}


アイドルものがやりたいなら、廃校要素は捨てて、アイドルとしての葛藤を描き、アイドルとして成長していく物語に。
廃校を阻止する物語にしたいなら、アイドル要素をおまけにして、キャラを掘り下げて、学校での日常多めの部活青春ものにすべき。

この作品は、それが始終ブレッブレ。
結局、二兎を追う者は一兎をも得ずな最後。
{netabare}
最後は最終回の顔ペンキ。
終わり良ければ総て良しって言葉、知っているのかな?
感動より先にツッコミしか出てこなかった。本当に酷い。

あと、曜の唐突な「梨子ちゃんのことがだああああああいすき!」発言、突拍子もなさすぎて違和感しかない。不自然で怖さすら覚える。
特になにか曜と梨子回があったわけでもないし、曜にここまで言わせるほど二人の関係に何か変化があったわけではない、そもそも曜は二期で全く目立つ回がなかった。

1期で千歌と梨子の関係に対して嫉妬したけど仲良しですよーってのをいきなりアピールしてる感じが、梨子を嫌ってたのが逆に浮き彫りされているようで、本当に怖い。酷い。
脚本家は曜に恨みでもあるのだろうか?

{/netabare}
ラブライブと言う作品は何がしたいのだろう?
アイドルスポ根?青春友情?美少女動物園?
どれもこれも中途半端に手を出して、どれもこれも微妙に終わっている。


ご都合主義、別に嫌いじゃないのだ。
矛盾なく、整合性がとれていれば、それでいいのだ。
しかし、これは、この作品の脚本はご都合主義とは呼ばない。

これは、単に脚本家にとっての都合のいい作品だ。
整合性もなにも考えていない、勢いだけで好き勝手キャラクターを動かした、都合のいいように作ったのだ。


…と、辛辣にレビューしました。
ここまで読んでいる代わり者は多分いないでしょう。

本当にひどい展開が多かったけれど、歌やキャラクターは良いんですよ。
アイドルものではなく、日常萌えアニメだったら、こんなこと書いてないんです。
キャラが可愛い、なんだか楽しそうに女子高生してる、それをみて癒される…二期にはそういうシーンも確かにありましたし、癒されていた自分もいました。
ただの美少女萌えアニメなら、それだけで十分に満足して、こんなこと書かなかったでしょう。


良くも悪くも、ラブライブというブランドに過剰に期待しすぎたんでしょうね。
サンシャイン、一期が大好きだっただけに残念です。


やはり、変に廃校とかいうシリアス要素()を入れたのが間違いだったんだろう。そもそもの…。
スクールアイドルだからって何も廃校縛りにしなくてもいいのに…。

普通の女子高生が、地域活性化のために、泥臭く頑張る、挫折しながらも、喧嘩しながらも、乗り越えて頑張って、雨降って地固まる展開を経て。
ライバルアイドルに勝って、ラブライブで感動の優勝をする。
内浦の街に以前よりも少し観光客が増える、内浦を好きになってもらう。

それで彼女たちは、こんな普通な自分たちでも、何かを変えられた、何かをやり遂げられた、輝けた、、、そういう思い出を胸に、みんなそれぞれの道へ。。。なんていう、王道展開で良かったんですけどねえ。。。


もしも新しい企画をまたアニメ化するのなら、ぜひ廃校要素は取り除いてほしい。


最後になりますが、ダイヤさんと呼ばないでの回はラブライブらしくて良い回でした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

相違点をしっかり強調していたのでは

なんとライバルグループSaint Snowとの共演。
かなりSaint Snowに焦点を当てて描いている。函館にも行く。
グループ内に姉妹がいるからこその葛藤。
そして、妹同士で共感しあって仲良くなる。

千歌ちゃんが泡まみれにするなど、頭おかしい行動はご愛嬌。
静岡県沼津市をモチーフにしただけあって蜜柑畑。

{netabare}μ'sのように上手くいかず、廃校になってしまうのは残念だった。それも潔くて良い終わり方だと思う。{/netabare}

相変わらずセリフが...なところもあるが、前作との相違点をしっかり出していてこれはこれで楽しめた。

ダイヤさんと呼ばないでの回にもあるように最初から馴れ馴れしくしすぎないというのも好感を持てる。


OP
未来の僕らは知ってるよ 歌 Aqours
ED
勇気はどこに?君の胸に!
歌(第1話) 高海千歌(伊波杏樹)、桜内梨子(逢田梨香子)、渡辺曜(斉藤朱夏)
歌(第2・7話) Aqours
歌(第4話) 黒澤ダイヤ(小宮有紗)
歌(第5話) 桜内梨子(逢田梨香子)、津島善子(小林愛香)
歌(第8話) 津島善子(小林愛香)、国木田花丸(高槻かなこ)、黒澤ルビィ(降幡愛)
歌(第10話) 松浦果南(諏訪ななか)、黒澤ダイヤ(小宮有紗)、小原鞠莉(鈴木愛奈)
歌(第11話) Aqours、高海志満(阿澄佳奈)、高海美渡(伊藤かな恵)、よしみ(松田利冴)、いつき(金元寿子)、むつ(芹澤優)、しいたけ(麦穂あんな)、解答者A(山北早紀)、解答者B(千本木彩花)、その他女子生徒(三宅晴佳、嶺内ともみ、小松奈生子、岡咲美保、続木友子、小野寺瑠奈、原口祥子、米山明日美、二ノ宮愛子、樋口桃、木本久留美、成岡正江、小田果林、内田愛美、森永たえこ)
挿入歌
MY舞☆TONIGHT 歌 Aqours
君のこころは輝いてるかい? 歌 Aqours
CRASH MIND 歌 Saint Snow
MIRACLE WAVE 歌 Aqours
空も心も晴れるから 歌 Aqours
DROPOUT!? 歌 Saint Snow
Awaken the power 歌 Saint Aqours Snow
WATER BLUE NEW WORLD 歌 Aqours
青空Jumping Heart 歌 Aqours
WONDERFUL STORIES 歌 Aqours
Saint SnowとAqoursが共演したAwaken the powerが今作の推し曲。前奏が好きなんです。
次点で空も心も晴れるから。胸が熱くなる。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
#1 ネクストステップ
浦の星女学院の二学期がきた!学校の統廃合を阻止するためラブライブ!に出場するも、惜しくも地方予選で敗退してしまったAqours。それでもめげることなく、次回ラブライブ!出場に向け決意を新たにする千歌たち。まずは学校説明会でライブを行い入学希望者を増やそうと練習を始めるが、そこで鞠莉から衝撃の事実を告げられる──。

#2 雨の音
ラブライブ!予備予選と学校説明会のライブに向けて曲を作り始める千歌たち。しかし、2曲作らなければいけないという時間のない中、千歌はまたしても作詞に難航してしまう。そこで鞠莉が出した提案は、2年生と1・3年生の二手に分かれ1曲ずつ作業をすること。2チームでそれぞれ作詞・作曲に励む9人。だがその途中で、楽曲のコンセプトをめぐって1年生の善子・花丸と3年生の果南・鞠莉がケンカになってしまい──!?

#3 虹
天候の悪化で学校説明会が延期になったことにより、説明会とラブライブ!予備予選の日程がかぶってしまうことに。なんとか両方に参加できないかと考えあぐねた末に出した唯一の方法は、予備予選を出場番号1番で終わらせ、急いで説明会に駆けつけることだった。 しかし抽選で決まった出場順の都合でその手段も取れなくなってしまう。 どちらかを選ぶしかない状況で、千歌が出した答えは──。

#4 ダイヤさんと呼ばないで
ラブライブ!予備予選を1位通過して波に乗るAqours。──と、思いきや、2つのステージを披露するために活動費を奮発しすぎて、残金がたったの5円に。みんなでフリーマーケットに出店するも、ダイヤのあまりの気迫にお客さんが去ってしまったりと前途多難。 そんな中、後輩からちゃん付けで呼ばれて慕われる果南と鞠莉を見て、ダイヤは自分だけ距離をあけられていると寂しく感じてしまう。水族館のアルバイトを通じて、後輩たちと仲良くなろうと頑張るダイヤだが──。

#5 犬を拾う。
ラブライブ!地区大会に向けて練習に励む中、善子は嵐の夜に迷子の子犬を拾う。自宅のマンションでは飼えないため、こっそり社の境内で面倒を看ていたところを梨子に見つかった善子は、梨子に子犬を少しの間預かってほしいと頼む。初めは恐る恐る世話をしていたが、次第に子犬と仲良くなる梨子。いつしか善子と取り合いになるほどに。しかし程なくして、その子犬の元の飼い主が見つかり、引き渡すことになってしまった。 しかし、子犬との出会いは運命の導きだと信じたい善子は、梨子と共にある行動に出る。

#6 Aqours WAVE
前回突破できなかったラブライブ!地区大会に向け、必死に練習を重ねる9人。しかし地区大会では会場に出場校の生徒が応援に来るため、生徒数の少ない浦の星女学院は不利になってしまう。生徒数の不利をカバーする方法を見つけようと、「Saint Snow」の聖良にアドバイスを求める千歌。 そんな折、3年生から渡されたノートには、かつて鞠莉がケガをしてしまった高難易度のパフォーマンスが記されていた。 Aqoursらしさとは、輝きとは──。自分のことを"普通で非力"だと思い込んできた千歌は、その答えを求めて大技へ挑む。

#7 残された時間
見事ラブライブ!決勝進出を決めたAqours。ライブ映像の再生数は急上昇し、メンバーは喜びに胸をふるわせるも、入学希望者数は伸び悩んでいた。タイムリミットは今日。「入学希望者を100人集める」という鞠莉の父親との約束を守ることができなければ、学校はなくなってしまう。 タイムリミットが刻一刻と迫る中、鞠莉は父親に期限を延ばしてもらうよう交渉し、なんとか明け方5時まで待ってもらうことに。 9人はそれぞれの想いを胸に、自分たちの今日までの努力を信じて夜明けを待つ──。

#8 HAKODATE
冬休み、Aqoursは北海道で開催される地区大会にゲストとして招待されていた。沼津から遠く離れた地でファンから写真撮影を求められ、改めて決勝に出場するという事実の大きさに気付く9人。 地区大会の開演前、Aqoursは出場者である「Saint Snow」の楽屋を訪れる。決勝戦では互いに競い合い、ラブライブ!の歴史に残る大会にしようと誓い合う千歌と聖良。一方、理亞の様子がいつもと違うことに気付くルビィ。 そして、大会は誰もが予想だにしなかった結果に──。

#9 Awaken the power
「Saint Snow」として出場できる最後の大会で失敗してしまったと落ち込む理亞を励ますため、ルビィは一緒にもう一度ライブをやろうと提案する。自分たちだけで作り上げたライブを聖良とダイヤに見てもらい、安心して卒業してもらいたい──二人の想いとルビィの優しさに触れ、花丸と善子も協力するべく北海道に残ることを決める。 1年生だけでライブの準備を進める中で、自分自身でも気付いていない力が、もしかしたら私たちにもあるのかも、と思い始めるルビィ。 ルビィと理亞は、これまで姉たちに任せてきたことを自分たちの力で乗り越えようとその一歩を踏み出す──。

#10 シャイニーを探して
新年早々、千歌はお年玉をせがんだりと元気いっぱい。浦の星女学院での生活も、あとたったの3ヵ月。たとえ統廃合になってしまうとしても、ラブライブ!で優勝して、浦の星女学院の名前を残したい。その想いを胸に、北海道から駆けつけてくれた聖良と理亞に特訓をつけてもらうAqours。 そんな中、卒業後はそれぞれ違う進路へ進み、会えなくなってしまう3年生の3人は、幼い日に見ることができなかった流れ星を、今度は9人で見に行こうと夜の内浦に集まるのだった──。

#11 浦の星女学院
浦の星女学院最後の新学期が始まった。 よしみ、いつき、むつをはじめとした生徒たちからの、“最後にドカーンと盛り上がる閉校祭をやりたい”という提案に、感激しつつ快諾する鞠莉。 明日に迫る本番に向け、この学校で過ごした日々に思いを馳せながら着々と準備を進めるAqours含む全校生徒たち。予期せぬトラブルが起こるも、理事長である鞠莉の全面的なサポートと生徒全員の頑張りでピンチを乗り越える。 そしていよいよ浦の星女学院最後のお祭り、生徒全員の力で作り上げた“閉校祭”当日を迎える─。

#12 光の海
ラブライブ!決勝がいよいよ明日に迫り、東京へ向かうAqours。 神田明神へ参詣に訪れると、浦の星女学院の生徒たちが奉納した、Aqoursを応援するたくさんの絵馬を見つけ、浦の星のみんなの気持ちに胸を打たれる。 同時に、大勢のスクールアイドルがそれぞれの優勝を願って奉納した絵馬が並ぶ光景を目の当たりにした千歌。 応援に駆け付けた「Saint Snow」に、以前自分が尋ねた“勝ちたいですか?”という問いを返されるも、自分たちと同じ想いを持ってラブライブ!に臨むスクールアイドルたちの存在を改めて感じた千歌は、その問いにどうしても答えることができなかった──。

#13 私たちの輝き
ラブライブ!本大会で悲願の優勝を果たしたAqours。 そして、浦の星女学院で過ごす最後の日がやってきた。学校で過ごしたたくさんの思い出を胸に、大好きな校舎に寄せ書きをする生徒たち。最後は泣かずに、笑顔で迎えようと約束するAqoursの9人。 卒業式では、理事長の鞠莉から卒業証書が授与される。そして生徒会長であるダイヤの閉校の宣言で、浦の星女学院の歴史に幕が下ろされるのだった。 ──それぞれが浦の星女学院の生徒であったことを誇りに思い、巣立ちの時を迎える。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

77.5 10 演劇アニメランキング10位
BEASTARS(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (352)
1526人が棚に入れました
肉食獣と草食獣の共存する世界。食肉が重罪とされるなか、名門校・チェリートン学園で演劇部の生徒が食い殺される“食殺事件"が起きる。犯人は見つからず、不安に揺れる生徒たち。そんな中、演劇部では死んだ生徒の代役を巡っていさかいが起きる。次期『ビースター』候補とささやかれ、演劇部のカリスマ的存在であるアカシカのルイに、逆恨みをした肉食獣の部員が襲いかかったのだ。それを庇ったのは、照明係の二年生・レゴシ。『鋭い爪』や『大きな体』など、強そうな外見とは裏腹に、心優しく無口で不器用なオスのハイイロオオカミだ。だが、当のルイはそんなレゴシを偽善的で気に食わないと言い、強引に夜間練習の見張りに任命する。夜。誰もいない講堂裏の裏庭で、ひとり見張りをしていたレゴシの前に現れたのは―――小さな白いドワーフウサギの女子生徒・ハル。その匂いを嗅いだ瞬間、レゴシの体を本能が駆け巡る。我を忘れて襲いかかり、気付いた時には、彼女を両腕に抱きすくめていた。腕の中で聞こえる鼓動が自分のものか、彼女のものかもわからない。しかしこのハルと、そして自分の本能との出会いが、静かで穏やかだったレゴシの人生を大きく変えていく。彼女へのこの感情は、恋なのか? それとも食欲なのか?オスとメス、肉食獣と草食獣。それぞれの痛み、そして強さや弱さに直面しながら、悩めるレゴシの青春がいま始まった―――

声優・キャラクター
小林親弘、千本木彩花、小野友樹、種﨑敦美、榎木淳弥、内田雄馬、大塚剛央、小林直人、下妻由幸、岡本信彦、落合福嗣、虎島貴明、渡部紗弓、室元気、井口祐一、原優子、兼政郁人、大内茜、山村響、あんどうさくら、大塚明夫、星野充昭、堀内賢雄
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

いろいろと生々しいのよ

原作未読


原作者の方。『バキ』を描いてる漫画家の娘さんらしいですね。すげー!
どうやら“動物の本能”を突き詰めたい血筋は変わらないようです。

“本能”を突き詰めすぎてもはやギャグ。荒唐無稽さを楽しむ良質なエンタメ作品を輩出している父。

対して本作『BEASTERS』では

“本能”を突き詰めたついでに社会の矛盾も浮かび上がらせる深みとコクを醸し出す娘。

サムネから想像するに、見た目重視。ケモナー優先。各動物の特性をなぞるかのようなキャラ設定。鳥獣戯画に毛の生えた擬人化ものを想像してました。とりあえず二足歩行させてやることは人間と一緒!みたいなやつです。

全然違いました。もちろん良い意味で、です。
草食動物と肉食動物を擬人化させて、彼らの特性を残しつつもそこに共存している世界を描いた作品。
食物連鎖をガン無視した統治機構を作り、そのための教育を施して理性キープしてますよという表部分と、蓋をしていても肉をどうしても食べたいという本能が見え隠れする裏の部分。その間で揺れ動くハイイロオオカミのレゴシ(CV小林親弘)が主人公です。揺れ動くのはレゴシだけでなく、肉食も草食も関係なく登場キャラたち軒並み葛藤している模様。そもそも本能に蓋をした社会は不健全であり、一見平和な世界そのものが揺れ動いている。そんな不穏さを孕みながら物語は進行します。これが大枠の背景。

そんなシビアな背景を原動力として、肉食動物の中でもそこそこ強い部類らしいハイイロオオカミとは対極の最弱の草食動物ドワーフ種ウサギのハル(CV千本木彩花)との恋物語がメインのストーリーです。一応この世界の恋のルールだったりその他常識については本編でお確かめ下さいね。
とりあえず二足歩行させてみた的な浅さとは程遠いと感じた次第です。


動物もの!?は無条件でパクッと喰いつく層以外でない、むしろ逆で安易な擬人化ものに辟易しているかもしれないあなた! …いいですよこれ。
やりとりされる会話の生々しさは2019年秋期もので断トツです。リアル世界に近いものがあります。そして、肉食と草食の両動物のフィルターを通した独自の世界観は新鮮に映ります。もの凄くファンタジーな世界で繰り広げられる生々しいやりとりと心の機微のリアルさ加減で充分楽しめるかと思います。

本能と理性という二項の対立/葛藤/調整なんて定番のネタでもあったりするので、いい感じでリアル世界の暗喩的なあれやこれやも感じる良作。
言い忘れてましたが、OPは音とアニメーション両方ともこのクールベストかも。ジャズファンク調リズムに乗った手のかかってそうなパペットアニメの組み合わせが素敵な一曲。
これは良いです(小並感) 2期決定したようなので今から楽しみですね。



※ネタバレ所感

■本能を無視すりゃ破綻しますよ

ナチュラリストを無条件で礼賛するほど極論には振れませんが、“自然”の対義語は“不自然”であるという常識(笑) 
この歪んだ世界は変わらずにいられるのでしょうか?

{netabare}レゴシと同族のジュノは「(対肉食への差別が)中学はそんなにひどくなかった」と高校に上がって社会の抱える歪みのひとつに直面。さらに別のシーンでは高校を卒業すれば闇市にも自由に行けることも。
人間と一緒。「お友達みんなと仲良くしましょう」の幼稚園時代から始まって徐々にやっかいな現実に触れていき、社会に出る頃には幼少期のそれは幻想と知る。段階を経て現実を知っていくのです。
ところがどっこい、BEASTERSの世界では幼稚園時代の理想がまかり通る世界。ライオン市長もいろいろ無理して“ライオンは怖くない”イメージ形成に成功したようですが、シシ組との棲み分け等々…蓋をしないとどうにもならないものを抱えざるを得ません。
“みんなと仲良くしましょう”という理想の実現のため歪みが肥大化しきって爆発しそうなのです。{/netabare}

{netabare}「メスは争いが嫌いです。(ジュノ)」に返す刀で「君ほど強欲なメスは違うだろ。(レン)」
矛盾を孕んだ世界を喝破する表現は随所にあるわけでした。{/netabare}



■ロミジュリを凌駕するほど二人を隔てる壁が

{netabare}「捕食者の本能があれば被食者の本能もある」{/netabare}
{netabare}「然るべき関係は体が一番知っている」{/netabare}

最終回で流れたテロップが示唆するところは?

{netabare}肉食草食同士、仲良くやろうという社会の中で、肉食草食同士の交合はご法度という世界観。
前者ですら危うい綱渡りをしているのに、さらにハードルが上がりもはや禁忌の世界。これを打ち破る可能性を秘めてるのがレゴシとハルの関係性ですわな。{/netabare}

どう畳むんでしょう。楽しみでしかありません。



視聴時期:2019年10月~2019年12月   

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2020.01.23 初稿
2020.07.16 修正
2022.01.23 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 51
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ビースターズ! ビースターズ!! ビーーースターーーーーズ!!!!!!!!!!

世界観の創造、
フィクションにおける課題であり、野望みたいなものだろう。

価値観どころか、世界をみごとに創り上げた。最高のかたちで。



飲み屋のねーちゃんに、アニメや漫画の話をしているときに初めてビースターズを知った。

「登場人物がみんな動物で、主人公たちは学校に通っていて、ミステリーもあって恋愛もあってサスペンスもあって、とにかくすごい」
みたいな話を聴いて、必ず読もうと思った。
マジ、ありがとう。

あらすじを描こうものなら、
擬人化した動物たちが社会を形成している。
そこには肉食獣もいれば草食動物もいるのに平和な世界が築かれていた。
しかし、肉食獣には抑えられない欲求があり、主人公が通う学校で食殺事件が起こる。
主人公は肉食獣で高校2年生の演劇部員、
灰色狼でありながら静かに学校生活を送っていた・・・みたいな感じかな。

どうか知らんが、俺なら、
人間が擬獣化した世界の話、
特定の獣ではなく、一通りの動物に擬獣化した。
社会として秩序を形成するためには、肉食獣タイプが草食獣を被食者として捕食することは叶わない。
肉を食べることを禁じられた社会であっても本能に抗うことができない。
肉を食べたい、草食獣を食らいたい、
人間なら隣にいる人間を食らうだろうか?
食べたい相手を好きになってしまったら??
これは食欲なのか性欲なのか愛欲なのか、
灰色狼のレゴシが追う相手とは、求める世界とは!?・・・みたいな感じかな。

レゴシは世界を求めていないけどね。

レゴシ、主人公の名前、なんてステキな名前だろう。
舞台はなんかアメリカっぽい感じかな。チェリートン学園って学校だし。

俺が一番いいたいことは、

捕食者と被食者がいる社会を、世界を創ったのがこの作品、Beastars。
Beastarってのはこの歪な社会で与えられる優等生No.1みたいな称号。

例えば、鳥や豚や牛が人間の様になったとして、
人間と上手く生活を築けるのだろうか。
なんとなく彼らを美味しいと知っている人間が彼らを食べずに生きられるのだろうか。

カニバリズムとかエッチしているとき噛みつきたい、痛めつけたいとか、
そんな次元ではない。
肉や魚や米みたいのと学校で学んだり、一緒に仕事したり、腹減ったり、できるのだろうか。

設定が異常だ。
なのに、とても良く考えて、創られている。

擬獣化した登場人物らはその動物の特徴を大きく持っている。
基本的に身長80cmぐらいから200cmぐらいの人物が多い。
小動物たちは10cm、30cmぐらいだったりするが、
あまりにリアルな大きさにしたら物語を進めづらいのだろう。
主要人物らに小動物サイズはいない。
象も何mって大きさじゃないし、マングースが160cmぐらいはありそうだし、
とあるそんなに大きくない鳥が2mありそうなレゴシと同じぐらいだったりする。

その鳥、たった一話のAパートにしか出てこないが、メッチャいい声している。
マジでメッチャ声がいい、びっくりするぐらい声がいい!!!!!

そんなこんなで、大きさは動物のそれと合わせているわけではないけど、
姿形、その動作はそれっぽい。
ちょっとした動作や毛のふさふさ感や動きは、
動物のトレースが良くできている、ような気がする。

ふと、この作品が劇っぽいなぁと思った。
動きや場面展開、セリフが自然なのに際立っている。
どの登場人物もその声であることに違和感など覚えることはない。
主人公らが演劇部であることもあるんだろうけど、映えてるわー。

物語は途中、原作もまだ途中。
多分、今、原作を読んでしまったら続きが気になり過ぎて生きていられないと思う。
今期のアニメ作品で、正直Beastarsだけあれば生きれた。
他のどんな作品もいらない・・・ラディアンだけ欲しいけどw

さて、内容にはほとんど触れずに述べてました。
何か言うなら、R15にした方がいいかも、できれば20歳以上対象で。
若人が変な性癖に目覚めるかも。
あと倫理観が難しい、社会的なバランス感覚も難しい。
何か、変な錯覚が刷り込まれてしまいそう。

子どもには見て欲しくないなぁ。

なんなんだろうね、この溢れて漏れ出す感情は。

大好きだよ。


一つだけどうでもいいことを言う。
ヒロインのハルの{netabare}声優さんは、
【帰宅部活動記録】でデビューし九重クレア役を演じた千本木 彩花さんです。
帰宅部活動記録で生き残った千本木 彩花さんです。
帰宅部活動記録です、帰宅部活動記録、最高のアニメの一つです、
帰宅部活動記録で初演技をした千本木 彩花が声優さん{/netabare}だ!
・・・ふぅ、言いたいことは言った。

作品内容は見て確認してください。

この作品、原作が終わりを迎えるまでは生き永らえようと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

己の信念を貫け…

この作品の原作は未読ですが、千本木さん、種崎さんが出演されると知り視聴を決めた作品です。


肉食獣と草食獣が共存する世界。
食肉が重罪とされるなか、全寮制の名門高校・チェリートン学園では
生徒が食い殺される”食殺事件”が起きる。

不安の渦巻く校内で、演劇部の変わり者・ハイイロオオカミのレゴシは
『大きい身体』と『鋭い牙』とは裏腹に静かに生活していた。
しかし小さなうさぎの女子生徒・ハルとの出会いが、そんなレゴシの心を揺り動かす。

「彼女を求める気持ちは、恋なのか? 食欲なのか?」

彼が本当に出会ったもの、それは自分自身の本能だったーーー


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
そうなんです、擬人化しているとはいえ肉食獣と草食獣はそもそも共存できる存在じゃないんです。
公式HPのINTRODUCTIONにも記載されている通り、食肉は重罪…
つまり、彼らには食べる側と食べられる側の種としての本能が残ったまま、ということなんです。

異種族間でも友好の感情は生まれると思いますし、育まれるとも思います。
よく同じ場所で一緒に昼寝をする仲睦まじい犬と猫の姿などは、テレビなどでもよく取り上げられています。
ですが、猫とネズミが同じようにしている姿は見たことがありません。
当たり前です。眠気よりも種としての本能にどちらも突き動かされるのですから…
トムとジェリーですら、全然仲良くありませんしね…
だから私にとっては、物凄く違和感を感じる作品でした。

決して面白くなかったとは思っていません。
寧ろ、これまで知らなった動物の習性が知れたのは個人的に収穫だったと思っています。

ただ、主要登場人物の個性が強烈過ぎた感はあったかな。
ハイイロオオカミのレゴシですがもっと堂々としていれば良いのにと素直に思いました。
繊細で心優しい性格とオドオドした態度は、正直オオカミには分不相応に見えて仕方ありませんでした。
だって本来は高い狩猟能力を持っているのですから…

一方で、レゴシと同じくらい違和感を感じたのが、アカシカのルイです。
学園のカリスマ的存在なのかもしれませんが、普段の振る舞いが凡そ草食獣に似つかわしくないんです。
虚栄に見えるというか…私の中で少し可哀想な存在だったのも事実です。

一方、ハルさんは弾けていましたね。
ウサギの中でもドワーフウサギは特に小さいらしく、一般的に毛皮や食肉用とに用いられることはないそうですが、これは所詮人間の基準であり、動物に当てはめられるものではありません。
元来、ウサギは繁殖力が高いそうなので、そういうウサギ本来の性質を含めて、ハルの弾け方に納得感があった気がします。

ハイイロオオカミのジュノですが、彼女のことは正直未だ良く分かりません。
でも4匹の中で考え方は一番まともだったと思います。
物語の中や公式HPにも彼女の美貌について触れています。
妬まれるほどの美貌の持ち主との事ですが、私には擬人化した動物の美貌については、ラストまで理解できませんでした。
個人的にはハルの真っ黒なクリっとお目目に可愛らしさを感じましたが、動物の感性では違うのかもしれません。

この様にキャラについては違和感がありましたが、物語としては十分に堪能できる内容です。
ハルのピンチにレゴシが単身で向かった後を追ったルイの状況も気になるところですが、何よりレゴシが己の信念をどれだけ貫けるかが物語最大の鍵ですよね。
種の本能に真っ向から立ち向かい、どんな状況に追い込まれても決して欲求に負けることができません。
しかもたった一度の間違いすらレゴシには許されないのです。
間違ったら即、死に直結してしまうから…
でも、レゴシには己の信念を貫いて欲しいと思っています。

オープニングテーマは、ALIさんの「Wild Side」
エンディングテーマは、YURiKAさんの「Le zoo」「眠れる本能」「マーブル」「月に浮かぶ物語」
個人的にはエンディングの「月に浮かぶ物語」がお気に入りです。

1クール全12話の物語でした。
物語は伏線を残した状況で終わりましたが、既に2期の制作が発表されました。
そりゃそうですよね…ここじゃ終われないですよね。
続編の放送…楽しみに待っています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

85.1 11 演劇アニメランキング11位
かげきしょうじょ!!(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (493)
1442人が棚に入れました
未来のスターを目指し、輝く舞台へ情熱をそそぐ歌劇少女たちの〈青春スポ根ストーリー〉!!大正時代に創設され、未婚の女性だけで作り上げる美しく華やかな舞台で世代を超えて人々の心を魅了する「紅華歌劇団」。その人材を育成する「紅華歌劇音楽学校」に、高い倍率をくぐり抜け入学してきた第100期生たち。“オスカル様"に憧れる、178cmの長身を持った天真爛漫な少女、渡辺さらさ。夢も友達も、すべてに無関心な元・国民的アイドル、奈良田 愛。何もかもがバラバラな彼女たちの、希望と葛藤に満ちた音楽学校生活が今、幕を開ける──!!
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

青春群像劇への上乗せ

原作未読

『過激少女』と脳内誤変換して華麗にスルー。ほらゲーム原作萌えバトルみたいなの想像するじゃん。

リアル“宝塚音楽学校”を模した“紅華歌劇音楽学校”に通う学生たちのお話です。あらすじやヅカ(宝塚)の説明は割愛。メインのストーリーを追いかけつつも、各キャラクターを掘り下げる群像劇アニメの良作でした。あにこれ高評価をそのまま受け取って良いかと思います。
女の園で可愛い娘さんがわちゃわちゃする作品とは棲み分けができております。さらに良き青春群像劇だけに留まらない+αが作品評価を底上げしました。分水嶺はいたってシンプル

 ヅカっぽいかどうか?

ヅカと似て非なるなにかではなくそのままトレースした感のある作りです。音楽学校のカリキュラムやその後のキャリアプランなどなど。ファンも納得、そうでない人も「なるほどこうなのね」が無理なく伝わってくる親切設計。100年以上続くエンタメにはそれなりの魅力が備わっているのです。
ただそんな風に外形整えても『仏造って魂入れず』となれば台無しですがそうはなってない。男役トップがなぜヒエラルキーの頂点にいるのか?ファン層が圧倒的に女性で占められているのはなぜか?

 女性視点だからこそ女性が追い求める男性像を演じ切ってることが魅力的
 女性視点だからこそ女性が憧れる娘像を演じ切ってることが魅力的

そんなヅカヲタの琴線に触れるポイントを押さえていたと思われます。家内含め身近に元ヅカヲタ多いのでここは断言できちゃう。面白いことに女性キャラだらけで男性視聴者ウケしそうなのに実はターゲット層は女性!とユニークさがありますね。外(設定)も中(ストーリーやキャラ)もヅカっぽいことがしっかり背骨となってます。


背骨があれば残りは枝葉。背骨が気に入らなければ相性ということで撤退して良いかと思います。
なおきちんと男性層も取り込めてるのは周知のとおりです。男ウケしないアウトプット(歌劇)ではなく男女ともに支持される音楽学校での生活を通じてプロセス(成長や葛藤)描くことに軸足置いてますから。

繰り返します。メインを追いつつ各キャラを掘り下げる群像劇でした。
その大事な掴みで“ヅカっぽさ”真っ先に我々の五感に訴えてきたのはエンディングの楽曲でした。
ヅカがどういった場所かは講師や先輩を追っているうちに我々も学ぶことができます。表現者がどういったものか一定のヒントが示され全13話が終了。キャラ掘り下げ部分はなかなか面白かったのでそこはネタバレで後述するとして、ご新規さんは

 良き青春群像劇 + 普段覗けぬ世界

この掛け算を楽しめるんじゃないかと思います。片方なら露知らず両方ハイレベルで楽しめる作品はなかなかお目にかかれません。
そしてヅカヅカ言ってすみませんでした。もちろん正確には紅華(こうか)だよと念押しときます。



※ネタバレ所感

■軽くボヤキ

 円盤爆死は『荒ぶる季節の乙女どもよ。』のデジャブ。やや痛みのあるストーリーものは複数回視聴に合わず、主たるコレクター層の需要ともズレる。コンテンツビジネスの難しいところだよなぁ。


■キャラを掘り下げる群像劇

 どんな壁に直面していたか各自違っていて観てる側もどこかしらで共感しやすいかも。
 主役二人とも芸能血筋で芸の神様にも見初められてる感ある。そんで芸事に恋焦がれて気持ち先行のさらさと嫌よ嫌よも身体が求めちゃってるならっちの対比バランスが良い。

・渡辺さらさ(CV千本木彩花)
 {netabare}“性別”。どうにもできない理由で歌舞伎の世界から弾かれる。“模倣”。歌舞伎流芝居の覚え方(土台)を覆される。根っこを二度否定されてなお前に進めるか?な無理ゲーに挑む主人公らしい主人公。{/netabare}

・奈良田愛(CV花守ゆみり)
 {netabare}作品屈指のトラウマ持ち。そのトラウマの中身がひどく彼女の難ありな性格もしゃーないと思わせしめるものすごい説得力。そんな彼女が結果として母親と同じ道に進んでいるジレンマが味わい深い。{/netabare}


 先行二人を囲む少女らも主人公とはまた別のベクトルで壁にぶち当たっている。 

・山田彩子(CV佐々木李子)
 {netabare}「ならっちは私と違うんだから(第4話)」が最終的にジュリエット役を射止めるわけで…。突出した一芸に気づくまで遠回りし、その一芸に胡坐をかかずにお芝居でももがく泥臭さもってるのになんだかんだ周りを明るくするのよね。現実でもエトワールやったしょうこおねえさんのイメージ。バラエティのべしゃりが拙いとか絵心がどうとか気にしだしたらあかん人です。それでも歌一発で場をかっさらう。自身の代表曲はないと嘯いても彼女とゆうぞう兄の『ぼよよん行進曲』は沁みる。{/netabare}
 {netabare}横道に逸れるが、すんげー歌声の持ち主役とは中の人幼少期にアニーやってたとはいえプレッシャーとてつもなかったでしょう。劇中劇での説得力は作品評価に直結するところ負けてなかったです。{/netabare}

・星野薫(CV大地葉)
 {netabare}有名人一族を歯牙にもかけていない愛とは対照的に押しつぶされそうな娘さん。目標決めて退路を断ってやり抜いた経験って確実に財産になるのよね。あの時のストイックなワシの巻き添えくらった方々ごめんよ。「だから今のうちにスカートたくさん穿いておくんだ(第8話)」出会ってなければ“合格”も“甲子園”も無かったのだからひと夏の経験は無駄ではなかったよ。{/netabare}
 {netabare}横道に逸れるが、大地さんの演技『プリンセスプリンシパル』のドロシー回も秀逸だった記憶が。メンタルの弱さを殻作って普段は守ってるんだけど、ふとしたことで諦めたはずの幸せが手に入りそうになる。そんで手にしそうなそばから零れ落ちていくのに動揺を押し殺してまた殻を作っていくような展開。「好きでした、、、って言ってあげてもいい」これがバシッと決まる演者さんはそう多くない。{/netabare}

・沢田千夏(CV松田利冴) 沢田千秋(CV松田颯水)
 {netabare}「きっともう全てが同じではいられない。私たちは思っていたよりも早く分かれ道に辿り着いたんだ(第9話)」に至るまでの物語。寄って立つところの否定という意味ではさらさにとっての“芸事(歌舞伎・芝居の覚え方)”と沢田姉妹の“二人一緒の関係性”は同じ。ユニゾンで始まるサビはハモリへと別れていきながら調和する未来を夢見たいところです。{/netabare}
 {netabare}横道に反れるが、双子役をリアルな双子に演じさせるのってプレッシャーとてつもなかったでしょう。たぶんオーディションではなく指名ですよね。これ「もう逃げられないんだからね。最後まで責任もって遂行しなさい(第10話)」運動会パイセンの叱咤を地でいくような現場だったのではないかと邪推してます。{/netabare}

・杉本紗和(CV上坂すみれ)
 {netabare}やっときたきた優等生の苦悩。モーツアルトとサリエリを例にさらさとの比較対象だった彼女ですが、実際比較されてたのは同級生全員とではなかったでしょうか。これまで挙げたさらさ・愛・薫・彩子・沢田姉妹はどこかしら欠損してる。だからこそそこをテコにハングリーになれるのに委員長にはそれがない。一個上のパイセンとのエピソードを最後に持ってきたのはファインプレーだと思います。{/netabare}


主要キャストのみならず講師・専科のパイセンら大人も良かったですね。きっと彼ら彼女らが通ってきた道。甘やかすでも突き放すでもなく成長を促すようそっと寄り添います。

ヅカっぽい観点でひとつこれは現実ネタですが、
大地真央さんが男役トップの時に本科卒業して間もない黒木瞳さんをパートナーの娘役に抜擢します。それからだいぶ年月経ってますけど「 黒木瞳さんが相手役で良かった。」と事あるごとに黒木さんを全肯定してる大地さんがほんと素敵。抜擢するほうもされるほうも両者にかかるプレッシャー。飛び級に寄せられたであろう嫉妬。信頼を置くスターと応えようとする新人。そこに愛はあるんよ。劇中でも彷彿させるネタをどこかに見つけられると思います。


■劇中劇の説得力

 “伝説の○○”がしょぼければ興ざめでしたが踏ん張りましたね。ほんとこれ重要なんです。



※閑話休題

■箸休めクイズ
Q:私が「こいつは許さん」と思ったのは誰?

A:{netabare}キモヲタさん{/netabare}
{netabare}なんかいい話で落ち着いてたり、コミカルで適度に気持ち悪く処理されてもいたり、とスルーしてよい小噺なんだけど少し冷静になってみる。彼はワンチャンあるとも思ってないし、ただ謝りたかったの一心でした。これ完全にNGで相手が怖がってる時点でノーチャンスだから視界から消えたほうがいい。あくまで本人の思い込みだけです。相手の気持ちを考えてる体で欠片ほども考えてない。相手見えないから二度三度接触を試みることができるのです。「そんなつもりはなかったのに」「これだけできれば良かっただけなのに」全てあなたのエゴです。拒否されて一転変なスイッチが入り逆上する殿方が世の中に一定数いるんですよ。美人ってこのへんの遭遇確率それなりにあるしダメージコントロールの術も心得てるんだけど全部は防げない。それをケアする身にもなってみろや!とわりと本気で思います。
バス停に張り紙一枚で身を引ける高校球児と対照的でした。

ちなみにならっち母の愛人男はシンプルに畜生ですね。わかりやすい愛人男より、ややもすると美談に仕立てそうなキモヲタさんに「勘違いすんなよ」とモノ申したいのでした。{/netabare}


Q:私が「やべ、かわいい」と思ったのは誰?

A:{netabare}里美星(CV七海ひろき)さま{/netabare}
{netabare}音楽学校時代の講師でもあり憧れていたファントム諏訪部に「私のときも優しくして欲しかったなぁ」と少しばかり甘えたところ。男役といっても女性なんだなってのと、ここだけ二人の時限定の声のトーンだろうなってのと、そして期待と諦めがせめぎ合ってるモヤっとした感情をやや持て余してるところ。ファントムも押せばイケそうなのにそうはしないのが良いね。{/netabare}



視聴時期:2022年5月   

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2022.05.09 初稿

投稿 : 2024/05/04
♥ : 49
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

のだめ+ランウェイで笑って=めっちゃ爽やかで前向きな群像劇!

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
宝塚音楽学校を舞台にした、青春群像劇。

少女漫画ですが、連載開始はジャンプ改。そんな経歴くらも分かるように、男女どちらにもウケる王道作品かなと思います。

まあ、とにかく絶賛です。私は年に1、2作品しか☆5をつけないことが多いのですが、これは自信をもって☆5をつけられますね。

OPは作風と合った、真っ直ぐで爽やかで前向きな、THE青春って感じで、剣道部的ベストアニソン2021夏(非公式)受賞です♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
正直、悪いところが見当たらない。

①宝塚音楽学校という、あまり知らない世界を見られる興味深さ。

②サラサという強キャラの魅力。

③奈良っちのデレた可愛さ。

④それぞれに魅力あるサブキャラ達。

⑤ドロドロがあったとしても、総じて爽やかで前向きな空気感。

⑥OPを筆頭に、作品にマッチした楽曲。

⑦声だして笑う程のギャグのクオリティ。

色々な要素のレベルが高く、かなり万人受けするタイプの名作だと思います。今のところ、今年1のクオリティかと。

思い出したアニメとしては、「のだめカンタービレ(多分サラサのせいw)」「ランウェイで笑って(全体の前向きなエネルギー)」「昭和元禄落語心中(閉じられた世界で真剣に芸事に向き合う様子)」。

特に、②が素晴らしい。サラサ、ただの天然能天気キャラじゃなく、弱さとひたむきさ、覚悟や劣等感など様々な感情を内包した、稀有なキャラクター。他のサブキャラ達も、単独で主役になれる力があると思うけれど、別格の魅力がある。マジで、のだめ並の強キャラだと思う。

もしこれを、少女漫画原作扱いとするなら、そのカテゴリーのアニメでは過去1かも知れん。これは、原作買っちゃうな(原作マンガとしてはのだめが1位ですが)。

絶賛、絶賛。もし2期もこのクオリティ、もしくは上げてくるようなら、お気に入り棚も見えてくるレベルでしたね。(私は、酷評は長いのに、絶賛は短いのですw)。

さて、最後に、声優さんについて。

私は声優さん個人のファンになることがほとんどないので、レビューでも声優さんに触れることはあまりないのですが、本作は特別に感動しました。

主人公渡辺さらさ役の千本木彩花さんです。

千本木さんを初めて知ったのは、「ガーリッシュナンバー」。私のお気に入り棚です。当時仕事で色々あったこともあり、仕事に悩むちー様が自分と重なって。また、「帰宅部活動記録」(という、噂のダメ声優アニメ)でデビューした千本木さんの経歴も重なって、自分の中では「ちー様=千本木さん」というイメージが固定化されました。

以降、(声が好きとか演技が好きという次元を超えて)なんとなく、千本木さんの活動を応援する自分がいたので、本作のさらさ役のハマりっぷりが凄く嬉しくて。

ていうか、かなり上手くなりましたよね、千本木さん。さらさは、能天気なようで深みもある、なかなか難しいキャラクターだと思いますが、きちんと演じ分けられていました。宝塚っぽく演じるところも上手いし、歌は勿論上手い。

自分が特別にファンと思う声優さんは、坂本真綾さん、堀江由衣さん、そして千本木彩花さんなので、これからも活躍を期待しています!
{/netabare}

【余談~「激レアさんを連れてきた。」から、オジサン役一筋のタカラジェンヌ~】
{netabare}
「天真みちる」さんという方です。

宝塚養成所時代、周りのレベルの高さ(お人形さんばっかりの世界)に心折れ、(唯一の楽しみだった)寮で美味しいご飯を作る研究に勤しむ。毎日ご飯3号食べる生活。普通なら先輩にガチ怒られするが、天真爛漫な性格で、「食べてるところが可愛い」との理由で、先輩からも許される。

「ぽっちゃりタカラジェンヌ」に進化(笑)

卒業後、役をもらえず、地方公演メンバーに選ばれないために、長期休みに。普通はその悔しさから、自腹で自主練習(レッスン)に励むのだが、天真さんは友達と海外旅行に行き、暴飲暴食(アルコール大好き)。

宝塚に居場所を見つけられない天真さんは、端役や裏方などをこなしながら、ついに自分の居場所を見つける。

それが、「公演終了後の打ち上げでの余興」w 全力で振り切ったタンバリン芸が、全タカラジェンヌの爆笑をかっさらう。

ただの「ぽっちゃりタカラジェンヌ」から、「やたら動けて笑えるぽっちゃりタカラジェンヌ」に進化(笑)

そして、「オジサン役」に出会う。

普通、宝塚の「オジサン役」は、皆が避け、ベテランの方がやるのだが、天真さんは、「これでトップスターに(役柄上、主役の父親とかが多いので)物理的にw近づける」という不純な動機によって、オーディションに参加。これが、ぴったりとハマる。

ぽっちゃり体型、酒好き、コミカルな動き。

天真さんが、「普通のタカラジェンヌならしないこと」を(好き放題)やり続けてきたことが、意図せず、全て「オジサン」の役作りに繋がってきたという、見事な伏線回収(笑) 

その後、天真さんは10年以上オジサン役をやり続け、宝塚に欠かせない役者さんになったそうです。

、、、なんかこう、「このアニメに出てきそう」な人ですよね(笑)

「激レアさん」自体好きでよく観るのですが、この回は特に爆笑でした。事実は小説より奇なり、ですね(笑)
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
宝塚アニメ? OP、なんか似合ってるな。多分、スポ根系になるのかな? なかなか面白い。御大(笑) ひどいセクハラですね(笑)

2話目 ☆4
大号泣(笑) オスカルより背の高いアンドレ。

3話目 ☆3
アイのトラウマ。タイチ、行動がイケメンだな。サラサは、さらにイケメン(笑) 

4話目 ☆4
ヲタ芸習ってる(笑) サボり方がわからない(笑) 北斗(笑) ギャグとシリアスの緩急が素晴らしい。

5話目 ☆5
千本木さん、頑張ってるよな~。アイちゃん、デレる(笑) 過食嘔吐か、しんどいよな。男の理想より、女の理想は厳しい。太陽に近いから紫外線(笑) ショービジネスはメンタル強くないと。ここで、JPXの体験と、反論。お姉ちゃんの察する感じが、素敵。心は乙女だからセーフ(笑) 熱いな~。なるほど、入試同組だからこその、あの態度か。

6話目 ☆4
アイ、デレデレやないかい(笑) 下手くそか(笑) 道端では練習できないプロ意識。漢字読めない、、、不登校をちゃんとキャラに生かしてる。脅迫か(笑) のだめだよな~、この辺。憑依型。

7話目 ☆3
さらさの過去。アキヤ、なかなか良いキャラだな。堅実だ。気を使えた(笑)

8話目 ☆5
星野さん回。過去回。互いに共通する境遇と、全く異なる道。色々と揺れる心。そこでキレるとは、カッケーな、星野さん。ブロック(苦笑) 辻くん、ホームラン。自分は野球が好きか、自問したんだろうな、あれから。

9話目 ☆4
双子回。まあ、お互いの嫉妬はあるやな。てか、このアニメ、声優さんも、一世代、二世代上の人をキャラに合わせて上手く配役してるよな、意図的に宝塚を意識して。

10話目 ☆4
さらさ、意外と意外に乙女だよな。ATフィード(笑) 選ばれたら反感を買う。降りても反感を買う。日常から演じる。理想のEカップ(笑) 確かにあれが最善だよな。

11話目 ☆5
裸の付き合い。さらさ、頭爆発(笑) ティボルトか。白目(笑) 演じ分け、千本木さん頑張ってるな。ならっち、ブーメランで自問自答(笑) まあ、さらさにベタ惚れだからな(笑) 

12話目 ☆5
山田さん、意外とリア充してたんだな。付き合えよな、押せばなんとかなるって。人を殺したことない、確かに。説得力あるな。流石、首席。んで、そこの会話聞いた上でサラサからの逆告白って、すげぇな、サラサ、大人だ(笑)

13話目☆5
サラサ、顔(笑) カオル、格好良いな。サラサの顔芸(笑) めっっちゃ素敵な先輩だな。なる程、萌え(笑)  
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 48
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

絵も声も華やかで宝塚していました。面白かったです。

 本作の最終シーンを見ておもったのは、絵がやはりいいですね。ちゃんと宝塚の華やかさが画面全体から感じられました。この雰囲気は日本のアニメの誇るべき技術だと思います。この作品全体にいえますが大変心地よく見る事ができました。人物の作画が丁寧なのが良かったです。特に渡辺さらさは一切乱れを感じなかったし、画面映えもしていました。
 最終回の雪の演出もこの水準のアニメを作れるなら、もっとリアルな降らせかたもできたでしょうが、変な言い方ですがちゃんと少女マンガっぽい雪でした。

 声優さんも演劇をやっている娘的な発声を意識したのでしょうか。渡辺さらさは幼さと演劇の経験、少女マンガの主人公といういろんな要素が的確に拾えていて、ぴったりの声でした。声優さんたちの演技は、非常に雰囲気が出ていてすばらしかったと思います。
 
 過激と歌劇を合わせたダブルミーニングだと思っていましたが、あまり過激ではありませんでした。

 12話までで少し文句もいいましたが、最終回良かったですね。{netabare} 最後渡辺さらさがオーディションに受かったこと、歌舞伎の経験を活かしていたこと、そして彼女のティボルトがとても華やかでカッコ良かったので、良かったと思います。
 変に12話の告白のシーンを引き摺ってなかったのでほっとしました。というか本筋にもならない感じでしょうか。

 あと、山田彩子ちゃんに対する揶揄を薫が庇ったのにはちょっと泣いてしまいました。これは別に友情とか云々ではなく、薫のプライドなのでしょう。自分で負けた意味をちゃんと消化したということでもあるでしょう。いい場面でした。

 今回の結論で疑問が残ったのは、杉本と先生のサリエリを語るシーンですが、サリエリの悲劇は秀才だったことではありません。天才を誰よりも理解できて、決して自分が天才になれない秀才であることを知っていて、天才に嫉妬する惨めさ悲しさの象徴がサリエリという人物です。
 杉本のトップスターになれる華やかさを渡辺さらさに見たという悩みに対して、先生の努力型の秀才も必要だという解答はお前はトップスターになれないと言っているようなものです。これは何だったんでしょうか?
 むしろ萌えだ、という解説の方がよほど説得力がありました。{/netabare}

 最後の方のあの白目はガラカメオマージュですね。ガラカメにならないように、という感想を書こうと思ったら、やっぱりクリエータたちは意識していましたね。演劇マンガ・アニメでガラカメというのは非常に大きな存在です。是非本作らしい個性を出していって欲しいところ。今のところ渡辺さらさは北島マヤにはなっていないと思います。

 高レベルの作品で人気もあったみたいです。原作ももっと進んでるんですよね。2期がこないのはあり得ないでしょう。(追記 さっき2期来てると書きましたがすみませんガセでした。まだ発表ありません。調べたら円盤もあんまりみたいですね…)

 できれば今後は宝塚音楽学校の意味と歌舞伎の家で育った意味を、渡辺さらさの身長や性格、過去を活かした個性を通じて華やかに描いて欲しいです。

 今期のアニメはちょっと地味でしたが、その中で輝いていたと思います。


以下 12話までのレビューです

{netabare}  12話で終わりかと思ってみたら最終話が残っていました。2クールじゃないですよね?
 面白いとは思いますし、アニメの出来、特に雰囲気が良いと思います。ただ、もし1クールだとすると面白いだけで「何も描けていない」という印象が強いです。

 本作の最大の柱となる設定は、歌舞伎と宝塚という男の世界と女の世界の対比だと思います。その中で伝統芸能=芸としての形の話と、舞台女優としての演技=個性の話の対比がちゃんと問題提示されていたのに、その話に行かないのが最大の不満点でした。

 また、学校のルールの厳しさが描かれていますが、その厳しさの中にどんな理由があって、何を100年の歴史の中で学んできたのかという部分が不足している気がします。まあ、実際の学校は虐待に近いという理由でルールが緩和されているという話もありますが、単なる個人の性格や考え方にストーリーを依存しないで、学校の意義のようなものがもっと欲しい感じです。

 構成として初めにあのアイドルの女の子のパーソナルな話を持って来たせいで、主題となるヒロイン178センチの女の子渡辺さらさに視点が向くまでに時間がかかります。また、アイドルの子もせっかく吹っ切れたのに渡辺さらさの傍観者になってしまっている気がします。
 178センチ設定の苦労も得なところも演劇の中のエピソードとして活かしきれていいませんし。
 渡辺さらさの助六になれないというところから、学校に入学するまでの動機もエピソードももっともっと見たかったです。
 他の子のパーソナルな過去エピソードも時間的余裕があればいいですが、1クールでやるなら余計です(拒食症の子の話は芸能学校の厳しさという意味でいいんですけど、あんな簡単に問題が解決するでしょうか)。

 運動会はちょっと学校の歴史とか階層の意味みたいなところもあって、余計だとは感じなかったです。

 マンガ版は未読なのでわかりませんが、これらはマンガ準拠だから良いというものではなく、13話1クールなら一つの話として完結させるべきで、構成を工夫して何か読み取れる結論をつけるべきだと思います。
 また、なかなか良かった初期設定から方向性がずれている気がします。連載漫画の宿命でしょうか。

 ということで、たぶん最終話待ちということになります。単にこのオーディションの結果だけで終わるのは正直不満ですが、せめて是非今までの流れを活かした渡辺さらさ覚醒で終わって欲しいと思います。

 そうそうさらさの恋愛も、告白がどういう意味を持つのか。あれが普通の幼馴染ラブだったら全然意味がありません。人の気持ちがわかる=彼の弱さに対する慈悲のような気もします(それにそもそも気持ちを盗み聞きしたんだから本当はわかってないじゃないかというのもあります)。そして彼もそれを分かっている?まさか、彼との告白を思い出して演技する…じゃないですよね?

追記 まだ12話までですが、ひょっとして2人は異祖母のイトコ同士?あの白鷗という人がおばあちゃんの葬式に来ていたということは…で、さらにさらさの両親についての情報ってどっかにありましたっけ?{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22

72.8 12 演劇アニメランキング12位
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (367)
1356人が棚に入れました
公爵令嬢、カタリナ・クラエスは、頭を石にぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻す。ここが前世で夢中になっていた乙女ゲーム『FORTUNE LOVER』の世界であり、自分がゲームの主人公の恋路を邪魔する悪役令嬢であることを!ゲームでカタリナに用意されている結末は、ハッピーエンドで国外追放、バッドエンドで殺されてしまう...そんな破滅フラグはなんとしても回避して、幸せな未来を掴み取ってみせる!!そして無事、破滅フラグを回避したカタリナに新たな危機が!?勘違い? 人たらしラブコメディの幕が再び上がる。

声優・キャラクター
内田真礼、蒼井翔太、柿原徹也、鈴木達央、松岡禎丞、岡咲美保、水瀬いのり、早見沙織、増田俊樹、和氣あず未、子安武人、上坂すみれ、白井悠介、小倉唯

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

なんだか物足りないような

続編は破滅フラグがもはや立てようがなくてひと段落しているのかドラマチックさに欠けている感じなのかなあ。
畑仕事に精を出して恋愛なんか興味ないという風だったけれども、意識させるような出来事ありで周囲の感情もはや駄々洩れ。
内容としてはそんな感じ。

うーんなんだか物足りないなあ。というわけで流し見してしまった。
声優は相変わらず良いんだけどね。

OP
アンダンテに恋をして! angela
ED
give me ♡ me 蒼井翔太
挿入歌
あなたがくれたヒカリ angela


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
公爵令嬢、カタリナ・クラエスは、頭を石にぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻す。ここが前世で夢中になっていた乙女ゲーム『FORTUNE LOVER』の世界であり、自分がゲームの主人公の恋路を邪魔する悪役令嬢であることを!ゲームでカタリナに用意されている結末は、ハッピーエンドで国外追放、バッドエンドで殺されてしまう...そんな破滅フラグはなんとしても回避して、幸せな未来を掴み取ってみせる!!そして無事、破滅フラグを回避したカタリナに新たな危機が!?勘違い? 人たらしラブコメディの幕が再び上がる。

第1話 破滅フラグを回避したので文化祭で浮かれてしまった…
公爵令嬢カタリナ・クラエスは、自らに降りかかる「破滅フラグ」を見事回避して、学園生活を満喫していた。そんなある日、学園祭が開催されることを知ったカタリナは気合充分。準備に追われるジオルドたち生徒会と別れ、どんな物を食べようかと考えるのだった。

第2話 悪役になってしまった…
生徒会が主催する演劇で、役者の一人が怪我をしてしまい、急遽代役を探すことになってしまう。開演までの時間が刻一刻と迫る中、ソフィアたっての希望で代役を引き受けることになったカタリナ。どこかで聞いたことがあるような内容の台本を受け取り、彼女は舞台に上がるのだった。

第3話 囚われの身になってしまった…
舞踏会に向かう途中、何者かに誘拐されてしまったカタリナ。自分が誘拐されたことに実感が沸かず状況を飲み込めていない彼女は、部屋を訪れた犯人に自分が誘拐された理由を聞くも、はぐらかされてしまう。一方、犯人からの脅迫文を受け取ったジオルドは、カタリナを救出すべく調査を開始するのだった。

第4話 色っぽい執事と仲良くお茶をしてしまった…
カタリナ・クラエス誘拐事件の裏で暗躍していたのは、思いも寄らない人物だった。真犯人から聞かされる事件の真相に驚くカタリナ。しかし、彼女の明るさに心を揺り動かされた犯人は、次第に自分のことについて語り始める。そんな中、カタリナは犯人にある提案をするのだった。

第5話 弟たちへの愛が溢れてしまった…
カタリナ・クラエス誘拐事件の解決から一夜明け、王宮では第一王子ジェフリー・スティアートが、婚約者であるスザンナ・ランドールに自分の弟たちの素晴らしさについて熱弁していた。時を同じくして生徒会室で仕事に追われるジオルドとアランは、兄と過ごした幼いころをしみじみと思い返すのだった。

第6話 ひと夏の冒険をしてしまった…
ジオルドの熱烈なアプローチにたじたじのカタリナ。前世でも恋愛経験のなかった彼女は、どうしたらいいかわからずにいた。そんな中、王家の別荘への招待状を受け取ったカタリナは、気持ちの整理がつかないまま、別荘を訪れることに。しかしそこには、「幽霊が出る」という曰く付きの森があるのだった。

第7話 願いが叶ってしまった…
魔法省で働くラファエル・ウォルトは、見学に訪れたカタリナたちと再会する。一同はラーナ主導の元、古物商から手に入れたという魔法道具の実験を行うことに。『夢が叶うドールハウス』と名付けられたボロボロのドールハウスを前にカタリナは、固く閉ざされていた玄関の扉を開けてしまうのだった。

第8話 お見合いしてしまった…
ニコルは、かねてより相談されていたお見合いを受けることを決める。応募者たちとお見合いを進めていくニコルだったが、カタリナのことを思い浮かべてしまい、縁談は中々まとまらずにいた。そんなある日、妹のソフィアから気分転換にとロマンス小説を勧められるのだった。

第9話 キースがいなくなってしまった…(前編)
ジオルドの事を意識してしまい、戸惑うカタリナ。次の日、実家に戻った彼女は気分転換のため農作業に勤しんでいた。作業を終えたカタリナは立派になった農園を見せようとキースの部屋を訪れる。しかしキースは、部屋に居らず、残されていた手紙には「家を出ます」と記されていたのだった。

第10話 キースがいなくなってしまった…(中編)
キースを探すため、ラーナの協力を得て旅に出たカタリナたち。キースが失踪したのが自分せいだと思っているカタリナは、訪れた街でキースの手がかりを必死に探すも、有力な情報は得られずにいた。そんな中、囚われてしまったキースは、残してきた姉の身を案じるのだった。

第11話 キースがいなくなってしまった…(後編)
キースが誘拐されたと知らされたカタリナは、キースを助け出すため、アレクサンダーが指し示す屋敷へと向かう。マリアが強い闇の魔力を感知する中、屋敷内へ入り込んだ一同。厳重な警備を掻い潜り隠し部屋へとたどり着いたカタリナは、手足を縛られ横たわるキースの姿を見つけるのだった。

第12話 卒業式がやって来てしまった…
ついに今日、カタリナ・クラエスは魔法学園を卒業する。2年間の学園生活を振り返りながら、大切な仲間たちとの会話に花を咲かせるカタリナは、式後に王宮で開かれるパーティーへと参加する。そこでジオルドを始めとしたカタリナに想いを寄せるメンバーからの思い思いの告白を受けるのだった。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

破滅フラグは何処へ…

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
最近、まややん主演の作品が少ないので、この作品の視聴は絶対に外せませんでした。
それに、はやみんやいのりちゃんも出演されていますしね…

物語の方は、カタリナたちが満喫している魔法学園での出来事が中心に描かれています。
この作品のタイトルは、「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」ですが、悪役令嬢のお姿は一体どこへやら…といった感じです。

時折、カタリナ脳内会議なる催しが幾度も開催されますが、彼女自身の立ち位置を決定付けているのは、熟考したときではなく無意識や咄嗟の言動が殆ど…
じゃぁ、あの脳内会議に何の意味が…!?
という点には触れないでおきましょう。

さて、今回はタイトルにもなっている、カタリナを貶める「破滅フラグ」は、すっかり影を潜めていました。
寧ろ、逆ハーレム要素だけが半端無く強くなった印象を受けたのは私だけでしょうか…

でも、カタリナの場合、逆ハーレムとは少し違うんですよね。
一般的に複数の異性を侍らせるのがハーレムの定義だとすると、カタリナの場合には同性からも異性同様の人気がありますから、見ていて特有のいやらしさを感じないんですよね。
まぁ、急に色恋沙汰に対して訳が分からなるなどの「あざとさ」が感じられないのも好印象…

そういえば、この作品がwikiで紹介されていましたが、ジャンルは「異世界ファンタジー、喜劇」だそうです。
異世界ファンタジーは理解できますが、喜劇…!?

カタリナが国外追放や死亡という結末を回避するため奮闘を繰り返していましたが、それを「喜劇」とバッサリと切り捨てて良いのでしょうか…
まぁ、カタリナがフラグを回避するため「奮闘」していたと言うのは、少し言い過ぎかもですけれど^^;

しかし、カタリンは同性異性の分け隔てなく誰からも好かれる理由は一体何なんでしょうね。
彼女の何がそんなに周りの人間を魅了するのか…
誰にでも分け隔てなく接する点は彼女の魅力の一つだと思いますが、これは決して特別なことではありません。
農作業に命燃やしている点は貴族としては珍しいと思いますが、これだって特別枠に括れる行動ではありません。
もしかすると、そういうオーラを身に纏っているとか…?

公式サイトのキャラ紹介欄には「無自覚に人をたらしこむ天性の人たらし。」と記載されていましたが、これが本当なら一番質の悪いヤツかもしれません。
時には無自覚も罪…ということをカタリナに是非教えて差し上げたいですよ。

と、カタリナの魅力の本質はさっぱり分かりませんでしたが、1期同様しっかり堪能させて貰いました。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、angelaさんによる「アンダンテに恋をして!」
エンディングテーマは、蒼井翔太さんによる「give me ♡ me」

1クール全12話の物語でした。
そう言えば、映画化が決定したみたいですね。
最終話に、伏線が含まれていたのでもしや…と思っていましたが、想像以上に早めに発表されたのは嬉しいサプライズでした。

カタリナの破滅フラグ回避に向けた雄姿をしっかり見届けようと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 31
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

せっかく綺麗に終わった「はめふら」なのに、

どうして、人気があったからって、
無理やり2期制作なんてしちゃうんですか?!
って、正直言って、思っていました。

どうせ1期で勢揃いした攻略目標キャラたちと、
カタリナとの間でちょっとした揉め事や行き違いが起こって、
派手派手にハート飛び交う賑やかな逆ハーレムでしょって。

あるいは、ひょっとしたら、
乙女ゲーム「フォーチュンラバー」の続編が、
元の世界で発売されていて、
カタリナには新たな破滅フラグが林立するの?
なんていうことも想像していたりして、
どっちにしても、
自分が生き残ることに全精力を傾けているうちに、
悪役顔+農業スキル持ちの真っ直ぐな女の子になってしまって、
みんなを虜にしちゃうカタリナが可愛いから、
やっぱり観てしまったわけですね~(笑)

そうしたら、私の予想は、{netabare}だいたいは当たっていて、
破滅フラグ回避に成功したカタリナと、
ゲームでの主要キャラだったカタリナを取り巻く子たちの、
楽しくてキャッキャウフフで、
でもカタリナが誘拐されたりキースが行方不明になってしまったりして、
それなりに、ゲームのあとの人生、
賑やかで充実してて、
トゥルーエンドじゃなくて、
友情エンドで、みんな、かえってハッピーでよかったね!
なんていう感じではあったんですけど、
同時にストーリーの中に、魔法省での不穏なフラグをいっぱい立てる準備も、せっせと進められていて、
ああこれで、3期か、劇場版に繋げるわけなんだって、
けっこうあからさまに展開していたのは、
まあいいかもね。
私の予想も全然ハズレってことでもないしね~
なんて感じではあったし、実際、最終回のあとに、
新しい破滅フラグとつづきは劇場版で!
という終わり方。

それだけなら、やっぱり続編ってこんなものだねーって思うんだけど。

予想もしていなかったけど、
第8話に凄く、魅了されてしまいました!
たぶん、劇場版で活躍することになる新キャラ「フレイ」と、
お馴染みキャラ・伯爵家の「ニコル」の、お見合い。
お互いに婚約する気はないままに会って、
でも隠すことなく本音をさらけ出して。

この第8話こそが、はめふらXの真骨頂なんじゃないか!って強くつよーく思います!!!

なんの事件も、派手なアクシデントも起きないのに、
麗花爛漫のお花畑と花びらいっぱい。
美しく抜けたような空。
夕日に映える雲。

二人の心情と相まって、すごく、凄く。
美しい!

この第8話の背景美術だけが、まるで別の作品のように素敵で。

ああ、制作の方たちは、この話のため、美術のために、
この第2期を作りたかったんだー
そう思ったら、なんか涙が・・・

それで、けっきょく。
このお話は、はめふらの続編ではあるけれど、
独立した「はめふらX」という作品なのだ。
と、納得してしまったのです。

私がチョロいだけなのかも知れないけど、
実際に劇場版制作は告知されて半分予想は当たりなのかも知れないけど、
どうせ1期のキャラでドタバタ+ラブコメやるだけでしょ?っていう予測は
{/netabare}見事に斜め上にハズされて、
すごく、
良かったなあって、
そう思っています♪

投稿 : 2024/05/04
♥ : 44

55.0 13 演劇アニメランキング13位
つよきす Cool×Sweet(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (167)
1078人が棚に入れました
竜鳴館に転校して早々、素奈緒は大好きな演劇をやりたくて演劇部の設立を生徒会に申請。生徒会会長・霧夜エリカ(中原麻衣)の挑発に乗って、講堂で芝居を披露することになるが…。第2話「生徒会なんて、大キライ!!」生徒会が演劇部設立を認めてくれないのならと、素奈緒は校内パフォーマンスで生徒たちにアピールしようとするが、生徒会主催のファッションショーと日時が重なり、しかも近隣の不良たちが現れて…!?

声優・キャラクター
水樹奈々、井ノ上奈々、藤田咲、中原麻衣、小林ゆう、佐久間紅美、おみむらまゆこ、有島モユ、南條愛乃、金田朋子、豊永利行、矢部雅史、子安武人、若本規夫、織田圭祐、中國卓郎

ichinana さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

♫どMどもが集ま~って~。ピーキャーピーキャー騒いでる♫

原作はきゃんでぃそふと制作のエロゲー。
日本に一大ツンデレブームを巻き起こした伝説的ゲーム・・・・のはずなのだが、本作はその魅力を全く伝えられない非常に残念な結果となってしまいました。本レビューの評価は辛口になってしまいましたが、ここでは原作の魅力を伝えようかと。

エロゲの方は本当にHitしたんです!
"ツンデレとはかくあるべき"というまさに教科書的な作りで、どれだけのどM信者がひれ伏したことか。当時まだ学生だった私は、オープニングの乙女姉さんの「軟弱ものが・・・」に一発KO・・・・。なんだ!?このドキドキは・・・・・。あれっ!? 俺ってSじゃなかったっけ?? おかしいな・・・・
「お前がS?? 何言ってんだよ・・・どう見たってどMじゃん」
どうやら友人たちには私の本性が伝わっていたようです。意外と人間、自分のことは分からないものですね。

タカヒロ氏らしい軽快でテンポの良い会話。その辺はアニメでも多少見られた気がします。白猫参謀氏のキャラデザは本当にきゃんでぃ(現みなと)の作風とよく合います。アニメが酷評される原因の一つは、かけ離れすぎたキャラデザに起因していると思います。

デレに移行したヒロイン(特になごみん)の可愛さはマジパネェ・・・・やっぱツンばっかじゃダメです。きちんと移行デレを見せないと、ツンデレとは言えないですよね。

原作OP、KOTOKOさんの「Mighty Heart 〜ある日のケンカ、いつもの恋心〜」は彼女の隠れた名曲。あ~っ またやったな~ から始まるアップテンポな曲と歌詞はつよきすの世界によく合います。う~ん。なかなかカラオケに入らないな~。マイナーな曲だもんな~

というわけで、原作ファンは本作回避推奨。
逆にアニメ組は原作(エロゲ一作目の方ね)をガチ推奨!!!!!

さぁ諸君!!!いざ来たれ!!!!!どMの世界へ!!!!!!!!!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

テキトー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

あれだけいい原作の題材があるのに・・

タイトルと同じことを思われた方はすぐに切ったか、耐えて見続けたかのどちらかでしょう。自分は耐えて見続けました。
1つ目:シナリオが・・・
他の方が書いてあったように当時、アニメ製作陣が原作をやっていないということで原作シナリオ担当のタカヒロ氏が怒ったというのは有名な話。
そりゃこんな作品になるわw
萌えない。

2つ目:絵が原作キャラに比べると明らかにグレードダウンしている。
見てのとおりがっかりです。。
萌えない。

3つ目:声優陣の入れ替え
そのまま使って欲しかった。。カニのまひるちんをはじめ、当時(というか今でも)エロゲ界では豪華声優陣だったのに。男性陣は表の世界では超有名声優。ある程度一緒だったのは評価できるがべジータ様は何としても使って欲しかったな・・
萌えない。

4つ目:(超個人的意見ですが)主題歌はKOTOKOで通して欲しかった
mighty heartにしても2学期のswift loveにしても、KOTOKOさんならではのあのエロゲの電波的雰囲気を醸してくれる主題歌がもしアニメ版にあったらと思うと・・・残念でなりません。。

5つ目:原作との落差
原作厨と言われるかもしれませんがこれはほんとそれ以前の問題w
何も言いませんのでただ原作をやってくださいとしか・・・

とにかくアニメ好きな方が「つよきす」をアニメだけで評価されるのが悔しくて仕方ないので・・

きゃんでぃソフトの延命なのかはさておき、つよきすが全年齢版としてPS2、PSP版と展開され、WEBラジオは今でも続いているところからもやはりその人気がいかほどであったかということがおわかりいただけるのではないでしょうか。

余談ですが原作のつよきすが気に入られた方にはタカヒロ氏が手がけた「君が執事で・・・」「真剣で・・・」もお勧めしておきます。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

セメント さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

すきよつ

にぎやかでいいんじゃないかい?
きゃんでぃそふと原作は未プレイです

えーと。。。スタッフが原作をやっていないという暴挙ェ・・・
PS2版から登場した正規ヒロインではない近衛素奈緒を主人公にするという愚行ェ・・・
キャラデザが原作ともはや別のものになるというテロ行為
原作派の人は相当これ批判してるみたいですね

ヒロインみんなツンデレ?をキャッチコピーに売り出されたアニメですが
ん~、「名前ネタはNG!」って素奈緒の台詞くらいしか思い出されない
かにちゃんとフカヒレの絡みは面白かったです
あと最終回のOPも良かった、あの自己主張の激しいOP
なんとなく原作やってから見たかったかも

「つよきすのアニメ化なんてなかったんや」と巷で言われていますが、これに限らず
ギャルゲのアニメ化って失敗作が多い気がするなあ
もち、今日兄が作れば別だけど
ルート分岐をアニメで表しちゃうとどうしても主人公が女ったらしになるからなぁ、、、
オムニバスという形でその壁を超えた、アマガミやヨスガはアバンギャルドですね

はい、声優は、水樹奈々、藤田咲、中原麻衣、小林ゆう、金田朋子
そしてメインは豊永利行さんです、デュラの霧が峰くんだ
演技力には定評があると思います
この布陣

OP、ED、個人的には微ヒットくらいです
7話と8話で流れてた奈々様の挿入歌だけど
いやぁ、奈々様はキャラソン歌えませんねぇ・・・
キャラ完全無視のガチ曲が日常シーンで流れます



ある意味有名ですので
見ておくと何かの時使えるかも?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

67.8 14 演劇アニメランキング14位
だぁ!だぁ!だぁ!(TVアニメ動画)

2000年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (129)
970人が棚に入れました
光月未夢は中学2年生の女の子。両親が仕事でアメリカのNASAに行くことになり、母親の知り合いである平尾町の西遠寺家に一人預けられることになったが、西遠寺家とは西遠寺というお寺だった。しかも、その西遠寺の住職である西遠寺宝晶がインドに修行に行ってしまい、宝晶の息子で未夢と同い年の男の子西遠寺彷徨と2人きりで暮らすことになってしまった。そこに、地球から120億光年離れた『オット星』から、超能力を持ったオット星人の赤ちゃんルゥと、ベビーシッター兼ペットのワンニャーが小型UFOに乗って現れた。ルゥとワンニャーはオット星で時空のひずみに吸い込まれ、西遠寺まで飛ばされてきたのだった。未夢と彷徨は、UFOが壊れ自力でオット星に帰ることのできないルゥとワンニャーを、西遠寺でお世話することになり、こうして3人+1匹の生活が始まったのだった。

とってなむ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ワタクシのだぁだぁだぁの視聴日記

【あらすじ】
両親が仕事でアメリカへ。
中学2年の未夢は母親の知り合いの寺へ預けられる。
その寺の住職もインドに修行へ。
残ったのは未夢と住職の息子・彷徨のみ。
今、二人きりでの生活が始まる!

・・かと思いきや

小型UFOが寺に墜落。
搭乗者はルゥ(宇宙人の赤ちゃん)とワンニャー(ベビーシッター兼ペット)。
4人?での生活が始まる!(今度こそw)


全78話。
少女漫画原作の日常系ラブコメです。
宇宙人いるから非日常、だとか言わない。

未夢役の名塚佳織さんの初主演作、彷徨役の三瓶由布子さんのデビュー作にあたるそう。
デビュー作から少年役とは、、流石というべきか。
お二方とも当時は中学生だったようですが、演技に関しては特に問題なかったですね。
寧ろ良かったと思います。


この作品、とてつもなく癒されます。
メチャクチャ好きなアニメ。
ルゥとワンニャーが可愛らしい。
変身の時の『ワンニャー!』の掛声が好きw

未夢と彷徨の中学生ならではのラブコメもホッコリしました。
こちらも可愛い。
彷徨は男キャラではかなり好きな部類です。
個人的ベストテンに入るレベル。

彼らを取り巻く周囲もいいキャラしてますね。
クリスちゃん、綾ちゃん、ななみちゃん、三太にももかちゃん。
それにみかんさん。
嫌いなキャラは見当たりません。
みんな可愛い!


作画は綺麗とは言えませんが、作品に合ったデザインで好印象です。



OP1「ハートのつばさ」 歌-中島礼香
OP2「Happy Flower」 歌-奈良沙緒理
ED1「BOY MEETS GIRL DA!DA!DA! Remix」 歌-TRF
ED2「ゆっくり」 歌-三重野瞳

ED1はプリティーリズムのPrizmmy☆のイメージが強かったですが、
こちらもいい感じでした。


――――――――――――――――――――――――――――――


温かい作品でした。
作品に流れる雰囲気が素敵なんですよね。
少女漫画原作やっぱ好きだなぁ。

78話でも足りないくらい。
もっと観ていたかったです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19
ネタバレ

たこすね さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ハチャメチャあり、感動ありのラブコメ決定版!

私が初めて「このアニメ好きだ!」って思った作品です。
私にとってアニメ、ラブコメの原点です。
ハチクロやとらドラなどJ.C.Staffのラブコメ路線の原点でもあるのではないでしょうか(カレカノもあるかもしれませんが)。

78話あります!(^^;)
お決まりのひょんなことから男女2人が同居することになるうえに、宇宙人の赤ちゃんまで入り込んできての共同生活で物語はスタートします。
ちなみに主役は当時10代の名塚佳織さんと三瓶由布子さんです。

毎回宇宙人が襲来してのハチャメチャカオスだったり、家族のことを描いたしんみりする話だったりいろいろです。
回によってのテンションの落差が激しいです。
本筋とはあまり関係ない話も多いですが、数多くいる登場人物それぞれをメインに据えた話があるので、それぞれの登場人物の背景がよくわかります。
いろいろな登場人物が、コミカルな場面でもシリアスな場面でもそれぞれの魅力を発揮します。

長い長い作品ですが、じっくり観てみるのもいいのではないでしょうか?
と、言いたいところですが現在観る手段がなかなかないですね・・・
私もまた観たいのですが(T_T)

{netabare}
いろいろお約束ネタがありますね。
クリスちゃん(笑)
わるわる団(笑)
宇宙からの侵略者であるわるわる団より、戦車並みの戦闘力を持つクリスちゃんのほうがはるかに脅威です。

ワンニャーの残念さもいいです。
基本的には有能なので、うちにも欲しいなと思います。

望くんも当初かなたのライバルっぽく登場しますが、あっという間にネタキャラになりましたね。

未夢とかなたの両親の話はしんみりしますが、引き込まれて考えさせられます。
本当にいいドラマをしているなと思います。

最終回近くは別れの時が刻々と近づいてくる感じがして、とても切なかったです。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

nakagi rin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「家族」って、血が繋がっている人たちのことを言うのでしょうか。

「だぁ!だぁ!だぁ!」
ただひたすら、懐かしいですね。
原作は川村美香先生による漫画作品です。

両親が仕事でNASA(宇宙のやつ)に行ってしまった光月未夢が、母の友達の西遠寺家へ預けられるところから物語は始まります。
西遠寺に住んでいる同い年の彷徨とあわや二人暮らしになるかというところに、宇宙から赤ちゃんのルゥ君と猫型ベビーシッターのワンニャーが転がり込み、今までの彼らの日常は一変します。

最初はみんな赤の他人でした。
母親が友達なので、未夢と彷徨は子供のころに会っていたりするのですが、覚えていないのであれば、それは初めましてです。
宇宙から来た赤ちゃんとベビーシッターなんて知る由もありません。
だけど家族になれる。
出逢いの縁は、時として血縁すら凌駕して、替えの利かない関係になる。
子どものころに見ていたアニメも、時間が過ぎてから見返すと、受ける印象が随分と違ってくるものなのですね。

お話自体は重いものではありません。
非常に明るいコメディタッチで、飽きることなく見られました。
たまに挟まる、未夢と彷徨の互いを意識したシーンもまた良い!
70話ちょっとと時間はかかりますが、見て頂けたら嬉しい限りです。

以上、感想でした。

P.S:NHKさんに最大限の感謝を。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

72.0 15 演劇アニメランキング15位
少女☆歌劇 レヴュースタァライト(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (265)
960人が棚に入れました
『舞台少女』――それは未来の舞台女優を目指す、キラめきに溢れた少女たち。ある日彼女たちの元に1通のメールが届く。「お持ちなさい あなたの望んだその星を」。輝く星を掴むべく、オーディションに集まった9人の舞台少女。光を求める想いが、執着が、運命が――舞台の上で交錯する。今、レヴューの幕があがる。

声優・キャラクター
小山百代、三森すずこ、富田麻帆、佐藤日向、岩田陽葵、小泉萌香、相羽あいな、生田輝、伊藤彩沙
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

Show Must Go On!

未視聴につき点数未評価

いよいよ本日第0話の放送前特番がスタートです!

ちらっと聞いたStarDivineが気になって
初演の舞台を観に行ったのが運の尽き
再演3回リリイベ4回1stライブ昼夜
完全に沼にはまった舞台創造科(注:作品ファンの公式呼称)の一員として
この作品の魅力を少しでもお伝えできればと思います

ちなみにStarDivineはYoutubeに
公式のクロスフェード試聴動画があるので
気になる方は是非どうぞw

さて、皆さんは2.5次元と呼ばれる舞台があるのをご存知でしょうか?

テニスの王子様や刀剣乱舞など
漫画アニメゲームといった2次元作品を原作とした
3次元の舞台が2.5次元なんて呼ばれています
先ほど挙げたような女性向けの作品が中心で
男性向けの作品もいくつかあるものの
あまり好評とは言い難い状態でした

その理由の一つが
アニメのキャストである声優と
舞台のキャストが異なることにあると考えたのが
ブシロードの木谷元社長
前述のテニミュや舞台刀剣乱舞を手掛けたネルケプランニングと組んで
アニメと舞台を同じキャストで行うことをコンセプトに
このレヴュースタァライトプロジェクトを発足させました

ブシロードの子会社である響所属の声優たちと
アニメとは無縁の舞台女優たちによる混成チームが結成され
今年いっぱいで閉館の決まったAiiA2.5次元シアターにて
ミュージカル#1が上演されたのが昨年9月
したがって今回のアニメはなかなか珍しい
ミュージカル原作アニメということになりました

子役あがり、舞台あがりの声優さんは
全体的に基礎がしっかりしていて
演技力の高い人が多いように思いますが
それでもやはりデビュー直後は
舞台での演技と声だけの演技の違いに戸惑い
芽を出すまでにしばらくかかっていることも多いです
例えば初期の花沢香菜とかちょっと聞けたもんじゃないですし
黒沢ともよが演技力を評価されるようになったのも最近です

今作のメイン9人のうち主役含む5人が舞台畑の人間で
そのうち二人は声優初挑戦ということで
そのあたりがどう出るかというのが
個人的に最も気になるポイントです

もう一つ気になっているのが作画
木谷会長の仕掛けたアニメの中には
BanG Dream!があります
アプリは非常に好調でヴァンガードをも上回る
ブシロードの稼ぎ頭にまで成長していますが
アニメははっきり言って失敗だったと思います

アニメが不人気だった理由の一つとして
作画が良くないことを指摘された木谷社長は
「ストーリーは素晴らしかったけど作画が駄目だったから評価されなかった
作品はキャラとストーリーだけが大事。見た目だけで評価するのはおかしい」
と発言しています

木谷氏はもともと山一證券の証券マンであり
退社後にブロッコリーを創業した
ビジネスマンとしては間違いなく一流の人物です
今のアニメの高カロリー作画のチキンレースは
ビジネスマンの目線からしたらコストに見合わない
馬鹿らしいものに見えるのでしょうね
しかしこれは視聴者のニーズというものを
しっかりと捉えられていない発言にも見えます

バンドリ2期3期は完全に3Dアニメになるようですし
今回のレビュースタァライトでも
作画にコストを掛けないで作るのだとしたら
BanG Dream!1期の二の舞になる可能性もあるんじゃないかなぁ
というのが私の懸念です

先々週には1stライブが行われ
先週にはゲームアプリの発表会と
#1の舞台BD発売
7月にはアニメ放送開始
10月には舞台新作と
まだまだこれから盛り上がりが期待される今作ですが
アニメが成功して息の長いコンテンツになってほしいと思いつつも
あんまり盛り上がりすぎてチケットとれなくなるのは非常に困るので
ぜひとも盛り上がり過ぎないくらいに盛り上がっていただければと思います(-人-

おまけ

主要キャラ&キャスト紹介

無駄に長いのでネタバレタグで囲ってはおきますが
ネタバレしないようにキャラ紹介は軽めにさらっとだけにして
公式で出てる以上のネタバレはありません
そもそもアニメ版ではなく舞台版の設定なので
アニメとまったく同じであるとも限りません
{netabare}
愛城華恋(あいじょう かれん)

本作主人公
ひかりちゃん大好きっ娘
ひかりちゃんが好きすぎて危険w

キャストは小山百代
通称もよ

スターダストプロモーションの声優部門に所属していますが
声優としての目立った活動はほとんどないようです
セーラーマーキュリー役で2.5次元舞台の経験があったり
出演舞台の数は多いので
声優というよりは舞台女優という感じですね

3月のお渡し会に行ったときは
来ていた初演Tシャツを「お似合いですよ!」
とほめていただき
お世辞と分かっていても嬉しかったですw

神楽ひかり(かぐら ひかり)

本作メインヒロイン
華恋の幼馴染で帰国子女
なんだかワケアリ?

キャストは三森すずこ
通称みもりん

もともとミュージカル畑で活躍しており
ディズニーショーの主演を務めた話は有名ですね

芸の肥やしとして声優を経験しておくつもりが
気がつけばそっちが本業になっていた
なんて話を前にしていました

舞台と声優の両方の世界で結果を出している彼女は
作中でもストーリーのキーとなるキャラクターを演じますが
このプロジェクト全体のキーパーソンも彼女で間違いないでしょう

天堂真矢(てんどう まや)

真矢様
九九組きっての実力派
孤高の天才

キャストは富田麻帆
通称まほ姉

九九組メンバーの中で最も
舞台・ミュージカル経験の豊富な彼女ですが
だいぶ昔に少しだけ声優も経験していたようです
出ていた作品は・・・猫神やおよろず
そんな作品有ったなぁ(--

演技中以外もわりと真矢様っぽい口調でしゃべっていることが多いですが
ときどき素の喋りなのかおもいっきりふにゃふにゃなトークをしていることがあり
そのギャップがすごいw

星見純那(ほしみ じゅんな)

テンプレめがね
学級委員長
弓使い

キャストは佐藤日向
通称ひなちゃん、ひーちゃん

もともとはさくら学院のジュニアアイドルでしたが
卒業後はいろいろ手広くやっているようです
最近はラブライブ!サンシャイン!!で
「Saint Snow」鹿角理亞をやっていますね

さらっと三森さんとちょうど一周り違うって言ってたけど
一応みもりん年齢非公表だからね?
四捨五入のアレのおかげでみんな年齢知ってるけど
あなた年齢公表してるんだからそれは言っちゃダメですw

露崎まひる(つゆざき まひる)

華恋だいすき
でも華恋はひかりが・・・
つまりは三角関係!?

キャストは岩田陽葵
通称はるきゃん

映画やTVドラマ、舞台等で活躍中の女優さん
声優は初挑戦で声だけの演技にはまだ慣れない様子

アフレコの際に走っている演技を要求され
音が出ないように靴を脱いで
実際に走りながら演技しようとしたら
音鑑さんに全力で止められたそうなw

子供の頃やっていたバトントワリングが
再演の舞台上でクラブを投げる演出につながったらしいです
BD持ってる人はしっかりチェックしてあげましょう

お渡し会の時に間近で見ましたが
すごい美人さんでした!
こういうのってだいたい宣材写真の方が盛りまくってキレイなもんだけど
本当にきれいな人は逆に写真だと美しさを伝えきれないのかもしれないね

大場なな(だいば なな)

ばななw
あれだけ強烈な名前と容姿なのに一番影薄い
アニメの掘り下げに期待

キャストは小泉萌香
通称もえぴ

チベットスナギツネ

2014年に「アミューズオーディションフェス2014」歌うま・声優部門でグランプリを獲得
応募総数32000ということなのでとんでもない狭き門ですね・・・
舞台やCMで活躍・・・と書かれていますが
まだ活躍!というほどお仕事がない模様><

西條クロディーヌ(さいじょう クロディーヌ)

フランスのハーフ
真矢様をライバル視
にじみ出るかませ臭

キャストは相羽あいな
通称あいあい

響所属の声優
BanG Dream!ではRoseliaのボーカル湊友希那役
けものフレンズではイワトビペンギン役など
いまのところブシロ関連アニメにしか出演はないものの
なかなかに美味しい役をもらってる元女子プロレスラー
わりとぽんこつ

石動双葉(いするぎ ふたば)

香子の保護者
アニメ版はちび設定?
ふたかお尊い

キャストは生田輝
通称てるりん

2015年にオーディションに通って以来の芸能活動のようで
映画、舞台、TVドラマ等に出てはいますが
まだ出演作は少ない模様
声優も初挑戦です

再演のときに香子役のあやさちゃんが
間違えて一般生徒にまじってハケそうになるハプニングがあり
てるりんがあわてて捕まえて引っ張ってくるところに
二人の関係性が見えたようで良かったです

花柳香子(はなやぎ かおるこ)

京ことば
日本舞踊
和服かわいい

キャストは伊藤彩沙
通称あやさ

ずんぐりピンク

BanG Dream!では市ヶ谷有咲役をやっており
Poppin'Partyのミラクルダンシングキーボーディスト
として演奏も担当しています

もともとはミルキィホームズシスターズ メンバースカウトオーディションで
グランプリを獲得し
準グランプリだった愛美とフェザーズとしてミルキーホームズに出演

あいあい同様ブシロコンテンツ専業の声優になりつつありましたが
スロウスタートでは百地たまて役に抜擢されたりと
ただいま最注目している今後が楽しみな若手声優です

しかしBanG Dream!ではキーボード弾かなきゃならんし
こっちでは殺陣の練習しなくちゃならんしで
本業の声優する余裕はあんまりなさそうな気もします

京言葉をしゃべる香子ですが
あやさちゃんの出身が京都なので
本場の京都弁が聞ける感じでgood

StarlightTheaterのリリイベでは
回転イスに座るも
一人だけ床に足が届かなくて
イスが勝手に回り出すハプニングがあり
てるりんにいじられてましたw
アニメ内では身長が逆転するみたいですね
{/netabare}

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

1話を見て {netabare}

YoutubeLiveの放送前スペシャル2時間半の後
本編をとりあえず3回ほど見ました
全体的によくできていたと思います

話の流れは舞台版の中盤までの分が
端折りながら1話に詰め込まれた感じです
2話以降で端折った部分をやるというよりは
気になる人は他メディアで補完しようみたいな感じになる気がします

というか舞台の時点からして
一度見て理解が追いつくような作りにはなっていないので
考えるな!感じろ!という感じです
ある程度そういうものだと認識している分混乱が少ないだけで
舞台版を見てるとアニメの設定もすべてわかる
みたいな作りにはなっていません

Aパートは
双葉にネギを押し付ける香子とか
バナナのお弁当とか
細かいところで舞台版にない
キャラクターの掘り下げが入っていたのが
舞台創造科的にはかなりポイント高かったです

Bパートは
変身バンクがとても気合入っていたのと
レヴューシーンもいい動きだったので
かなり好感触

ただしもともとこのひかりVS純那のレビューは
オーディションやトワイライトシアターの説明も兼ねていました
そういったバトル前のやり取りから
純那がひかりに圧倒されて負けそうになるところまで
いわば純那の最大の見せ場とも言うべきシーンの大半が削られて
盛り返したところに華恋乱入の
最後の部分だけが採用されてるので
純那ファンの方はあとはもうアニオリに賭けるしかない状態ですw

もう一つ舞台版からの大きな変更点は
レビューの舞台監督である走駝先生(椎名へきる)
アニメには出てきておらず
彼女のセリフもキリンが担っていることから
おそらく二役分の役割をキリンに一本化したんじゃないかと思われます
舞台ではシルエットのみの登場だったキリンなので
ある種のアイコン的なものなのだとばかり思ってたんですが
まさか本当に生身のキリンが人語をしゃべっているとは・・・

レビュー曲に関してはすでに3話分が先行配信されており
そのあたりまでの話の流れはだいたいわかっているのですが
そこから計算されるペース的にアニメ終盤は舞台の先に進む気がします
あるいは舞台とは違う世界線の話になるのかもしれません
1話見てますます目が離せなくなりました
{/netabare}
2話を見て{netabare}

2話は思った以上に純那回でした
1話でかなり出番を削られてた純那ちゃんですが
個別回に近いものをもらえているなら
まぁそれはそれでよかったかもしれない

後半のレヴューシーンもまぁよく動いてますね
戦闘前の純那ちゃんの口上もパワーアップしてる感じでした
レヴューに使われていた曲はもともとミュージカル挿入歌
「私たちのいる理由」
をベースにアレンジしたものです
元の曲もいい曲ですが
アニメ版もいいですね

ただこの曲もともとは
一人ずつ少しづつ違う
演劇へのスタンスを
それぞれが独白する歌で
本来は複数人が少しずつのパートを担当します

特にバナナにとっては
数少ないバナナがきらめいてるシーンだと思うのですが
こういう形で純那が使ってしまうと
バナナの見せ場を今後どうするのか気になるところです

舞台版と比べて日常パートの比率が高いので
既に舞台版よりはるかにキャラが立ってる気はするので
今の方向性でもそれほど心配はしていませんが

そしてラストに真矢様
「This is 天堂真矢」
で最後に全部持っていきましたw

原作組としては何一つ不満の無い2話でした
・・・いや一つだけ

ED曲早く見たいよ!{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

意外なラストでした。

>1話まで視聴して
既に多くの方がレビューされているように、ウテナっぽさ?が強く感じられました。
自分は(ウテナ+ピンドラ+スタドラ)/ラブライブ??
・・っていうのが現時点での率直な印象です^^。

演劇っていう題材を組み込んできたところは、少し面白味を感じさせるのですが
メイン登場キャラが今のところ女性ばかり?・・ってことで
どうしてもただの消費アイドルアニメ?・・的なところに自分の中で落ちてしまうのと
せっかくの歌パートのところや、決めのEDのところの音楽も
ただのアイドルアニメ??・・にとどまってしまってる感じです。

劇中劇という部分では、自分はスタドラが至高だと思ってますし
劇中歌という部分でも、自分の中ではスタドラが素晴らしすぎました!!。
・・ただ、ウテナの”絶対運命黙示録♪”には
今なお自分の胸の中に大きな衝撃が残されたままであり
本作でもそれに匹敵する何か?が出てくるんじゃないか?
という期待に駆られて視聴してみたのですが
どうも、今のところただの消費アニメ?・・っぽく感じてしまってます・・。

人間関係で今後、強い個性と魅力をもった男性キャラ等が出てこないのであれば
自分は断念してしまう可能性が高そうです。。

もう少し、期待して継続視聴してみようかと思います。


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>3話まで視聴して
まず、作画は文句なしに良いですね!!。これは魅力です♪。
ただ「○○○、○生産」のところは、もし今後も毎回同じ演出が続くとしたら、ちとキツい・・
←ヒネりがほしいかな?。
変身バンク?のシーンは単純にスタドラ彷彿させられて、不本意ながら評価甘々^^。
ああ~、もういっそのこと銀河美少年出してほしい!!!(錯乱w)。

2話の時点で、「やはり歌が致命的かも。。(合唱かよ?)」って思ってて
3話でも途中までそう思ってたのですが
あるシーンから、少し考えが変わりはじめています。

キャラ同志のやり取りは、時折セリフが某っぽく感じてしまうこともあるけれど
今まであまり聞いたことないニュアンスのやり取りがあったり
新鮮な感じもあって、密かに評価UP↑。
某○○ライブの○とりちゃんポジション?のキャラのやり取りも、なんか味があっていい♪。

意外に現時点での感触としては、毎回次回がかなり気になってきているので
今後の”個人的納得が得られるかポイント”としては
「なぜ戦うのか?」・・それらの理由づけをいかに納得させてくれるか?・・に尽きます。。
「戦わなければ生き残れない・・?(仮面ライダー龍騎?)」のように
バトルロイヤル方向にいってしまうのか?(こっちだと自分無理><)
もしくは、戦うけどみんな仲良くなっていくのか?(自分こっち希望^^)。

傍観者?の某キリン??が、何を観ているのか?。
でもバトルの勝敗は”○○○ーポジション”の単純な取り合いなの??。

あと。演者、裏方という風な役割分担の分岐が今後どういう意味を持つのか
期待させられたり(裏方のクローズアップはチアフルーツの例もあって期待してしまう)

・・ただ、なつかしの○○のトップテン?のような
レトロなランキングが今後物語にどう影響していくかも気になる。

今のところは主人公キャラ2人よりサブキャラ?の方に興味惹かれてしまってます^^。


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>4話まで視聴して
4話は個人的に今までで一番面白かった!!。

某2人の空白の時間を埋めていく??描写が
いろんな捉え方ができる描写でとてもよかった^^。
一見噛みあっていないように見せられ、もどかしさを強調されられるんだけど
それぞれが長い時間温めてきた、言葉では言い表せない複雑な感情・・
が描かれてるような気がして、結構ココロに響きました!。

あと、2人のまわりの本来競い合ってるであろう主要キャラ達が
競い合いはもちろんしてるんだけど
基本的に互いのことをいろいろ考え、想い、大切にしているのが伝わってくる^^。
ギスギスしてない、むしろ百合百合しいくらい・・??、なのも好感♪。
(・・ただ、いったん上げておいて
 一気にまとめて突き落とされてしまうような気がしてならない・・)
 ↑余計な不安で済めば一番良いのですが^^

EDの絵と曲も、なかなか心地よく感じてきました!!!(ED絶賛!)。
最初っからこうだったっけ??・・と気になって過去話確認。
・・ああ、この曲は3話からで、でも3話とは違うバージョンなんですね。
それもちゃんと本編での話の進行にリンクしてる!。
凝ってるじゃないですか!!!!。
こういった細かい演出も、ED絵のタッチも自分好みです^^。
さらに、ボサノバ調で「 Fly me to the~♪」ってきたら
アレ!しか連想できない自分wですが
某作品を彷彿させながらも、方向性の違いが明確にさせている。

個人的には4話が決定打となり、★の評価が一気にあがりました!!。
ここから先が気になってきた反面、やっぱ意味不明な方向や
ギスギス方向に向かって突き落とされてしまわないか心配でもあり
逆に楽しみでもあります♪。

ひさしぶりに”どっちに転ぶかわからなくなってきた作品”を
リアルタイム視聴できることに喜びを感じています^^。


---------------------------------------------
>5話まで視聴して
4話が意外にもかなり良かったから5話はコケるんじゃないか?と勝手に予想してましたが
イヤイヤ、5話でさらに自分の評価爆上がりでした↑↑。
あのキャラの掘り下げが特に良かった^^。
さらに唐突な○球回??・・というかこれもあのキャラの内面掘り下げですよね。
いや、こういった絶妙の意表突く感???。絶賛です!!。

EDの絵と曲も、期待どおり変わってきてましたね♪。大満足です。
ここから毎回主要キャラ全員分掘り下げていくのかな??。
・・でも、きっとそう思わせといてまたどっかで捻ってくる(褒め言葉)と期待させられます!。

★の評価、また上がりました!。


---------------------------------------------
>7話まで視聴して
7話で捻ってきましたね♪(歓喜)。
安易な○○○○○○ものは、若干不安を感じさせますが
でも現時点ではうまく機能してるように思います。

ああ、あのキャラ。これってある意味タクトくん?。
役者+裏方で○○○っていう意味付けなんでしょうか??。
でも、あのキャラが○ップ○○ーといわれても、現時点では正直説得力ないです><。
失礼ですが、役そのものの声の演技も、なんかぎこちなく感じるし、キャラの外見も普通?。
かといってダンスやフィジカル面で秀でたものがあるようにも感じられない。
・・では歌か?・・と思ったらEDで○○されるしww(まさか歌NGの人とかじゃないよね)。

少しずつ少しずつ、これまで疑問に感じていたキャラ達の感情や行動の理由づけ
が少しずつ見え隠れしはじめてきて、そこからいろいろ想像できて楽しいです!!。

過去話含めてついつい何回も見てしまっています^^。

★の評価、またまた上がりました!。


---------------------------------------------
>1話~7話を再視聴して^^
7話の捻りのおかげで、1話からの再視聴がめちゃくちゃ楽しいです!!。
こういった、何回も観ることによって新たに見えてくる楽しさは
”スタドラ”で感じさせてくれたものに非常に近いです!(絶賛)。
正直、あのキャラのことは自分、全く見えてなかったことに驚愕でしたw。

ここでふと考えてしまったのですが、本作の話のボリュームから考えると
2クールくらい当然あるんだろうな~って何となく思ってましたが
BDの発売スケジュール見てみると、・・まさか1クールなんですか!?。
ええ~、勿体ない。ぜひ2クールあることを信じています。

タイム○○○もの?・・に関しては、もともと本作はキリンさん(学園長??)
が出てきたり、異空間(ゼロ時間的な?)が存在してたりしたので
特に拒絶反応はおきず、すんなり受け入れられました。
それに、某他作品のように絶望に絶望を重ねるほどの気の遠くなるような繰り返し
・・ではないと思われるので、おそらく長くはひっぱらないでしょうね。
一時的な描写で、さらっと流してくれそうで好感♪。

いやー、でも見れば見るほど自分の好きな作品”スタドラ”を彷彿させる要素が多くて楽しい!。
今まで全く見えてなかったOPでのあのキャラの戦闘シーン、
あれってタウバーンっぽい??w。他にも目覚まし音の使いどころとかも。

現時点で自分が見てて一番うれしいのは
本作でいうレビュー?を繰り返すことで、登場キャラ同士が成長し、全員の関係がより親密になり、
結果として彼女らが作り出す舞台が、より良いものに進化していっているのでは?
と感じさせられるところです。←これがあのキリンさんの真の狙いだったりするのかな?。

ただ、やっぱり今気になっているのは
なぜ、あのキャラがこの○○○世界に入ってこられるようになったのかが
どう描かれていくのか、楽しみで仕方ありません!!。
無意識のうちにあのキャラが呼び寄せてたのかな?(約束+テレパシー的に)。

あ、あと再視聴してみて感想が変化しました。
前回7話視聴終了時点で、7話EDで歌がアレだったことに文句書いてしまいましたが
よく見るとキリンさんも一緒に登場してたり、なんか意味深で
7話EDはあれで正解だったと考えを改めました♪。
おそらく次回あたりでそのアンサーEDになるのだろうと期待しています!。


---------------------------------------------
>8話まで視聴して
なるほどー。ひかりちゃんのこれまでの言動・行動には、こんな理由があったんですね。
ただちょっと気になったのは、”○リンさんの目的”と”レビューの結果”って
ちょっと矛盾するんじゃないかな?・・ってことです。
まあ、そもそも○リンさんが本当の目的を語っていたかどうかもあやしいですが。。
単純に考えると、結果として舞台全体のクオリティーは下がってしまうのでは・・?。
それに、「永遠の○ップ○○ー」といいながら、唯一のものというわけでもない??。

今までは某キャラによって○られてきた99期生の主要メンバー達だけど
それが○○なった今後、どうやって風呂敷が畳まれていくのかが楽しみです!。
まさか某作品のように全員○位END!・・なんて残された話数では無理でしょうけど
主人公の2人は当然だとしても、何かB組の裏方組もうまく協力してくれて
最終的には○台全体が全員で最も輝いてEND・・っていうカタチになるのかも?(願望)。
そうしたら、あの某キャラもうまく絡めてのENDになるんじゃないかな?。
ああ、なんかそうなってほしい。


---------------------------------------------
>9話まで視聴して
自分の期待をこえてきた9話でした!!。文句なしです!。
あのキャラの活躍もよかったし、その言葉も映えていた!。
あのキャラもやっと本音が見えてきて好感度UP!。

★の評価さらにUP!。お気に入り作品確定です。


---------------------------------------------
>12話まで視聴して
意外なラストでした(・・あまりよくない意味で)。
メインの2人以外がこれまで関わってきた意味って・・。

作品全体を通しての東京タワーの使い方とか非常に気に入っていただけに残念・・。
2クールでもっと余裕があったら違ったラストになってたかなあ?・・。

結果的にお気に入り作品から外れ、★の評価もダウンしました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

「ど~してぇそーんなぁに、ま・ぶ・しいぃいの」

1話感想{netabare}
アイドルアニメって自分は苦手ジャンルでして…理由は単純にキャラが覚えきれない。
でこの作品、序盤出席番号出席番号うるさくて、28人+先生+転入生全員覚えなきゃアカンの?と、かなり「うげぇ」と思ったのだけど…。
おおっ!?後半いきなりのバトル展開。
というよりも、変身シーンの手前の部分でいいのかな?自動で急ピッチで衣装が作られるシーンがえっらくカッコ良くて。
いやホントカット良いんだ、脳汁チューチュー出ますぜ(※)。
あ、これって…名前引っ張ってくるのは悪いのかなぁ?
根には持ってないけど悪しき前例として語り継がれる可能性の高い“ダーリンインザフランキス”が、ロボ扱っておきながら監督自身はアイドルヲタでロボに興味無くてひっどい結果で…。
アイドルとロボって相性悪いのかねぇと思いかけてた矢先のコレですよ。
別にロボ出てる訳じゃないけどロボ作品でワクワクするツボを心得てるっていうか…あれだ、デンジマンの敵が巨大化する時のアレ的な、「なんだわかってんじゃーん」と歓喜しちゃいました。
う~ん、この監督がダリフラ作った方が良かったんじゃ…。
まぁこっちはこっちでそのうち「もくしくしもしもくくもし…」って挿入歌入りそうだけど。

これは結構期待できそう、1話で力尽きて後はテキトーってのにならないことを祈る。


「エネルギー装填120パーセント」って言われたら「耐ショック防御!」って叫ぶし、「コンバインオッケイコンバインオッケイ」って言われたら「レッツコンバイン!」って叫ぶぞ自分は、まぁそんな人間ですよ。
それ以外ではガリアンのOP月をバックに旗をはためかせながら荒野を疾走するプロマキスの軍団とか、モスピーダのアイキャッチとか、もうションベンちびるレベルで大好きで。
で、これらって「繰り返し見せる」ことの成果かなぁ、とも思いまして。
最近そういうの無いなぁって思ったら…ああ、そうか。
いつぞやのバカがバカやって「バンクはアカン」みたいな風潮が形成されちゃったんだったっけか…セーフティーシャッター(笑
それの影響引きずって今でもなんかもうって感じで、「デンジマンの巨大化シーン」が繰り返してくれること切に願う。{/netabare}

2話感想{netabare}
おふうおふう(鼻息を荒くしてる)、良かったぁ、変身前のアレ、ちゃんとバンクしてたー。
1話限りの可能性があったのでヒヤヒヤだったのですが、これはバンクとして毎回使ってくれるのかな?だったら嬉しい。{/netabare}

3話感想{netabare}
「(スター目指す代わりに)あなたは何を差し出した」って作中言ってたけど、ここでいう差し出すもの=対価はバトルに負けた時のリスクってことかなぁ?
これは1・2話でメガネが負けても大したこと無さそうで「どういうこっちゃ?」と思ってた部分なので、次回そこの掘り下げやってくれたら嬉しい。
ってか2話までのノリだと最後は…ちょいと前に“ウマ娘”って作品で見たばかりで連想しやすくなってるってこともあるんだろうけど、「皆で手を繋いでゴール」ってことになりそうでイヤな予感がしてたので、早いとこその可能性は否定して欲しい。

それにしても変身?シーンをバンクで毎回やってくれるってのは深夜としては結構珍しいんじゃ?
自分的には嬉しいけど、果たして本当に毎回バンクと戦闘入れてくるのか?
もしそうなら、それって結構な「縛り」内容で…逆に言うとそんな縛りプレイしてるのであるなら、他の部分(大体ストーリー)がおざなりでもあんまり気にしない…のかも知れない、自分は。

そうそう、それと2話でカキワレがバタンと倒れて、窓だったか穴だったかで仲本工事の居る所だけ安全地帯ってシーンがあって「お、ドリフか?」と思ったら3話でもドリフ坂が登場。
ま、まさか…毎回ドリフ入れる気か?
(ってかドリフがどうこうってことじゃなく、恐らくドリフが凄すぎて舞台ギミックやり尽くしてるってことなんだろうけど)
「どこかしら開いてる箪笥」とかやってくれたら嬉しいなぁ~、見たいなぁ(チラッチラッ{/netabare}

8話までの感想{netabare}
4話以降↑で誉めてた変身バンクが無くなって「あれー?」とちょっとガッカリしつつ見続けてたのですが…7話で話が動き出した、のか?
後から言ってもアレですが、バナナは序盤からな~んかラスボス感を漂わせていた。
裏方やってるので「表舞台のアクの強い連中のワガママに愚痴を零す」…ってことが無くて、ドンと構えててなにか余裕がありそうな感じだったので。
そんなバナナが、本気を出せば裏オーディション優勝できちゃう強キャラだったことが7話で判明。
但しバナナの“望み”は過去にやった舞台の完全再現で、もっと新しいモノを・もっとより良いモノを~と目指してる他キャラとは正反対の思考。
かくしてオーディション優勝の力で何度もループしてて、それにはキリンも呆れてる模様。
ってことでバナナループ世界に変革もたらすかも知れないひかりが日本にやってきて──ってところで7話終了。

で、ここまでは良いんだ、「おおっ」って思ったさ。
けど8話。
前半はバナナループ以前の時間、ひかりがイギリスに居た頃の話。
この時間は“バナナ優勝による願い実行期間”の範囲外だよね?
てっきり自分はループしてるように見えてて実は段々と変化が出てて、それが閾値を超えるとひかり発動になるのかなーみたいなことを思ってたのだが…。
「じゃあひかりが来ないでバナナループしてた世界線ではひかりどうしてたん?」ってのはどうしても気になってしまうトコロで…。
8話の内容だけで判断すると、まるでキリンがバナナループよりも広い範囲で干渉力を持ってるような?
ループに飽きたキリンがループの範囲外にちょっかいをかけた、みたいな。
う~ん、これじゃあデウスエクスマキナじゃん?
キリンのご機嫌取りする話ってことになっちゃわない?
キリンをぶっ倒す話じゃないのは分かるが、あっと驚かせることをしてそれで終わり…なんてオチだったらちょっと残念かなぁ。
あ、それと後半、バナナはずっと黒バナナだった。
温和な表情を交えつつの方が良かった気ががが。{/netabare}

9話感想{netabare}
おお、劇中劇の「スタァライト」のあらすじ紹介してくれました。
てっきり“レクリエイターズ”の茶番フェスみたいに「そういうことがあったんです、詳細はボロが出るので言いませんし面倒なので考えてもいません、どうせバカな視聴者が都合よく解釈してくれるし、ホラ考察しろよ、ホラ」ってはぐらかすのだろうと思ってたのでビックリ。
なるほどねー、途中はだかる女神の司る“業”が各キャラに該当してたってことか。

一方、バナナループより前の時間に干渉してた件については「過去は現在に影響している、未来も現在に影響している」って言葉が出て…まさかこれで説明したことにするつもりか?
「この作品ではそういう設定です」って言われたら納得するしかないんだけどさ…う~んう~ん…。
元はイギリスオーティションで敗退したけど“きらめき(≒やる気)”を失わずくすぶってるひかりが日本へ来たって流れなので、バナナループ最中「なんか変だ」「こんなんじゃない」って疑念・不満が沸いてそれが過去のひかりのきらめきとして蓄積されたってことじゃないと、う~ん。
バナナ自身もちょいちょいとアレンジ入れてたみたいだしさ。
他の理由でもいいけど、今後そこら辺触れてくれるのかね?
とりあえず現状は↑でも書いた通り「キリン様のご機嫌次第」って感じでどうにも釈然としない。{/netabare}

最終回まで見て{netabare}
途中まではかなり好きでした。
バンクシーンがカッコ良くて舞台シーンの演出も凝ってて。
なにより天才と言われながらも日々怠ることなく鍛錬を続けてた優勝候補と目されるテンドーを、決して日々鍛錬してたとは思えないバナナが生まれ持った恵まれた体(二刀流自体が怪力前提でしょう)だけで負かしてしまうのはちょっと爽快でした。
オレTUEE系の良いトコロ…だったのかな?
最近自分が「ガタイのいい美少女」に嵌ってるせいもあるんだろうけど(セーラージュピターはそんな好きじゃないハズなんだが)…もうバナナなんか身長3メートルあっても良かったと思うぞ?
また、翻訳版ではダメで原本を読み解くことで解決へのヒントを得るって展開も好きでした、wizのKODを思い出す(ってかあれは酷いと思うが)。
あとは「引っかかってる部分」を最終回でどう決着つけるか次第だったのですが──。
まぁ何が引っかかってたかというと↑でも書いた「結局黒幕はキリンで、オーディション出場者はそいつのご機嫌取りをしてるだけ」だったらイヤだなぁっての。
そして果たして最終回は…

えええ、そりゃねーよォ

不安的中、キリンのご機嫌取りでした。
キリンは舞台の精霊だか神様だか、そんな存在だったと解釈するのが自然かな。
そこまでなら「思った通りだ、まぁ仕方ないか」ってことでそんなにははガッカリしなかったけど、この作品は余計なひと捻り入れちゃってくれました。
キリンこっち向いて「そう!私はソレ(女の子が苦労する・葛藤する・戦闘するシーン)が見たいのです。そう、あなたと一緒、ワカリマス」だってさ。
…。
オイオイ、“黒幕”の共犯にされちったよ。
えええ、そりゃねーよォ。
そんなん言わんでも分かりきってることっしょ、言わぬが華よ。
アニヲタは女の子が不幸になるのが大好きなんだよ、“ヴァイオレットエヴァーガーデン”見りゃ分かるじゃん、不幸で不幸でカワイソカワイソ言って勃起してんだよ。
そりゃあね、舞台っぽい演出目指すなら「観客いじり」もあるかも知れんが、だったら「さぁみんなでプリキュアを応援して」「プリキュアがんがえー!」って方がまだマシだったような…。
ってか“LOSTSONG”の役者の過剰演技の方がよっぽど舞台っぽい気が。
あ、それでも「作中作」の内容を明かしてくれただけ“レクリエイターズ”(別に恨み持ってる訳ではないが同じポカを繰り返して欲しくないのでタイトル明記しておきます)よりはマシだけどね。
ぐぬぬ、なんでこんなことに…バナナの巨体から繰り出すウェイトの乗った攻撃を流してくれるだけでも満足だったのに…。
ってか主役バナナじゃね?一番「問題」を抱えてて、一番救われた「幅」がデカいのはバナナのような?
ヒカリやカレンを主役然としたいなら、イギリスで勝てなかった慙愧の念とかきらめきを失った状態のヤバさを知っての決意の表れとか…そういった描写がもっと必要だったと思う。

そうそう、それとこれ最後まで言わずにおいたけど、作画頑張ってるだけあって、また「舞台(=アクション)」ってこともあってか、重力は凄い意識してる気がする。
OPの「胸を~焦がしてるぅー」のところの走ってるシーン、オノマトペ入れるとしたら「スタッスタッ」じゃなくて「ドスンドスン」って方が合ってそう。
単にデザインなだけかも知れんけど…足が太いのか?
女の子だからって人間一体はそれなりの重量はあるワケで、この表現は結構好きだったり。
で、それだと一番ウエイトのありそうなバナナの強キャラ感が増しまして…まぁその、目立つんよね、舞台栄えといいますか。
でもって最終回がこんなだと、結局見終わった後の印象としては「バナナかわいかったなー」くらいしか残らないような…。
アレだ、“バトルガールハイスクール”を見終わって暫く経ったら「あんこ(キャラ名、主役ではない)」しか覚えてないみたいな、そんな感じ。

なんか惜しいなぁ、最終回で冷や水かけられたというか梯子外されたというか…。


追記
7話見返してみたら、バナナは自覚してない部分で「なんかこれは違うなぁー」と思ってて、それがヒカリ発動に繋がったって解釈の方が正しいっぽい、キリンが何か仕掛けた訳ではないみたい。
けどそうだと尚更バナナが目立って…もうバナナ主役でよかったんじゃね?と思わなくもないが、それだとまどマギ感が強くなりすぎて(充分強いが)アカンかったのかな?{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

53.8 16 演劇アニメランキング16位
アクエリオンロゴス(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★☆☆ 3.0 (168)
786人が棚に入れました
ロボットアニメの王道と呼べるギミック“合体”を通じ、人とその関係性を探求することをコンセプトとした『アクエリオン』シリーズ。記念すべきシリーズ10周年に送り出される第3作『アクエリオンロゴス』で語られるテーマは“文字”である。


SNSなどの普及によって、意味をなさない文字が増えた現代。

文字の世界であるロゴスワールドでは、現実世界にも影響を与えるほどの異常事態が発生する。

灰吹陽たち創声部のメンバーは、文字に込められた意味を紐解きながら、世界の危機に向き合っていく。

アクエリオンと文字が巡り合い、生まれる新たな力とは?

10年目の合体が新たな時代を切り開く!

声優・キャラクター
島﨑信長、佐倉綾音、千菅春香、梅原裕一郎、淺井孝行、小澤亜李、安達勇人、白石涼子、中野さいま、中田譲治

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

一万年と二千年前はいずこへ・・・^^;

この作品はこれまで放送された「創聖のアクエリオン」「アクエリオンEVOL」と同じオリジナルアニメ作品です。

かつて一万年と二千年前に勃発した人類と堕天使との大戦・・・堕天使アポロニアスと人間であるセリアンの禁断の恋に落ち、大きな運命の歯車が回り始めました。
「創聖のアクエリオン」では、アポロとシルヴィアが・・・
「アクエリオンEVOL」では、アマタ・ソラとミコノ・スズシロが・・・
それぞれ一万年と二千年という途方もない悠久の時を隔てて蘇る熱き戦い・・・
2期(EVOL)も面白かったですが、1期の面白さが・・・特にシルヴィアの可愛さが半端なかったのを鮮明に覚えています。

この作品は3期に位置する作品だと思いますが、1,2期を視聴していない場合はそちらから視聴した方が良いか・・・と問われると答えは微妙です^^;
制作発表の段階で「1,2期を視聴していなくても楽しめる作品を作る」という事を制作側が言っていましたが、確かにその通りだと思います。
その当時はあまり深く考えませんでしたが、1,2期を視聴していなくても頼めるという事は、1,2期との接点が少ない・・・という事なんですよね^^;
「アクエリオン」と一万年と二千年前の設定は、切っても切り離せないモノだとばかり思っていました。
創聖のアクエリオンのオープニングのサビにも出て来るくらいなのに・・・

一万年と二千年て途方もなく長い時間だと思います。
その間ずっと待ち続けて・・・やっと出会えた奇跡の様な瞬間・・・
だから必死だったし、なりふり構わず本懐を遂げようとしたんです。
だって、この期を逃したらまた一万年と二千年待たなければいけないんですもん・・・

そう考えると文字と声を力の源にした本作品は、過去2作品とは少し異質なんですね^^;
前作から踏襲されているのは、アクエリオンの機体と所属する組織くらいでしょうか・・・
1期:地球再生機構ディーバ
2期:ネオ・ディーバ
今期:世界創声力機構ディーバ

この作品は、軽薄で無意味な文字が繁栄する社会を破壊しようとロゴスワールドの文字に現実世界の文字を侵食させようと企むネスタと、それに対抗するため声の持つ力「創声力」でベクターマシン操りロゴスワールドの文字の暴走を止めようとする両者がぶつかり合う物語です。

改めて登場人物の名前を見ると様々な状況が思い浮かびます。
2クール作品なので、一人一人に焦点を当ててしっかりキャラを深掘りしているんですよね^^;
舞亜とショウコさんが軸になって展開の時には、涙で前が見えなくなってしまいました(//∇//)
文字と声の力・・・どの様に着地させるのか・・・気になる方は本編でご確認下さい。

【世界創声力機構DEAVA】
 灰吹 陽(CV:島﨑信長さん):ベクター壹号機
 月銀 舞亜(CV:あやねる):ベクター貳号機
 綺声神 心音(CV:千菅春香さん):ベクター参号機
 土聞 努虫(CV:淺井孝行さん):ベクター肆号機
 空篠 翼人(CV:梅原裕一郎さん):ベクター伍号機
 海凪 花嵐(CV:小澤亜李さん):ベクター陸号機
 粗朶 桜子(CV:白石涼子さん):ディーバの総司令
 岩上 ショウコ(CV:中野さいまさん):オペレーター

オープニングテーマ
May'nさんの「ヤマイダレdarlin'」と「夜明けのロゴス」
エンディングテーマ
千菅春香さんの「ジュ・ジュテーム・コミュニケーション」
May'n featuring 千菅春香で「本当の声をあなたに預けたくて」
前半、後半で主題歌が分かれていましたが、後半のOP、EDはどちらも難しい歌でした^^
格好良いんだけれど難しくて中々頭に入ってこない・・・そんな感じでした^^;

そして挿入歌には・・・きっとこれはお約束なんでしょうね^^
「創聖のアクエリオン」(1期OP)
「君の神話〜アクエリオン第二章」(2期OP)
曲が流れた瞬間テンション上がっちゃいました(//∇//)

2クール全26話の作品でした。
これまでの様にアポロニアスらとの繋がりはありませんでしたが、完走して振り返ってみると堪能させて貰った作品だと思います。
お気に入りのキャラは舞亜・・・あやねるの演技も抜群でした^^
4期があるなら・・・もう一度アポロニアスとの繋がりを描いた作品が見たいです^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15
ネタバレ

Robbie さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

アクエリオンとしてでは無く1つのアニメ作品としての評価

無印、EVOLを視聴してすぐに書いた感想

全アクエリオンファンを裏切った作品。
本当に存在するだけで迷惑な作品。
アクエリオンを語るうえでこの作品は観なくても良いレベル。
まず、設定が子供向けすぎる。
特撮の失敗作みたいな出来だった。
...と上記から分かるように前2作のような熱さを期待していたら見事に肩透かしを食らったためもはやレビューというより怒った時に書いた感想になっている。

そして、今回2度目の視聴を終えた。
注意したことはアクエリオンであることを忘れるということだ。
そのためレビューのタイトルにある通り1つのアニメ作品として評価する。
この作品はまず最初から勢いが全然無く物凄く退屈だ。
キャラは終始寒いギャグを連発してるしろくにテーマ性のない出来の悪い1話完結の回が多すぎるため。
したがって、途中で断念した人もかなり多いと思う。
しかしこの作品、20話からはそこそこ面白いのだ。
伏線も回収されているしそれ以前の回に比べると全然無駄が無い。
最後もスッキリ終わる。
{netabare} ただ、留置所のシーンはエピローグで流してそれで〆た方がより良かったと思う。{/netabare}
1クールにしろとは言わないが(1クール目と2クール目でテーマ性が結構変わる構成のため)無駄な話がほとんどだったためもう少しテンポを意識して欲しかった。
ハッキリ言って約3割はいらない回だと感じた。
しかし残りの7割全てが出来が良いという訳ではなく伏線とキャラの成長する回のためまあ必要だろうと感じた程度。
物語とキャラに関しては以上。
映像面は同時期のアニメに比べればまあまあ綺麗な方だと思うがこの作品の3年前に放映されたEVOLとは比べられないくらいクオリティーが低い。
これはEVOLのクオリティーが高すぎるというのもあるがもう少し頑張って欲しかった。
安っぽいCGにオタクに媚びを売ったような同人レベルのキャラデザは残念だった。
声優に関しては演技によって熱くなれるシーンはなかった。
叫ぶシーンや合体シーンも印象薄いし...
そこそこ豪華な面子のため残念だった。
音楽は劇中BGMは本当に印象が薄い。
1曲も頭に残っていない。
歌はどの曲も良曲だったと思う。
アクエリオンらしさはないがこの作品には合っていると思うし単純にレベルが高い。

最後になるがこの作品は全アクエリオンファンを裏切った作品であることは間違いない。
だってアクエリオン10周年記念作品なのにアクエリオンらしくないのだもの。
10周年記念作品は短いけど創勢のアクエリオンEVOLで良いと思うし。
いくら同じものを作らない監督であってもマクロスのように良いところは引き継ぐべきだろう。
まあ、そもそもアクエリオンはEVOLまでで良いというのが本音だが。
しかし、上記に書いたように20話以降はそこそこ面白いし河森正治ファンであるのなら観ても損はないだろう。
それ以前の回はつまらな過ぎるため忍耐力は必要だが。
趣味の話だがこの作品、いつになったらスパロボに参戦するのだろうか...
参戦すれば多少は救われると思うのだが...

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

”声をテーマにしてる”ってとこがじわじわと面白さになってきてる。(2話まで視聴して)

※★の評価は暫定的なものです。最後まで見終えてから再度つけなおす予定です

アクエリオン1期、2期ともに数話見て断念してしまっています><。

>1話まで視聴して。
まず第一印象としては
「戦隊ヒーローもの」×「某クイズ番組?」×「エロアニメ」
・・・といったところでしょうか?www。

真面目にやってるのかふざけてるのか判断に苦しみますが
この”他作では観ることのできない絶対的な突き抜け感♪”
が本シリーズの最大の魅力なのかもしれませんね^^。

一部だけ見ると、なんか昭和臭??っぽいような雰囲気もありますが
なんか”あえてやってるんだ的”な”ダサカッコ良さ”的に見えてしまうところも
ある意味マジックかもですw。

あと、本作はなんか漢字の勉強に役立つかも??!。
・・・・・って、役立つ訳ありませんww。

ひょっとしたら今後も続きも観るかもです(未定)。
(ずかちゃん出演効果で)


----------------------------------------------------------------------------
>2話まで視聴して。
1話同様、”合体のシーン”でお腹が痛くなるくらい笑えます!w(褒め言葉)。
なるほど~。
色々と”声”や”言葉”、”文字”といったところを起点にアイデアを張り巡らせた
・・というか思いつく限り何でもやってみてる感じ。

主人公の中二すぎなところや最強すぎるところや悟り過ぎてる感ありありなところは
若干マイナス要素的ですが、実際にはそんなにマイナス要素にはなってないです。

いろいろ都合が良すぎるし、説明的なセリフがガバガバ出てきますが
そういうのも全部含めて”いい意味でのバカアニメ”として楽しめます(褒め言葉)。

所々の”感情の描写”もクオリティー高いなと感じることがあり
ひょっとしたら今後もさらに続き観るかもです(未定)。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

75.4 17 演劇アニメランキング17位
BEASTARS(第2期)(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (190)
772人が棚に入れました
「BEASTARS」は「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)にて連載中の、板垣巴留さんによる同名コミックが原作。肉食獣と草食獣が共存し、食肉が重罪とされる世界で、ハイイロオオカミ・レゴシはドワーフウサギ・ハルと出会う。我を忘れて襲いかかり気付いた時には、彼女を両腕に抱きすくめていた。「彼女を求める気持ちは、恋なのか? 食欲なのか?」――差別、愛、弱さ、希望を描く、珠玉の動物版ヒューマンドラマ作品である。「BEASTARS」第2期が、フジテレビ「+Ultra」ほかにて2021年に放送予定。

声優・キャラクター
小林親弘、千本木彩花、小野友樹、種﨑敦美、榎木淳弥、内田雄馬、大塚剛央、小林直人、下妻由幸、岡本信彦、落合福嗣、虎島貴明、渡部紗弓、室元気、井口祐一、原優子、兼政郁人、大内茜、山村響、あんどうさくら、梶裕貴、大塚明夫、星野充昭、堀内賢雄、楠大典、木村昴
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

共生を強制してみた

+ultra枠 原作未読

つい先日視聴した「プロが選ぶ!日本のアニメの歴史を変えたスゴいアニメ14」なる番組で、本作『BEASTERS』の3DCGのキャプチャ技術が紹介されてました。なんでもCGで眉や唇など表情に動きを出すのが凄いのだとか。
歴史を変えたは言い過ぎでも技術屋視点でも面白い作品なのかもしれません。

当方の見立てはよりドラマに視点を置いてます。
擬人化された肉食獣と草食獣が共存する一見平和な世界を舞台に、異種族間の共存や浮き彫りになる矛盾と対立を描いた意欲作の2期全12話。

 お友達と仲良くしましょう

我々人間ですと、成長と共に「そうは言ってもな」という現実が目の前に現れるわけでして、どうにかこうにか折り合いをつけて過ごしていくことになるのですが本作では“お友達と仲良くしましょう”がいわば強制されてる世界を描いてます。
動物だからこそ人間で問題提起するのよりも“本能”が際立つ効果があり、そのことで逆の観点と言いましょうか“理性”でどう押さえつけるかも引き立ってくる仕掛け。未読ですが原作の設定が秀逸なのだと思われます。

そんな種族間の共存と対立を描くにあたって1期では“草食と肉食の恋愛”をクローズアップ。とっつきやすい導入です。
2期ではより踏み込んで“草食と肉食各々の自我探求”にスポットが当たってきます。恋愛するでも目を塞いではいられないアイデンティティを深掘りする感じ。
{netabare}ハルちゃんとホテルでアレできなかった1期にて、“そもそもアレすることが御法度”“意図せず傷つけてしまう鋭利な爪や牙”とこれでもかと種族間の断絶が提示されてました。もともとレゴシは1期アバンでハルちゃんうっかり食おうとしてたしね。{/netabare}
そして物語を彩るお楽しみポイント↓

 食殺犯は誰?

ミステリ展開をそれほど期待してませんでしたが、それを見越してか最後の最後に犯人が分かって謎解きスッキリ!というお話にはなってません。早めに犯人が判明しちゃいます(笑)
作者が描きたいのがミステリではないと思われるので、2期の半ばでちゃっちゃとバラしちゃったのは正解。犯人が判明してからの犯人のメンタリティに着目するとわりかし楽しいです。


他の国は知らんけど日本には鳥獣戯画ってものがあります。国宝はなんでも12世紀のものだったとか。
世相を切り取って獣に語らせるアイディアは昔と変わらず。そんな日本人のDNAを最新の技術で包んだものを輸出用“+ultla枠”として世界に提示する。異文化間の争いが相互の無理解から生じるのであれば、その解消に本作品は一役買ってるといえるのかもしれません。
ただしパンチも効いてますよね。あくまで私の解釈ですがこの作品↓

 ポリティカルコレクトネス

通称ポリコレ(政治的妥当性)へのやや斜め方向からのアンチテーゼであり、ポリコレ先進国アメリカに日本から皮肉を込めてるのかどうなのかこの『BEASTERS』を提供するのはなんとも不思議な気分です。
弱者という設定を盾にして歪な権利拡大を要求し続けた結果の終着点はディストピアでしょう。
ただしポリコレ的なものを一概に悪いものとして扱ってはいません。生き物としての自然な姿と理性をもって秩序を作らんとする姿との単純な二項対立にはなってない分、ちょっぴり考えさせられる良作になっておりおススメです。




※ネタバレ所感

■食殺犯のジレンマ

{netabare}内部でしたね。動機もなかなかサイコです。
友情の証と言い聞かせながら肉食の本能に抗えなかった自覚もあることから完全サイコパスと断じるには気が引ける犯人でした。嫌っていたピナ(CV梶裕貴)に手をかけなかったのは、あくまで食殺は友情行為だという物語を信じこみたかったからかもしれません。だから根が深い。{/netabare}
全般通して答えを簡単に出せる題材ではないのです。


■どっかで見たことあるなぁ

現実でも「そら欺瞞ですわ」を想像させるネタは随所に。

・暴対法施行でイメージチェンジしたいヤクザの思惑
 ⇒{netabare}ボスに草食獣を据えるしし組の判断{/netabare}
・意識高いSNS
 ⇒{netabare}肉食と草食のワンショットをアップ{/netabare}

このくらいで。。。



最後にポリコレで締めます。
1期が2019秋クールでそれから1年ちょっと経てからの2期でした。(※注2021年4月当時)
この間何が起こったか一つ挙げてくださいといえば多くはコロナ禍と答えるでしょう。
日本では自粛警察なる言葉が踊り、ポリコレ棒ぶん回す人々を面倒くさいなと思うようになりました。
そのポリコレ先進国アメリカでは大統領選が荒れに荒れました。ポリコレ大好きな人達の「トランプ支持者は人に非ず」が罷り通ってる気持ち悪さを感じました。
逆もしかりで、ここ最近のUber Eats配達員の配達料引き下げ事案なんかは独占的地位の濫用でえげつないもんです。GAFAもけっこうフリーダムですよね。自由にやらせるにしても“神の見えざる手”でレッセフェールばかりしてると庶民が困窮するのも事実なんです。要は程度の問題。

おおむね鬱陶しいであろうポリコレの完成した世界においてそれを全面否定するのではなく妥協点を探り一定の答えを出した点を高く評価したい作品であることは先述の通り。とてもタイムリーでした。
そのなんとか良い塩梅、程度の良いところで手打ちできるかを探る嗅覚はハイイロオオカミよりも日本人は優れていると思いますよ。狙ったかどうなのかそれを引き出した本作のプロデューサーが韓国出身のキムヒョンテ氏という事実も興味深いもんです。優れた仕事には拍手を!

これほど世界は多様なのよねってのがわかる。極端はいかんのよ。



視聴時期:2021年1月~2021年3月   

------


2021.04.21 初稿
2022.01.23 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

食殺事件の解決・・・、いい事も悪いことも俺の宝だ・・・。

1期から続く、この作品の中での重要なエピソードの一つ。
レゴシの所属する学園、演劇部の友人が食殺された事件に決着をつけるシリーズと言っても過言ではない。

なので、全体的には重苦しい雰囲気が漂い続ける。
また、この期でも「肉食獣と草食獣」という事についての、苦悩と葛藤が描かれ続ける。
レゴシがルイが、そしてリズも・・・。
いや、程度の違いはあれ、そのほかの登場人物たちも、この己の成り立ちについて他者とのつながりについて、時には心身共に痛みを味わい、違和感を覚え、より良い関係とは何かを模索している。

1期の感想でも書いたが、この作品の内包する要素・テーマは非常に多彩多様で、鋭く、深く、重い・・・。
これは、私的にも安易に持ち込みたくないのだが、リアル世界にある差別とか偏見、主義主張についてのメタファーだと言ってしまえば、もうこれは、当てはまるものが相当含まれている。
いちいち、これとあれと、どれとなんて言うまでもないだろう。

だから、問題作だとか、話題作だとか、テーマが深いとか、作者、作品がスゴイと言う風に「私は言いたくない、この作品については」

これらを踏まえた上で、あえて作品中のキャラクターの動き、発言だけを追ってみていきたいと思って観てきた。
つまり「あ~これって、このキャラ使ってこういう事を言いたいんだなー」とか「このキャラの行動って、作者さんはリアル社会に対してこういう問題意識を持っているのか~」なんていう、リアル社会への投影を避けて視聴してきたという意味だ。
もちろん、こう考えてしまっている以上、視聴中に「あ~」と浮かんでは来るのだが、「まてまて、この物語、世界観の中での各キャラの思い、考えなんだろ」と修正してきたのだ。

こんな作品て、今まであんまりなかったよ。
ある意味では、普通以上にキャラクターの心情に寄り添いながら観ていたと言ってもいかもしれない。
だから、面白かったとか、楽しかったという感情は実はあまり湧いてこなくて、少々、疲れたり、もっと言えば、必死に考えながら観ていたと言ってもいいかも。

ただ、楽しいとは感じなくても、視聴による満足感とか、達成感、
好きだった原作がアニメになったストーリーを追えた充実感はもちろんあった。(いや、まったく面白くなかったと言う訳ではないのだけれども、エンジョイできた‼ってタイプの作品ではなかったからね、今期は)

あ、あとジュノはやっぱり可愛らしいね。
ハルちゃんもそうなんだろうけど、今回はジュノに軍配を上げようw

相変わらず、原作を知らない方、未試聴の方にとっては、何を言っているんだ、という感想になるとは思うのですが、
やっぱり、観ておいても損のない作品だとは思います。
あ、原作も面白いですよ、機会がありましたら、読んでみて下さい。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

抗えない性(さが)を受け入れて…

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版第1期は視聴済です。
第1期を視聴した時には、擬人化された肉食獣と草食獣が生活・共存しているちょっと異質な世界観に少し戸惑いを感じましたが、第2期にもなると流石に慣れてきました。


「俺、もっと強くなるよ。この社会にも、本能にも負けないために」
肉食獣である自分自身を受け入れ、ハルとの恋に向かって一歩踏み出したレゴシ。

しかし、平穏な学園生活を取り戻したかに思えたレゴシに、新たな危機が忍び寄る。
それは未解決の『食殺事件』の犯人の影だった…!

さらに裏市では、倒したはずのシシ組の残党が、
『新生シシ組』として再び力をつけ始めており…

新たに訪れた強大な試練を前に、
レゴシは『本当に大事なもの』を守り抜くことができるのか?

食欲、性欲、承認欲求。
様々な欲望に翻弄される、若き動物たちの青春はまだまだ終わらない…!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

「ハルとの恋に向かって一歩踏み出したレゴシ。」
とINTRODUCTIONに記載されていましたが…何か進展ありましたっけ?
個人的には第1期より距離が広がった気がしたんですけど!

個人的にはどうもレゴシが迷走しているようで仕方がありませんでした。
それはルイに対しても同じことが言えると思いますけれど。

確かに学校で「食殺事件」は発生しました。
ですが、もっと学生らしい解決の仕方もあったと思うんです。
それが例え矜持だとしても…

どうも舞台が学校の外に移ってからの物語は、正直良く分かりませんでした。
本能を理性で捻じ曲げていたから…なんでしょうか。

もしかすると全般的なことなのかもしれません。
例えば動物は食べると食殺になるけれど、植物は大丈夫という理屈…
確かに植物は声を上げることもなければ感情だって表しません。
でも植物だって生きてるんですよね。
それに昆虫だって生きていますしね…

命に対する線引きの仕方が曖昧な気がしたからなのかな…
この作品の訴えようとするメッセージがあまりよく分からなかったのが正直なところです。
もう少し自分に正直になっても良さそうな気がしました。
だから個人的には最終話の展開は嫌いじゃありませんでした。
だって、あれが本来の在り方なんだから…

オープニングテーマは「怪物」
エンディングテーマは「優しい彗星」
どちらもYOASOBIさんが歌っています。

1クール全12話の物語でした。
これからも物語は続いていくようですね。
この物語の顛末が個人的には気になります。
それにレゴシとハルちゃんとの関係も…
続きがあるなら是非視聴したいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

70.1 18 演劇アニメランキング18位
彼女、お借りします(第2期)(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (203)
749人が棚に入れました
「週刊少年マガジン」で好評連載中、宮島礼吏による世界累計1,000万部突破の大人気ラブコメの、TVアニメ第2期! ダメダメ大学生・木ノ下和也は清楚可憐な“レンタル彼女(レンカノ)”・水原千鶴と出会い、家族にも友人にも、千鶴が “彼女”だと嘘をついてしまう。 本当のことが言い出せないまま日々をすごす和也の周囲には、謎アタックを仕掛けてくる、小悪魔的な元カノ・七海麻美、やや強引なところがある、超積極的な彼女(仮)・更科瑠夏、極度の人見知りだが、健気で頑張り屋の後輩レンカノ・桜沢 墨と、超絶美少女な“彼女”がいっぱい!! 飲み会や海水浴、温泉旅行にクリスマス、お正月。 様々なイベントを乗り越え、千鶴への想いが募っていく和也。 そんな中、千鶴から”2人の関係”を揺るがす告白が……! 「私、レンカノ辞めようと思うの」 2期もラブ×ドキMAX限界突破! “彼女”たちとの“リアル”輝く“レンタル”ラブライフが、ふたたび幕を開ける!!

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

個人的には瑠夏ちゃんしか勝たん

冷静に考えると和也がクズにしか思えなくなってまう。

瑠夏ちゃんのキスがエッチすぎるんだが。性欲全開な感じがたまらん。お泊りもしちゃっているし。彼女に全てを持っていかれる気がする。魂吸われるキスですよ。とはいえ、彼女とくっついたら物語成立しませんものね。残念。

墨ちゃんは相変わらずよく分からないキャラクターどすな。こんな恥ずかしがり屋っている?本当に恥ずかしがっている??会話できないだけで結構、積極的じゃない?

麻美ちゃんはメンヘラすぎて怖い。どんだけ男女仲の邪魔したいねん。公道はある意味一貫してるから、嫌いだけど面白いキャラクターだとは思う。悠木碧の演技がやはり凄い。声のトーンだけで性格悪い感じが醸し出されている

千鶴のほうも唯一残された肉親である祖母のことを考えると無碍にはできないというかむしろ、惹かれる気持ちが強くなっているのだろう。一応彼にはひたむきさはあるようなので。

結構原作の巻数多いみたいですね。ストックはありそう。今後どう展開していくかは気になるところ。

クラウドファンディング上手くいくのかな?


OP
ヒミツ恋ゴコロ CHiCO with HoneyWorks
ED
言えない feat.asmi MIMiNARI
挿入歌
センチメートル the peggies
まみラップ 七海麻美(悠木碧)
DATE 水原千鶴(雨宮天)
彼女宣言 更科瑠夏(東山奈央)
桜selfish 桜沢墨(高橋李依)
Favorite Lover 水原千鶴(雨宮天)、七海麻美(悠木碧)、更科瑠夏(東山奈央)、桜沢墨(高橋李依)
OPはCHiCOさんらしさ全開ですな。サビのところの4人のヒロインの踊りが可愛い。
今期はキャラクター毎のキャラソンが用意されている。まみラップてなんか衝撃的。色々と凄い。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
ダメダメ大学生・木ノ下和也は清楚可憐な“レンタル彼女(レンカノ)”・水原千鶴と出会い、 家族にも友人にも、千鶴が “彼女”だと嘘をついてしまう。 本当のことが言い出せないまま日々をすごす和也の周囲には、 謎アタックを仕掛けてくる、小悪魔的な元カノ・七海麻美、 やや強引なところがある、超積極的な彼女(仮)・更科瑠夏、 極度の人見知りだが、健気で頑張り屋の後輩レンカノ・桜沢 墨と、 超絶美少女な“彼女”がいっぱい!! 飲み会や海水浴、温泉旅行にクリスマス、お正月。 様々なイベントを乗り越え、千鶴への想いが募っていく和也。 そんな中、千鶴から‟2人の関係”を揺るがす告白が……! 「私、レンカノ辞めようと思うの」


1. 「夢と彼女」-ユメカノ-
「女優1本でやってくのも、アリかなって」 “彼女のフリ”をしてもらっている水原千鶴のひと言に、ダメダメ大学生・木ノ下和也は破滅の危機に立たされていた。千鶴は女優として出演する舞台が成功したら、レンカノを辞めるというのだ。 舞台の情報を目にした和也は、こっそり劇場を訪れる。そして、運命を左右する舞台の幕が上がり--。

2. 「いつもの彼女」-オフカノ-
チャンスを逃して落ち込む千鶴を応援し続けると決めた和也は、さっそくレンカノのサービスを利用する。 いつものようにデートを終えた和也に、千鶴はいつもと違うひと言を投げかける。 「あなた時間ある?ちょっと寄りたいところがあるんだけど」

3. 「再来の彼女」-サイカノ-
家に帰った和也のもとに、先ほど別れたばかりの千鶴が訪ねてくる。 「鍵…失くした……」 自宅に千鶴を招き入れるという状況に、混乱と興奮が抑えられない和也。

第4話 「夜と彼女」-バンカノ-
大学のコピー機で資料を印刷している和也のもとに麻美が現れ、千鶴がレンタル彼女であることを知っていると告げる。麻美と千鶴のやり取りを知っている和也は、オーバーリアクションで誤魔化そうとする。そんな和也の慌てぶりに、麻美は思いがけない一言を告げる……。「まさか和くん。本気になってないよね?」

第5話 「誕生日と彼女」-バーカノ-
瑠夏との一夜の翌朝、和也は千鶴と偶然出会う。自然体を努めながら千鶴にレンタルの誘いを行うも、瑠夏との関係を誤解されたまま断られてしまう。何とか誤解を解きたい和也は千鶴の誕生日に気がつき、ある決意をする。「しっかりお祝いして、なんとか誤解を解きたい!」

第6話 「酒と彼女」-エンカノ-
瑠夏との誤解が解けた和也は、フェアなお隣さんとして千鶴との距離も縮められたと手ごたえを感じる。そんなある日、「そういえば和也、今日飲み会出れる?」と木部から飲み会の誘い。居酒屋を訪れると、そこには“一ノ瀬ちづる”の姿があり--…?

第7話 「元カノとカノジョ」-トリカノ-
二日酔いに苦しむ和也は、昨晩起こったことのどこまでが現実なのか分からずにいた。その後バイト先で瑠夏と会った和也は、自分たちの関係が誤解だと千鶴に信じてもらえたことを告げる。詰め寄る瑠夏。しかしそれはある客の来店で遮られる。「あ、ハロー。和くん」そこには麻美の姿があり……。

8. 青春と彼女
久しぶりに千鶴をレンタルしようとサイトを見ると、千鶴がランクアップしていることに気づき喜ぶ和也。 いつも通りの予定調和なデートでは飽きているのでは?と自己弁護をしながら和也はあることを考える。 「どもっ」 待ち合わせ場所に現れたのは制服姿の千鶴。和也の高校時代からの憧れのデートが今始まる……!

第9話 「キスと彼女」-ジッカノ-
毎年実家で行われる和也の誕生会。千鶴の誕生日を祝い損ねた和は、千鶴と和也の合同誕生会を行おうとする。何とか千鶴に来てもらうようお願いする和也だが、迎えた当日、「さぁ、ご実家へ参りましょうかっ」和也の目の前に瑠夏が現れて……!?

第10話 「指輪と彼女」-リンカノ-
突然の瑠夏とのキスに、和也は今まで瑠夏に大きな我慢をさせていたことを実感する。瑠夏への想いが和也の脳を駆け巡るなか、和は千鶴に小さな箱を渡そうとする。それは和がかつてもらった婚約指輪であり、千鶴に譲りたいという……。戸惑う千鶴、いたたまれない瑠夏を見た和也は決意する。「千鶴が受け取るわけにはいかないんだ……」

第11話 「お饗しと彼女」-モテカノ-
ある朝和也は、千鶴にベランダに呼び出される。どうやら墨がまたレンカノの『練習台』をお願いしたいらしい。承諾する和也だが、小百合の容態と千鶴のことが気になりどこか上の空……。当日待ち合わせ場所へ行くと、現れたのは普段と違う姿の墨!?「今日は私が和也君を、『お饗し』したくて……」

第12話 「彼女と俺」-イツカノ-
墨の“お饗しデート”を経て、千鶴のためにできることを見つけた和也。しかし現実は無情で、千鶴には映画オーディションの落選通知が届く。新たなオーディションや撮影スケジュールを考えると、出演映画を小百合に見せる夢は叶いそうにない。「笑ってないで教えてよ…おじいちゃん……」亡き祖父の笑顔の写真と、在りし日の千鶴の想いが交錯する……。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

グダグダ感

{netabare}
人気漫画ラブコメ特有の引き延ばしでメインのストーリーにほぼ進展がなくグダグダするだけで終わって3期決定。
内容は悪くはないけど、良くもないなと言う感じ。

いい点もないわけではなく、主人公の心理描写などはこれ系の作品にしてはかなりちゃんとしてるのは結構プラス。
主人公も賛否あるみたいだけど、個人的には重要な場面では思い切って千鶴のために行動するから嫌いなキャラではない(むしろ好き)。
そういう要素はいい点として挙げられるけど、一期同様展開がとにかく酷いかな。

ヒロインを尾行する展開だったり、ハプニングで同じ部屋で過ごさなければ...みたいな展開だったり、関係がばれそうでばれない展開だったり、基本的にワンパターンで既視感がすごい上に、こういうあほくさい展開ばかりされると作品までしょうもなく見えてしまう。
おまけに2期はレンタル彼女成分も薄くて引き延ばし感が強かったかな...。
展開が変わり映えしな過ぎた。
基本的にストーリーやキャラの関係性が動かない回は退屈。

そんな割に相変わらず瑠夏や麻美に関してはほぼ空気だし、コミュ障の子に関してはもはや存在すら忘れてしまうレベル。
出番があったかと思いきや、瑠夏の全く相手のことを考えてない行き過ぎた行動は不快でしかなかったし、麻美は意味深なセリフ言うだけ言って何もなく終わるし、コミュ障の子はもはや何がしたかったのかわからないし...。
というかストーリー上元カノの麻美はともかく、瑠夏とコミュ障はマジでいらない。明らか人気維持のために出してますよ感。

まあ最初も書いた通り自分はこの作品の主人公普通に好きなので、女優としての水原を応援する姿や、わざわざクラファン立ち上げて水原を助ける姿は少しかっこいいと思えたかな。(クラファン誰が金出すんだよ感はあるけど)
一見クズに見えても、千鶴への申し訳なさと、祖母を落胆させたくないという気持ちを常に持っていて、その二つの間で葛藤しているのはしっかりとしているなと思います。
色々あって実質的に付き合ってるような状態で、主人公にとってはプラスだろうけど、それが異常な状態であることは理解していてその状態に甘んじようとはしてないし。
チャラチャラしてても常に他人のことを考えているキャラなので好き。
水原も同様、主人公の境遇を考えてレンタル彼女と言う立場でありながらも冷たい対応を取らなかったり、祖母を最後に喜ばせてあげようと努力したり、優しいキャラなので好き。最終話の話はかなり共感できた。
部分部分でいいシーンはあるけど...と言うのが全体としての感想。
基本的に日常パートが微妙なだけで決めの場面に関しては文句なくいい。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆9
アオアシw 読み方違うじゃんw
このアニメ心情描写や恋愛要素はかなり丁寧な印象あるけど、展開がほんと雑い。いっつも尾行じゃん。食べる方の食らえかな?w
面白くねーぞ。クソ茶番劇。コミュ障の子空気。シャインポストなら。
あくまで自分のせいってことにして主人公に余計なこと思わせないのは良き。
大胆になったな。てか聞こえてんぞw 良い最終回だった。
ほんと毎回話の構図同じだな。いや、けど良かったわ。
ほんとキャラの描写はいいのに。てか1期含めてもベスト回説ある。

2話 ☆7
どこからそんな金来るんすかね。レンカノという存在自体不健全だろw
それ実質千鶴が好きって言ってるようなもんじゃん。
支えてもらってるのは向こうでは?
理想が素の水原だろw デートじゃんこれ。実際変な人。
おばあちゃんも演技上手。何がビッグになるんですか。
無理やりな同室展開

3話 ☆6
本当はなくしてなさそう。どう転んだら位置逆になるんだよw
はよどけや。1期でもコンビニでこんな話やってたよね。
ほんと引き出しが少ないw 扉あくまでの間によくそんな動けるなw
けどかってに他人の家開けるのもやばい。
ホラーアニメならため息の瞬間に扉開いてた。
夢とかそういう部分はちゃんとしてるんだがなぁ。
そのタイミングで自分恵まれてるアピールは地雷踏むだろ。
店継ぐとかいう話あったっけ? 禁断症状出てますよ

4話 ☆5
すっぽん売ってるスーパー...。てかこの黒髪絶対いらんよな。
こいつビッチかよ。いきなりまともになる主人公君。
この黒髪マジで好きになれんわ余計なことすんなや。

5話 ☆5
倦怠期。展開がだるいな。浮気疑惑展開多すぎ。
スマホ割れてますよ。このコミュ症マジでいらんわ。
黒髪もいらんけどそれ以上にいらん。何でもやってるな水原
誕生日プレゼント梅干しってセンスなさすぎんかw

6話 ☆4
また偶然会うパターンかよ。さすがに気付けや茶番がよ。
OP映像回収www てか酒飲める年齢なんか。
何回も同じ部屋にいる展開見たわ。

7話 ☆6
ノリが中学生だなこの友人らw モテすぎだろ。
麻美って言うほど怖くないよね。バレてて草。
けどばれてもどうせストーリー進まんよな。怖い。

8話 ☆5
唐突なカイジパロ アメリカかな? 何だよそのプリクラw
レンカノ言ってもそんな規定あるんだ。マニュアルみたいな会話だなw

9話 ☆2
北朝鮮か? レンカノ辞めるまでは彼女とかいう意味不明発言。
レンカノ関係ない時での関わりなのに。
まだ昼なのに蓋開けて寿司出してたら色悪くなるぞ。
何このルカの株落とし回。
主人公からの好感度下がるだけだし頭悪すぎでしょ。
自己中過ぎてみてられんわ。
主人公はまだしも千鶴が瑠夏が来てることをまずいと思うのは違くね?
もう心動いてんの? こんなご馳走してもらったらもうあとに引けなそう。
は? 瑠夏しね。

10話 ☆8
これほど不快なキスシーンないわ。やっとストーリー進むのか。
グダグダ展開やめろ。遺言かな? 今もほぼ同棲だよね。
言ったらショックで死にそう。
ルカじゃなくて麻美だせ。コミュ障まじでいらんやろ。

11話 ☆5
こいつマジでどうでもいい。普通にデートするな。
すみちゃんは主人公の中でどういう存在なんだ?

12話
これ最終回?
まあ名前の回収はいいと思うけど、これを最終回に持ってくるのか。
押し入り。邪神ちゃんかな? 安っぽいクソ映画見せる羽目になりそう。
誰が金払うんそのクラファン? ☆8

曲評価(好み)
OP「ヒミツ恋ゴコロ」☆8
ED「言えない feat.asmi」☆5.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8
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レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

元カノ、お返しします

【感想】
普段はうざいだけなのに、ここぞという時に一生懸命になって決める時に決めるという一点だけが魅力の和也

あーうざいうざいうざい、今まで何回うざって思ったことでしょうか?

でも
ヒロイン達の圧倒的な可愛さと、決める時にちゃんと決める主人公
これだけでなんか全部許せた

相変わらず和也に都合良すぎなことばかりなのはモヤる

わたしは一期からずっと瑠夏ちゃん推し!
たしかに暴走しすぎでイタイ子になってるけど、ぜんぶ和也が悪い
本命が水原なのはいいけど、瑠夏ちゃんへの態度はほんと許せない
{netabare}
付き合うなら彼女のことをちゃんと見て、愛せないならさっさと別れてください

和也「すまん、水原とデートさせてくれ!!!!!」
瑠夏「はあ?ご自分が何言ってるかわかってますか?」

このやりとりで別れないルカちゃんも残念だけどね・・・

{/netabare}

ラブコメというより大学生の自由気ままな恋愛がもたらす修羅場を楽しむアニメだと思っています

【欠点】{netabare}
・メインになる女の子4人もいるけど、主人公が水原のことだけ一生懸命で他はオマケなのは明らかなので、他のヒロインはせっかく可愛いのに二人の恋愛の賑やかしにしかなってなくて、ハプニングを起こすために便利に使われて不自然な行動をとり続ける瑠夏や麻美は特に残念に思います

{/netabare}
【シナリオ】{netabare}
女の子はとても可愛いけど、偶然会った、偶然うまくいった、偶然スケベな展開になった
和也に都合のいいことばかり起きるシナリオがとても不自然で、ヒロイン4人全員が和也に都合のいい展開にするためにシナリオに動かされて変な女にされているのが残念

でも水原とのシナリオはちゃんと主人公していていい感じです!
水原のために動こうとする最終話は特に良かった

{/netabare}
【キャラクター】{netabare}
1期から変わらず優柔不断で変な妄想ばかりでラッキースケベで無神経なチャラい主人公にイラつくアニメだけど
わたしは和也よりも元カノの麻美が嫌い、実は未練あって自分に振り向かせたいならいいんだけど、気まぐれや道楽で思わせぶりな態度とって引っ掻き回してるのなら不自然だし、別れた男の素性探ってプチストーカー化、かなりヤバイ女、友達いないの?ヒマなの??

水原も和也に気があるのか気がないのかはっきりして
彼女いるの知ってたら女なら遠慮するか、泥棒猫になるかどっちかだと思うんだけど態度はっきりさせないとこが酷いですね
瑠夏ちゃんと仲良くしているの見て不機嫌になるのなら気持ちもはっきりしてますよね
和也に負けず劣らず優柔不断でお似合いかもしれません

こんな優柔不断の偽カップルにもてあそばれてかわいそうな瑠夏ちゃん、正気に戻って・・・
彼女は被害者だけど、和也の態度が酷いから仕方ないとはいえこっちもストーカー気味でちょっと迷惑彼女になりかけてるけど、でも彼女放置して遊び歩く和也が悪い!

本命のカノジョいるのに仲良くなった美少女にデレデレするのは男なら仕方ないのでいいんですよ
でも和也は本命は水原だけど流されるような形で瑠夏と付き合って、付き合った彼女のことは眼中になくてずっと水原水原水原・・・
瑠夏ちゃんからのデートお誘いや訪問やラブコールには「困った」「どうやって回避しよう」と迷惑そうな反応
なのに「迷惑なわけないよ」と言っちゃうクズ・・・
「迷惑じゃないけど、今の都合のいい距離を保って」が本音だけどそれを伝えず曖昧にしてるのを、瑠夏ちゃんは都合よく解釈
好意には迷惑そうな反応するけど、無防備な姿や密着にいちいちドキドキして身体には興味津々・・・

すっごく失礼

はぐらかしながらも水原には積極的にアプローチをかけ、着々と思い出を重ねていくのが彼女を都合よくキープしているようにしか見えなくて

水原と瑠夏以外の女の子と接近すればデレデレする
彼女キープして本命の女の子にアプローチかけているだけで十分最低なのに、そんなに昼ドラの主人公になりたいの?
レンタル彼女とは言え、他の女の子とのデート中に別の女へのプレゼントについて相談する無神経さ・・・

どこまで最低なの・・・

和也がモテモテになるほどの魅力があればまだいいけど、彼のいいところって「水原のためならどんなことでもやる」ってことくらい

そこが和也のいいところなので、そこだけぶれなかったのはいいところかも
チャラくても優柔不断でもクズでも浮気性でも、自分のことだけを一生懸命想ってくれる男に何も思わないわけないよね

水原ルート以外ありえなさそうだけど3期が楽しみです
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 25

68.2 19 演劇アニメランキング19位
きんいろモザイク Pretty Days(アニメ映画)

2016年11月12日
★★★★☆ 3.9 (155)
684人が棚に入れました
イギリスからやってきた高校生、アリス・カータレット! 大親友・大宮忍の家にホームステイしています。アリスに忍、凸凹コンビの小路綾と猪熊陽子、アリスを追いかけてきたもう一人のイギリス人留学生・九条カレンたち仲良し5人組は高校2年生の秋を迎えます! アリスと忍、二人一緒に玄関をくぐれば朝日に照れされてキラキラ輝く通学路。通い慣れた道を小走りに駆けていって、いつもの駅前でいつものメンバーと待ち合わせて。綾に陽子、そしてカレンが笑顔でアリスたちを迎えます。どこにでもあるようで、世界に一つしかない彼女たちだけの大切な日常――プリティ*デイズ! 二度目の学校祭が近づいてきたこの頃、忍の様子がちょっとおかしい!? 「このところ、なんだか朝が眠くて……」いつものんびりしている忍ですが、クラスの演劇で脚本&衣装リーダーを任され、頑張りすぎているみたいです。違うクラスのアリスと陽子も、その様子は気にかけているけれど……果たして忍たちの劇は無事成功するのか、どうなる学校祭当日!?

声優・キャラクター
西明日香、田中真奈美、種田梨沙、内山夕実、東山奈央

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

世界に一つしかない彼女たちだけの大切な日常…プリティ・デイズ!

この作品は2013年の夏アニメ、2015年の春アニメとしてテレビで2期分放送されている上、この劇場版は2016年の11月に封切りしています。
これまでテレビ放送はリアルタイムで視聴してきましたが、劇場版まで手が回らず封切りから2年…ようやく今回視聴することができました。

自分の視聴履歴を振り返ってみると、テレビ放送の視聴が主体になっています。
最近、テレビ放送の続編がは劇場で…のパターンが決して少なくないなか、この作品を含めて結構視聴できていない作品が多い事に気付きました。

現在の視聴スタイルは今後も維持したいと思っていますが、時間を作って劇場版の視聴も進めなきゃと本作を見て痛感しました。

この作品では、大きく2つの時間軸における物語が描かれています。
一つは現在進行形でテレビ放送後の一幕…
そしてもう一つは、5人組になったいきさつ…アリスとカレンは高校からの留学生である事は周知の事実なのですが、これまであまり触れられなかった「しの、あや、陽子」が親友になったきっかけが描かれているんです。
そしてこれが…テレビ版視聴済の方にとっては堪らない作品に仕上がっていたんです。

監督は天衝監督…アニメーション制作もStudio五組とテレビ版のスタッフが踏襲されており、クオリティは折り紙付きです。

となると、気になるのは物語の展開…になる訳ですが、個人的には「しの、あや、陽子」が親友になったきっかけの物語が胸に響きました。

この物語の視点…種ちゃん演じるあや目線で描かれているんです。
5人の中で一番真面目な性格の持ち主である彼女は、普段みんなから一歩引いた場所が彼女の立ち位置…
5人の輪の中における立ち位置は、自然に…だけど全員納得の上で決まっているとばかり思っていました。
けれど、性格が真面目な上、少し引っ込み思案だけどツンデレ成分を含んだ彼女は、仲間の中で一歩踏み出すタイミングが遅かったり機を逸したり…
もちろん、仲間思いの優しい良い子なんですけどね…

でも…「しの、あや、陽子」は初めから3人組では無かったんです。
しのと陽子は小学校からの幼馴染で、二人の通う中学にあやが転校してきて接点が生まれたんです。

大切なのは一緒に過ごした時間の長さじゃない…
どれだけ濃密な時間を一緒に過ごしたか、の方が時として大切なこともあるんです。
年を重ねて振り返ってみると、その当時頑張っていたことが今では良い思い出になっていますから…

3人には目標がありました。
目標は別々…だけど必ず通らなければいけない通過点です。
「どの様にクリアするか」と「どれだけ本気で取り組んだか」の2点が大切なこの通過点…
「しの、あや、陽子」はどの様な軌跡を描いたのでしょうか。
感じられるのは成就させたい願いに込められた努力と沢山の優しさ…
やっぱりこの作品はあったかいなぁ…と心の底から思いました。

そして物語は現在進行形と結び付きながら怒涛のフィナーレを迎える事になるのですが、何ともこの作品らしい展開が待ってくれています。
こんなに面白いならもっと早くに見ておくべきだった…と本気で思えた作品でした。

オープニングテーマは、「Happy★Pretty★Clover」
エンディングテーマは、「Shining Star」と「Shining Star」
3曲ともRhodanthe*の皆さんが歌っています。

上映時間50分の作品です。
私の様にテレビ視聴済みで劇場版未読の方には、是非お勧めしたい作品です。
5人組のみんながこれまで以上に輝いて見えると思うので…

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

受験生の皆さんにこのトーテムポールの歌を贈りたい。

原作コミックは五巻まで購読中。

短編アニメ映画一本のために、
わざわざ映画館に遠出するのもどうか?とも思いましたが、
冬の寒さが厳しくなっていく、ここ北陸でも、
一月遅れで映画館で難民向けに期間限定で金髪パワー配給が実施される
ということで行ってきました♪


短さ以上に、日常系だから、ふわふわしているだけで
上映時間が終わってしまうのではw
との懸念もありましたが、
それなりにストーリーもあって難民として
一定の満腹感はありました。


本作の実質的な主役は{netabare}小路綾でしょうか。

要は些細なことで仲間内での自らの存在意義を見失い、
クヨクヨしてしまう、あややの十八番(苦笑)
……あややが悩み出したら、映画一本くらい軽くできますねw


本作はそこから中学時代のあややとシノ、陽子、
三人の進路、高校受験のエピソードから、
あややの存在意義の再確認が行われる壮大な?展開にw

ある意味、『きんモザ』最大の?ミステリーである、
学力壊滅なシノと陽子が、偏差値に大差があると思われるあややと
何故、同じ高校に通っているのか?
という謎も解き明かされます。


この受験奮闘記を鑑賞していて、
ふと、受験と友情についての回顧から、
受験に友情は必要か?という問答が私の頭で回り出しました。

私の現役時代、教師の中には、
勉強は自分一人でやるもの。受験は孤独。進路は自己都合。
みんなでお勉強会なんて馴れ合い。
とお説教なさる方がいらっしゃいました。

確かに、一人で集中して学力を高め、合格を勝ち取ることができるなら理想的です。

ただ世の中、それを貫ける人は少数。
孤独に負けそうになったり、自分だけの視野狭窄に陥り空回りする人の方が多いと思います。

そういう時、進路や勉強について相談できる仲間がいれば心強い。
私も情報交換の中で勉学についても、ふと気付かされた視点が多々ありました。

自分一人で集中する時間も、仲間との情報交換も、
両方あって初めて受験を乗り切れたと私は思います。

だから、もうすぐ受験という大戦に挑む方の中で、
もし一人で煮詰まっている人がいらっしゃったら、
是非、周りとコミュニケーションを図って欲しいと思います。

残された時間はそう多くはありませんが、
アプローチの転換ひとつで一変するのが若者のポテンシャル。

恥を捨てて、周りやあややにしがみつけば、
トーテムポールみたいにニョキニョキ!っと
合格ラインまで偏差値が伸びるかもしれませんよ。{/netabare}


……とゆるふわ日常系で、無駄に熱弁してしまいましたがw
本作はTVアニメ1期の第一話くらいのストーリー内容はある作品。
難民の方なら、一見する価値がある作品だと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23
ネタバレ

ジャスティン さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

綾視点で送るいつもの日常物語

[きっかけ]
AT_Xで放送はされていたものの、きんモザについては2期を視聴してからが良かったので、少し遅れていましたが、期待しながら視聴を致しました。
[感想]
{netabare}
今回まさかのキャラクターの視点というのがあり、
指定されたのが私が一番大好きな綾ちゃんでした。

これは俺得すぎるんだけど、
綾ちゃんばかり出てきてくれるから素晴らしいかった。

綾ちゃんは、軽いスランプというか悩みを抱えてしまったけど、
私にとっては綾ちゃんがいないと陽子が大変になるから
絶対に必要なメンバーなんだよ。と伝えたい。

今回の話は過去編が中心でみんなが疑問に思っていた忍がどうやってもえぎ高校(忍たちが通っている学校)に入れたのか?
という疑問からストーリーが中心に始まって行きます。

というかもえぎ高校と言うんですね。(WIKIによればここで学校名が決定されたのこと)。

忍は確かにアニメの中でも断念で赤点ラインっぽい描写が多くあり、本当にどうやって受かったのか不思議な点でした。

学校見学はしっかりとやっていたんですね。
烏丸先生は相変わらずぶれない先生ですね。

忍がここまで行きたい学校というか見学を初めてしてからここにしたいと思ったのでしょうか?

雰囲気が良いというのも分かるけど、実際に行きたい高校がなかったから好印象に思ったのかな?と思っていました。

勉強会が開始。綾ちゃんはまさか違う学校を選んでいたなんて...でももえぎ高校に入っているということは、やっぱりその第1志望の高校に落ちたからここに来たのかな?

何故だろうと思いながら続けていくと受験当日。
まずは綾ちゃんからなんと合格。お嬢様学校に入れるなんて綾ちゃん入っていたら確かにそんな気がするような感じはする。

絶対に不合格になると思っていた。なんか落ちそうな予感しかしてなかった。

忍たちの受験当日はなんと綾も一緒に受験することに。ここも受験していたのはまさに日常系のいいところ。

そしてみんな合格したけど、綾だけが...離れることになるのか?
と思った...
入学式当日忍たちが学校に来ると、なんと綾ちゃんまでこっちに来ていた展開に。

まさか選んでここに来たという神展開(もう知ってたことなんだけど)でも、こうしなかったら陽子との関係も悪化していたかもしれないから
これで正解だよ綾ちゃん。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

63.0 20 演劇アニメランキング20位
花とアリス 殺人事件(アニメ映画)

2015年2月1日
★★★★☆ 3.6 (142)
537人が棚に入れました
2004年に岩井俊二自身が原作・脚本・監督を務めた、ふたりの少女を描いた映画『花とアリス』の新たなストーリーをアニメで描くことになる。

『花とアリス』の前日譚となり、史上最強の転校生のアリスと史上最強のひきこもり 花が出逢ったとき、世界で一番小さな殺人事件が起こった、とのストーリーになるという。ふたりの出会いの物語だ。

アニメ映画では、鈴木杏と蒼井優を彷彿させるデザインのキャラクターが登場し、さらにふたりがこの声を演じることで10年ぶりに競演するのもみどころだ。

ちなみに映画は先に声を録音するプレスコを採用している。

声優・キャラクター
蒼井優、鈴木杏、勝地涼、黒木華、木村多江、平泉成、相田翔子、鈴木蘭々、郭智博、キムラ緑子

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

【今作があればもう日本には“アニメも邦画もイラネ”ってなる!!!】「いやぁ~どぉだろぉかぁ~σ(^^;)」【第3の映画誕生の瞬間を目にした!!!】

『Love Letter』や『スワロウテイル』で有名な天才邦画監督、岩井俊二が初めてアニメ長編に挑んだ意欲作
『サイコパス』の本広克行など、最近有名映画監督がアニメに乗り込んできたことをオイラの友人は「アニメが売れると分かってシャシャり出てきてる」と批判しました
ソイツの気持ちもワカランでも無いですが、今作に関しちゃ技術的にも物語的にも完成度的にもとても素晴らしい歴史的傑作に仕上がったと思っています
どうか【食わず嫌いだけはしないで欲しい】という気持ちで今作を応援させていただきたい


事の始まりは2003年にネスレKitKat(キットカット)のホームページ上で配信された連続webドラマ
所謂「続きはwebで」と銘打ったCMドラマです
蒼井優が演じる天真爛漫な元気娘“アリス”
鈴木杏が演じるアリスに振り回されがちな内気で惚れっぽい“花”
この二人を軸に描かれる受験生応援&青春恋愛ドラマでした


webドラマが思いのほか人気だったので2004年には続編となる長編映画が公開
映画の1年後には今作のプロットが出来ていたらしいですがお蔵入りになってしまい10年の月日が経った・・・そしてまさかの10年越しの復活、それもアニメで、という斜め上に意表を突いたのが今作なんですね


さて、なんでよりにもよってアニメ?
となるところですが、コレ物語が中学3年生の花とアリスの“出会い”が描かれるという前作の前日譚になってるんです
つまり10年越しに【鈴木杏と蒼井優】を10代の【花とアリス】に若返らせる為に「残された手段はアニメしかねー!」ってワケでオリジナルキャストを尊重した結果の決断なんですね


だから演出方法は基本的に実写と同じで、実写では普通に出来るカメラワークを純粋にアニメへ落とし込むためには・・・って努力がアニメ初挑戦の岩井監督ながらとにかく凄い
3本柱となる技術がロトスコープ、トゥーンシェード、背景をパーツ化してのモーフィング


監督自らデジタルコミック作成ツールを使って絵コンテを起こす

蒼井優ら前作オリジナルキャストが集結しプレスコ録音

実写ロケハン&ロトスコ撮影専門キャストで演技撮影

撮影した実写を元にロトスコープ作画&トゥーンシェード3DCGによるアニメート
(ロトスコとCGはカットごとに使い分けてます)


すんげぇ手間が掛かってるんですよ
2013年の『悪の華』が全編ロトスコだったり、最近でもトゥーンシェードのアニメが注目を浴びたりしてますが、今作は現代映像技術で出来ること全てを投入した結果といえる
魅せる動きのカットはスーパースローで、という演出の再現は基本中の基本
すごいのがアニメではまずやらない、ってか出来ない“フォローパン”を背景の立体化も含めた技術で完全にアニメートしてること
この背景自体も美監が滝口比呂志でコミックスウェーブフィルムも関わっていたりとあの『言の葉の庭』のスタッフが集結し“超美麗”っす
つまりあの『言の葉の庭』の美麗背景がシームレスに動いてるんですよ!?
その映像はまさに目からウロコ


もちろんこの作品を手放しで賞賛する気はオイラにも無く、まだ課題が残ってたりもします
『悪の華』では実写キャストにとにかく似せよう、というスーパーリアル調なキャラデザが賛否両論となりましたが、今作の場合は岩井監督の“ヘタウマ”な絵コンテが全てのベースになっている為、表情の描き込み等が乏しいのがタマにキズ
この岩井監督の絵を、「可愛い」と取るか「単に下手」と取るかで賛否は真っ二つでしょう
目が単なる棒線になってしまっているカットとか(こんな感じの→ |0| )、みんな同じ顔してるモブキャラとか、端的に粗末でもっと作り込めたな・・・ってカットが多々あったのは残念ですかね
もっと作画監督とか立てても良かったのでは?と


さてここまでは技術の話ばっかでしたが、物語的にもホント素晴らしい


転校生のアリスはクラスメートから何もしてないのになぜか無視をされ続けている
どうも1年前に同じ教室で“ユダ”なる人物が殺され、ユダの呪いが封印された座席に転校してきたアリスが座って封印を破ってしまったらしい
アリスは謎だらけのユダ殺人事件の詳細を唯一知る人物で、1年前から不登校を続ける花に接触を図る・・・


ユダとか殺人とか謎だらけのキーワードが物語を力強く引っ張り、コージーミステリとしてとてもよく出来ています
さらに中盤からユダの謎が徐々に解け、やがて思春期特有の淡い感情が生んだ小さな事件であることが明かされる・・・


プレスコによって伸び伸びとした演技が出来たキャスト陣が個性溢れる濃ゅいキャラクター達をより生き生きとさせており、小気味良いマシンガントークのさながら撃ち合いがテンポよくお話を進める
よく「非声優をアニメに出すな下手だから」とかいう人がいますが、それはアテレコの話であってプレスコの今作はむしろ本領発揮なワケです
そういった意味でも安心して楽しめると思います


とにかくずっと笑っていられる、そんな生暖かい目で観れる青春ミステリー傑作と呼べるでしょう
『氷菓』とか好きな人は絶対観るべきです、素晴らしかった


何気に作画協力に磯光雄が携わっていて“磯さんの生存が確認出来た(笑)”ことも個人的には面白かった


今作で用いられた技法は決して安易に作品を量産出来るものではありません
しかしながらこの技法の確立によってアニメでも実写でもない【第3の映画】が生まれたんじゃないか、とオイラ思ってます
岩井俊二ってだけでアニヲタドン退き、アニメってだけで大衆ドン退き、ってことで今作はイマイチ注目度が低いようです
けみかけは『花とアリス殺人事件』を全力で応援していきます

投稿 : 2024/05/04
♥ : 39

ostrich さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

折り合い

実写映画「花とアリス」は、岩井俊二作品を熱心に観ていたころに何度か鑑賞している。結構、好きな作品だ。

もっとも、一時期の岩井俊二作品は全部好きなのだが、思い返せば、「花とアリス」で私の岩井俊二ブームは終わった気がする。それは、たぶん、彼のせいでも「花とアリス」のせいでもない。私が必要としなくなったというか、岩井俊二的な気分ではいられなくなったということだと思う。
もしかしたら、時代の影響もいくらかあるのかもしれないが、よくわからない。ただ、「日常の中のファンタジーを描く」という作風が、良くも悪くも2000年代後半から現在の世の空気と折り合いが悪かったような気はする。

本作は、実写作品の前日譚を10年以上の歳月を経て、ロトスコープアニメーションで描いたわけだが、率直な私の感想は「懐かしい」だった。ああ、岩井俊二は今も岩井俊二なのだな、という。ただ、この感想もまた、良くも悪くも、ではある。

本作は岩井俊二作品にまったく触れたことがない方には、結構、オススメしたい。非常に彼らしい作品だし、彼の作品群は好き嫌いはさておき、一生に一度くらいは触れておいたほうがいいと思うからだ。
ただし、私と同じように一度、岩井俊二作品と距離を置いた人には、若干、皮肉混じりに「いつものアレだよ」と言ってしまうかもしれない。

この「アレ」の中身はいろいろあるのだが、一言で言うなら、前述した「ファンタジー」ということだ。「ファンタジー」と言えば聞こえはいいが、「こんなヤツいねえよ」ということでもある。
ただ、岩井俊二のすごいところは、「こんなヤツ」を、そこそこ現実感を持たせて描いてしまうところで、本作もそういうところを目指してはいる。

だが、ロトスコープアニメーションになったことで、違和感の方が際立ってしまった感は否めない。
なんとも逆説的なことだが、実写は演劇的な要素が入ることで、「リアルな世界の中のファンタジー」として成立するのかもしれない。そして、テレビドラマ出身の岩井俊二は、このあたりには自覚的で、それを活かした演出が抜群にうまかったということなのだろう。
ところが、アニメーションはそもそも形態からしてファンタジーなのだ。そこに現実と隣接したファンタジーを持ち込むと、嘘くささの方が際立ってしまう。

たとえば、作品冒頭にアリスが二階から落ちるシーンがある。
あれが実写なら「面白いウソ」になるところだろう。あるいは普通のアニメーションなら「よくあるウソ」として、アニメのリテラシーと合致しているから違和感はない。
ところが本作の場合は「ありえねー」となってしまう。アリスの体重がいくつかはわからないが、おそらく、40-50キロ前後のものが二階から落ちてきて、その下に別の人間がいたら、ああいう動きにはならないだろう。もちろん、フィクションなのだから、それでもいいのだが、なまじ他の動きにリアリティがあるので、嘘くささが際立ってしまうのだ。

10年以上の歳月を経てもなお、同じキャストでやりたかった結果として、ロトスコープアニメーションを選んだのだと思うが、こういう折り合いの悪さは随所で見られた。それは、動きだけではなく、会話やエピソードにも散見された。

そして、このことが岩井俊二という作家の現在の立ち位置を象徴しているように思えてならなかった。もう、ずいぶんと彼の新作を観ていないが、観ていない理由がわかってしまった気がする。
古参の岩井俊二ファンとしては、ちょっと苦い思いもある作品だった。

■シナリオについて

たぶん、私はシナリオライターとしての岩井俊二がとても好きなのだと思う。
本作の随所に折り合いの悪さを感じてもなお、本作のシナリオはやはり嫌いにはなれない。いや、「おじさんのエピソードは必要か?」とか、いろいろあるけれども、そこが岩井俊二的でもあるのだから、仕方がない。

また、本作に限って言えば、後半の構成がずるい。
「恋人たちの距離(ディスタンス)」だもの。

「恋人たちの距離」について語ると、本作のネタバレになってしまうので詳述はしないが、この構成は岩井俊二の作家性ととても親和性があると思った。

あ、「恋人たちの距離」を知っている人にはネタバレになるのか。
でも、知っている人はむしろ、本作に関心を持つと思うので気にしないことにする。
そもそも、本作はネタバレがどうのという作品でもない。

岩井俊二も「恋人たちの距離」も知っているなら、本作は間違いなく楽しめる。逆に、本作を気に入った方は、岩井俊二作品も「恋人たちの距離」も気に入るはずだ。

■想起した作品

「この街のこども」

前述した「恋人たちの距離」と同様の構成の作品(つまり、本作後半とも同様の構成)。もともとNHKで放映されたテレビドラマだが、劇場版もあり、そちらのほうが視聴しやすいと思う。

本レビューでは本作の「折り合いの悪さ」を指摘してきたわけだが、「この街のこども」は時代とも手法とも完全に折り合っている。本作を好きな方が気に入るのかわからないが、今の日本に生きるなら観ておいた方がいい作品だと私は思う。
岩井俊二が観たなら(おそらく観ていると思うが)、地団太を踏んで悔しがるんじゃないだろうか。
ちなみに、脚本を担当しているのは岩井俊二の弟子筋にあたる渡辺あや。

一応、「この街のこども」は本作よりも先に発表されているので、本作に影響を与えている可能性も否定できない。しかし、構成(と構成によって必然的に語られるテーマ)が同じなだけで、類似したエピソードがあるわけではないことは岩井俊二の名誉のために付け加えておく。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

N0TT0N さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

実写とアニメ殺人事件

まず情報として言っておきたいのが、この作品は『花とアリス』(岩井俊二監督)(2004)という実写映画の前日譚ということです。
だけど、それはあまり気にしなくていいかもしれません。
本作品だけで十分成立しているので、気に入ったら実写版を‥という見方もOKだし、制作順に実写版→アニメ版の順番で視ても楽しめます。

そしてこの作品、実写をベースにしたアニメーションという特徴があるので、万人に受け入れられる作品ではないかもしれません。
かく言う私も過去の経験から実写ベースのアニメは危険!という認識があったので、半信半疑で視聴したんですが、結果、全くの杞憂に終わりました。

作画が合う合わないは予告編で十分確認できると思うので、迷っている人は動画サイトの予告編をチェックしてみてもいいかと思います。

いやぁぁ。。

しかし素晴らしい作品でした♪

まず、物語についてですが、
ほんとに小さな物語でした。そしてテンポがよく、結構笑えたw

多くの作品で「物語の主題に合わせてキャラクターが動く。」ということが起こるけど、この作品のキャラクター達は、それぞれのキャラクターの意志に従って行動している感がありました。
物語のゴールに向かって行動しているのではなく、今やりたいことをやっている。
ものすごく無駄に行動したり、不細工に笑ったり、同じ事を何度も繰り返したり、相手との距離感を計りそこなったり。。
この自然さをよく脚本にしたり、演出したりできたと思う。
このあたりは岩井監督の得意分野でもあるけど、流石としか言いようがないです。
要は説明的じゃないということかもしれません。
例えば「疑問に思うけど今は聞かない」みたいな状況ってありますよね?
そういうときって「疑問に思うけど聞かない顔」を演出として挿入したり、少し長めの間をとったりして「疑問に思ってる」の説明をするものだけど、
実際はそんな顔はしないし、変な間も作らないw
99%相手に悟られないような演技を誰しも行っている。
こういう些細な部分の演出がほんと素晴らしいです。

物語の構成もサスペンス調の演出と、脱力系の演出が噛み合って楽しさと緊張感を絶妙な配合でブレンドできていたんじゃないかと思います。



作画について。
正直、実写をトレースしたような作画で100分の視聴に耐えられる作品を過去に視たことがありませんでした。
画風で独特の効果を出して異彩を放っているような、例えば「惡の華」みたいな作品はありましたが、本作は異彩を放つ作品ではなく、むしろ王道、ポップでシニカルなエンタメ作品と言っていいと思います。

で、実際この作品の作画はどうだったかというと、線の少なさプラス背景の鮮やかな色使い。これが絶妙でした。
トレースする線の少なさは平面的になりがちで、背景の鮮やかな色使いはファンタジーが強く出過ぎるというデメリット(本作の場合)があると思うのですが、まさか‥この両方を組み合わせることによってそのデメリットが打ち消されるなんて!
ほんと、ビックリです。驚愕です。マーベラスです。

もう一つ付け加えるなら、人物を鮮やかに描かなかったことも良かったと思います。
その代わり、人物の"動きの表情"をよく捉えてました。
動きの表情。
これは結構この作品のキモではないかと思います。


キャラクターの話。
アニメ的な表現方法と比較すると、「属性がない」「記号的じゃない」と言っていいかと思います。
アニメでは通常、キャラクターをある程度固定概念で認識することが暗黙の了解みたいになっていると思うし、そのキャラ設定を軸に物語を見ていく。みたいな流れって(冒頭のキャラ紹介等)あると思うんだけど、本作の登場人物はもっと自由で、固定された設定もなくて‥でも確実にキャラクターとして存在している。みたいな。。
これ、言葉でうまく説明できないんだけど、実写ベースという表現方法が可能にしていると思うんです。
例えばジブリ(宮崎)作品なんて、動きに命が吹き込まれている感がありますよね?
あれと全く逆の方法で、動きに命が吹き込まれている感じがあるんです。

モーションキャプチャーは画像を貼らなくても、ドットだけで生々しい動きをしますよね?
たぶんあの感じだと思うんだけど、その効果を使って上手くアニメート出来ていたんじゃないかと思います。

あくまで個人的な印象だけど、実写より、通常のアニメよりそれを強く感じました。

という訳でこの作品大好きです。

いろんな方に視ていただきたい。




因みに実写版視たので、解らなくはないんだけど‥

お父さん平泉成はウケたw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

59.4 21 演劇アニメランキング21位
バトルガール ハイスクール(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★☆☆ 3.0 (119)
529人が棚に入れました
星守(ほしもり)――――人々の想いを受けてそびえ立つ御神木『神樹(しんじゅ)』から選ばれし18人の少女たち。
彼女たちは神樹ヶ峰女学園の生徒として賑やかな学校生活を送るかたわら、神樹から授かった『星衣』を身に纏い、平和を脅かす謎の侵略者『イロウス』から地球を守るために戦う!

大人気スマホゲーム「バトルゲーム ハイスクール」から待望のアニメ化!
完全新作ストーリーで贈る、星守たちの友情と絆の物語!

声優・キャラクター
洲崎綾、佐倉綾音、雨宮天、東山奈央、上坂すみれ、早見沙織、本渡楓、下地紫野、内山夕実、南條愛乃、田村睦心、久野美咲、五十嵐裕美、悠木碧、木戸衣吹、加藤英美里、原田ひとみ、内田真礼
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

SGS外伝?

6話までの感想
{netabare}アンジュヴィエルジュ→スクールガールストライカーズ→バトルガールハイスクールの順に全部見終わったら何か新しい扉が開けそう。
開いていい扉かどうかは知らん。
特にスクールガールストライカーズ(長いので以下SGS)とこれは共通点が多い。
過去の記憶が無いキャラがメンバーに加わってどうこう~ってのは、SGSの椿芽が迷い込んだ別次元の話(外伝)だといっても通じてしまいそう。
自分はもう開き直って「ああ、こっちの世界の椿芽は結構好戦的なのねー」と比較する視点で楽しんでます。
なので感想はSGSのほうを知らない方は意味不明になるかも。

で、具体的な感想だけど、まぁ~キャラが多い。
SGSでも多かったけど、あっちはチーム分け(羽根主体だったりビキニ主体だったりとチームカラーも分けてた)して大雑把にでも違いが分かるようにしていた。
因みにアンジュだと先輩チームと後輩チームで分けてた。
けどこっちは…どうなんだ?
学年ごとにチーム分かれてるようにもパっとは判別できないし、更に先生も見た目少女、理事長までも見た目少女で、これまた混乱。
一番最初に名前を覚えられた(※)のが“あんこ”、こいつが一番キャラ立ってる。
それ以外はなんつーか…みんな揃って「いい娘ちゃん」って感じでハンコみたい。
椿芽も、それ中心に話が進むのかと思ったら現状個別キャラの紹介が続いてこれといって掘り下げは無い。
なにより個別キャラ紹介の回が続いてるのに全然覚えられないというのはなかなかに凄い。
スタッフも分かってるみたいでヤケクソ気味に毎回名前を表示してて、なんかそれがひとつのギャクとして完成しつつあるような…。

※「一番最初に名前を覚えられた」
ぶっちゃけ名前は覚えられなくてもいいと思うんだ。
代わりとなる“あだ名”が付けばいいだけで…バレーのエースだとか美少女探偵だとか、そんなの。
要は名前そのものじゃなくてどれがどんなヤツって分かればそれでいい。
なのだけどイマイチ印象に残る突出したものがないというか…回を分けて個別紹介もやってるハズなのに、次の週になるともう印象に残ってなくて誰が誰だか分からない事態に。

と悪い点を先に書いちゃったけど、世界観は好きかも?
一度オブリに地球を乗っ取られて人類は宇宙へ脱出、星守がなんやかんや頑張って一部地域を奪還。
奪還した地域へ星守を降ろして学校生活を送ってる、また星守自体はさきの奪還作戦で頑張り過ぎちゃって、現在気の緩んだ状態、と。
どれくらい地球を離れてたのか知らないけど「生活するならやっぱり地上がええねん」って思想は根強いんではなかろうか。
星守以外にもクラスメイトは居るみたいで、多分オブリを完全撃退した後の再建(かつての生活まで戻す)を見越してのことだったり、星守を戦闘するだけの道具扱いしないための配慮だったり?
そう考えればあんまり違和感を覚えないというか…ファフナーの島みたいな感じなんじゃなかろうか。
また、そのために地上へ降りる人員決める時は凄い競争率だったんじゃないかなー、と想像したり(単にたまたま奪還した地域の元住人なだけ、でも構わないけど)。
まだ安全とは言い切れない地上で生活するってのは、それなりに覚悟が要ると思うんだ、宇宙船は安全なんでしょ?

ただねぇ…そういうSF系に解釈を広げて飲み込むことはできても、その割には雰囲気的に「荒廃感」が弱い気が。
ゆるい日常たまにバトルってノリなんだろうけど、某けものアニメのヒットを見て「うわー、もっと荒廃感出せば良かった」と思ってたりして。
「先の奪還作戦を成功させて気が緩んでる状態」と「必要な休息」の線引きが曖昧で、そこに疑問を投げかける役として椿芽を配置したと思うのだけど、そっち方面への追及も現状イマイチだしのう。

一応敵側にボスみたいなの居るっぽいし、椿芽が何者かも分かってないし、今後シリアスな方向に行ってくれると個人的には有難いのだが…果たしてどうかのう?{/netabare}

7話感想
{netabare}↑でそんなことを書いた直後の第7話、シリアス展開キターーー!
めっさ強いオブリが現れて、折角奪還した地域を明け渡さざるをえないピンチに。
ってか地域って書いたけど実質「地上」だよね?
退避すると言っても別の地域は存在しない…ハズ。
市民はシェルターだかに避難してたけど「もうダメだ」となったらそれがそのまま宇宙に打ち上げられるんだろうか?
まさか、もう宇宙へ出る手段は無くて(降りることは出来るけど昇ることはできないとか)ダメだった場合はその場で死ぬしかないって設定とか?
え、そんなハードなん?
そんな考えが浮かんでしまったは、もしダメだった時は神樹はどうするんだろ?ってのが気になったから。
そのまんま置いて逃げるのか植わってる土地ごと一緒に移動するのか…どっちなんだろ。
最後は皆の声援が力に~っていうありがちな展開だったけど、戦況はライブで宇宙船に報告されてないのかな。
宇宙船から応援された方がパワーの総量デカそう…ラストそれだったりして。
いや、宇宙船に残ってる人類はコールドスリープとかか?そういう説明あったっけ?{/netabare}

8話感想
{netabare}あんこがリゾートでビーチで寝転んだりタンカー?の船首でタイタニックごっこをやったりと、「え?そんなことできるまで奪還してるの?」と思ったら実はVRでしたというオチ。
なーるほーどねー。
深読みすると、今そんなことができる状況ではない、そういうことがしたければ取り返すしかない、といった望郷や義務を描いてるのかなぁ、と。
と言いつつ一方で、町中や遊園地はピッカピカに整備が整ってて「復興や再建」めいた描写は一切ナシ。
う~ん、設定的に廃墟感あった方が良いと思うんだがなぁ。
しかも市民はみーんな女性だったような?バンドリかな?
待てよ?ひょっとして町通りから一歩外へ出れば廃墟が並び、男性は復興作業に従事してたりして?
あ、それと星守の子達を特別扱いしないってのは徹底されてるっぽい。
危険な仕事やって町守ってるんだから飲食代くらい奢ってやれよ、とも思うけど、そういう扱いしたら戦う道具扱いになりかねんしこれでいいのかも知れない。
それでも「いつもありがとう」くらい言っても良い気もするんだが。

↑でも書いたけど設定はかなり好きな部類。
友人に口頭で説明したら「モスピーダかな?」と言われたが、ああ、似てるかも知れん。
よくよく考えたらアニメ化するくらい売れてるゲームなワケで、そりゃあ設定はしっかり作られててもおかしくはない、のか?
問題はアニメ化するに当たり、設定よりもキャラ推し、この作品だと恐らく毎回全員登場させるのがノルマだったりしてそう。
どうもその制約が足引っ張ってる気が…。{/netabare}

9話感想
{netabare}学園祭で演劇ネタってのを“ひなろじ”で見た直後にこっちでも始めてビックリ、一瞬自分が何のアニメ見てるのか分からなくなったぞ。
更には親睦深めるアイテムとしてクレープって…敵のボス伊藤静って…ツインエンジェルブレイクやん。
ああ、文句ではないです。
ネタ被りはいいんだ、これだけ作品数多いと被っても仕方ない。
それより気になるのは…前もどこかで書いた気がするけど、前もってお互いどんな内容のものをやるのか確認を取るような会議って無いのかなぁ?と。
やっぱ無いのか?こういう事故って今後も起きるのかねぇ。

内容に関しては…やっぱり星守の子達を特別扱いしないって教育?思想は徹底してるっぽい。
演劇も「このように我々が世界を守っていまーす」みたいなプロパガンダ的な内容でもよかったのにそうではなかった、最後にはやむなくそうなったけど。
けどね、そうはいってもね、唯一オブリに対抗できる人類の希望の星なんだし、やっぱり陰では持て囃されてるんじゃないのん?
アイドル二人組じゃなくてもファンクラブあったりして…自分だったらあんこ支持かな。{/netabare}

11話までの感想
{netabare}ひいい、かなりの部分でSGSと被ってて、ここまで来ると同情さえ覚える。
SGS放送してる頃にはもうこっちの作品もある程度制作進んでたんだよね?頭抱えながら作ってたんじゃかなろうか…。
というかね、ゲームのCMで「アニメでは語られない~」と言ってたので、真相明かすのはそっちでアニメがここまで展開するとは思ってませんでした。
更に11話ではこれでもかと言わんばかりの丁寧な平行宇宙の説明…今の時代こんなに説明する必要あるんだろうか?
あいや文句じゃないです、アニメ見慣れた人には耳にタコだろうけどそうじゃない人へ向けた説明なのかなー、と。
どこまで説明必要かって匙加減は難しいトコロよねぇ。
とはいえ、だ、11話終盤、椿芽の世話になったメンバーが「借りを返すぜ!」と集結するけけど…そんなに恩義になるほどの積み重ねは出来てなかった気が。
敵が闇落ちした平行世界の自分って…闇落ち…アンジュ…うっ頭が。

アンジュ+SGS=バトガ

ってことで自分の中でこんな公式で出来上がりつつある、最終回次第ではあるけど。
どれがナニをパクってるとかそういうことじゃなくてね、時期近いからそういうことは無いでしょう。
まぁちゃんと締めてくれればそれでいいかな?オレ達の戦いはこれからだエンドだけは止めて欲しい。{/netabare}

最終話まで見て
{netabare}最終回はお約束の展開をこれでもかと短縮してのダイジェスト。
味方達が死闘→善戦なるも次々と相打ち(戦闘不能)→主役が異空間(ハザマ)へ飛ばされる→もはや立つのもやっとの味方達の願いで奇跡が→主役顕現(ついでにモードチェンジ)
うん、どこかで見たようなやつ。
で、文章だけだといかにも盛り上がりそうな展開なのだけど、実際はこれをサササっと作業的に進めるだけで、全然タメが無い。
相打ちする味方に危機感も無ければ異空間へ飛ばされた椿芽もまーったく危機感ナシ。
うん、理由は分かってる。
キャラが多すぎ…全員の倒れる姿描かなきゃならんとなったらそりゃ1人1人の描写は薄くなりますって。
初代セーラームーンで4人分を数話に跨いでやってたのを一気にやってるんだもの…。
ってかね、最終回の冒頭5分くらいだけでも見てもらいたい。
1画面の中にキャラがワラワラと…これ原画?死ぬんちゃうか?
自分はどのキャラがどの色かまでは把握してないので確認できないけど、色指定ミス起こしてそう。
または塗りミス起きてるかどうか判定するのがこの作品の楽しみ方かも?とさえ思ったり。
敵側は殆どフード被ってる状態…そりゃそうだ、もう限界だ。
で、手間のかかる割に見栄えは良くならないという地獄の前半を抜けるとモードチェンジした椿芽がよく動くこと。
少数の方が見栄えが良くなるとわざわざ見せつけるかのような構成…。
もう、見てるこっちが涙出そう。
しかもこれでSGSっぽいで片付けられちゃうんでしょ?って自分もやってるけど。

どの段階でその企画が決まったのか知らないけど「毎回全キャラを出す」の縛りは無茶ありすぎ。
強引にひとまずは決着が着く形で終わったが、投げっぱなしエンドとどっちが良かったのか悩む出来でした。
これでも宣伝としてOKってことなのか、原作プレーヤーは満足してるのか…。
(つまらなくて)見るのが辛いアニメじゃなくて、(スタッフが不憫で)見てて辛いアニメでした。
作画の評価は頑張りに対して付けてるだけであって、クオリティは高くないです。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
ネタバレ

ezo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ソシャゲ+美少女バトル=声優豪華

ソシャゲ原作。
アンジュ、スクストと同じ匂いがします。

個人的にはOPは今期トップ3に入る良曲。

1話目感想
{netabare}
星守と呼ばれる女の子が戦う話。

個人的には好きなタイプの作品なんですが1話は微妙。

それでも現時点の2017夏アニメの中では活撃刀剣乱舞、賭ケグルイの次くらいの位置。

シリアス寄りになるか日常寄りになるかで評価は変わっていきそう。

とりあえず視聴継続
{/netabare}

2話目感想
{netabare}
ナレーションで色々説明してたし、やっぱり原作知らないと楽しめない感じか...。

アニメから入る人を楽しませる気はないようで。

シリアス面で面白くなりそうな気がしなくもないけど個人的には少しキツいです。

今後の展開についてあくまで個人的な予想ですが、転校生と主人公は別世界の同一人物なんじゃないかなぁと。髪飾りとか色々似てますし。

スクストでもそんな話あったのでそんな感じがします。
{/netabare}

3話目感想
{netabare}
ミサキが他人に厳しいのは誰にも傷ついてほしくないから。

CMで、「アニメでは語られないミサキの~」みたいなゲーム宣伝CMがやってるけど普通にミサキ中心の話のほうが面白そうだなぁ。

{/netabare}

4話目感想
{netabare}
ミサキはフォルテシモの大ファン。

毎回丁寧にキャラ登場に合わせて名前をテロップで表示してくれてるけど相変わらずミサキ以外わかりません。

いい最終回だった的なノリの回だったけど、バトルガールってタイトルの割にはバトル要素がおまけになってるような。
{/netabare}

5話目感想
{netabare}
髪の色とか長さが似た感じだから風呂に入るとミサキと風紀委員の区別がつかなくなる。

この作品のキャラが全く覚えられないのは毎回星守クラス全員を登場させてるからなんだろうなぁ。

アンジュとかスクストもキャラは多かったけど少人数チームで複数に分かれてる感じだったからまだ覚えやすかった。

内容に関しては今回も特訓的な感じ。そろそろ大きく盛り上がる回が欲しくなる。
{/netabare}

6話目感想
{netabare}
とりあえずれんげ先輩とくるみは覚えることが出来た。それだけでも今回の話には意味があったかも。

今までこの作品の主人公ポジのキャラはみきだと思ってたけど実はミサキが主人公ポジなのかな?

今回の話を見てそう感じました。
{/netabare}

7話目感想
{netabare}
まるで最終回のような展開だったけどまだ7話。

ソシャゲ原作だし主要キャラはほぼ死なないと分かってるから(艦これみたいな例外もあるけど)シリアスでも緊迫感とかは特になし。

ミサキの「こっちの星も綺麗だよ、お姉ちゃん」この台詞が意味するものとは...。

とりあえず次回は一段落といった感じの日常回かな。

スクストは11話目で面白くなったけどバトガはどうなるのか。
{/netabare}

8話目感想
{netabare}
みきと同じでミサキもメシマズだったのはやはり2人には何か関係性があるってことなのかな?

マットでの昼寝に勝手に混ざったミサキが可愛かった。これも打ち解けてきたから出来ることか。

箸休め回としてはとしては悪くなかったけどもうちょっとシリアス成分が個人的に欲しい。
{/netabare}

9話目感想
{netabare}
ミサキは大分星守クラスに馴染んできたなぁ。

そして演劇中に乱入者。次回辺りからシリアス展開に入っていきそうな予感。
{/netabare}

10話目感想
{netabare}
ミサキは別世界から来たみく?前々から似てるとは思ってたけどミサキはみきの妹だったか。

そしてフードを被ってる敵は別世界のみき。

色々と謎が明らかになって面白くなってきた。やっぱりミサキ中心のほうが面白い気がする。
{/netabare}

11話目感想
{netabare}
今回も面白かった。ここにきて今期個人的下位アニメから脱出した感じ。

ミサキの回想シーンは良かった。今までのグダグダした日常回はこのシーンの為にあったのかな?

面白くなるのが遅すぎでもはやほとんどの人が観ていない状況だけど個人的には最終回を楽しみにしてる。
{/netabare}

12話目(最終回)感想+総評
{netabare}
悪くないんだけどスクスト同様ラストが駆け足になってしまったのが残念。

最終回だけあってラストバトルの作画は中々。

シナリオ自体は悪くないけど見せ方があまり良くなかったのか惜しい印象。

ソシャゲアニメってシリアスメインの方が面白いと思うんだけどなぁ。

ラスト3話だけなら今期上位クラスだけどやはり面白くなるのが遅すぎで全体の評価としては微妙な感じ。

そして結局半分もキャラ名を覚えられなかった。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

みんなのキズナが、希望にかわるよ!!

この作品の原作はスマホ用のゲームアプリだったみたいですね。
このところよく見かける「大声優さん祭り」作品ですね。
最近アニメの視聴に声優さんが欠かせない私にとって、視聴しないという選択肢のあり得ない作品でした。

この物語の舞台は、神樹ヶ峰女学園という中高一貫学校…
この学校には「神樹」と呼ばれる大木と、神樹の力を使ってイロオスという敵を倒すことのできる「星守」が存在しています。

この星守ですが、一人ではなく中学から高校まで各学年に複数存在するので大所帯…
こうなると途端に難易度が上がるのが登場人物の名前を覚えること…

いやぁ…実際さっぱり覚えられませんでしたよ。
せめてもの救いは、全員ではありませんが声優さんでキャラが区別できたこと…

「あ、これ天ちゃん…」「はやみん、東山さん、真礼ちゃん、りえりーは分かりやすいね」
「分かりやすいといえば、久野さん、悠木さんだって…」

こんな感じだったので最初はキャラの名前を覚えようとしましたが敢え無く挫折…
結局は声優さんの名前をそのままキャラの名前に置き換えて視聴していました。
それでも結構楽しみながら視聴できたと思います。

一方、物語の方ですがこれまでに視聴してきた幾つかの作品を掛け合わせたら、こんな風に仕上がりました…という感じなので、ラストの展開以外は物語に新鮮さはありませんでしたが、この作品の特徴は兎にも角にも声優陣が豪華絢爛、ということです。

高校1年生
・星月みき(CV:洲崎綾さん)
・若葉昴(CV:あやねる)
・成海遥香(CV:天ちゃん)
・ミサキ(CV:りえりー)

高校2年生
・天野望(CV:東山さん)
・火向井ゆり(CV:上坂すみれさん)
・常盤くるみ(CV:はやみん)
・煌上花音(CV:本渡さん)
・国枝詩穂(CV:下地柴野さん)

高校3年生
・粒咲あんこ(CV:内山さん)
・芹沢蓮華(CV:南條さん)
・楠明日葉(田村睦心さん)

中学1年生
・藤宮桜(久野さん)
・南ひなた(五十嵐裕美さん)
・サドネ(CV:悠木さん)

中学2年生
・千導院楓(CV:木戸さん)
・綿木ミシェル(CV:加藤英美里さん)

中学3年生
・朝比奈心美(CV:原田ひとみさん)
・蓮見うらら(CV:真礼ちゃん)

これだけの声優さんが揃えられる、ということは原作ゲームが好調であることの証なのでしょう…
そう考えると、原作ゲームにも興味が湧いてくるようにも思いますが、何せ時間がありませんからね…
視聴環境の変化にも慣れてきましたが、総じてアニメを視聴する時間は減少傾向…
ゲームとアニメを天秤にかけると…やっぱり軍配はアニメに上がります。

でも良かったのは声優さんだけではありません。
一歩前に踏み出す勇気だったり、仲間のためになりふり構わず敵に向かっていったり…
「仲間」「絆」「友情」というベタですが、熱い展開に欠かせないスパイスはしっかり効いていたと思います。
なので、原作ゲームをプレイしていなくても十分に楽しめる作品だったと思います。

物語はありきたりかもしれない…
けれど、その中でも確かな熱さは感じられる作品…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニング・テーマは、神樹ヶ峰女学園星守クラスによる「ホシノキズナ」
エンディングテーマは、f*fによる「Melody Ring」
f*fはこの作品に登場するアイドルで、煌上花音と国枝詩穂の2名で構成されたユニットです。

1クール12話に物語でした。
この作品は原作の販促版…という要素が強かったんだと思いますが、そう割り切って視聴すると、あまり違和感を感じることなく作品が楽しめたと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

69.4 22 演劇アニメランキング22位
ガラスの仮面[東京ムービー版](TVアニメ動画)

2005年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (98)
476人が棚に入れました
かつて舞台『紅天女』(くれないてんにょ)で主役を演じ、大女優と謳われた月影千草は、芸能界を引退し、今は横浜で静かな生活を送っていた。
そんな月影の下をたびたび訪れる男たちがいた。大都芸能の社長令息・速水真澄と演出家の小野寺一である。彼らは原作者から『紅天女』の上演権を譲られている月影から上演許可を得て、女優の姫川歌子主演で『紅天女』を上演しようと目論んでいたのである。
しかし、月影は『紅天女』の主演は自分もしくは自分が育てた女優にしか演じることは出来ないと言って、彼らの申し出を拒絶する。
そして、10年待って、自分が育てた女優が大成することが出来なければ、上演権を譲ると言い放つのだった。
ネタバレ

千秋 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

超大作のスポ根・演劇物語

全51話  少女漫画原作

原作は超大作で、ドラマ版もあるので、ご存知の方も少なくないと思います。

ガラスの仮面は、真剣に芝居に取り組む人々の姿を描く物語です。
劇中劇(舞台劇)がたくさん見られ、コメディ要素は全くないです。

カレイドスターや、ちはやふるが好きで大作が見たいという方にはお勧めです。
理由は単純。「好きだから」ひたむきに体当たりして頑張る。
彼女たちを取り巻く熱気、好きなことに傾ける情熱。熱い戦い。スポコン少女漫画の王道です。
共通して応援したくなるタイプで、どういう成長をとげていくのか見届けたくなります。

登場人物
主人公・北島マヤは見た目は平凡そのもの、演劇以外はまるで駄目な女の子。最初はド素人だが、演じるということを本能で理解している、真の天才少女。

ライバル・姫川亜弓(ひめかわ あゆみ)は、主役をやるために生まれてきたような美少女女優。
彼女の演技にかける情熱は他の誰にも負けない。

かつての大女優・月影千草。幻の名作・紅天女の主演女優を育てるために生きてきた。その思いは狂気にもにた激しいもの。

表面上は冷酷非情だが影ながらマヤを支える、紫のバラの人。マヤのファン一号でもある。


見所は、たくさんありますが、ライバル同士の熱い戦い、月影先生の熱い思いや、マヤの恋などなど。演劇を巡り、山あり谷がたくさんあり。起伏の激しい展開で、次々と先が見たくなります。
劇中劇が多く見られますが、その舞台にも吸い込まれるように集注させる魅力があります。
舞台の内容は世界中に有名なものだったり、ガラスの仮面の作者オリジナルのものだったりです。

原作を読んだのはだいぶ前になるのですが、素人目に見て、作画は原作にかなり近いです。
マヤを見たときは忠実で驚きました。

古い作品ですが、埋もれさせるのはもったいない名作です。

あらすじ
{netabare} かつて舞台『紅天女』(くれないてんにょ)で主役を演じ、大女優と謳われた月影千草は、芸能界を引退し、今は横浜で静かな生活を送っていた。 そんな月影の下をたびたび訪れる男たちがいた。大都芸能の社長令息・速水真澄と演出家の小野寺一である。彼らは原作者から『紅天女』の上演権を譲られている月影から上演許可を得て、女優の姫川歌子主演で『紅天女』を上演しようと目論んでいたのである。 しかし、月影は『紅天女』の主演は自分もしくは自分が育てた女優にしか演じることは出来ないと言って、彼らの申し出を拒絶する。 そして、10年待って、自分が育てた女優が大成することが出来なければ、上演権を譲ると言い放つのだった。 {/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

マンガ史上最高の作品のアニメ化。不足はありますが仕方ありません。

 マンガ版は日本の漫画史上最高峰に君臨するでしょう。原作は多分通算で10回以上読んでいると思います。というより一時期1ヶ月くらいずっと読んでました。
 リアリティがとにかく有りません。ですが、演劇ってこういうものだ、と力技で押してくるパワー。芸能界は良く知りませんが、オーディションも練習も演劇の舞台もコンクールも現実とは全然違うみたいですね。ですが、ストーリー展開の面白さで、すべて「有り」にしてしまっています。
(ただ、聲の形の声優さん、実際に聾唖施設にいったみたいですね。時代があゆみさんに追いついたのでしょうか)

 それを支えているのが、キャラの個性です。マヤ、あゆみさん、紫の薔薇の人、月影先生など主要キャラの魅力はもちろんですが、ラーメン屋の娘とか乙部のりえとか演劇部の部長とか、サブがなんかすごいんですよね。パワーが。グイグイきます。乙部のりえ…素晴らしいキャラでした。
 でも、やっぱりあゆみさん、最高です。美しくて謙虚で努力家、天才を知る悲哀もあって、マヤの理解者でライバルでツンデレで。とにかくあゆみさんのマヤ愛が堪らないです。泣けてきます。(エースをねらえのお蝶夫人とちょっとかぶります)

 本作をギャグの様にとらえる人もいますが、全然違います。真摯さ、真剣さは時に滑稽ではあります。その世界の常識は外からみれば奇異な価値観なのかもしれません。それを笑う人は自分の人生を反省したほうがいいのでは?と思います。
 マヤという天才ですらあらゆる努力を積まなければならない。そして、あゆみさんという天才に近いけどやはり天才になりきれない秀才の悲哀。つまり「マヤ…恐ろしい子」です(これは月影先生ですが)。
 スポコンをも超えた、演劇道というより演劇地獄ですね。こんなすさまじい話は他に例がないでしょう。

 天才に追いつけない悲哀でいえば30分の1くらいマイルドにすると、ハチミツとクローバーになるのでしょう。

 さて、アニメ版はその物語の迫力や、あゆみさんの美しさ、ゴージャスさ、声優さんの演技を初め、表現が足りてないですね。全般に言えることですが。あと白目ありましたっけ?無かったと思います。白目がなきゃガラスの仮面じゃないです。
 また、結構省略がありました。隅々まで原作を覚えているせいか、削ることのできない完成度のマンガを51話に収めた不足感がありました。

 ですが、予算と時間と人材がいないと、ガラスの仮面の完全なアニメ化は望めないでしょう。その意味ではよくできたアニメだったと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0
ネタバレ

でんでん虫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

青になり損ねた紫

いきなりですが、問題です。

Q.あなたは今、外にいます。すると突然あめが降ってきました。その時あなたはどのようなリアクションをとりますか? 演じてみてください。

答え{netabare}
・何も考えずに雨が降って来た時の想像をした人は凡人です。とっとと身支度して帰ってください。
・「あめってどっちだよ」と思った方は少し役者の資質があるかもしれません。
・無意識に「雨」と「飴」の2パターンの演技を思いついた方はかなり役者の資質があります。今すぐ配役のオーディションを受けるのです。
・私が想像もつかないような演技を考えた方は今すぐ私のところに来なさい。あなたは天性の才能をもっています。 {/netabare}

とまぁこんな風に言葉一つの意味の取り方次第で演技は様々な顔を見せる。また、同じ意味でとっても演じ方を変えればさらに別のものになるのだ。このように演劇には無限の可能性がある。それこそ拡がり続ける宇宙のように。この作品ではそんな演劇の世界に生きる女優達の光と影を描いている。

 眩しいほど光る才能を持つ主人公北島マヤ。彼女が演じれば、そこには必ず影ができる。マヤは嫉妬に狂う周りの人々の様々な妨害を受けるのだが、必ずと言っていいほど都合よく助けが入る。それがライバルの姫川亜弓であったり、紫のバラの人である速水真澄である。悲劇のヒロインでありながら一番の幸運の持ち主という王道設定が感情移入を容易にする。

 それと「新しさを感じさせない」演出。これのお陰で30年もの間、世界観が壊れることなく多くのファンに愛されるのである。この作品からは古さを感じるのだが、内容はそうではない。伝統を守ることも大切だが、それよりも新しいものを作ることに重きを置いている。この「古さ」と「新しさ」というギャップから、私はこう考えている。この作品が、これから先作られるであろう漫画のお手本になることを望んでいるのではないかと。

 役者やプラネタリウムが見せるものは所詮本物に比べれば成り損ないの偽物なのかもしれない。しかし、見せる側が本気で楽しませたいと思ったのならば、本物と変わらない感動がそこにはあるのではないだろうか。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

62.7 23 演劇アニメランキング23位
カブキブ!(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (121)
428人が棚に入れました
歌舞伎大好きな高校1年生、来栖黒悟(くるすくろご)の夢は、部活で歌舞伎をすること。
けれど、入学した高校にそんな部は存在しない。
「それなら、自分たちで作っちゃえばいいんじゃない?」
親友のトンボと一緒に、まずはメンバー集めに奔走するけれど……! ?
青春歌舞伎物語、開幕!

声優・キャラクター
市川太一、梅原裕一郎、逢坂良太、河西健吾、島﨑信長、甲斐田裕子、内山夕実、朝井彩加、山本和臣、前野智昭
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

笑顔で締めくくる青春の1ページ

特に歌舞伎ファンの受けはよくないようで、
ほとんど注目されてない印象の今作だが
もっと評価されてもいいと思う。

<真面目な高校の部活物として佳作と秀作の間くらいと感じた>

この作品には、題材に歌舞伎を扱った点以外は、
話自体に目新しさはない。

ツッコミ所をあげると、舞台美術やカツラ含む衣装代の予算が
それなりに掛かってそうで、予算乏しい同好会レベルとは
とうてい思えなかったところか。

しかし、キャラクターが皆、輝いていて、
生き生きしてるのが今作の最大の魅力。

歌舞伎のことはあまり知らず興味もない、
拘りもない自分にとっては、
この作品の、奇をてらわず、真面目で素直な所が気に入った。

青春ドラマとしての魅力。
頑張ってる登場人物たちを応援したい気持ちに自然になれた。

始めは、全く期待してなかったが、
最終話まで観たら好きな作品の一つになった。

その具体的な理由は以下に...。

<一人一人の個性と才能が適材適所で活かされてる>
{netabare}
歌舞伎同好会メンバーの求心力として輝いていた主人公の来栖黒悟(クロ)。
ひたすら前向きで明るい性格は、全体のキャラの中で上手く活かさる。
明るいだけではなく、人に対する洞察力に優れ、思慮深く、
思いやりもあって回を追うごとに好きなキャラに。

親友の村瀬とんぼは、物語開始当初、
クロになぜあれほど献身的なのか疑問だったが、
過去の出会いの回想も巧く描いてくれて
その関係性に納得できてから非常に好印象。

彼は、来栖のブレイン&サポーターとして非常に優秀。
来栖とは陰陽の対比が明確で、裏方としての頼もしさ、
情報収集力以外に後からいろいろ裏技も出てきて侮れない。
7話での意外な才能はちょっと受けた。

その他のメンバーも、来栖の情熱が徐々に乗り移り、
皆で一つの舞台を作ろうという様が自然に描かれる。

他の気に入ったキャラは、

・蛯原仁(えびはら じん)・・・
今作は、彼の成長物語の側面もあって彼にずっと注目。
歌舞伎界名門の御曹司で、跡取りとして非常な努力家。
プロ意識強く、歌舞伎同好会を遊びにしか思えないという役。
サラブレッドゆえ幼少よりのキャリアで凝り固まった自我が
クロたちとの出会いでどうほぐされていくのかが、
自分にとっての一番の見所だった。
大御所の祖父とのやりとりも興味深かった。
また、阿久津をライバルのように認識していく展開も面白い。

・阿久津新(あくつ しん)・・・
当初は音痴で単純なおバカな痛いキャラから、徐々に重要キャラに変貌。
わざと言ってるのか、と突っ込みたくなるほどのおバカな言い間違い。
そんな和み担当でも役者としての才能はずば抜けている。
トラブルメーカーとしても話題尽きぬが、憎めない愛すべきキャラ。
また、出自にまつわる謎、プロである蛯原との芸のぶつかり合いも
いい見せ場に。

・浅葱芳(あさぎ かおる)・・・
麗人としての魅力以上に、向上心豊かで努力家。
舞台役者として才能を感じられ、さらに思慮深い人格者として
高校生でありながら大人の魅力ある光る存在だった。

・丹羽花満(にわ はなみち)・・・
始めはオネエ言葉に引いたが、本質はノーマルということで安心。
性格的に温和に見え、日舞の名取らしく雅な雰囲気があって
芸に対する一途さも好印象。

・蛇ノ目丸子(じゃのめ まるこ)・・・
言動といいオタク風味全開でコスプレを愛し、
アニメを愛する一般的な視聴者にとって
一番身近に感じられるキャラだったと思う。
手作りとはいえ、衣装の素材は高価そう。
どこで調達するのかは最後まで謎だった。

他の部員も協力的で、魅力的。
徐々に歌舞伎の良さを学んでいく。

顧問も、歌舞伎初心者だったがクロに感化され
徐々に歌舞伎を愛するようになっていく。
教師と生徒という垣根をいつの間にか超え、
同好会の仲間のように描かれたことも好かった。

演劇部部長も初めは同好会の天敵かと思われたが、
徐々に思慮深い役柄と分かってから魅力が増した。
終盤、出番がなくなったのはさびしい。
{/netabare}
<次回への惹き付けも悪くなかった>
{netabare}
キャラの中でも歌舞伎界の名門の御曹司、蛯原の去就が
登場時から非常に興味深いものだった。
この作品中、一番成長するキャラかもしれないと思い、
毎回、次回が楽しみになり、それは最終話まで続いた。

実際、最終話まで上手く引っ張られ、
彼が同好会と初めて真剣に向き合うシーンは
ちょっとしたカタルシスを味わえた。
{/netabare}
<直向きで一途な青春群像が清々しい>
{netabare}
最終話で、新入生歓迎会の部活紹介の舞台を
クライマックスに持ってきたのは、ベタだがとてもよかった。

演目は渾身の「白浪(しらなみ)五人男」。

拘りを感じるノーカットの舞台描写に引き込まれた。

客席の観客(高校生)は、彼らの演技に見入っていたが、
台詞は声優たちの演目の演技に視聴者が集中できるように、
ギャラリーの台詞は最小限に。
生徒たちの表情だけでも十分、彼らの心に届いていると伝わる作画がいい。

京アニの作画と比べるとさすがに見劣りするものの、
「響け!ユーフォニアム2」第5話の
「三日月の舞」ノーカット演奏シーンに近い魅力があった。

蛯原役の声優、河西健吾氏は、
歌舞伎の研究努力を感じられる演技で
なかなかの説得力があった。

実際の歌舞伎の舞台は観たことないが、
初めての同好会との共演の舞台での台詞回しでは、
間合いの取り方、イントネーションの違いが
他のアマチュアなメンバーとの差別化として上手かったと感じた。

<達成感があり未来にする希望に溢れた締め括り>

舞台終演後、EDが始まってから、主要キャラの後日が描かれる。
全員晴れやかな表情に、歌舞伎同好会の明るい未来が感じられる。
全くの台詞抜きでOP曲だけなのがセンスがいい。
いろいろな想像をかきたててくれた。

さらには、今作で一番注目していたキャラ、
蛯原の、ひと皮剥けたと思われる描写も微笑ましい。
{/netabare}
<OP&EDは作品の世界観によく合っていた>
{netabare}
OPの「Running High」は、声優、下野紘の3枚目のシングル。
(下野氏は今作では声優としては出演していなかったと思う)
声優としてはこの作品時、2017年で17年のキャリアを誇る下野氏。
歌手デビューは意外と遅く2016年。

初めて下野氏の歌声聴いたが、この曲は回を追う内、徐々に好きに。
最終話でのEDとして、いい余韻を味わうことができた。

EDは、元は1980年リリースの沢田研二の歌う「TOKIO」を
タイトル「お江戸-O・EDO」として歌詞を
江戸時代風にアレンジしてカブキロックスがカバーした
1990年リリースの懐かしい名曲。

個人的には、パラシュートを背負った麗人風の衣装という
インパクトあるビジュアル込みで沢田研二バージョンが好きだったが
カブキロックスのアイドルっぽい瑞々しい歌声と歌詞は
この作品にはよく合う。
{/netabare}

もし2期があるようならぜひ観たい。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

むしろ傾(かぶ)いていない、王道の創部モノ

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
初心者の寄せ集めで何かを仕上げていく。しかし、その中には様々なジャンルの天才が含まれていて、、、という実に王道の創部モノ、青春モノ。

ストーリーとしては可もなく不可もなく。BLは全然大丈夫。歌舞伎の様々を知れたのは良かった。ただ、映像や演技の点で、歌舞伎の迫力を充分に表現できていたとは言い難く、そこはやや残念だった。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まあ当然、「昭和元禄落語心中」とは比べられちゃうんでしょうね。伝統芸能つながりで。歌舞伎という男の世界を描く以上、どうしてもBL要素は入ってくるのかな?

歌舞伎は3回ほど、付き合いで観た程度。正直、特に面白いとは思えなかったです(まあ、私が坊やだったんでしょうw)。

でも、アニメという、身近で手軽な媒体によって、自分とは縁のなかった世界に触れられることは単純に喜びです。

そういう導入系アニメは基本的に興味深く観られます。「ろんぐらいだぁす!(ロングライド)」や「あまんちゅ!(ダイビング)」などは、(自分にとっては)導入系で面白かったです。

そんな中、最高クオリティで魅せてくれたのが、「昭和元禄落語心中」でした。勿論、本作はそこには及ばないです。まあ、比べるのはあまり良いことではないけれど。

主人公はクロ、と見せかけ、実は阿久津や蛯原の方が強いストーリーを持っているようでした。クロはあくまで繋ぐ役。本当に黒子のような存在でしたね。

意外と珍しいのは、創部モノなのに最終話までメインキャストが全員揃わない点。そういう点でも、蛯原は裏の主人公と言えると思います。

雪降る歌舞伎座の前で、クロと蛯原が語り合うシーンは、なんか良かったです。二人とも歌舞伎を愛する気持ちは同じくらい熱くて、でも進んでいる方向は全く違って、でもでもいつか必ず二人の道は交わるのだろうと想像できる、熱い展開。

部活モノとしてはそれで充分なんだけど、歌舞伎モノ?としては、やはり難しいんでしょうね。まず演目が長すぎて、フルサイズだとアニメにのらないし。動きもあるので、作画にも予算割かなければだし、勿論、声優さんの実力は求められるし。

最終話でなんとか一幕?を見せましたが、大半が名乗りのシーン×5で、歌舞伎の迫力はイマイチ伝わらず(ちなみに、レビューにあたり、YouTubeで、市川海老蔵さんや中村獅童さんが演ずる白波五人男を少しだけ観てみましたが、やっぱり迫力がありまし。生で観たらもっとあるのでしょう。なんか、ルパンみたいな筋なんですかね)。

それから、「素人」「歌舞伎らしきモノ」と切って捨てた蛯原と、切り捨てられた面々(丹羽や数馬ら)との「差」が、素人の自分にはよく分かりませんでした。なんとなく、蛯原の方が裏声なんか使って台詞の繋ぎが良いような気もしましたが、微妙な違いですし、プロと素人にはその程度の違いしかないの? とか、思ってしまいました。そもそも、阿久津の演技の方が好きでした。

まあ、私のような歌舞伎初心者以下には、良し悪しはあんまり判断できないっすけどね。

あと細かいことなんですが、体操部の動きが少な過ぎて、むしろそっちを観たくなっていましたw 登場シーン以外はほぼ体操の要素がなく、あれで新入部員が体操部に入ってくれるか心配になったほどです(笑) 勿論、この作品があくまで「歌舞伎」を魅せたいのはわかっていますが、「歌舞伎と体操の融合」なんて、メチャメチャおもしろい取り組みだと思うんですよ(リアルであっても良さそう、スーパー歌舞伎みたいなので)。それこそ、「カブキブ」でしか表現できないものだと思うし。だから、個人的には12話だけでも作画をガチで頑張って、体操部をバンバン跳ばして、歌舞伎同好会のメンバーで緩急をつけて、演目をもっと長く見せ、なんだったら30分マルマル使って歌舞伎をしっかり魅せて欲しかったです。

とにかく、悪くはないアニメでしたが、歌舞伎のような総合芸術をアニメにする、ハードルの高さは実感しました(ユーフォ2レベルの神作画と、落語心中レベルの神演技力が融合しないと難しいのかも)。
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
「昭和元禄落語心中」に比べれば色々落ちるが、導入系、創部モノ、導入系のアニメとしては及第点くらいだと思う。

主人公のクロは正に黒子のような役目を果たし、実際には蛯原や阿久津の方がキャラが立っていた印象。

尺や作画、声優の問題もあり、歌舞伎をアニメにするのは難しいと思った。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
作画、ちょっと厳しいな~。ペラペラだ。女性を入れていくとしたら、良い感じ、なのかな? 伝統文化だから、そのへんの機微は分からないな。前歯がとれるとか、一生に関わる大事件だよ。

2話目
剣道もそうだけど、無駄に「伝統文化」「精神」なんて言って敷居を高めると、底辺が狭まり、結果、衰退する。間口は広い方が良い。まさかのお姉展開は笑ったw 「昭和元禄落語心中」とは、声優陣のレベルが違うな(悪い意味で)。

3話目
やっぱり、歌舞伎1本丸々見せる根性はないか。まあ、演目の長さが落語とは違うからしょうがないな(アニメに入りきらないw)。いきなり歌舞伎のストーリーにダメ出しするとか、良いね。チビはまだしも、ブスや、特にデブではないでしょ。教頭先生が普通に良い先生なアニメは珍しい。

4話目
主人公が一番の大根ってのは良いね。ん? そもそもなぜそこに阿久津がいるの? そんな描写あったっけ?

5話目
阿久津はアホの子ですねw 文化祭定番の勝負展開。つか、外郎売りの大事なところ(早口言葉パート)やってないじゃん(盆まめ盆米盆ごぼう、粉米のなまがみ粉米のなまがみこん粉米のこなまがみ とか)。そこをアニメで魅せないと、意味がない気がする。

6話目
歌舞伎のリアルなダメ出しが多いアニメですね。わりと好きです、そういう姿勢。う~ん、このアニメの場合、キャラの掘り下げより、真っ直ぐにじっくりと歌舞伎を見せて欲しいんだけどな。

7話目
展開としての意外性はないですね。演劇部部長、策士だ。

8話目
舞台にプロジェクターで背景映してたけど、どこにプロジェクター置いたんだろ? 影写ってないけど、という無粋な突っ込みw やっぱり、肝心の歌舞伎の迫力がな~。

9話目
ここでも、月がきれい、か。

10話目
天才、二人。蛯原が八雲で、阿久津が助六って感じ?

11話目
いよいよ、ラストに向かっていきますね。全員集合の流れですね。

12話目
う~ん、イマイチ。歌舞伎の魅力、迫力、もっと観たかったな~。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

天真爛漫で澄んだ瞳、その無垢な表情がウザすぎる・・・・いや待てよ。あら?あらららら・・・・

古典落語と大人なドラマで渋い良作となった「昭和元禄落語心中」の熱冷めやらぬまま入った「カブキブ!」。タイトル通り、お題は日本の古典芸能「歌舞伎」。
歌舞伎オタクの高校生・来栖黒悟と隣人で親友・村瀬とんぼが歌舞伎の面白さを知ってもらおうと校内で歌舞伎同好会を起ち上げ、色んなスキルの仲間を集めていく歌舞伎青春グラフティーといった感じ。

ストーリーの流れは悪くないと思いますし初心者向けに専門用語や演目の解説なんかあって判りやすく、初「歌舞伎アニメ」という試みは良いと思います・・・・・・が、

・OPから『軽い!』。若者・一般狙いかもしれませんが「さわやかPOPミュージック」って軽すぎると思います。偏見かもしれませんが。(ああ、伝統の重みが崩れていくような・・・)
・演者の演技がヤッパリ『軽い!』。練習でも舞台でも[生]で見る演技というのは「空気(雰囲気)」が変わる(または緊張する)ものです。それを画面で表現するのは難しいだろうなぁと思ってたたら・・・そうなるしかないかなぁ・・・。絵を綺麗にして、カット多用したらもっとカッコよくなるのになぁ・・・そんな時間やセンスがないのかなぁ・・・演者は学生だから多少下手なほうが雰囲気でるということかな?
・来栖黒悟君の風体が『軽い!』。歌舞伎に関するウンチクや歴史の知識もあり、語りだしたら瞳を輝かせて情熱的に弁をふるうオタクぶり。でもなんだろ?彼のキャラのせいなのか声のせいなのか?ものすごくムカつくのは私だけなのだろうか?

集まる仲間達はクセがあり男女混成で結構好きなんですが・・・・
・村瀬とんぼ:黒悟の親友。クールで無口。裏方専門。
・浅葱芳:演劇部の看板女子部員。優雅なルックスで女子達から熱烈に信奉されてる所謂‟王子”。人柄はイイが練習の指導は笑顔でシゴく‟S”気あり。
・阿久津新:訳あり家庭で祖母と二人暮らし。父は他界しているが幼少時に歌舞伎経験あり。本人は歌舞伎嫌いと言って金髪メッシュッでバンドをやっていたが、すこぶる音痴。モノ知らず(馬鹿)のくせに気取りたがるお調子者。
・丹羽花満:母が日舞(日本舞踊)の師範で自身も名取(一定期間習って○○流と名乗れる称号のようなものらしい)。‟おネエ”だが恋愛はノーマル。付き合ってた彼女が彼氏を作り、自身に対しては親しい‟友人”としてみてくれてなかった事にショックを受け、格闘技に打ち込んでワイルド・ガイになろうとしていた。
・蛇ノ目丸子:阿久津とは近所で幼馴染。コスプレイヤーから讃えられるカリスマ・コスチュームテーラー(仕立て屋)。自虐的だが自身のプライドを持ちアグレッシブ。
・蛯原仁:梨園の名門、白銀屋の御曹司で現役の歌舞伎役者。同好会に対しては「お遊び程度」と冷ややかに見ている。今後のカラミが気になるところ。
、と個性派揃い。

時たま画力不足なところが多々ありますが「仲間が増えて何かをやり遂げる系」の話は割と好きなので完走予定です。

EDは、その昔(1990年頃)「三宅裕司のいかすバンド天国(通称・いか天)」でブレイクした『カブキロックス』による沢田研二の「TOKIO」の歌詞をもじった「お江戸-O・EDO-」。いや~懐かしいですね。派手な見た目より話題性が無かったので自然消滅したのかと思ってたましたけど、まだ活動してらっしゃるとは・・・・・・

【視聴終了】
前半、結構鬱陶しいと思えてた来栖君。演目の度に問題やトラブル解決に奔走するプロデュース力に好感が持てました。頼もしい仲間も助けてくれたりして「これぞ青春!」みたいな感じです。格式ばった歌舞伎はスゴイと思いますが「楽しむ」という本来の目的は達成できてると思います。

最終回の演目「白波5人男」を見て、「特撮ヒーロー」の名乗り口上みたいだと不謹慎にも思ってしまいました(案外、歌舞伎が元祖なのでしょう)。
戦隊ヒーローだと、
例:秘密戦隊ゴレンジャー
「アカレンジャー!」
「アオレンジャー!」
「キレンジャー!」
「モモレンジャー!」
「ミドレンジャー!」
「5人そろって、」『ゴレンジャー!』
例:仮面ライダーストロンガー
「天が呼ぶ。地が呼ぶ。人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ。俺は正義の戦士、仮面ライダーストロンガー!」
また時代劇だと、
例:桃太郎侍
「一つ人の世、生き血を啜り。二つ不埒な悪行三昧。三つ醜い浮世の鬼を退治てくれよう桃太郎」

そんな感じで歌舞伎は現代人にはセリフが判りづらいところもあるけれど、思いっきりカッコつけた(傾いた)最高にカッコイイ演劇なのかもしれませんネ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

68.5 24 演劇アニメランキング24位
サクラ大戦 活動写真(アニメ映画)

2001年12月22日
★★★★☆ 4.0 (81)
414人が棚に入れました
1996年の発売以来、ゲームファンからもアニメファンからも強い支持を受け続けているファンタジック・アドベンチャー・アニメーション初の劇場公開版。昼は「帝国歌劇団」の人気スタア、そしてひとたび帝都に危機が訪れれば秘密部隊「帝国華撃団」のメンバーとなり悪と戦う乙女たちの華やかな活躍を描く。同時上映は「デ・ジ・キャラット 星の旅」「あずまんが大王」「スレイヤーズぷれみあむ」。
 太正十五年、12月の帝都。元星組隊長のラチェット・アルタイルなる女性が帝国華撃団花組に配属される。それは紐育華撃団設立準備のための措置だったが、彼女のワンマンぶりに花組の面々はとまどいを隠せない。同じ頃、アメリカのDS社では政治家・田沼と結託し帝国陸軍に無人霊子甲冑ヤフキエルを売り込もうと画策していた。ある日、いつものごとく “降魔”と戦う花組の前にヤフキエルが突如現れ、圧倒的な強さで降魔たちを蹴散らしてしまう。陸軍での正式採用も決まったヤフキエル部隊は以来快進撃を続け手柄を一人占めしていくのだが……。

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「サクラ大戦」初の劇場版…19年前に上映された映画とは思えない程のクオリティを見せて貰いました。

この作品の原作ゲームは未プレイです。
テレビ版に引き続いての視聴となりましたが、公式HPに「いま、世界最高の水準のスタッフによる夢のプロジェクトが幕を開けます。」と記載されていましたが、この文言の神髄を思い知ることになりました。


大正15年、帝都東京は西洋文化と日本文化が入り交じり、街には蒸気電話、蒸気自動車、
地下には蒸気鉄道網が敷設され、独特の文明が築き上げられていた。
しかし、この一見華やかな舞台の裏側には、"降魔"と呼ばれる
異形の怪物が跋扈する闇の世界が潜んでいた…

通常の軍隊、警察では到底手に負えないこれらの怪物から帝都を防衛すべく、
闇と戦う秘密部隊「帝都歌劇団」が組織された。

だが、驚くべくことに、隊長を除いた全てのメンバーは華もはじらう乙女たちであった。
彼女たちは、昼は帝都の人気スタア、「帝国歌劇団」として大帝国劇場で華やかに舞い踊り、
一度、帝都に危機が迫ると「霊子甲冑」に身を包み、
「帝都歌劇団」として加齢に戦う戦士たちである。

花組の隊長である大神中尉を巴里へおくりだした、さくらたち花組のもとへ
元星組の隊長ラチェット・アルタイルが配属される。
合理主義で個人主義のラチェットと隊員たちの確執が深まる中、
帝都は謎の降魔軍団の出現に脅かされていた。

度重なる失態を繰り返す花組に対して、帝都不要論が囁かれる中、
リーダー不在の花組に未曾有の危機が迫る!!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

視聴を始めて直ぐに気付くこと…
それは圧倒的なまでの映像美です。
テレビ版の視聴後に見たからかもしれませんが、動きの滑らかさも半端無いんです。
現在のアニメとクオリティに遜色がない…
これって、19年前では相当なことだったと思います。

そしてもう一つ気付くのが、テレビ版より花組所属隊員が増えていることです。
元々花組は以下の6名で構成されていました。

真宮寺さくら(CV:横山智佐さん)
神崎すみれ(CV:富沢美智恵さん)
マリア・タチバナ(CV:高乃麗さん)
アイリス(CV:西原久美子さん)
李紅蘭(CV:渕崎ゆり子さん)
桐島カンナ(CV:田中真弓さん)

そしてこの劇場版から加わったのが以下の2名です。

ソレッタ・織姫(CV:岡本麻弥さん)
レニ・ミルヒシュトラーセ(CV:伊倉一恵さん)

この2人は、元はエリート集団と言われた星組に所属していたメンバーです。
だから一時的に花組に星組が集結した形となった訳です。
星組は花組より先行して結成されましたが、故あって解散となりました。
どうして星組が解散となったのか…
この物語の顛末も見どころの一つだと思います。

そしてこの物語のもう一つの幹は、花組の存在を脅かす正体不明の人型蒸気の登場です。
この招待不明の人型蒸気の一番の脅威は無人で稼働できることだったんです。
機械は壊れたら直せば良い…
ですが、人間はそういう訳にはいきません。
一時は絶体絶命のピンチに追い込まれる花組ですが、そこから彼女たちの獅子奮迅の活躍を目に焼き付けて欲しいと思います。

主題歌は、帝国歌劇団による「劇場版・奇跡の鐘」

上映時間85分の作品でした。
凄い作品を見てしまった…という思いと大団円のエンディングに大満足です。
気持ち良く視聴させて貰った作品でした。
引き続き「サクラ大戦 神崎すみれ 引退記念 す・み・れ」を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

真写動活的漫浪正大

ゲームとして大ヒットしてOVAやTVアニメ等を
中心に様々なメディア展開で人気の作品かな。

大正浪漫を感じさせる時代背景にスチームパンク
を取り入れて戦隊ものとして描かれている様です。

歌劇団の歌で始り主だった人物が登場・・さて?
ここから何が始まるのかな?等と漠然と予備知識
等が無い状態で視ても楽しめる作品でした。

淡々と進む展開の中でも鍵となりそうな人物等や
メインキャストのイメージが徐々に理解できる様
な優しい構成になっています。

所謂複線の見せ方が王道で、あ?何か起きそう?
とか、この人胡散臭いな・・とか後半に結ぶ布石
になるシーンでは?等と楽しませてくれます。

何か起きる・・此処から大きな展開が・・そこに
スチームパンクなメカデザインは・・可也はまる。
レトロな雰囲気とか・・そういうレベルではない。
この構成も演出もメカデザと見事な描写で活かされ
世界観を強烈に印象付けて魅せつけてくれます。

キャラデザは少々安定しない?と思う部分や挿絵
等と若干ギャップを感じますが・・
キャラのイメージ等は良く出ていると思います。

声優は正直巧いとは感じませんでしたが・・
作品のイメージを台無しにするとかキャラの印象
を壊す様な事は無く、概ね役処の雰囲気は感じた。

音楽も世界観に合った雰囲気で効果的に使われ、
効果音等も映像を巧く引き立たせている。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

漆黒メイド さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

サクラ大戦で一番見るべきアニメ

サクラ大戦の世界観は「歌」にあり!
最初に「歌」があってその後物語りがある形を作りたかったと話ていた。
作者の王子と作曲家の田中公平先生の世界がこの映画で分かりますw
なんといっても冒頭が歌から始まり華やかなサクラの世界が広がるのです。
ワクワク感がハンパないですよ!( *'ω'* )
見るべき順はOVA>映画>テレビって感じですね。
もし、まだサクラを知らない方はPS2版の「サクラ大戦~熱き血潮に~」
をプレイしてみてください。最初はゲームをやった方が絶対いいです。

OVAは初期のサクラ大戦も見れますし、明るく華やかなで楽しいサクラが見れて面白いです。

TV版は全体的に暗く、戦闘方法も改変せれていて、ゲーム版の魅力が薄れている印象ですね。最大の霊愛とかよりヒロインのさくらがメインで頑張る話なので
もし、サクラの世界観を知るのならゲームをやった方がいいです。
クリアは難しくないですよ。
TV版は25×30=750分で約13時間ほどなのでゲームクリアは10時間もいらないです。

映画版はドンと1&2のキャラが来ますが話は面白いので見て損はないかと思います。
ゲームやって映画をまた見ても楽しいと思いますよ。一緒にサクラファンになりましょう!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

68.7 25 演劇アニメランキング25位
MARS RED(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (115)
372人が棚に入れました
時は大正十二年、東京の夜に其の者どもは現れた。彼らは闇に紛れて人の生き血を啜る吸血鬼と呼ばれ、古の時代よりこの世界に隠れ住んでいた。それらを取り締まるべく陸軍内部に創設されたのが第十六特務隊、通称『零機関』である。中島中将は近代化著しい列強諸国の情報戦に対抗するためにこの部隊を創設したのだが、目下のところ、零機関の任務は東京の闇に潜む吸血鬼事件の対応にある。それに当たるのが――、人類最強の前田義信大佐。国内最強クラスの吸血鬼にして新人の栗栖秀太郎。インテリジェンスなランク外の山上徳一。江戸の昔から吸血鬼を続けているスワ。老いることのない脳を喜ぶマッドサイエンティストのタケウチ。――以上、零機関の実行部隊の面々である。増え続ける吸血鬼たち。そして裏に暗躍する影と、謎の人工血液「アスクラ」の存在。この事態を冷ややかに見つめるのは、齢300歳を越えているにも拘らず、子供にしか見えないSクラスの吸血鬼デフロットであった。弱き者、汝の名はヴァンパイア――。零機関が今、大正ロマンの夜を駆け抜ける。

声優・キャラクター
畠中祐、諏訪部順一、石田彰、鈴村健一、折笠富美子、家中宏、高垣彩陽、古川慎、國立幸
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

みんな大好き吸血鬼もの

舞台原作らしい


MARSでREDと聞くと『Afrojack vs. THIRTY SECONDS TO MARS』の曲に合わせて登場し、投げては160km/h、打ってはホームラン!と人外さんばりの働きをする赤いユニフォーム着て活躍中の日本人野球選手を思い出しますがどうやら違うようで、こちらのアニメ作品はガチな人外さんのお話だそうです。


そして人外さんの中でも吸血鬼ものは別格。おそらく『ポーの一族』あたりが先駆けなんでしょうけど、“永遠の命を持つが故の哀しみ”“耽美”“ある意味生命の象徴太陽に触れると塵と消える諸行無常感”とスプラッタ的なものでは味わえないコクのあるジャンル、という理解です。
ストーリーはあればあったでいいですけど雰囲気を味わいたい気分。時代設定も良いですね。浪漫溢れる大正時代。以前やってた『天狼 Sirius the Jaeger』も昭和初期くらいの設定でしたね。闇夜の似合うヴァンパイアにとって都会といえど空白余白が多いこれくらいの時代と相性はいいのかもしれませんね。現代は密度が濃すぎて闇を堪能できる心の空き地部分がないような気がします。

内容
吸血鬼が一部では認知されてる世界。彼らを狩る捉える特務機関らの物語です。構成員には吸血鬼を狩る吸血鬼みたいな人もいて単純な善悪二元論にはならないキャラ分布。
大正十二年(1923)なので関東大震災を発災するわけです。がれきの山と化した帝都にうごめくヴァンパイアと対峙する特務機関。帝国陸軍も健在な頃合いでございます。健在というよりイケイケで大陸や首相官邸回りでズンドコするちょっと前にあたるわけですよね。その陸軍の特務機関としてみると彼らの良い意味での高いプライドは物語に華を添えてます。


正直なところ、物語が素敵ってことはありません。
ただし私と似たような性癖をお持ちのヴァンパイア好きな皆さん方が満足できる“雰囲気”だけはある作品と思われます。作中で二組の夫婦(“ふうふ”というより“めおと”と呼びたい)が登場しますけど、この顛末を追うだけで軽くご飯三杯はイケます。{netabare}※山ちゃん夫婦と諏訪部さん夫婦のことです。{/netabare}
主題歌の歌い手のチョイスもわかってる感あり。
OPは和楽器バンド。大正浪漫との親和性もさることながら、和音階って哀愁漂っていて“永遠の命を持つが故の哀しみ”少しオーバーラップするのです。わかってらっしゃる。
EDはHYDEさん。ヴィジュアル系(死語)の大御所です。“耽美”を表現するにうってつけといえる。理想はMALICE MIZERだけどこれだとやり過ぎだとも。

{netabare}・金綱鉄兵は結局なんだったんだろう
・金髪美女ヴァンパイア二人組も役回りが不明そして即退場
・岬のおとん中島中将は何したかったのだろう?ただの外患誘致にしか…
・モブ吸血鬼がどちらかというと佇まいがゾンビィ(笑){/netabare}

あくまで雰囲気重視と言い聞かせる私(笑) レビューはここまでにしときます。



※だらだらと無駄話

■其の一:ペルソナノングラータ

第5話のサブタイ。こんな外交用語持ってきたセンスがナイス。
{netabare}直近ですと日本に敵意むき出しなくせに大使候補として某半島から派遣された人物を承認することをだいぶ渋ってましたね。「ついにペルソナノングラータ発動か?」とワクワクした覚えがあります。
それで次の第6話で関東大震災発生。関東大震災といえば、井戸に毒入れたとかこれまた有名な半島エピソードがあったりしますよね。それでゾンビィ化した吸血鬼が夜の街を徘徊して人間襲ってるわけですから、こっちは笑えません。いかんいかん。{/netabare}


■其の二:関東大震災

注)アニメ関係ありません

{netabare}話は跳んで、数年前山口県萩市を訪れた際、失礼ながらよくもまぁこんな田舎からあれだけの人材を輩出したもんだと関心した覚えがあります。言わずもがな松下村塾の門下生達のこと。
スケールはだいぶ小さくなって私の育った場所も“偉人の町”を謳ってまして、高野長英・後藤新平・斎藤実を三偉人と顕彰しております。記念館もあるよ。私ゃ地元だから「歴オタじゃなくても知ってるだろ」くらい思ってますがどうなんですかね。一応左から蘭学者・医者で政治家・総理大臣。

なぜ唐突にと思われるかもしれませんが、三人のうち一人東京市長を務めた後藤新平が関東大震災後の帝都復興の担い役だったわけで、地元びいきもあってか、このあたりの時代の物語はつい前のめりになってしまいます。ね!?個人的とお断りした通りです。
小学校の郷土史授業にもお三方は登場します。役に立ったかは怪しいですが、愛郷心をはぐくみ自分も立派な人になろうというきっかけにはなるのかもしれない。偉人伝とかほんと大事。
むしろ大人になってからの再評価。環八や環七を車で走ってる時に「あ、これ帝都復興計画の一環だよね」とか。記念館に足を運べば一級資料に巡り合えるし、街を歩けば所縁を辿ることもできます。
隣の小学校にはしれっと斎藤実直筆の書を納めた額縁が飾られてたりします。書かれてたのが↓

 進徳修業

『易経』の一節で「立派な人格を持った人となるためには、徳を進め、学問や仕事を身につけなければならない」という意味らしいです。斎藤から後進へのメッセージでしょう。小学生の私は目もくれませんでしたし大人の今ならまぶしく映るフレーズ。
とこかで引っかかってなんだかんだこうして諸先輩を顕彰しながら語り継いで、自分の生き方に反映していくのが人間の人間たるところでしょうか。{/netabare}


「○○は日本の誇り」のカウンターで「いや凄いのは○○であなたでないから」ってのがあります。
それ全然無視しちゃって誇りに思っちゃえばいいと思います。○○がどっかで引っかかりロールモデルとなって人生に益をもたらすかもしれません。思った時が頑張りどき!


{netabare} 徳を進め学問や仕事を身につけなければならない

受け継がれていくなにか。この小学校のOBでまんま体現されてるのが“二刀流”のあの方ですね。

なんならエンゼルスタジアムで校歌をうたってもよい(迷惑行為){/netabare}



勝手に郷土の偉人の薫陶が受け継がれてる設定にして一人盛り上がってる私。
バトンを繋いでいく物語は現実も仮想も好きです。そんなとき、刹那(人間)と永遠(吸血鬼)の交差する物語にしやすい吸血鬼ものには惹かれるというのはあると思います。
人間単体よりも、すぐ隣に永遠を具現する存在が比較対象としてそこにいるからこそ刹那の人間が輝いて見えるのかもしれません。

{netabare}高野長英は日本初のビールのレシピを書き残したとか。当方にはこっちの影響が強いです。{/netabare}



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.07.08 初稿
2022.05.28 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 33

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

"弱き者 汝の名はヴァンパイア"

この作品の漫画は未読ですが、原作が音楽朗読劇で朗読劇からアニメ化された史上初の作品だそうです。


ちょいと旦那、ヴァンパイアってやつをご存知で?
そう、人の生き血をすすり、夜の帳に生きる化け物さ。
おっと、コウモリに化けるってのは小説の与太話ってやつでね。
本当のヴァンパイアってやつは姿形を変えることなんざ、しやしない。

それどころか、彼らは弱い。
太陽の光を浴びれば焼かれて灰になっちまう。
犬より敏感な聴覚と嗅覚は文明開花の喧騒に耐えられない。
そして水に溺れて死んじまう。
でも連中が一番怯えちまっているものがなにか知ってるかい?

戸籍さ。
戸籍のせいで、永遠に年を取ることのないヴァンパイアは、
ひとつところに留まることを許されない。
悪い噂でも立てば、昼間のうちに踏み込まれ、
あっという間にお天道様の下に連れ出されて灰にされちまう。
一巻の終わりってやつさ。

……かわいそうな連中なんだよ、ヴァンパイアはさ。
元は普通の人間だ。
懸命に人間らしく生きようとしてる。
だから少しばかりそいつらの手助けをしてやってもいいんじゃないかな?

陸軍に零機関ってヴァンパイアの部隊がある。
あの兄さんたちなら、ヴァンパイアを人間らしく扱ってくれるんじゃないかな?
なんでこんなことを知ってるかって?
この天満屋慎之介はヴァンパイアのための口入れ屋だからね。
今後もご贔屓に、ヴァンパイアの旦那。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

ヴァンパイアって、孤高で強い存在というイメージが一般的に定着していると思いますが、この作品はヴァンパイアの弱さに着目して描かれているのが特徴的です。

太陽光に弱いのは勿論のこと、強い臭気に耐えられず血液しか接種できず、水の中では溺れてしまう。
それだけじゃありません。
永遠の命を持つバンパイアにはこれまで生きてきた時間、そして遠い未来までこの足枷に縛り付けられているんです。
だから、身体より先に心が参ってしまう…

永遠の命と若さを手に入れるためには過ぎた代償なのではないでしょうか。
生まれた時からヴァンパイア…という方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、大抵は人間として普通に生活している中、吸血行為を経て変わってしまった方がこの作品では殆どでした。

だから、これまで当たり前の様に出来ていたことが出来なくなる…
これって、結構しんどいと思うんですよね。
加えて、人との縁も断たれてしまうんです。
将来を約束し合った人…愛する人と一緒にいられなくなるんです。

この作品では、ヴァンパイアになったら家族には亡くなったと伝えられていました。
生きる時間軸が全然違うから…
生活様式がヴァンパイアだけ昼夜逆転してしまうから…

ですが、この作品を見ているとヴァンパイア側に一方的に非があるとは思えないんです。
不慮の事故で致命傷を負ってしまったけど、死んでほしくない…どうしても生きていて欲しい…
そんなヴァンパイアの願いが形となった事例だって存在するのですから…
この気持ちは決して無下にできないと思います。

決して強いだけじゃなく、どうしようもないくらい孤高で孤独なヴァンパイアの物語…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、和楽器バンドさんによる「生命のアリア」
エンディングテーマは、HYDEさんによる「ON MY OWN」
「生命のアリア」は、通勤中に聞いていた楽曲です。

1クール全13話の物語でした。
ヴァンパイアと人間が共存する展開も見たいと思いましたが、そこはキチンと一線引かれていました。
確かに種族は異なりますし、厳しい戒律を守ってきたからこそ盤石な体制が出来上がったのだと思いますが、だからこそ簡単に割り切れない気持ちをもう少し深掘りして貰えたら、個人的にはなお良かったのではないかと思ってしまいました。
まぁ、終幕の仕方は好みもありますので、これはこれで納得はしているんですけれど…
しっかり堪能させて貰いました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

弱き者

この話はヴァンパイアの話
ジャンルはヴァンパイア・軍隊・昭和
まず。本作を面白いか否かと問われれば肯定を選択するでしょう

本作はヴァンパイアという要素を主体に展開しています。複雑な人間関係もなく、ストレートでわかりやすい構成となっているのですが、なんとテーマが易しくない。
特段難解、という訳では無いのですが、一筋縄では行かないというか。
割と考えることが出来るテーマでした。本作はヴァンパイア限定でしたが、拡張して見れば見るほど深いテーマになっていると思うので頭に余力が残っていたらアニメを見ながら考えてみるのも面白いかもですね

{netabare}本作は「ヴァンパイアの弱さ」に着目してましたね。大抵は、とも言えませんが、「吸血鬼でも理性と誇りをもって襲わない」的なヤツが多かった印象でしたが、本作で視点が変わりました。もちろんヴァンパイアなんて存在するわけないですし、他の作品でも同じ設定だと限りませんので、ほかの形として認識するわけですが、先程言った通り運び方(拡張)次第で人種差別問題まで広がれるので(とはいえ私が考えたところで、なのであまり考えないようにしてるんですが)
{/netabare}

テーマを抜きにしてストーリーだけに重視した時、私は本作を評価する方向でいます
先程言った通り、テーマがそういう系の話ですので心情などに寄り添った主観が多めです。そして主人公が不明確であるため、見る人によって違った解釈が発生してしまう可能性が無きにしも非ず(大保険)。しかし恐らく正解なんてないでしょうから見る際は自分を信じて。
あと割と重要なんですけど、1話目が1番引きずり込まれた感があります。事前準備全くしてこなかったので正直期待も諦めもしていなかったのですが、1話目で改心させられました。一話に関しては何度も見れます。なんなら私は最終回が終わった時にもう一度見ました。別に回想を多く用いている訳では無いのにも関わらず過去を振り返らずにはいられない、そんな出来です。

一応悪かった点としては「だからなんだ感」が否めません
心情描写や現実の残酷さを描いたから何につながるのか、キャラの何がわかるのか、と言ってしまえばそこまででしょう。
とはいえ個人的にはそこに意味を考えだすのがすきなんですが。

つまり結構面白い部類には入るとは思うが人は選ぶし、おそらく本作が一番だという人間はまれ
ということ。

「誰が一番自分の弱さを自覚していたか」てなわけでレビューを締めとさせて頂きます

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
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