百合で魔法なおすすめアニメランキング 21

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの百合で魔法な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月14日の時点で一番の百合で魔法なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.6 1 百合で魔法なアニメランキング1位
ストライクウィッチーズ(TVアニメ動画)

2008年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (2070)
10726人が棚に入れました
1940年代、欧州本土の大半が突如出現した異形の敵「ネウロイ」の勢力に落ちてしまった状況にある。世界各国は事態の打開を図るために一大反攻作戦を計画。そのための戦力の一環として連合軍第501統合戦闘航空団「STRIKES」を組織し、各国のトップエースを招聘する事となった。
扶桑皇国海軍の新人ウィッチである宮藤芳佳は、その部隊に補充として送りこまれることになる…。

声優・キャラクター
福圓美里、千葉紗子、田中理恵、名塚佳織、沢城みゆき、園崎未恵、野川さくら、斎藤千和、小清水亜美、門脇舞以、大橋歩夕
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

エロが目的ではない、文化だ

メディアミックス作品。
アニメ以外の媒体は未視聴です。

1939年、突如「ネウロイ」と呼ばれる侵略者が現れ、圧倒的な力で人類を蹂躙する。
そんな中、魔力を持つ「ウィッチ」と、その魔力を使って飛行するための「ストライカー」が登場し、人類はネウロイに対抗する手段を手に入れる。
宮藤芳佳(みやふじ よしか)という、ウィッチの視点で描く物語。


魔法少女+軍事+パンツアニメです。
特にパンツ! 劇中では「ズボン」扱いですが。
カメラアングルがだいたい腰より下にあります。
これについてははずせないポイントなので、のちほどゆっくり解説します。

ゆるい感じの日常と戦闘がメインですね。
軍隊が舞台ですが、ビシバシしごかれるような内容ではなく、和気あいあいとした雰囲気。
団らんしたり、ちょっぴりケンカしたり、いたずらしたり。
世界が大変なことになっているのに、むしろゆるすぎるくらいです。
{netabare}
ゆるいと言えば言葉遣い。
上官を「さん」付けで呼ぶのは、日本海軍の史実です。
だから「坂本さん」で正しいんですよね。
{/netabare}

ちょっとゆるすぎて、序盤は見応えがなかったのですが、このゆるさがあとで生きてきます。
{netabare}
「私たちは家族だ」と称するほど、軍規違反の罰が甘いので、芳佳は終盤に飛び出せました。
これがガチガチの軍隊ルールだったらそうはいかなかったはず。
{/netabare}

登場人物は多く、名前が似通っていたり、名字で呼ばれたり、名前で呼ばれたり、愛称で呼ばれたり、階級で呼ばれたりで覚えるのが大変ですね。
見終わったのに名前を思い出せるのが数人しかいません。
しかも、フルネームで聞かれたら無理です。

まあ、見た目で判断できるのでそれほど支障はありません。

残念なのは、各キャラクターの個性がそれほど生かされていないこと。
人数が多い反面、一人一人に踏み込む余裕が無く、

「このシーン、別に誰でも良くね?」

ってな感じになります。

音楽は印象に残らず。
むしろピアノを基調とした、劇中のBGMのほうが良かったかな-?

ストーリーは後半加速型。
前半は盛り上がりにかけますが、後半は物語の動きが大きく、それなりにひきつけられます。
そして、2期に綺麗に繋がる終わり方。
すっきりするし、2期にも入りやすい構成になっています。

戦闘描写は主に空が舞台なので、躍動感があって良かったですね。
それに、戦艦の援護などもあって、戦争状態をうまく表現していました。
ネウロイのデザインも多種多様で、正体不明な感じもよく出ていて好みです。
{netabare}ウォーロックがかっこええ。{/netabare}

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さて、本番。
「ストパン」の略称よろしく、ほとんどのキャラが上着+パンツです。
これってあり得るの? という疑問にお答えします。

舞台となっているのは1940年代です。
現実の日本の歴史をたどってみます。

1940年代、女性がパンツを履くのは一般的ではありませんでした。
あえて露出するようなことはしなかったようですが、突風が吹けば着物ではなく買い物袋を抑え、寝ている男性の上をまたぐのも一般的に見られる光景だったとのこと。
それだけ(羞恥心=恥ずかしいと思う気持ち)は少なかったようです。

この羞恥心というのは文化によって作られます。
たとえばイスラム教圏では、女性は目元以外、肌を見せないようにしてます。
そういう文化では、男性は肌を見ることに強い興味を示すことになります。

しかも、こういう文化はすぐに定着するもののようです。
順を追ってみます。

1930年代に「ズロース」という下着が現れます。
しかし、まだ一部の人しか身につけていませんでした。

本格的に普及しはじめるのは、第二次世界大戦が終わった1945年頃から。

そして1950年代後半。
終戦からの復興のさなか、西洋の文化が日本に流れ込み、下着ブームが起こります。
すると、「パンツはスカートの中に履くもの」という西洋での認識が、日本に取り入れられることになります。
しかし、この頃には、まだ「パンツを見られること」自体には抵抗を持っていませんでした。

それが変わったのが1960年代。
パンツが日本中に普及すると、「パンツは隠すべきもの」というのが世間一般の意見になります。
それに呼応するように、パンツを見ることに興味を抱く男性が現れ出します。
この頃から、パンツの下だけではなく、パンツそのものに対して、性的羞恥心を持つようになってきます。

こう考えると約30年の間に、「下腹部が見えてもまあ仕方ない」という認識から「パンツを見られるのは恥ずかしい」と大躍進してるわけですね。

もしかすると、今後、「パンツを見せて歩く」、「パンツを履かない」という風潮が一般的になることも、十分にあり得るわけです。
また、男性用ブラが大ヒットすれば、30年後にはお風呂で胸を隠す野郎共が見れるかもしれません。

さて、このアニメの舞台は1940年代。
史実では、「パンツを履かない」、もしくは、「パンツが見えても別に構わない」時代です。
そうすると、このアニメのコスチュームは、「そういう文化だったから」の一言で片付きます。

ウィッチーズは多国籍ではありますが、むしろリアリティがあるくらいなんですね。
だから言いましょう。

「エロが目的ではない、文化だ」

投稿 : 2024/05/11
♥ : 73

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

逆転の発想。これを“奇跡の産物”と言わずして何と言う?

制作はGONZOのメディアミックス作品です。
ジャンルは軍事・魔法少女・萌え燃え系です。
ネットでは「GONZOの生んだ奇跡」なんて言われることもある作品の一つ。


ネウロイと呼ばれる敵にヨーロッパ大陸の大半を奪われ、魔力を持つ女性たちで「ストライクウィッチーズ」が結成された。
主人公の宮藤芳佳は扶桑公国の一学生だったが、坂本少佐にその魔力を見込まれて「ストライクウィッチーズ」に入ることとなる。
みんなを守りたいその一心で芳佳は戦いに赴く。


とにかく目を引くのがキャラクターデザイン。
全体的に萌え寄りなのはまあよくあることなので別に良いのですが、完全にズボンが丸見えw
加えてカメラ視点がローアングルのものが多く、ズボンを見上げる形になっています。
「萌え」というか美少女ものにある程度抵抗がないと厳しいですね。
ここまで媚びてくる作品も珍しいです(私は大歓迎)。


ストーリーは凄くわかりやすくて特に考えてみる必要もないかと思います。
以前の話がつながっているというものでも特にない。
終盤はとりあえず連続したストーリーになります。
また熱血系の王道展開が多いため、キャラデザを受け入れられれば違和感なく視聴できると思います。

キャラの個別エピソードはそれぞれ面白かったです。
キャラがそれぞれ魅力的で個性も立っているので見ごたえはある(はず)。
私の予想していたものよりも、しっかりとした話になっていました。
個人的に好きな回は4、6、7、8、12話。


難点はキャラクターが一期時点では多く、また横文字ばかりなので覚えにくいということ。
また取り敢えず〆るために、終盤に無理やり物語をたたんだ感があります。
あと、この作品を好きになっても他人に言えない点w


総括して、基本的にはかわいい女の子が戦うアニメです。
ミリタリー要素もありますが、詳しくなくても大丈夫。
設定の考証は意外としっかりしているようです(wikiによれば)。
私にとっては大変魅力的な作品でした。
お姉ちゃん最高w

どうでもいいですが、パンツじゃなくてズボンですよ。
勘違いしている人が多い。
意外と大事。
テストに出ます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 70

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

魔力発動時には、何故か獣耳と尻尾が生えます。

足ヘリコプターを付けた少女たちが魔法を使って、侵略者ネウロイと戦う話です。
なんといっても少女たちのコスチュームが奇抜。
下半身は小さい布一枚です。

内容はシリアスですが、悲壮感はありません。
少女たちのフワフワした日常と嬉々とした戦闘の繰り返しです。
ラストは駆け足。
というか、全力疾走状態で、「何が起こったの?もう終わったの?」みたいな感じです。

なにはともあれ、少女たちの下半身を楽しんで下さいみたいなアニメです。
私は制作者の意図にまんまと乗ってしまいました。

ちょっと気になった点が、主人公芳佳のキャラデザ。
某萌麻雀アニメの魔王さんにうり二つです。
なにか姻戚関係があるのかな?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 49

83.9 2 百合で魔法なアニメランキング2位
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (793)
3050人が棚に入れました
公爵令嬢、カタリナ・クラエスは、頭を石にぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻す。ここが前世で夢中になっていた乙女ゲーム『 FORTUNE LOVER 』の世界であり、自分がゲームの主人公の恋路を邪魔する悪役令嬢であることを!ゲームでカタリナに用意されている結末は、良くて国外追放…最悪、殺されてしまう…そんな破滅フラグはなんとしても回避して、幸せな未来を掴み取ってみせる!!勘違い?人たらしラブコメディの幕が上がる。

声優・キャラクター
内田真礼、蒼井翔太、瀬戸麻沙美、柿原徹也、雨宮天、鈴木達央、田村睦心、松岡禎丞、M・A・O、早見沙織、岡咲美保
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

内田真礼劇場

原作未読。最終話まで視聴。
ジャンルは異世界転生ほのぼのラブコメになるのかな(笑)。

早々に第2期決定とは、めでたいことです!

【こんな作品、皆さんにもありませんか?】
特に何が優れているって訳じゃないけど、お気に入りな作品って、皆さんにもありませんか?
上手く理由を説明できないんだけど・・・って作品。
『波長が合う』とか、『心地良い』とか、そんな感じの作品。
私には、そんな作品がいくつかあります。

このはな綺譚
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-
つくもがみ貸します
・・・etc
何がハマったのかよく分からないけど、リピート視聴が止まらない作品。

この作品も、私にとってそんな作品の一つです。
ヤバイくらい、リピート視聴が止まりません(笑)。

【特筆すべき、背景の美しさ】
第2話。
メアリが育てたハント侯爵家の庭の花の、思わず息をのむような美しさ。

第3話。
7年の月日の流れを上手く表現した、カタリナのマル秘ノート。
文字のかすれ具合とか表紙の傷み具合とか絶妙です。

序盤から、圧倒的な背景の美しさに感銘を受けました。

私が一番感動したのは、第5話。
マリアの家を出てカタリナの自宅へと向かう、カタリナたちを乗せた馬車の後ろ姿。
車体の揺れ方がとても自然で、このシーンだけでも、何度も見返してしまいます。
物語と直接関係のない、何気ないシーンにも一切手を抜かない制作陣のこだわりが伝わってくる、地味だけど名シーンだと思います。

最終話の背景も力が入っていて、とても良かったです。

【的確なBGM】
物語の随所随所で見られた的確なBGMが、物語を盛り上げます。

私が一番好きなのは第3話。
8歳から15歳へ、物語の舞台が大きく展開する場面のBGM。
いよいよ乙女ゲームの舞台である魔法学園へ行かなければならない年齢になったカタリナ。
そんなカタリナの不安と決意が伝わってくる、良いBGMだと思います。

このBGMは第11話でも使われます。
カタリナが{netabare}目覚めた、{/netabare}とても大事なシーン。
そして、最終話のエンディングでも・・・。
この作品を代表する、とても素敵なBGMだと思います。

【豪華な声優陣】
まず、内田真礼さんの好演は特筆すべきだと思います。
特に、母親とのやり取りはお気に入りです。
脳内会議の演じ分けもお見事の一言。

あと、以前から思っていたんですけど・・・。
早見沙織さんと水瀬いのりさんが揃って出演されている作品は間違いなく面白いなって・・・。
本作も、間違いありませんでしたね(笑)。

【もちろん物語も秀逸】
スティアート王家ジオルド・スティアート
        アラン・スティアート
クラエス公爵家 カタリナ・クラエス
        キース・クラエス
ハント侯爵家  メアリ・ハント
アスカルト伯爵家ニコル・アスカルト
        ソフィア・アスカルト
平民      マリア・キャンベル

主要な登場人物を身分順に並べるとこんな感じでしょうか?
ひとえに貴族といえども、ジオルドの婚約者でもあるカタリナの身分の高さは別格です。
第2話。ハント侯爵家のお茶会で、他の出席者から挨拶の集中攻撃を受けるのも当然と言えます。

ところが、カタリナに好意を寄せる面々は、そんなカタリナの身分や肩書には全く興味がなく、カタリナの人柄に魅かれているという設定がとても良いです。
元々低かった魔力が15歳になっても低いままというのも良い。

異世界転生で得た身分も肩書も魔力も、この物語ではさほど重要ではないというところが、他の異世界転生・転移物と一線を画す部分だと思います。

カタリナの身分や肩書が気になる登場人物は、揃ってモブか敵役というのも面白い。

【あとは雑談的な・・・】
《以下、重大なネタバレを含みますので、未視聴の方は飛ばして下さいね》
{netabare}《以下、重大なネタバレを含みますので、未視聴の方は飛ばして下さいね》
{netabare}
8歳の頃、あれだけオドオドしていたメアリが、15歳になると王子相手にもドS発言連発!
本当に同一人物か?(笑)

ソフィアは自分の気持ちを殺しつつ、兄の援護射撃。
腐女子でブラコン。何気に濃いキャラ(笑)。

第7話後半のダンジョンの話と8話の不思議な本の話は、アニオリらしいですね。
どうりで他の話と毛色が異なるな、とは思ったんですよ。
原作既読の方にはとかく不評なアニオリ回ですが、私は好きでしたよ。
特に第8話に関してはメアリが面白すぎ・・・。

この作品の陰のMVPはカタリナの母ではないでしょうか。
この母とカタリナの関係がとにかく笑える。
{netabare}個人的に一番のツボだったのは第9話かも(笑)。
カタリナの専属メイドのアンの回想シーンに登場する母は・・・?
『カタリナに王子様のお妃は務まりません!!』って。
第1話序盤。
ジオルド王子から求婚された時にはあんなに喜んでいたのに(笑)。{/netabare}

第11話は、かなりの感動回でしたね。
ほのぼのコメディと感動は、本当に相性が良い。
改めて痛感させられました。
{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 64
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

他者の世界観を大きく変える魔法

アニメーション制作:SILVER LINK.、
監督:井上圭介、シリーズ構成:清水恵、
キャラクター原案:ひだかなみ、
キャラクターデザイン・総作画監督:大島美和、
原作:山口悟

そもそも乙女ゲームをやったことがない。
何となく『ときめきメモリアル』みたいなもの
だろうということは想像できる。
とはいえ、ときメモもプレイしたことはない…
手探り状態での視聴になったが、
序盤からの勢いはそんなことは関係なく引き込まれた。

主人公のカタリナ・クラエスは、由緒正しい家柄の令嬢。
幼年時代を我儘放題に暮らしていた。
ある日、貴族のジオルドと遊んでいる最中に
転んで頭を打ったことが原因で前世の記憶が蘇る。
現在自分が生きているのは、
乙女ゲーム「FORTUNE LOVER」の中の世界だと。
このまま何も考えずに過ごしていると、
良くて国外追放、悪いと婚約者のジオルドに
殺されることを思い出し、破滅フラグを折るために
計画的に生きていくことを決心するのだった。

シルバーリンクのなろう系だが、
今回はかなり趣向が違っている。
現世で命を落とし、ゲーム内に転生するのはいつものことだが、
そこで、主人公ではなく、不幸になる悪役令嬢に生まれ変わる。
ゲームの破滅フラグを折るために脳内で会議を行いつつ
方針を決めていく。それが周りの皆を
幸せにすることにつながっていく

物語の始まりから3話までは、とても爽快。
自分と関わりのある子どもたちの
鬱屈した感情や悩みを理解し、
持ち前の明るさや得意の木登り、
路頭に迷ったときの備えの農業、
大好きなロマンス小説などをきっかけに、
同い年の子どもたちの心を掴んでいく。
「悪役令嬢」という役柄の顔を
微塵も見せないほどの天真爛漫な姿。
そんなカタリナの立ち居振る舞いに
婚約者や周りの男子はもちろん、
女子までも心の底から魅了されていく。

他者から分かってもらえない、
承認されない立場は苦しい。
自分らしく生きようと思っても、
自らの出自や外観、性格、特徴などを
周りの人から否定されると、
自分自身を暗い内面に閉じ込めることもある。
他者の存在自体が、自分の中だけの
狭い判断基準で規定される。
そうなると、社会全体に対する憎悪につながる。
理解してくれる人がいることを想像できなくなり、
悲劇を生むことになってしまうのだ。
カタリナがやったことは、他者を受け入れ、
認めることに過ぎないのだが、相手にとっては、
世界観が大きく変化するほどの劇的な出来事。
現実世界は、とても広くて懐が深いものだが、
経験したことがないと、そのことを理解できない。
ご都合主義といえど、作者が孤独感や
他者の痛みを理解しているからこそ
生み出された作風なのだと感じた。
いつの時代でも通用する普遍的なテーマ。
そういう意味ではとても好感を持った。
カタリナが行ったことは、
人の心を和らげる魔法のようなものだった。

魔法学園に入学してからは、
すでにカタリナの地位が確立してしまっているので、
幼年時代ほどの面白さは感じられず、
途中で挿入したアニオリ展開も今ひとつだったが、
幼馴染編と生徒会長編で上手くまとめたと思う。

{netabare}特に現世での親友あっちゃんと
ゲーム内でのソフィアが同一人物という設定は
とても良かったと思う。
ゲーム内に転生してから、また現世へと戻る展開は、
ほかの異世界ものでは、あまりなかった気がする。
中だるみしていた物語を再度浮上させた。{/netabare}

この作品で好感を持てるのは、
主人公が異世界に転生しても基本的には変わらないことだ。
特別な力は持っておらず、
役に立つのはゲームの展開を知っていることと、
現世で得意だった木登りやロマンス小説の趣味、
甘い物が大好きだということ。
しかし、他者のことを考えてそれを上手く使えば、
まるで魔法のような効果をもたらす。
設定に異世界を持ってきているだけで、
自分の才覚で周りの世界を幸せにしていく。
ほかの異世界ものとは一線を画す部分だ。
2期制作が決定したが、今後も基本方針は変えずに
多くの人々を幸せにする物語を紡いでもらいたい。
(2020年7月12日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 62
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ゲラゲラ笑って感動する物語 人生のバイブルになるかも

この物語はゲームの世界へ転生した主人公カタリナが、自分の運命を変えるためにおバカをしたり見当違いなことをしたりする物語です。
カタリナの一挙一動にゲラゲラ笑ってしまうのだけど、気がついたらいつの間にか感動していました。心が温かくなっていました。
この物語は優しさに満ちています。(^_^)


交通事故で死亡した主人公は、ゲームの世界に転生します。ここではカタリナという名前の悪役令嬢のキャストとなっていました。
彼女には、良くて国外追放、悪ければ斬殺される運命しかありません。ほかの選択の余地はないのです。
このゲームの内容や結末を詳しく知っている主人公(カタリナ)は、自分の運命を変えるべく、あらゆる努力をします。

彼女はまず、{netabare}畑を作り野菜を育てます。
上流家庭の侯爵令嬢が農耕用の服に着替えて鍬をふるい、庭に畑を作ります。汗まみれになりながら土を耕{/netabare}します。
その姿は、周りの人の目には滑稽としか映りません。気が狂ったのではないかと思われます。
でもそれは、国外追放された際に一人で生き延びるための準備でした。

そして次に彼女は、{netabare}自分を斬殺する可能性がある{/netabare}男性たちに優しく振舞います。
彼らが悩んでいたら、悩みを聞いてあげたり、励ましたりします。そして彼らの特技を褒めてあげたりします。

さらにカタリナは、{netabare}このゲームの主人公である{/netabare}マリアにも優しくします。
心無い人達から虐められているマリアを守り、彼女がいつも笑顔でいられるように奮闘します。

カタリナの願いは、斬殺だけはされないように、国外追放されても生き延びられるように、その二つしかありません。
でも、人間って不思議ですよね。
自分が生き延びるための行動が、いつの間にかみんなを笑顔にしていました。そしていつの間にか、みんなから慕われていました。


このアニメは見方を変えれば、私たちが生きていくためのバイブルにもなりえます。
自分の環境、境遇には関係なく、周りの人たちを笑顔にするために自分ができることを精一杯する。
ただそれだけで、人生は楽しくなります。(^_^)

ちなみに、これからの日本では年金だけでは生きてゆけない人が大多数になります。破滅フラグがついているようなものです。
カタリナのように今のうちから畑を耕して農作物の作り方を学んでおいたほうが良いかもしれません

投稿 : 2024/05/11
♥ : 55

78.5 3 百合で魔法なアニメランキング3位
ストライクウィッチーズ2(TVアニメ動画)

2010年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (1491)
8170人が棚に入れました
ガリアでのネウロイとの激戦から半年。ガリアの拠点を失ったネウロイは各地で反抗を開始、大型や高速のネウロイを放ち始めていた。\\n一方、人類もストライカーユニットの新型開発に成功して戦線に投入していた。「ウィッチーズ」はアドリア海へ戦場を移して戦いを続ける。。

声優・キャラクター
福圓美里、世戸さおり、名塚佳織、沢城みゆき、田中理恵、園崎未恵、野川さくら、斎藤千和、小清水亜美、門脇舞以、大橋歩夕
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

わっはっはっは~どうだ!結構活躍していただろう!宮藤!

全12話。

1945年再びネウロイが復活し都市を襲い始めた。前作で解散した連合軍第501統合戦闘航空団、通称ストライクウィッチーズがまた再結集して戦うお話です。

主人公は前作と同じで宮藤芳佳ですが、この作品はみんなが主人公ですね~

前作と比べると空中戦もスピードが増して迫力が凄くなってます^^
攻撃のバリエーションも増えて面白かったです。{netabare}(まさか成層圏まで行くとはw){/netabare}
敵も色々と考えてきますね。
作画も前作と比べると綺麗になってます。
戦艦や戦闘機も細かい描写ですね。
やっぱりお風呂シーンもローアングルも健在ですが、もう慣れてしまいました^^;

坂本少佐、もう格好良すぎます^^頑張ってましたね~

ここでちょっと簡単に登場キャラを少し紹介

ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ ウィッチーズのお姉さん的存在で、この個性豊かなメンバーをうまくまとめていますね。

坂本美緒 全てが豪快で宮藤をウィチーズに引き入れた張本人。いつも眼帯している。一番好きなキャラです^^

ゲルトルート・バルクホルン 凄く真面目な性格で一に訓練、二に訓練と全て戦闘に結びつけてしまう。女の子らしいオチャメな一面もw

エーリカ・ハルトマン 凄い戦闘能力を持つのに私生活は非常にルーズ、お菓子好き。天才とはこんな感じですかね~

シャーロット・E・イェーガー 楽天的で余り細かいことは気にしない性格。負けず嫌いですね。

フランチェスカ・ルッキーニ 天真爛漫元気なキャラ、色々と騒動があると大概関わっているw

サーニャ・V・リトヴャク 儚い感じのキャラでいつも眠そう(これには理由がありますね)

エイラ・イルマタル・ユーティライネン 意地っ張りでノリがいい。○○○○が得意。サーニャとの話は感動しました。

ペリーヌ・クロステルマン 「~ですの~ですわ」口癖。坂本少佐に憧れているところがあり、宮藤に嫉妬している。ことあるごとにみんなに常識を説いている。でも本当はすごく優しい子です。ツンツンメガネw

リネット・ビショップ おっとりしているが実は芯の強い、宮藤とは親友。宮藤に羨ましく思われているところがある!?

宮藤芳佳 本作の主人公 魔力の強い家系に生まれ唯一の治癒能力をもつ。最初はどちらかというと給食のおば‥以下自粛w後半は主人公らしい場面も多々ありますね。

それぞれ一番仲の良いキャラがいて、全体でもみんな仲が良かったですね。
こんな多彩なキャラクターでそれぞれの個性がうまく出ていて観ていて楽しかったです。
{netabare}
7話は笑ってしまいました。えっちな虫ですねw虫だけにそれは無視してもいいかもw下手なシャレですみません^^;オチも笑ってしまいましたw
偶数と奇数話で全然違う内容ですねw9話も爆笑でしたw坂本少佐壊れていましたねw
{/netabare}
11話・12話は感動しました。
みんなの思いがひとつになって素敵な終わり方でした^^
{netabare}「ウィッチに不可能な事はありません!」{/netabare}

OP 爽やかな曲ですね。みんなの仲の良さを表した作画ですね。
ED 1期同様、1話ごとにそれぞれのキャラが歌っています。

硬軟織り交ぜていてバランスのいい作品です。1期に続いてサクサク楽しく観れました。大好きな作品になりましたね^^
まだ観ていない方は、1期と続けて観るといいですね。オススメです。可愛くて元気な11人のウィッチ達をぜひ観てください。

いつまでも透き通る空、いつかはそんな空で泳いでみたい、ウィッチたちが少し羨ましくなりました^^

わっはっはっは~次は劇場版を観る番だな!宮藤!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 50

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

このアニメは全話サービス回です。

空飛ぶ長靴をはいた少女が戦うアニメ。
舞台はドーバー海峡→アドリア海へ。
こころもち明るい雰囲気です。
温泉もあるし、リゾート気分!

魔法使用時の耳って、猫耳・犬耳・ウサギ耳・キツネ耳かな?
タヌキ耳とか馬耳とか豚耳とかあれば・・・と思いましたが、少女にはキツイですね。

相変わらず謎のネウロイが出没。
手を変え品を変え。
毎話キッチリ出現です。
7話のネウロイは奇抜。
やりたい放題です。
オチが素晴らしい。
伏線も張ってあったし。

今回も下半身強調作戦成功ですね。
よく見たら各キャラの下半身って特徴的。
そこで、下半身ベスト3。
ペリーヌ・クロステルマン;透けパン黒タイツがセクシー
フランチェスカ・ルッキーニ;完全に縞パンじゃないか!
サーニャ・V・リトヴャク;黒タイツに黒スカートが可憐
失礼しました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 45
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

科学と魔術が交差するとき物語は始まる

1期視聴済み。
1期の続きとなっていますので、そちらを先に視聴推奨。

1期レビュー → http://www.anikore.jp/review/594705/

1期の戦いから半年。
自宅で診療所を営んでいた宮藤芳佳(みやふじ よしか)のもとに、亡くなったはずの父親から手紙が届く。

基本的に1話完結です。
1話1話で各キャラクターに焦点を当て、ネウロイがその噛ませ犬になってお亡くなりになるというパターン。
途中からネウロイが不憫に思えてきました。
{netabare}観光旅行のついでにやられたネウロイなんて、最悪ですよ(-∧-;) ナムナム{/netabare}
そしてその裏で終盤に向けての布石がされる感じですね。

OP、ED、作画、演出、どれもパワーアップしています。
特に印象的だったのは、実在した戦艦による海戦の迫力や、ストライカーによる空中戦の躍動感です。
戦艦とウィッチーズの連係プレーも見所ですし、新ストライカーや、ほうきを使った飛行なんかも登場。
1940年代の技術の結晶なんだなーとか、魔法使いなんだなーとか、再認識させてくれますね。
科学と魔術が交差するとき物語は始まる、って感じです。

相変わらずパンツは健在ですが、2期目にもなると、何の違和感ももたなくなります。
下斜め45度からえぐり込むようなカメラアングルも、慣れてしまえば普通に見えます。

ただし、セリフだけは慣れません。
連係プレーのことを{netabare}「合体した!?」{/netabare}とか、妙なカメラアングルで、{netabare}「今ですわ!」{netabare}「見えたっ!」{/netabare}{/netabare}とか、意味深過ぎます。
たぶん狙ってやってます、笑いました。

終盤は怒濤の展開です。
とにかく動く動く。
迫力に気圧されて、メモも忘れて魅入っていました。

ただし、伏線が非常に弱いです。
基本的に淡々と話が進みますし、ぽっと出のキャラクターもいる。
せっかくのお膳立ても、あからさますぎて、先の予想が立ってしまいます、
おかげで、「諦めない」というテーマ性もご都合主義に感じられて、子どもっぽいストーリーに見えてしまいました。

設定はしっかりしているので、その分余計にもったいない。
ストーリーラインにもっとひねりがあれば、大人っぽさが出て良かったと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 39

73.0 4 百合で魔法なアニメランキング4位
転生王女と天才令嬢の魔法革命(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (345)
955人が棚に入れました
パレッティア王国王女、アニスフィア・ウィン・パレッティアには前世の記憶がある。 魔法が当たり前に存在する世界に転生し、魔法使いに憧れるアニスフィアが夢見たのは、魔法で空を飛ぶという、破天荒で非常識なことだった。けれど、なぜか魔法が使えないアニスフィアは日夜、キテレツ王女とあだ名されながら、怪しげな研究に明け暮れるはめに。 ある夜、お手製魔女箒で空へ飛び立ったアニスフィア。暴走する箒が飛び込んだのは、貴族学院の夜会。そこでは、魔法の天才と噂される完璧公爵令嬢ユフィリアが、アニスフィアの弟・アルガルド王子から婚約破棄を宣言されているところだった。声もなく流されるユフィリアの涙を見たアニスフィアはそっと手を差し伸べる。 ──この魔法はあなたの笑顔のために。2人の少女が未来を切り開く、「転生×天才」魔法ファンタジー!
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

あなたの笑顔を欲した、その先にあるもの

アニメーション制作:ディオメディア、
監督:玉木慎吾、シリーズ構成:渡航、
キャラクターデザイン:井出直美、
キャラクター原案:きさらぎゆり、音楽:日向萌、
原作:鴉ぴえろ (ファンタジア文庫刊)

王宮百合ファンタジー。

そんなキャッチコピーを知ったのは、
アニメを観始めて3話くらいまで経過したころだった。
個人的には、渡航の脚本ということで期待値を上げて
観始めていたので「百合」と知っても気にならなかったし、
3話まででは、そんな方向に進む雰囲気は全くなかった。

舞台は魔法やモンスターの存在する中世風のパレッティア王国。
そこで、王位継承権を放棄した王族女性の
アニスフィア・ウィン・パレッティアと
王位継承予定の弟、アルガルド・ボナ・パレッティア、
その婚約者であるユフィリア・マゼンタたちの間で起こる、
王位継承を巡る魔法社会を変えるための物語。

見どころは、現世から転生したアニスフィアの
破天荒ともいえる性格と目指しているものだった。
魔法を使用できなければ王位継承は事実上不可能という
閉塞感のある社会。
そこで革命的な変化を起こすためにアニスフィアは奮闘する。

再度、序盤を観てみたが、やはり面白い。
キャラの特徴がしっかり描けているし、
親子関係やヒロインふたりの憧れを絵で表現できているのがいい。
序盤は、ユフィリアの苦悩するシーンが長く、
あまり気持ちの良い展開とは言えないが、
それを底抜けに明るいアニスフィアが
助けていくところが心地良かった。
アニスフィアにも苦悩があって、
魔法を使えない自分に危機感を覚えながらも
前世の記憶から魔法石を活用した研究によって、
現代的な家電製品を生み出していくのは面白かった。
そして、魔法を使える者でも空は飛べない世界において、
魔法を使えないアニスが、空を飛ぶことに
果敢に挑戦する展開も楽しかった。

ただ、この作品が良かったのは序盤だけ。
{netabare}アニスフィアの前世の記憶が活かされるのは、
家電製品の発明以外はなく、
前世の出来事が現在に関わることは全くなかった。
(原作ではこの後に出てくるのかもしれないが)
また、アニスフィアの弟のアルガルドが反旗を翻した部分に
納得感が全くなかったし、なぜこんな話にしたのかと
首を捻りたくなった。
アルガルドが敵になる展開でもいいのだが、
理由や描写が浅すぎて付いていくことができなかった。{/netabare}
ここまでなら、まだ飲み込めたのだが、
やはりいちばん意味が分からなかったのが、
最終回の締め方だろう。

{netabare}ユフィリアが精霊になって犠牲になることで、
アニスフィアを自由の効く立場のまま研究に従事させるのは、
全くハッピーエンドでも物語として面白いものでもない。
もちろん、魔法が使えない人でも活躍できる
平等な社会を実現したといえばその通りだろうが…{/netabare}
この展開にするのであれば、
ユフィリアの決断における苦悩やマイナス面を
突っ込んで描かなければ、
物語として成立しないとさえ私は感じてしまう。
そもそも、なぜアニスフィアがそれほど平民に対して
心を砕かなければいけなかったのかという部分も
今ひとつ納得することができなかった。
作者は取ってつけたような「百合」を
やりたかっただけなのかとも思える。
また、百合をきちんと描いたのは最終回だけで、
そこまでの過程がないので、観ているほうとしては
唐突過ぎて驚いてしまった。
異世界ものとはいえ、あまりにもリアリティがなさすぎる。

序盤が面白かっただけに、
そのギャップによって、より大きなマイナス印象を抱かせた
典型的な作品といえるだろう。

OP曲の花たん『アルカンシェル』や
ED曲のアニス&ユフィの『Only for you』はお気に入りだし、
千本木彩花と石見舞菜香の演技も良かった。
序盤の脚本の流れや展開もスムーズで面白かったのだが…

この魔法はあなたの笑顔ために―――

しかし、未来を想像したときに
全く笑顔になれないお話だった。
(2023年5月5日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

異世界転生物のテンプレから何処まで自由に飛べるか肝が試される

原作小説は小説家になろうweb版、富士見ファンタジア文庫ラノベ版共に未読。


【物語 3.5点】
ま~た異世界転生物か?テンプレばっかしでツマラナイ。
こうした批判は声がデカくてよく響きますし、私も言いますがw

その実、いざ、お約束と違うことをされて自由に飛び回られても、
惰性で乗れずに、上空からふるい落とされる。

そんな感想がまず残った物語でした。


中盤までは、旧来の異世界転生物のパターンを踏まえて観ても付いて行ける程度に、適度な距離が確保。
今までにあまりない新鮮な異世界転生物だな。いい百合だった。5話で{netabare} ユフィはアニスに何度、愛の告白をするのかw{/netabare}
といった感じで、前半は、転生アニメ乱造を嘆きつつも、新味を期待して、つい観てしまう層に訴求。

ところが、後半に入ると、さらに捻りを加えつつ、新展開へと飛翔。
アニスもシナリオも暴走?と戸惑う方もいたかもしれません。


後半、折り合いのヒントにしたいのが、原作者・鴉 ぴえろ氏が『魔法少女リリカルなのは』の大ファンだということ。
“十分に発達した科学は魔法と見分けがつかない”を地で行く魔法及び「魔学」の設定、世界観。
何より終盤、{netabare} 泣いてる金髪のあの娘を助けるために全力全開で撃ち倒しに行く件などまんま『なのは』w{/netabare}

結局、異世界転生物のテンプレから自由になって、濃い目の百合で『なのは』みたいな萌え&燃え友情バトル作品がやりたかったのだろう。
というのが私の結論です。


私はアニスがユフィに贈った魔道具「アルカンシェル」を見て、
『なのは』2期の次元航行艦アースラの決戦兵器と同じ名だと嬉しくなる程度には『なのは』厨なのでwこの展開は大歓迎。

ですが理解の拠り所を持たない視聴者のためにも、もう少し伏線、誘導が欲しかったかなとも思います。
例えば終盤の{netabare} アニスの葛藤の裏には転生者ゆえの孤独もあったはず。
そこはテンプレを嫌わずに、折に触れて強調しておけば尚良かったかなと思います。
アニスからユフィだけに伝えた前世の記憶。アニスを娘として受け入れているとの母の涙。
この辺りはもっと感動度が上がったのではと愚考します。{/netabare}


【作画 4.0点】
アニメーション制作・ディメディア。

上々。

掛け合いにリズムを生み出すキャラの各種顔芸。

魔力を持たない転生者アニスが憧れるに値するきらびやかな魔法エフェクト。

魔法の有無により固定化された貴族制、身分制下で荒廃と矛盾を抱えた社会。
それでも、あなたがいる世界は美しい。

これらを作画、背景美術から体感できる水準にあるのは大きいです。


何より箒型の魔道具にまたがった金髪王女に自由の大空へと拉致されていく銀髪令嬢は最高に絵になります♪


【キャラ 4.0点】
アニス&ユフィについては【3話までの感想】で触れたので割愛して、ここでは脇について。

アニスに仕える赤髪の侍女・イリア。
主人のオテンバぶりに釘を刺せるのは、主従の信頼関係あってこそ。
世間と摩擦を起こしてばかりのアニスにとっては、
ユーモアの効いた毒舌が数少ない心を許せる場所だったのではないでしょうか。

そういう意味ではダウナーな呪い探究家・ティルティも、
魔学に理解を示す懐の深さで、アニスに毒づいてくれる貴重な友人でした。

イリアは特殊な事情を抱えるレイニの癒やしとなり、
ティルティはアニスとの関係に悩むユフィに助言を与えたりと、
脇が人間関係を動かす潤滑油として機能していました。

イリアの入れる紅茶。私も一杯頂きたいものです。


【声優 4.0点】
アニス役の千本木 彩花さん&ユフィ役の石見 舞菜香さん。
百合沼に落ちると溶解力が凄まじそうなボイスの持ち主。
実際、{netabare} キスまで昇りつめた{/netabare} 二人は尊かったです。
お二人とも自由を抑圧された苦しさと、自由を得た解放感も、落差のある表現で好演。

アニスの弟でアルガルド王太子役の坂田 将吾さん。
序盤はユフィとの婚約を破棄した無思慮な未熟者。
と油断させておいて、後半は、アニスの王位継承権放棄も含む、王国の諸々の歪みを一手に引き受けた故の狂気も体現。


興味を惹かれたのがレイニ役の羊宮 妃那さん。
ユフィからアルガルドを略奪するポジション。
だが悪役令嬢じゃない。
ここもテンプレ打破を狙った風変わりなキャラでしたが器用に対応。
感心の余り、私はこの春、羊宮さんがヒロイン役を務める『僕の心のヤバいやつ』見てます。

作家のみなさん。どんどん凝ったキャラ作って、羊宮さんに無茶振りしちゃいましょうw


【音楽 3.5点】
劇伴担当は日向 萌氏。
優雅なオーケストラにより宮廷や空中戦を演出。
百合が深化する場面では、恋愛作品の音楽提供のキャリアも活かし、
アコースティックギターなども交えムードを盛り上げる。

OP主題歌は花たん「アルカンシェル」
ED主題歌は本編終わってもまだイチャつきたいw
メインヒロイン2人によるデュエット曲「Only for you」

自由な空に飛び立つ歌詞世界が心地よい両曲。
EDは終盤になるにつれ、歌詞の真意と百合の味わいが滲み出る内容。




【3話までの感想】破戒と自由をもたらす異世界転生娘

長いので折りたたみw
{netabare}
相変わらず異世界転生、なろうファンタジーの乱造傾向が続く今期アニメ。
加えて今冬は人間不信に陥った主人公がどうこうという筋書きも目立ちます。
対人関係で負った心の傷と向き合う。
異世界転生物、ファンタジーとして真面目で良いとは思います。
が、揃いも揃ってウジウジされてもちょっと……。
人間を信じられないのは分かったから、もう少しパーッと明るい奴はおらんのか?
そこで本作である。


アニス……魔法の才能はないが、魔法への憧憬から奇妙奇天烈な「魔学」にのめり込む変人金髪王女。御自ら素材集めにものめり込み上級冒険者「狩猟の略奪姫(マローダ・プリンセス)」としても畏怖される超問題児。

ユフィ……魔法の才能にも恵まれたエリート銀髪公爵令嬢。将来の王妃となるべく研鑽に励むが、許嫁の王太子から婚約破棄を通告され途方に暮れていた所、アニスに攫われ、魔学の助手になるよう引きずり込まれる。

プロットは破天荒なアニス王女が、生真面目な令嬢ユフィに、道から外れた人生の楽しみ方を教えていく、定番凸凹お嬢様ストーリーのバリエーション。

本作はアニスの自由奔放な生き様の理由付けに、
異世界転生者としての前世の記憶を設定しアップデートを図る。
これが中々イケてる味付け。

伝統的な封建社会において与えられた役割を外されたユフィのような人間。
先もなければ、先を切り開く発想も文化もない。
もう「何もしなくても良い」と父から言われたら心の芯まで固まる他ない。

そこへユフィにもたらされるアニスというインパクト。
近代的自由が潜在意識にまで染み込んだ異世界転生者はタブーを知らない。
才能に基づいた魔法を根拠とした王国を根底から覆しかねない魔学も、
血縁に基づいた王宮貴族社会を解体しかねない百合の波動も、
好きなことを好きなだけやってしまう近代人アニスはお構いなし。

ハチャメチャで明るい作風の本作ですが、
その光源には人は誰もが自由に空を飛べるはずという人間讃歌が輝いているのです。
3話の{netabare} ユフィの涙{/netabare} には説得力があり共感しました。


魔法エフェクトなど作画水準も良好で、コメディ対応も顔芸を始めとして遊び心があって楽しい。
硬派な世界観に偏りがちな今期アニメの中で、希少なギャグ枠としても依り所にしたい作品。

ただ、アニス王女の奇行に振り回される国王陛下の心労が憂慮されますw{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 29

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

おまえらみんな、真面目かっ!

見た目や言動がストレートにド真面目なマゼンタ公爵家令嬢ユフィリア(ユフィ)はもちろん、一見ふざけた魔道具を作り普段はおちゃらけた言動も目立つパレッティア王国第一王女アニスフィア(アニス)も含めて、彼女たちの親兄弟など主要登場人物のことごとくの根が真面目という、ある意味堅苦しいアニメ作品ですね。

アニスはいわゆる「異世界転生」キャラではあるらしいのですが、具体的な転生描写はなく、転生前の記憶も断片的な物であるようです。いわゆる「現代日本知識で無双する」系のなろう的な異世界転生作品ではありません。

アニメは一応区切りの良いところで1クール終わっていますが、コミカライズはアニメに追い抜かれているため、続きの話を知りたければ現時点だと原作を読まないといけません。

本作のキャッチーな部分はアニスとユフィ、あるいはその他の女性同士のカップリングによるいわゆる「百合」描写が担っているのですが、ストーリーとしては常に「相反するふたつのポリシーの衝突」という軸で作られています。

わかりやすい対立は「既得権益の維持か万人の利便性か」みたいな辺りだとは思うのですが、とにかく衝突する当事者同士は極めて真面目に生きているので、ストーリーにある程度集中しないと置いていかれそうになるアニメですね。

ところで『聖女の魔力は万能です』とかもそうだったんですが、最近のディオメディアってけっこう異世界物を作らせるとイケてませんか?
(そう思ってるのは私だけだろうか…。)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 25

86.7 5 百合で魔法なアニメランキング5位
劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(アニメ映画)

2013年10月26日
★★★★★ 4.2 (1955)
9924人が棚に入れました
人気アニメーション「魔法少女まどか☆マギカ」の新作劇場版。TVシリーズを再構成した「前編 始まりの物語」「後編 永遠の物語」に続く新たな物語が描かれる。

声優・キャラクター
悠木碧、斎藤千和、水橋かおり、喜多村英梨、野中藍、加藤英美里、阿澄佳奈
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ほむほむ祭り★

■BD買いました~
{netabare}
ANIPLEX+で買って、前後編&新編収納BOXに早速
収めました^^
もちのろんで、ほむほむを正にして飾ってます♪

魔女化後の戦いがアツイ!

魔法少女まどか☆マギカ』×『〈物語〉シリーズセカンドシーズン』コラボレーション劇場マナー告知短編映像も面白かったです^^
{/netabare}



DVD発売まで、あと半月!
楽しみすぎる♪^^



DVD発売日が4月2日に決まりましたね~♪
「描き下ろし絵柄 【前後編&新編】収納BOX」付きの限定版を買おうかと思います^^
前後編も限定版を買ったのですが、専用の収納BOXがあったのでそれごとまるっと収まってくれるかな。。。
⇒ANIPLEX+のページを見たら、前後編を三方背BOXに入れた状態で収納できるっぽいですね!

まどまぎの劇場版をついに観てきました~ヽ(*´∀`)ノ

■劇場版
{netabare}
ほむほむが魔女化するシーンは圧巻です^^
そしてまどかシステムに則って、魔女化したほむほむを救済して完結かと思いきや、どす黒い百合的感情により、ほむほむ祭りが一気にボルテージマックスに!!

「だ・ま・り・な・さ・い」のシーンがお気に入りです^^

特典のフィルムですが、魔女が出てくるときのワンシーン(ちっちゃいのがちょこちょこ動いたり)でした^^
{/netabare}


■コミック版
3ヶ月連続でコミック版も発売されるとか^^
早速コミック版も買ってしまいました~
{netabare}
第1巻を買いました。
劇場版に忠実に台詞もほとんどそのままです。
第1巻は風見野に行けず、ほむほむが本格始動したところまで^^
続きが楽しみです。
{/netabare}


■初回限定パンフレット
遅ればせながら、初回限定パンフレット購入しました^^
{netabare}
初回限定版はこの表紙だけでも買う価値ありますね♪
とっても凝ってます。

インタビューが面白いです。SSでもネタになっていますが、
やっぱり、ピュエラ・マギ・ホーリークインテットのキメポーズや、「お茶会」は絶対マミさんの厨二特性に違いない、とインタビューでも言われています(笑)

マミさんの広い部屋できっと練習しているんでしょうね。
まどかがノートに描いて振付とか決めてたりして(笑)

個人的にはデビほむのイラストがもっと見たかったです。
それはまたの機会に、ということでしょうか^^
{/netabare}


■コミック版全巻買いました♪
{netabare}
コミック全巻買いました~
1巻以外は発売日に購入。今月で最終巻でした。

映画の再現度がぱないです!
ナイトメアにお菓子を上げるシーンも
魔女ほむ戦闘シーンも
QB解説シーンも
すごい細かく描かれています♪

そして絵もかわいい^^
1巻のメガほむイイネ♪

カバー絵裏のショートマンガも面白いです^^
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 126
ネタバレ

yapix 塩麹塩美 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ほむら、君の幸せはどこにあるんだろう?

 朗報です!私に朗報です。やっと、やっと入手いたしましたBD再生機器!拝受の儀以来2か月ぶりに完全生産限定盤BDを開封し、例によって厳かなる視聴の儀を執り行ったのち、初視聴と相成りました。
 いつでも好きなときにこれを視聴することができるのかと思うと、自分自身の身に余る幸福に戦慄すら覚えてしまいます。
 また、一部変更・加筆してます。私の戯言にお付き合いいただける寛大な方は是非お立ち寄りください。かなり、いや、完全に、ほむらに特化した内容ですので予めご了承ください。
 一回目(10/28)は来場者特典は品切れ、物語シリーズとのコラボマナー喚起は忍野扇(少し残念)。二回目(11/18)はフィルムゲット!しかも半月の下に佇むほむら!!神様ありがとう!!!しかもマナー喚起は戦場ヶ原ひたぎ!私的2大ヒロインそろい踏み!斉藤千和ありがとう!!!

 いろんな意味で裏切ってくれちゃってます!
 このラストは読み切れなかった!
 ますますほむほむへの愛が深まった!
 BDを買うことはもう決定した。
 泣けるんじゃないかと勝手に想像してハンカチを手にしていたのだが、ずっと握り締めていた。泣けるところもある・・・と思うのだが、私は泣けなかった。泣いている場合じゃなかった。泣くには衝撃が大き過ぎた。
 視聴からまる4日ぐらい脳のほてりがとれなかった。
 気が付くと反芻し考察していた。
 強烈な作品にぶつかったとき特有の何とも言えない虚無感・無力感に苛まれていた。

 ネタバレしないとこれ以上の感想書けないので、以降はネタバレ満載で行きます。
  {netabare} 本作は3つの部分に分けることができる。
 第一部 オープニングからほむらが秘密に気づくまで
 第二部 秘密に気づいてから円環の理に導かれるまで
 第三部 堕天し円環の理を改変し、そして・・・ {/netabare}
 オープニングから残酷である。 {netabare}TVシリーズのオープニングをほぼなぞらえたものであり、時間軸としてはTVシリーズのスタートよりも少し進んだところといった感じである。これだけで、この物語が誰かの妄想・願望・夢想であることを予感させる。 {/netabare}それでも、第一部は幸福感がある。予告編でも明かされていた新たな敵ナイトメアとの戦いでは、魔法少女5人(最初は4人)が共闘するシーンがあり、見所のひとつである。みんなが仲良くしているところを見られただけで幸せな気持ちになれる。 {netabare}正直に言って第一部は展開が遅めであり、なんともいえない違和感とヌルイ感覚があった。これも後半への大きな伏線であるのであろうが。 {/netabare}第一部後半では、これまた予告されていたほむらとマミのガチバトルが見られる。これも見所ですね。かっこよかったです!このあたりから物語が加速度的にその展開を早めていく。
  {netabare} この世界(見滝原市)が自らが作り出した結界であり、自身が魔女化しつつあることを知るほむら。その状態を厳重に管理し、円環の理の秘密を暴こうと観察を続けるインキュベーターの野郎ども!円環の理(まどか)を守るために、円環の理による救済を拒み、自ら魔女化を促進し、ついには完全に魔女となるほむら。そのほむらに円環の理による救済を与えるために戦うかつて魔女であった魔法少女「さやか」と「なぎさ」。ここでは初めての「魔女」対「魔女」の戦いが見られる。その戦いの果てに、ついにたどり着いた円環の理による救済、まどかとの再会。ほむらの魂にも真の安らぎ、真の救済が訪れる・・・ {/netabare}
 このシーンには心底驚いた!!落としどころをどこに持ってくるのか予測不能に陥っていたので。 でも、一晩考えてなんか納得した。むしろ当然の帰結と言えるかもしれない。うんうん、ほむらちゃん、君は間違っていないよ。それは人として当然の気持ちだ。そのせいで世界がどうなろうと、それは仕方がないことじゃないかな。
  {netabare} インキュベーターの想定を超えた存在となったほむら。希望よりも絶望よりもはるかに強い「愛」によって堕天したほむら。その力で円環の理となった「まどか」の一部を人に戻したほむら。その力によって「神」を人へと貶めた(少なくとも一部を)ほむら。新たに再構築されたこの世界はどうなっていくのか?ほむら自身が予言したように、まどかと敵対する時がくるのか? {/netabare}
 しかし、今は、まどかとの時間を、まどかのいる世界を楽しんでほしい。ほむら、君にはその資格がある。

 二回目の視聴を終えて
 {netabare}オープニングテーマのカラフルが心に突き刺さる。全てを知っている者には聴くに堪えない美しい歌詞、涙がこぼれる。これでもかと描かれる幸せな世界、ほむらが、みんながこうありたいと望んだ世界。完全な茶番、茶番の中の茶番。観るに堪えない。イライラが募り、むしろ怒りさえ湧いてくる。わかっている、わかっている、これは後半へ向けての伏線なのだ。マミとの戦闘までは苦痛であった。もはや苦行であった。こんな幻想はいらない!
 ここからは早かった。結末へ向けての伏線を確認しつつ、ストーリーに、ほむらの心に気持ちを合わせて突き進む。決断を下した後のほむらの美しさ!妖しさ!魅了される。私みたいな「ほむらバカ」にとっては、前半はなくていい。ナイトメアとの戦いなんていらない。マミも杏子もさやかもなぎさもいらない。ほむらとまどかだけでいい。
 ほむらに堕天を決意させたまどかの告白、あれは紛うことなき本心であろう。素のまどかの人としての正直な気持ち。それを真正面から受け止めてしまったほむら。やはり、彼女たちは少女なのである。私なら、大人である私なら、受け流せるかもしれない。あの時の、まどかの祈りもまた本心である、と理解できるから。まどかの祈りは、無理をしているかもしれないが、間違いなく心から出た真の願いである。彼女たちがもう少し大人であれば、違う結末を迎えることもできたのかもしない。とはいえ、大人だったらそもそも魔法少女にならないか。くそっ、インキュベーターの目の付け所には恐れ入る。こんな危うい年頃の少女を標的にするなんて!
 新たに改変された世界、ここは本当に君が望んだ世界なのかい?この世界の君はあまりに美しく、妖しく、そして痛々しい。君を救うにはどうすればいい、ほむら?私はこれからその答えを探すよ。 {/netabare}
 

 『劇場版公開記念 2時間でわかる!大ヒットアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」』について(6/5)
  {netabare} 完全生産限定盤特典BDに収録。
 なんと、劇場版2作品「前編と後編」を再編集して2時間に圧縮した映像である。
 さすがに2時間では説明不足は否めず、これを補うために斉藤千和によるナレーションが適宜挿入されている。
 濃厚すぎる2時間である。
 エッセンスがぎっしり。常にクライマックス。
 TVシリーズ及び劇場版2作品を既に観た人間であれば楽しめる。
 省略されたシーンも脳内補正しながら観れてしまうのでつながりに違和感も感じない。
 そういう意味で既に2ループ程度済ました人であれば、時間が無い時のおさらいとして利用することが可能であろう。
 だが、初めて観る人には全くお勧めできない。
 むしろ、これを観ることを断固阻止しなければならない。
 ストーリーだけわかってキャラや世界観への想い入れが生まれないこと請け合いである。
 「魔法少女まどか☆マギカ」に初めて触れようという人には、出来ればTVシリーズから、それが叶わないのなら劇場版2作品を視聴することを強く勧める。
 間違ってもこの2時間圧縮バージョンから入ったりしてはいけない。
 ダメ!ゼッタイ! {/netabare}

 
 「カラフル」について(2/15微調整)
 {netabare}・・・これは、かつて魔法少女であったモノの夢の名残なのか?
 
 世間では「君の銀の庭」の評判が高いようである。確かに「君の銀の庭」は素晴らしい。聴く者の心を優しく包み込み内側から狂気で蝕むKalafinaの歌声と音楽は名曲と言っていい領域にまで達している。それは否定しない。それでも私は、「カラフル」を押したい。
 リスアニ!のインタビューで読んだのだが、「君の銀の庭」はシナリオに目を通したうえでの作品なのだが、「カラフル」はシナリオに目を通さないで作られた作品ということである。「コネクト」「ルミナス」と同様に、この条件下で奇跡のコラボレーションを期待された作品であった。
 果たして、「ルミナス」はもちろん「コネクト」すら凌駕する、まさに奇跡のコラボレーションとなったのが「カラフル」である。必ずフルコーラスで聴いて欲しい。劇中のオープニングバージョンでは魅力の半分しか伝わらない。
 
 これまでに過ごしてきたすべての時間軸において選択した行動とその結末。これまでに過ごしてきたすべての時間軸で選択しえたかもしれない行動とその結末。繰り返される時間軸の中で数えきれないほどした後悔。もはや、どの記憶が本当にあったことで、どの記憶が後悔の産物なのかさえ分からない。すべての可能性が存在し、かつ、なんの可能性も無いかもしれない世界。それでも、僅かな可能性を信じ、信じるふりをして、絶望の淵で彷徨いながら旅を続けた、そんな魔法少女が最後の瞬間に見た夢、走馬灯のように流れ去った儚い夢。ソウルジェムがカラフルに輝いた刹那にそんなことがあったのではないか・・・魔法少女としての一生を終えるその時に、彼女の脳裏をよぎったのではないか・・・それが、「カラフル」なのではないか、そう思えるのである。 {/netabare}
 
 まどかへの手紙
{netabare} あれは何回目の時間軸だったか、ワルプルギスを倒し力尽きた二人。グリーフシードもなく、このまま魔女になるのをなすすべなく待つ二人。このまま二人で魔女になって世界を滅茶苦茶にしちゃおうかという私のソウルジェムを浄化したあなた。ほむらちゃんにしかできないことをして欲しい、バカな私を救って欲しいと。それからどれだけの時間軸を超えてきたのか。あなたを救う、それだけを目的に旅を続けた。でも、出来なかった。救えなかった。私を救うため、過去・現在・未来の全ての魔法少女を救うために「円環の理=神」となったあなた。私の記憶以外の全てから抹消され、誰にも会うこともできない。それでもいいの?でも、それがあなたの望みというなら受け入れるわ。いつか必ずあなたに会えるというのなら。

 ・・・あなたがいない世界は私には辛すぎる。私の中にしかいないあなた。まどか、あなたは本当に存在したの?私にはもう耐えられない。もう戦えない。あなたはどこにいるの?

 ・・・それは、あなたの本当の望みではなかったの?誰にも会えなくなることは、耐えられないことだったの?そうだったの。あなたは救われてなかったのね。私はあの時の約束を守らなければ!そう、私にはまだやらねばならないことが残っていた。だから、あなたに救われるわけにはいかない。私があなたを救わなければならないのだから。 {/netabare}

 叛逆について①
{netabare}過去・現在・未来の全ての魔法少女を救うことを願ってなされた祈り、これはまさに「神の愛」、博愛といってもいいだろう。
 まどかを救うことを願ってのみなされた祈り、これは「人の愛」、あえて言うのなら偏愛ということになるのか?いや、これはもはや祈りですらない、願望、いや、欲望というべきなのか。
 欲望によって神の威光を傷つけること、これは、神への「叛逆」としか言いようがないのでは?しかし、神ならぬ私としては、この欲望のほうにこそ共感できるのである。
 愛とはかくも業深きものなり。 {/netabare}

 叛逆について②
{netabare}円環の理に支配される世界においては、魔法少女いう存在は神に従属する立場、神の御手先、すなわち「天使」ではないだろうか。そして、あまた存在する魔法少女の中にあって、神の正体を知る唯一の存在であるほむらは、かつての大天使長ルシファーに比類する存在ではないか。この観点からも「叛逆」の意味が解釈できると考える。 {/netabare}
 
 叛逆について③(11/30追加)
  {netabare}もう少し視野を広げて考えてみる。
 神の御業である「円環の理」の秘密を暴こうとするインキュベーターの行動、これも叛逆である。
 また、これまでのほむらの生き方そのものも、叛逆ととらえることが可能かもしれない。魔法少女となった動機そのものからして「まどかとの出会いをやり直したい」であり、その後の時間軸を超えた旅の全てが「まどかの運命を変えたい」であった。本作での堕天シーンも含めて、ほむらは一貫して運命を受け入れることを拒否している。この生き方そのものが、宇宙の摂理、若しくは、神とでも呼ぶべき存在への叛逆行為と言えるのではないだろうか。ほむらには「悪魔」というよりも「運命に抗うもの」という称号の方が相応しいのかもしれない。 {/netabare}

 円環の理について(11/30小幅追記あり、これで完成)
{netabare} TVシリーズ、劇場版前編・後編視聴時における私の理解では、絶望により魔女と化す魔法少女を魔女になる前に救済すること、つまり、魔法少女は魔女にならないというのが、「円環の理=まどかによる救済」であった。しかし、どうだろう?叛逆の物語で判明した事実に照らし合わせると、少し異なるようである。
 一つは美樹さやかと百江なぎさの存在である。彼女らは、暁美ほむら魔女化中の時点で既に「まどかによる救済=円環の理」を受けた身である。そして、彼女らは、まどかの存在を認識しており、実際、ほむらに「まどかによる救済=円環の理」を受けさせるために奔走している。しかも、魔女としても能力を有している!そのうえその力を正気を失うことなしに使いこなしているのである。
 二つ目は暁美ほむらの魔女化の過程である。インキュベーターによる厳重な監視のもとという特殊な環境にある影響もあるのであろうし、あくまで心の内面での出来事という事情もあるので現実世界との時間進行が全く異なるという可能性もある(ほむらの仮想世界の中での1日は現実世界の1秒よりも短いのかもしれない)が、それにしても、絶望してから「まどかによる救済=円環の理」に至るまでにある程度の時間がかかるようである。このタイムラグの間に仮想世界(絶望した魔法少女の心の内側)において魔女化が進行するようである。
 この二つの事実から、次の事が推測される。
魔法少女の魔女化のプロセス、
①絶望し内面において魔女化が始まる。
       ↓
②内面において完全に魔女となる。
       ↓
③魔女として現実世界に具現化する。
そして、「まどかによる救済=円環の理」は②と③の間において行われる。つまり、魔法少女はいったんは完全に魔女となって、そののち救済される。この救済によって絶望から解き放たれ、希望ある魔法少女としてこの世から消滅する。この際には
、魔女としての能力・今までの記憶も失わないようである。だから、美樹さやかと百江なぎさは魔法少女としての記憶も能力も有したままほむらの仮想世界に入り込めたのであろうし、魔女としての能力を使うこともできたのであろう。
 ー2回目視聴後の補足ー
 上記の仮説は本編において真っ向から否定されている。結界の内部において完全に魔女化してしまうと、「まどかによる救済=円環の理」を受けることができない、と。ただ、ほむらのケースが特殊であるがゆえの特例なのか、一般的に当てはまるものなのかは、判然としない。私自身としては、自身の仮説の方がより説得力があると考えるが。  
 ー3回目視聴後の補足ー
 はやり、ほむらのケースが特殊であることを確認。上記の「結界」とは、「インキュベーターによる結界」であることが判明したため。
 
 さらにもう一つ、実は、「まどかによる救済=円環の理」は絶望した魔法少女の側に選択権があるのではないか?絶望しきった魂への救済の要否を問う問いかけ、本来であれば形式的な、問われる前から答えの決まっている問いかけ、「汝、救われたいか?」の問いに唯一「否」と答えたのが暁美ほむらではあるまいか。
 この仮説はほぼ間違いないと意を強くした。インキュベーターが「円環の理に救いを求めよ」とほむらに促す場面を確認できた。 {/netabare}

 ほむらによる改変後の世界(1/3追記)
  {netabare} ほむらによる改変後の世界について語る前に、まず、まどかによる世界改変について確認しておきたい。
 まどかによる世界改変は、「改変」というよりもむしろ「書き換え」又は「上書き」という表現が相応しい。まどかは、インキューベーターが作り上げた魔法少女システム(希望から絶望への相転移からエネルギーを得る)をそもそもの最初から無かったことにした。よって、世界が書き換えられてしまったことを知っているのは、まどかのみである(唯一の例外がほむら)。あえて言い及んでおけば、まどかによる改変前の世界と改変後の世界は断絶している。
 ほむらによる改変後の世界をどう位置づけるか、類型を3つ提示してみる。
①まどかによる改変時と同様に、以前の世界を完全に書き換えたもの。
②まどかによる改変後の世界と同時に存在する平行世界(パラレルワールド)。
③まどかによる改変後の世界の内部に設けられたある種の閉鎖空間的な世界。
 そもそも、ほむらによる世界改変とはいったい何を改変したものなのか?もっとも重要かつ最大の改変は、言うまでもなく、切り取られた「まどか」が存在する世界への改変である。円環の理による救済を受け世界から消えたはずの「さやか」と「なぎさ」が存在していること、烏っぽい禍々しい生き物が存在していること、ほむらが強大な力を持っている(と思われる)こと、等も改変の産物であろう。逆に改変されなかったこととしては、インキュベーターの存在、魔獣の存在がある。まどかによる改変時との相違点としては、改変の事実を認識しているものが存在していること(インキュベーター・さやか)が挙げられる。
 以上の事実から推測するに類型③が最も有力ではないかと考える。①だと仮定すると、まどかの存在が怪しくなる。人としての部分を引き剥がした結果として存在する「まどか」は、引き剥がされる前の本体が存在しないと成り立たない。引き剥がされる前の本体が存在するということは、「円環の理」が有効に存在していることを意味し、これは、すなわち、まどかによる改変後の世界が、ほむらによる改変後にも存在していることに他ならない。つまり、①だと「まどか」が存在していることと矛盾が生じてしまう。
 ②ならどうか。平行世界であれば、まどかの存在に矛盾は生じない。しかし、平行世界間の干渉という側面から考えると、少し無理があるように思う。ほむらによる時間軸の旅は、まさしく、数多の平行世界を渡り歩くものであった。それぞれの平行世界においては、ほむら以外の人物は違う平行世界についての知識も認識もなく(インキュベーターでさえ!)、相互干渉は皆無であった。ほむらによる改変においては、インキュベーターとさやか(時間の経過とともに忘れていくようだ)が改変を認識しており、まどかは「円環の理」の力(少なくとも一部)を保持しているようである。異なる平行世界の間で、ここまで干渉があるというのは、無理があるのではないだろうか?
よって、③が最も有力となる。③であれば、上記で述べたことが全て矛盾なく成立する。{/netabare}
 
 ほむらの幸せのありか(12/1かなり加筆)
  {netabare}そもそもまどかと出会わなければ・・・という議論は未来永劫封印。
 魔法少女にならなければ・・・というのも、まどかと出会ってしまった以上、必然ととらえる以外あるまい。
 そうなると、私が考えるターニングポイントは三つ。
 一つは、まどかと二人でワルプルギスの夜を倒した後である。ほむらは、この時、まどかと一緒に魔女になってもよかった、または、死んでしまってもよかった。二人で一体の魔女になったりなんかしたら、それこそ本望だったんではないだろうか。なのに、まどかはほむらに過酷な運命を強いる。自分が魔法少女にならない未来をつくれ、しかも、魔女になるのは嫌だから殺せ、と。こうやって考えると、「まどか、我儘だぞ!お前のせいでほむらは何回時間軸を超えたと思っとるんじゃ!」と恨み言の一つでも言いたくなる。
 二つ目は、もちろん、本編のあのシーンである。おそらく、まどかがあの泣き言(本人は泣き言を言っているつもりはないだろうが)を言わなければ、ほむらは「まどかによる救済=円環の理」を素直に受け入れていたであろう。それは、本来ほむらが望んでいたことなのだから。
 もう一つある。それは、まどかによる宇宙再構築時である。あのとき、まどかはほむらを一緒に連れて行くべきであった。「こんな場所にまでついてきてくれた」ほむらの気持ち、「私のために頑張ってくれた」ほむらの気持ち、その真意を理解することができたのならば、ほむらを一人残していくべきではなかった。まどかの一部、若しくは、眷属として「円環の理」に取り込まれることを、ほむらが拒むであろうか?いや、これこそ、ほむらの至福であったろう。
 いずれにせよ、既に過ぎ去ったことである。では、この新たな世界における「ほむらの幸せ」とは?
 つまるところ、ほむらの幸せとは「まどかと共にあること」。生死も問わない、ただ共にあること。
 翻って、まどかの幸せとは?まどかは何を望むのか?少なくとも「ほむらと共にあること」ではないことは明らかであろう。
 この二人の愛情の間には大きな隔たりがある。まどかのほむらに対する愛情は、いうなれば「仲のいいお友達の一人」。どんなに好意的に解釈しても「お友達の中で一番仲のいい子」程度であろう。それは、まどかによる宇宙再構築時のおいて、神となったまどかが言い放った「あなたは最高の友達だったんだね。」に集約されている。全ての時間軸のおける全てのほむらの戦いを理解してなお、これである。万感の思いが込められているにしても、ほむらの行為に対する労いとして充分とは言えない。それに対して、ほむらのまどかに対する愛情は、自身の言葉にあった通り「この世でたった一人の私の友達」に対するもの。しかも、この気持ちは膨らむ一方である。超えた時間軸の数だけ、踏み越えたまどかの屍の数だけ大きくなる。いつしか「私の存在の全てをかけた愛」の対象へと昇華されていた。
 この隔たりはどこからくるのか。なぜ、ほむらはここまで「まどか」に執着するのか?なぜ、ほむらの心は孤独なのか?その秘密は、未だ謎のベールに包まれた「ほむらの過去」にあるのではないだろうか。「心臓の病気で長く入院していた」「どうも一人暮しをしているようだ」この二つのみが現時点で提示されていることである。
 ここで一度まどかへと視点を移してみよう。まどかは優しいパパと頼れるママに愛情をたっぷりと注がれて育った。タツヤの年齢からすると10歳ごろまでは一人っ子として育っている。また、鹿目家の朝の様子から、出勤前の「パパにちゅ、タツヤにちゅ、まどかとハイタッチ」は日課であろう。つまり、まどかは愛に慣れている。愛情を受け取ることにも、愛情を表現することにも慣れている。
 ほむらはどうか?ほむらは愛への耐性がないのではないか。愛情を受け取ることにすら躊躇を覚え、ましてや愛情を表現するなんてどうしていいやら皆目見当がつかぬ・・・。病院での長期入院、どうやらいないらしい両親・兄弟姉妹、そんなほむらにとって、まどかは初めてできた友達であった。その友達と過ごしたあまりに濃密は1カ月、そして、死という衝撃的は別れ。全てが、ほむらにとってまどかを唯一無二な存在にならしめている。
 つまり、まどかは普通の友達にするようにほむらに接しただけなのに、ほむらの方ではまどかのことを唯一無二の大親友と思っていた。この認識の違いは小さくない。
 さて、どうすればほむらは幸せになれる?
 魔法少女でなくなってしまった以上、円環の理による救済はもうありえない。神となったまどかの腕に抱かれる幸せはもう望めない。
 一緒に死ぬ?かたや神、かたや悪魔、その二人が心中?よしんば、悪魔の方でそれを望んだとしても、神の方では良しとはすまい。だったら、無理心中?あなたを殺して私も死ぬわ!もしかしたら、それはあるかもしれない。でも、そんな結末は見たくない。
 やはり、現状維持なのか。籠の中の鳥として「まどか」を飼いつづけることが幸せなのだろうか?もはや人ではない「ほむら」と「まどか」であれば永遠の時を過ごすことも不可能ではないであろう。これは、確かに一つの幸せの形なのかもしれない。ほむらにとっては理想郷ですらあるかもしれない。まどかを偽り続けることに耐えられるのであれば・・・
 ほむら、君の幸せはどこにあるんだろう。



 ・・・・・・・・・・・・・普通の、ただの少女として出会い、退屈とも言えるようなありふれた日常を過ごし、当たり前に年を取り、いつしか大人へと成長する二人、穏やかな、それでいて、親密な、変わらない友情で結ばれた二人、そんなありふれた光景こそが、君たちにはふさわしい。ほむら、君に、まどかとのこんな未来を贈りたい。
 さあ、インキュベーターよ、今こそ我に問え!
 「その魂を対価にして、何を願う?」
{/netabare}

インキュベーターのお仕事(2/23)
  {netabare}1.地球における効率的なエネルギーの回収
 2.前号に付随する一切の業務
 インキュベーターの目的はただ一つ「エネルギーの効率的な回収」のみである。この目的のために構築されたのが「魔法少女システム」といえよう。念のため、ここで魔法少女システムをおさらい。
 ①少女
   ↓
 ②願いを叶える
   ↓
 ③魔法少女
   ↓
 ④絶望する
   ↓
 ⑤魔女
 普通の少女(①)の願いを一つ叶える(②)ことによって魔法少女へと変換(③)そののち絶望(④)により魔女となる(⑤)。
 インキュベーターは②で何らかのエネルギーを投下することにより少女を魔法少女へと変え、④の際に放出されるエネルギー(主たる成分は感情)を何らかの方法で回収している。
 インキュベーターの言うところの「エントロピーを凌駕した」の真意は何とも掴み難いが、ここでは、「魔法少女を作るために必要なエネルギー < 「魔女化により回収されるエネルギー」ということと考えておく。つまり、②で投下されたエネルギーを超えるエネルギーを④で回収できるということを意味する。②で1のエネルギーを消費したとすると④で少なくとも1.1以上のエネルギーを回収できる見込みがあるということである。だが、単純に②<④でいいのかというとそうでもない。魔法少女が魔女になるまでのサポートにもエネルギーを消費するし、何よりも「ロス」が生じる可能性があることが大きい。
 魔法少女システムにおける「ロス」とは、魔法少女が魔女にならないで消滅することである。このロスは意外と多く発生しているのではないだろうか?我々が知るだけでも、マミ・杏子がこのロスに該当している。よって、インキュベーターはこのロスも込みでエネルギー回収効率を計算しているはずで、④で回収されるエネルギーは②の少なくとも数倍にはなるであろう。
 インキュベーターは予めその少女から回収できるエネルギーを推定することができる。あたかも石油の埋蔵量を推し量るように。現に暁美ほむらを魔法少女へと変換する際に、エントロピーを凌駕したので君の願いは聞き届けられました、という趣旨の発言をしている。つまり、ほむらの願いを叶えるために消費されるエネルギーを、ほむらが魔女になる際に回収されるであろうエネルギーが超えるということを、その時点で把握しているということである。
 しかし、そうだとすると、鹿目まどかのケースをどう考えればよいのだろうか?まどかの願いは、魔法少女システムを根底から覆すものであった。にもかかわらず願いが叶えられてしまうというのは、どういうことであろうか?単純に、願いを叶えるために消費するエネルギーを推定回収エネルギーが上回ったから機械的に発動してしまったのだろうか?これは、もう少し考察を進める必要がありそうである。
 魔法少女が魔女になるまでに要する期間の統計的な資料が手元にないので何とも言い難いが、「さやか」の例から推測するにおおむね1カ月以内というのが相場ではなかろうか。マミや杏子の例は異例なのではないかと思う。「さやか」のような例がバンバン発生するのだとしたら、魔法少女システムは効率的なシステムと言ってよいであろう。
 さて、有史以来(もしかしたら以前)人間(地球)を観察していたインキュベーターとて、「魔法少女システム」を構築するまでに紆余曲折があったことは間違いあるまい。おそらく、人間以外の生物、男性、女性、大人、老人、それこそ老若男女問わずいろいろ実験を重ね、その末に行きついたのが少女を標的とする「魔法少女システム」なのであろう。そして、我々が知るあの姿、何とも愛らしい愛玩動物のような外観をしているのも、少女を標的にするが故であろう。
 だが、奴らが人類に仕掛けた罠は「魔法少女システム」だけであろうか?感情をエネルギーに変換できる奴らにとって、効率的にエネルギーを回収しうる機会はたくさんある。
我々のまだ知らないそんな罠がこの世にはあるのかもしれない。
 それにしても、インキュベーターは何故にエネルギーの回収をしているのか?それは、宇宙の崩壊を一秒でも遅らせる為である。では、そのような使命を担っているのは何故なのか?そもそもインキュベーターとは何者なのか?この点については、機会を改めて論じてみたい。 {/netabare}
 
 史上初の魔法少女の末路(3/2)
 {netabare} 歴史上初の魔法少女が誰であったのかについての記録は既に失われている。しかし、歴史上初の魔法少女が歴史上初の魔女となったことは99.99%間違いのない事実である。
 魔法少女が魔女にならないということは、魔法少女が魔法少女として死ぬことを意味する。魔法少女として死ぬということはどういうことであろうか。魔法少女は「ソウルジェム」を破壊されることによって死を迎える。逆にいうと「ソウルジェム」を破壊されない限り死を迎えることは無い。歴史上初の魔法少女には戦うべき敵である魔女はいない。ということは、よほどのアクシデントでもない限りソウルジェムを破壊されることはありえない。
 ソウルジェムを破壊されることなく存在する魔法少女は必ず魔女になる。なぜなら、ソウルジェムの穢れを浄化する「グリーフシード」が存在しないからである。
 魔法少女はソウルジェムが穢れを規定量を超えてため込んだ時に魔女となる。では、「穢れ」とはなんなのか。
 「穢れ」は以下の理由によって蓄積されていく。
 ①魔力の消費
 ②希望の喪失
 ①については、魔法少女が魔法少女として存在しているだけで魔力を消費することになるので、日々確実に蓄積されることになる。②については、個々の魔法少女の心のありようであるので個体差が大きいが、これによる穢れの蓄積はかなり急速に進む傾向がある。
 いずれにせよ「グリーフシード」による浄化をしない限り「穢れ」を減少させることは不可能であるため、最初の魔法少女は間違いなく魔女になったはずである。{/netabare}

 「魔法少女は魔女になる」を考える(4/18)
  {netabare}3人の魔法少女を例に考えてみよう。
 ①美樹さやか
 まずは、美樹さやかの魔女化の過程を振り返ってみたい。
 グリーフシードの使用を拒否したこと、これがさやかの魔女化の決定的な要因である。グリーフシードを使用しないことには「穢れ」を浄化することが不可能である以上、至極当然の話である。では、さやかの急速な魔女化の要因はなんであろうか。一つは、魔力を浪費する戦い方の選択である。半ば自暴自棄になったさやかは肉体へのダメージを顧みない戦い方を自らに課す。感覚の遮断、ダメージの回復、いずれにも魔力を消費する。もう一つは、希望の喪失である。恭介と結ばれる希望・人間として生きる希望・友達と共に歩む希望、次々と潰えてゆく希望。最後に残された希望、善良な人々を守るために戦っているという希望(幻想)が打ち砕かれたとき、さやかは魔女となった。
 ②巴マミ
 巴マミは魔女になっていない。マミはどん底で契約を交わしている。自身の生死の間際で生きるために契約を交わした。おそらく、その際に親・兄弟を失ったのではないだろうか。人生のどん底から魔法少女としてのスタートを切っているのである。簡単に絶望なんてするわけがない。ただ、自身も魔女になるという受け入れがたい事実への嫌悪、強烈な拒否反応から希望を喪失するという可能性はある(実際にパニックから杏子を殺している)が、マミの場合自死を選ぶであろう。ソウルジェムが濁りきる前に自身で破壊することを選択するはずである。
 ③佐倉杏子
 佐倉杏子も魔女になっていない。が、これは俄かには信じ難いことである。佐倉杏子が自ら語った物語を思い出してほしい。杏子は父が多くの信者に慕われることを願って魔法少女となった。その願いはカラクリが父に露呈することによって崩壊する。この崩壊は家庭の崩壊をも導く。父は杏子を残し一家無理心中を遂げてしまう。世界に一人取り残された杏子。これで絶望しないとしたら、何で絶望するというのだ!これだけの経験をして、どうして魔法少女のままでいられるというのか!たとえ、グリーフシードを百個持っていたとしても追いつかない速度でソウルジェムは濁るのではないだろうか。杏子はどうやってこれを乗り切ったのであろう?私にはちょっと想像がつかない。
 魔法少女は絶望によって魔女になる。本当にそうなのだろうか?暁美ほむらの例に先立って、実はこんな特殊な先例が存在しているのである。インキュベーターの想定外の事例は思ったよりもあるのかもしれない。{/netabare}

 ホントの戯言(2/15)
  {netabare} ほむらが複数のインキュベーターによって監視されているシーンを観ていたら思い出した小説の一節があります。ダン・シモンズの傑作SFハイぺリオンシリーズの最終巻「エンディミオンの覚醒」におけるシーンです。
 磔刑に処され、ある行動をとることを期待されつつテクノコアに厳重な監視を受けているアイネイアー。このシーンとシュチュエーション似ているのです。もしかしたら、虚淵さんも意識していたのかもしれないな、と思ってみたり。{/netabare}

 

投稿 : 2024/05/11
♥ : 103
ネタバレ

cross さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

個人的には作品の特色を貫き通した最高の出来だった。劇場に足を運んででも観る価値があったと思います。【総合評価:95点】

公開日初日、時間を作って劇場に足を運んでしまいました。
個人的には大満足の内容、作品のタイトルである叛逆の物語がピッタリでした。

{netabare}
最初の30分はTV放送同様に王道感のある魔法少女ものの雰囲気で進みます。
先生と中澤君のやり取りなどの小ネタも挟みつつ、雰囲気としてもTV版の序盤を思い起こす展開でした。
そして、劇場版での見所の一つとしては、この序盤の展開ではTV版では見る事の出来なかった、五人の魔法少女に敵対関係が無く、手を取り共闘していてファン必見ですね。

そんな展開で繰り広げられる序盤でしたが、それよりも気になるのは設定の違い。
まず、この新編は まどか が円環の理となってからの物語。
にも関わらず、まどか が存在し、且つ、魔法少女が戦う敵が魔物では無く、『ナイトメア』と言う名称になり、従来の魔女に誓い姿になっていた。
TV版のラストとは違う設定に戸惑いを感じていましたが、この設定の違いに対する視聴者の疑問を、ほむら が世界に対しての違和感と言う形で感じ取りその謎の解明に動き出します。

唯一、まどか の存在を知る者であるほむらが、記憶を改竄されていた中、真の記憶が戻った事で物語は一気に動き出します。
自分達の陥っている状況を魔女の仕業としたほむらが事の収集に動き出し、ある意味で一番の見所とも言える、ほむらVSマミの戦闘シーンに発展。
この戦闘シーン、時間操作の能力を持つ ほむら に対し、火力手数共に優れた遠距離攻撃のマミが一歩も退かずに激闘を繰り広げてくれます。
スピード感あふれ、緊張感もMAXの戦闘シーンはTV放送の魔女との戦闘では見られない大迫力でした。

※↓のネタバレタグの内容は、物語の核心に触れていますのでご注意ください。
{netabare}
二人の戦闘が打ち切られ、TV版では結構可愛そうな役目を担った さやか がこの現象に言及
都合の良い世界ではあるが、この世界を願った者がそんなにも悪い事なのかと問う。
確かに魔法少女五人がいがみ合う事も無く手を取り合い、更に ほむら にとって何よりも救いたかった まどか と過ごすことの出来る世界。
しかし、この世界で まどか の想いを知り、自ら円環の理となった彼女の決意が以下に重く苦しかったのかと言う事をもう一度深く心に刻んだ ほむら はその決意を無駄にする事は出来ないと、世界の違和感の謎の解明を続ける。
この流れが ほむら にとって まどか が自分の中の幸せよりも大事だと言うことを再び感じさせられました。

そして、ほむら の感じた世界の違和感、魔女の所業と思われる事象の真実、『ほむら=魔女』はまぁ細かな設定の説明こそ付かないが、想定通りの展開でした。
元の世界でほむらに、まどかと言う概念、魔法少女のソウルジェムが消え去る仕組みを聞かされていたキュゥべえが円環の理の上では成し得ない魔女とする。
その上で円環の理である、まどか を誘い込み、まどか を観測する事で円環の理を制御して、従来の効率の良い感情エネルギーの採取を目論んでいた。
その真実に辿り着いたほむらは、円環の理の救済、つまり まどか との再会すらも拒み彼女を護る為に一人閉じ込められた空間の中で魔女として死ぬ事を決めます。。
そんな決意を固めた ほむら をまた別の形で策をめぐらせていた円環の理が救う。
この展開だけでも十分過ぎるぐらいに面白いと思ってしまいましたが……

ここから更に物語が加速!!
魔女となった ほむら を まどか救済しようとした瞬間
ほむら が まどか をも超える概念として覚醒、円環の理から まどかの人間としての人格のみを抜き取ってしまう。
今まで自分を捨ててまで まどか を救おうとしていた ほむら そんな彼女が一転して自らの欲望で理すらも捻じ曲げて、まどかを救う。
神となった まどか に対して、神すらも欺く存在である悪魔と成り果てた ほむら は神である まどか を手中に収めようとしていたインキュベーターすらも超越してしまう。
そして、ほむら が円環の理すら超越する概念となり まどか を欺いてでも彼女との日常を創り出す。

円環の理が完全破綻した訳でも無く、まどかの人格のみ救い、且つ、今まで人間を消耗品の様に扱っていたインキュベーターすら超えた事で後顧の憂いもない。
完璧な世界ながら、結果として何よりも大事だった まどか の決意や意志を蔑ろにした、ほむら の望んだ世界
やはり 悪魔となっても まどか の想いを蔑ろにしている事に憤りを感じてか、最後に自らの創り出した日常の中で、世界の尊さと自らの欲望の為に理を捻じ曲げる事が悪なのか的なニュアンスの問いを まどか に投げ掛けています。
まどか は当然の様に世界は尊く、理を曲げる事についても否定。
真実を知らないとは言え、自らの行いを過ち言われながらも、自らの欲望で まどか を救う事を曲げなかったほむら。
自らの欲望を貫き悪魔となってでも まどか を救う事を選んでくれたのは非常に良かった。{/netabare}

土壇場の展開は正直、 想像の遥か上を行き、あっぱれの一言に尽きます。
これぞ『叛逆の物語』のタイトルの由縁だったんですね。
正直、最終的にはスッキリとした終わり方ではなく、少し暗い展開で物語を纏めてしまう辺りも流石です。
単純明快なハッピーエンドよりも作品の持ち味を活かしていたように思えます。
更には今までのほむらの想いを考えると、これをバットエンドと言うのは憚られます。
{/netabare}

まぁ、結末は賛否両論かも知れませんが、自分としては物凄く良かったと思えます。
続編も可能な感じで落としているんで、無いとも言い切れませんが、自分としてはここで終幕でも納得できます。
非常に面白いのでファンの方はぜひ劇場まで足を運んでみてはいかがでしょうか?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 87

69.5 6 百合で魔法なアニメランキング6位
魔法少女サイト(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (390)
1480人が棚に入れました
学校でクラスメイトからのいじめを受け、家では実の兄からの虐待に耐える日々を送る中学生の朝霧 彩(あさぎり あや)。いつも死ぬことばかり考えていた彼女は、ある日、不気味なWEBサイト「魔法少女サイト」と出会い、魔法の力を秘めた”ステッキ”を手に入れる。彩は魔法の力を手に入れたことで、同じくステッキを持つクラスメイトの奴村露乃(やつむら つゆの)、そして他の“魔法少女”とともに苛烈な運命に巻き込まれていく――。

声優・キャラクター
大野柚布子、茜屋日海夏、鈴木愛奈、芹澤優、山崎はるか、岡本信彦、鈴木達央、中尾隆聖、安里勇哉
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

過酷な運命に翻弄される魔法少女たちの行き着く先

アニメーション製作:production dóA、
監督:松林唯人、シリーズ構成:伊神貴世、
キャラクターデザイン:渋谷秀、
音楽:井内啓二、原作:佐藤健太郎

魔法少女まどかマギカから広がったダーク系・魔法少女ものの作品。
設定としては魔法少女育成計画に近い印象。
不幸を背負って生きてきた少女が、ある日サイトによって
ステッキによる魔法少女の力を手に入れ、
様々な争いに巻き込まれ、翻弄されるという物語。

4話まで視聴した感想だが、物語の端々から陰惨なシーンを喜んで描写する
というような気持ち悪さが滲み出ている。
そして、最初の設定やステッキの能力などが、もう使い古されたネタばかりで
面白味がないため、より惨たらしくインパクトのある方向に
持っていくような気がする。
WEB連載から週刊少年チャンピオンに移籍したということで、
本流から大きく外れたところにある作品というのは理解できるが、
この後、よほど上手くやらないと、ただの趣味の悪い、
物語として成立しないような作品になりかねない危うさを孕んでいる。

ただ、こういう「バトルロワイヤル」のようなストーリーの能力モノは
案外、継続して視聴できてしまえるというのはある。
今後の展開にもよるが、おそらく最後まで見てしまうだろう。

5話~12話レビュー
{netabare}結論から言うと、危惧していた通りの展開になってしまった。
まどマギの形をとっただけで、より陰惨でインパクトのある
ストーリーにしようと考えているだけなのが透けて見えてしまう。
何を目指しているのか、よく分からない。

いちばん良くないのが登場人物の気持ちや心情が
致命的に描けていないということ。
これは私が物語を鑑賞するときの大前提なのだが、
どんな世界の人間であっても、その背景をしっかりと考えて、
「人間」を描いてさえくれれば、物語に入っていくことができる。
しかし、この作品においては、そういうことを
最初から放棄しているようにしか見えないのがとても残念。
多くのキャラの行動原理が分からない。
テンペストを防いだり、サイト管理人を打倒するという
最終目標は共通しているものの、
それ以外の面で一緒に戦うなんてとても無理だと思えてしまう。

例えば、私がいちばん引っかかるのは、魔法少女を殺しまくった
潮井梨ナが簡単に仲間になってしまうこと。
こんな自分のことしか考えない奴と共闘なんてできるわけがない。
もし共闘させるのだとしても、それなりの過程が必要。
それをすっ飛ばして、軽いお調子者の潮井梨ナが仲間になるのを
簡単に受け入れる展開は、どう考えても無理だと思う。
また、にじみんが簡単に彩の兄にだまされてしまう展開にも
首をひねった。復讐に燃えている人間が、
あまりにも簡単に秘密を打ち明けてしまう。
もう少し、それらしいストーリーがないと納得できない。

結局、この作品がやりたかったのは、兄のような強烈なキャラを出して、
インパクトを与えたいだけなのだ。
全話を通して、計算しつくして構成されたまどマギとは比べるまでもない。
露乃が自分の身を挺して仲間を助けるところも、
あまりにもとんでもない展開だった。これでは感動することはできない。
{/netabare}

全話を通してのレビュー
まどマギという魔法少女ものとしては飛び抜けた作品があるので、
同じ方向性のものはやり方が難しいと思う。
より陰惨で過酷な運命を描くのは構わないのだが、
キャラの行動や考え方の描き方が浅すぎるため、
色々なところで引っかかってしまうのが残念な部分だった。

ステッキやソウルジェムのような手法は、
まどマギはもちろん、ハンターハンターのクラピカの
エンペラータイムの能力も思い出した。

良かった点は、あまりにもダメな主人公の朝霧彩が
少しずつ成長して強くなっていくところ。
ステッキの使用すらためらっていたが、{netabare} 最後には仲間を助けたり{/netabare}
(ここの描き方も突っ込みどころ満載なのだが)、
強い決意が見えた点は面白かった。
また奴村露乃との友情関係の描写も悪くはなかったのではないだろうか。
酷評になってしまったが、2期がもしあったなら観てしまうかも。
何となく観てしまえる作風なのだ。
こういう方向性のアニメがいくつも企画されるのは、
製作側の考え方としては、分かる気がする。
(2018年6月18日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 52
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

診断は軽めの鬱系!ということで (-.-)

2018.06.24記


原作未読

魔法少女の冠がついたものを観るのは2作目。普段は食指が動きません。
1作目はおのずと知れたまどかマギカさんです。
二匹目のどじょうを狙っての視聴でございます。

けっこう身も蓋もない不幸を背負ってしまった少女のみに開かれる「魔法少女サイト」経由で魔法少女になってしまった女の子たちの不幸の物語。
第一話から陰湿ないじめ描写が展開されて、同時にサイコな連中がわんさか出てきます。第二話で魔法少女の仕組みと世界観設定の簡易説明があってわりと親切なので、そこで合わなさそうだったら切っても良いと思います。

当初私は乗り切れなかったのですが、最終二話分くらいで巻き返した感があり、一概にダメとは言い切れません。

「不幸だね~不幸だね~」のキラーフレーズ、嫌いじゃないんですよね。



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2018.11.16追記
《配点を修正》


穴沢虹海役の芹澤優さんが、同クールでの3D彼女ヒロイン五十嵐色葉役もされていたのが印象的。天と地みたいなテンションの差を堪能してました。

観る側(私)が終始ローテンションだったのは作品の鬱描写が「とりあえず凄惨なの見しとけや」みたいな製作陣の意図を感じたため。もしかすると原作の問題なのかもしれませんが、私には軽く見えてノリきれませんでした。
{netabare}一方で、管理人とは実は?の終盤展開は好印象です。どっかで観た気もするが。。。{/netabare}


朝霧彩、奴村露乃、潮井梨ナ、にじみんあたりを中心に展開していました。一応仲間として同じくらいの数の魔法少女が出てきてパーティを組んでたものの、こちらはほぼモブ扱い。
代わりにヒロインの兄を思い切り取り上げて印象的なキャラに仕立てたのか、視聴者にはこの変態お兄ちゃんのインパクトが強く残る結果になりました。これはこれで成功だったのかも。


あと作品のキーワード“テンペスト”も謎が残ったまま。
2期あっても観るかどうかは微妙なところ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 42
ネタバレ

dbman さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

胸糞注意

原作:漫画(週刊少年チャンピオン)/魔法少女、ダーク・ファンタジー/全12話/アニメーション制作:production dóA

原作は未読。あらすじにもあるように序盤はイジメ描写から物語がはじまるので胸糞注意。

大きな声で言うべきことではないが、こういったダークな要素の強い作品は好物とあって全12話をぶっ続けで一気に完走。{netabare}登場するキャラクターもざっくばらんでそれぞれに個性があり、なかでも彩は主人公らしく応援したくなるようなキャラだったし、その兄貴はクソっぷりがイカしていました。(デスノ・月を極悪にした感じで)

ただ、作中では不可解なシーン・演出面で雑に感じてしまった箇所が幾つかあり、見せ場と思われる場面が陳腐なものに。最初に感じたのは、第2話中盤で潮井梨ナとの戦闘シーン。ここで彩は、相手を殺したくないとステッキを使う事を躊躇しながらも、あっさりとステッキ使用。全体を通して演出おかしくね?と突っ込んでしまったシーンが多々見られたのが残念だった。

制作会社を軽く調べたところ、「production dóA」は、Wikipediaにはまだ登録されていない新規? のアニメ会社の模様。

かなり辛らつ気味になってしまうが、物語としてもどこかで観た事があるような展開や設定も多かった印象。似ているなんていう作品なんて星の数ほどあるのでさして問題とは思わないが、同じジャンル・魔法少女系の作品と似通っているというのはあまり美味しくは頂けない。

ちなみにラストでのクソ兄貴がウホッされる結末は良かったw プライドの高い彼にとってはこの上ない制裁となったことでしょう。

原作を読んでいないので、あくまでこのアニメに関しての評価になるが、色々と残念な部分が多かった一作でした。ただ、一気に完走してしまったという事実からも結局は楽しんで観ていたことも間違いないので、もし続編が制作されたらきっと視聴している自分がいると思います。


▼キャスト
朝霧彩:大野柚布子
奴村露乃:茜屋日海夏
潮井梨ナ:鈴木愛奈
穴沢虹海:芹澤優
雫芽さりな:山崎はるか
雨谷小雨:原由実
燐賀紗雪:M・A・O
泉ヶ峰みかり:本渡楓
水蓮寺清春:松井恵理子
滝口あさひ:Lynn
朝霧要:岡本信彦
美炭貴一郎:鈴木達央
サイト管理人漆:中尾隆聖
サイト管理人弐:悠木碧
サイト管理人捌:キズナアイ
直戸圭介:安里勇哉{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 25

79.3 7 百合で魔法なアニメランキング7位
魔女の旅々(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (720)
2585人が棚に入れました
あるところに一人の旅人がいました。彼女の名はイレイナ。若くして魔法使いの最上位「魔女」となった才女です。幼いころに読んだ旅の物語に憧れて、流されるように気ままな長い旅を続けています。この広大な世界を自由に渡り歩き、わけのわからない可笑しな人や、誰かの美しい日常に触れながら、彼女は旅人として、これといった目的もなく、色々な国や人との出逢いを繰り返します。そして同じ数だけのーー「構わないでください。私、旅人なものですから。先を急がなければならないのです」そんな魔女イレイナが紡ぐ、出逢いと別れの物語…。

声優・キャラクター
本渡楓、花澤香菜、黒沢ともよ、日笠陽子
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

良い記悪い記普通の記

原作未読

これいいやつ(笑) 旅行記の根っこを掴んでます。…と思いきやリリースしてたりやや私が混乱気味。

中世風&魔法の世界での“旅”をテーマとしてます。『旅々』の名に恥じぬ“旅×2”しっかりロードムービーしてるなーという仕上がりっぷりだったと好意的に受け止めております。
その髪の色から“灰色”…じゃなかった“灰の魔女”と呼ばれるイレイナ(CV本渡楓)が文字通り世界を回る物語。1話オムニバスタイプ全12話。

たしか1話終了時点でイレイナのデザインと作画がいい感じと注目株扱いでした。もちろん美麗なグラフィックも牽引役のひとつ。それに加えて序盤にブーストがかかり楽しみながら完走した感じです。

■ブーストについて
{netabare}第3話です。AパートBパートで別の話かつ両方とも鬱々としたやつ。=視聴継続決定!

{netabare}花に取り込まれそうなお兄ぃを傍観してたのがすこぶるいい。{/netabare}だって旅の途中ですからね。手遅れだったのかもしれないしそうじゃないのかもしれない。
{netabare}Bパートでの村長息子が無邪気な善意をふりまくのもよい。{/netabare}
“地獄への道は善意で舗装されている”を地でゆくエピソードでした。

実際、貧困国を巡っていると下手に施しをする残酷さについて実地で体感できます。こっちは去っていく者ですからね。ガンジス川で死体が浮いてても気にならなくなってくるのと似てます。
おにぃは手遅れだったろうし、仮にそうでなくて一命を取り留めても花の毒に誘われ同じことに。なにしろ妹に会いたがってましたからね。今後も監視し続けていくことは去る者には不可能なことです。

奴隷のニノちゃん初登場時に服はだけてましたしね。村長は小児性愛者だったのかもしれません。また彼女は親に売られたのを知っているのかもしれません。
そこに幸せな親子の映像を見せるとは傷口に塩を塗る以上の残酷な話。あの村長息子が父に刃向かう覚悟でもあればワンチャンあるかもしれませんが…ないでしょうね。{/netabare}


順風満帆なら思い出作りとして終了。それはそれで。。。
あのポスターでも有名なチェ・ゲバラは学生時代に南米縦断の旅で貧困を目の当たりにし革命家に転じたそうです。
イレイナのもなんかしらNEXTの行動を促すような良き旅をしてるように思えます。

作品そのものも道中のちょっと心温まるお話でオムニバスを作っても一定の支持を得られたことでしょう。グリム童話のような啓発的なものもちらほら投入されたところにロードムービーのリアルを感じる意欲作ってところでしょうか。



※ネタバレ所感

■ニケの冒険譚

ニケと聞いて真っ先に思い浮かぶのが“サモトラケのニケ”。教科書にも載ってるヘレニズム時代の有名な大理石像です。スポーツメーカーNIKEの語源と言ったほうが通じるかしら? 勝利(VICTORY)の女神ということでギリシャ語だったかではヴィクトリアと呼ばれてたはず。

{netabare}『星屑の魔女』フラン(CV花澤香菜)、『夜闇の魔女』シーラ(CV日笠陽子)のお師匠さんのお名前がヴィクトリカ(CV伊藤静)ということでなんか関係してくるんでしょうか?{/netabare}


■おかんの小言と冷酒は後で効く

前述の通り。加えて一点。

{netabare}「ただし三つ約束してほしいことがあるの。一つ。危険な目に遭いそうなときは逃げること」
「二つ。自分が特別な人間だとは思わないこと。他の人と同じだということを忘れないでね」
「三つめ。いつか必ず帰ってきて私達に元気な顔を見せること。守れる?」

旅の本質を意外とついてるのでは?{/netabare}

{netabare}おそらく第9話のイレイナの涙って、自分を特別な人間だと思いかけてる節があったタイミングで発生しています。母の戒めから離れて引き起こした事態への悔恨も表れてる涙なのではないかと思います。{/netabare}


■紀行モノでこれはちょっと…

{netabare}1クールで主人公(旅する主体)がほぼ登場しない回があるのは良し悪しよね。旅の先々での出会いやイレイナの心の動きだけ追ってほしかったところ。ご長寿シリーズなら回想やキャラ回もありでしょうが短尺でぶちこむのはNGではないかと思う私です。指摘した回は師匠の師匠に繋がる重要な話ではあるのですよ。これは完全に好みですね。{/netabare}

それと{netabare}本渡さんが15役だったか16役やったのは蛇足。というより奇策。一人○役の“ギネスに挑戦”みたいなもんかしら。「アフレコ大変そう」とか「演じ分け凄い」とか話題さらったのかもしれませんが、物語に必要だったかは微妙。その各々ネーミングセンスと合わせてEDクレジットに本渡さんの名前がずらっと並ぶのは面白かったんですけどね。{/netabare}


全体としては好み。完走してから第1話を観ると感慨深いアニメでもありました。
旅とはいつか終わるもの。{netabare}ニケさんの正体を気づいてて気づかないふりしてたりする理由も含めて、{/netabare}終わった時に何を彼女は得られているのか大変興味があります。

2期ありそうな雰囲気あるしやらないかしら? お待ちしてます。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

------


2020.12.20 初稿
2021.09.22 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 62
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

スプリンター・リフトバック

原作GA文庫、C2C制作。

魔法が存在する中世世界を舞台とし、
その世界で旅する魔女イレイナが、
様々な場所や人を訪れるロードファンタジー。

お勧めし易い作品ではありますが、
気になるのはオムニバス形式となると、
情報量に制約があるアニメでは、
かなり上手くやらないと記憶に残りづらい。
私的には背景に大きな物語が欲しいです。

世界への冒険、探求、出会いと別れ、
多様な世界観を提示して欲しいと願います。

タイトルはゴダイゴの名曲から、
そよ風と光と希望に満ちた旅をしよう。

5話視聴追記。
寓意的な物語で現実を投影する。
冒険譚にはお手本のような設定ですが、
{netabare}主人公が物語の内にいるのか外にいるのか、
その距離感で印象が変わってくるのだ。
傍観者であることへの不満の声も多い。{/netabare}

最終話視聴追記。
期待していたほどではありませんが、
中盤以降の方が好印象を持ちました。
{netabare}イレイナの感情の動きがよくわかる。
これは旅の供がいると、
また違った感想が持てるかも知れません。{/netabare}
映像・音楽は最後まで美しいです。

寓意的な旅のアニメでしたら、
カイバやソマリも並べてお勧めします。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 60

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

絶世の美しい魔女とそうでない魔女と、あなたはどちらを選びますか?

綺麗で可愛いくて魔力がすごい魔女イレイナが、世界のいろんな場所を旅する物語です。

イレイナは確かに可愛くて美しい。そして強い魔力が魅力的です。
おそらく、多くの男性は、イレイナのような美女を恋人にしたいと願っているでしょう。…
でも、見終わった後、なぜか感動は残りません。
優しさも暖かさも残りませんでした。
それはイレイナが冷たいわけではないのですが、話の内容が…
それに、自分で自分のことを『美人』と呼ぶのはちょっと…避けたくなります。


同じ魔女でも、ふらいんぐうぃっちの木幡 真琴とは真逆の存在です。
木幡 真琴は綺麗でもなく、魔力はほとんど弱く、見ていて危なっかしい魔女です。
でも、真琴と一緒にいると、なぜだか心が安らぎます。
もし結婚するのならば、イレイナよりも木幡 真琴のほうが断然良いです。
ぜいたくな暮らしはできないけど、彼女とならば、お互いよぼよぼの爺さん婆さんになったとしても、いつも笑って幸せに過ごせると思います。


もし結婚するとしたら、あなたは、どちらの魔女を選びますか?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 53

71.4 8 百合で魔法なアニメランキング8位
アサルトリリィ Bouquet(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (286)
1007人が棚に入れました
近未来の地球――人類は「ヒュージ」と呼ばれる謎の生命体の出現で破滅の危機に瀕していた。全世界が対ヒュージのために団結して作り上げた決戦兵器「CHARM」を用いて、「リリィ」と呼ばれる少女たちは世界の為に戦い続けている。世界各地にはリリィ養成機関である「ガーデン」が設立され、ヒュージに抗い、人々を守る拠点となっていた。 そして、数あるガーデンの中でも、名門と謳われる百合ヶ丘女学院に入学した一柳梨璃は、出会った仲間たちと一柳隊を結成、任務の為に東京へと赴く。これを機に、ルドビコ女学院、エレンスゲ女学園、神庭女子藝術高校、御台場女学校、相模女子高等学館、そして百合ヶ丘女学院の運命が交錯し始める……

声優・キャラクター
赤尾ひかる、夏吉ゆうこ、井澤美香子、西本りみ、紡木吏佐、岩田陽葵、星守紗凪、遠野ひかる、高橋花林、水瀬いのり、高橋李依、洲崎綾、関根明良、七瀬彩夏

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

全力作画の良作

クオリティの高い、丁寧に作られた百合萌えバトルアニメで良い作品だと思います!

気軽に見れるゆるめの百合です
アサルト「リリィ」、主人公はリリ、パートナーはユユ。ユリって名前の子も出てきます
キャラの名前が、日本人、欧米人、中国人の名前が混在していて、名前とキャラ付けの関連性がよくわからなかった

キャラクターが可愛くて作画が素晴らしく、日常シーンが魅力的
冷たくされることはあるけど嫌な性格のキャラクターがいないのも良かった
推しキャラはいないけど、主要キャラはみんな好き
ただ、主要キャラ全員集合シーンが多く、画面がごちゃごちゃしがち
主要キャラ以外もちゃんと描かれているのですが、ちょっとしか出てこないキャラはなかなか覚えられない

戦闘シーンも力が入っていて、敵クリーチャーも味方もよく動く
設定がそれほど作り込まれているわけではなくてあまりストーリーは面白くなかったです
ユユの過去の話に振り回され過ぎかな?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 34

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

掲げた看板に寄ってきた人が観たいものを魅せたという意味で、ほぼ満点な秀作!

[総評]
キービジュアルで匂わせた百合成分や中二病バトル、期待する人は間違いなく期待する入浴シーンなど、この作品に目をつけたであろう人々が「これが観たかった!」という要望にキッチリと応えた秀作です。

内容的に最初から視聴者は選んでしまったかもしれませんが、第1話から最終話までその選ばれた視聴者たちを決して裏切ることはなかったと言えましょう。

テレビアニメとして充分な合格点を付けられる作画や演出、3話毎にきちんとまとまりを見せ最終回でもストーリーにきちんと区切りを付けたシリーズ構成、メディアミックスでの特にゲームとのストーリー連携など2020年通年で見てもかなりレベルの高かった作品と言えるでしょう。

シュッツエンゲルのりり(一柳梨璃)とゆゆ様(白井夢結)、ここぞというところでの必殺の百合ケーキ入刀お疲れさまでした。

出てくるだけで面白い楓さん(楓・J(ジョアン)・ヌーベル)とぐろっぴ(ミリアム・ヒルデガルド・V(フォン)・グロピウス)はズルい(笑)!

ふみちゃん(二川二水)、もゆ様(真島百由)も要所での説明やボケとツッコミをありがとう…。

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
テレビ視聴してるとCMもやっていますが、元々は武器を持った女の子のアクションドールからプロジェクトがスタートしているらしくて、そういう意味では『フレームアームズ・ガール』とかと成り立ちは似ているかもしれませんね。

また、「武器を持った女の子を戦わせたい」って辺りにフォーカスすると『RWBY』とかもコンセプト的に近いかもしれません。

ストーリー自体は、未知の敵「ヒュージ」と戦うための専用武器「CHARM(チャーム)」を使用することができる「リリィ」を養成するための機関「ガーデン」の一つである百合ヶ丘女学院があって、そこに通うことになった主人公、一柳梨璃(いちやなぎ りり)をはじめとする生徒たちがメインキャラクターとして活躍するという、ある意味では安定・安心のテンプレ感が漂うものですね。

テンプレ作品である以上は登場キャラクター自体の魅力、アクションシーンの出来栄え、ストーリーに華を添えるちょっとした設定の面白さといったところで他作品との差別化を図って戦うしかない作品ではあると思います。

第1話を観る限り、アクションシーンはわりとイケてたと思いますし梨璃や先輩の白井夢結(しらい ゆゆ)とかも良い感じです。

名前を並べると:
ゆゆ
りり
とかなるのは、何の言葉遊びだ…。

あと、義姉妹的な関係をシュッツエンゲルと呼ぶらしいんだけど、なんで「Schutzengel(守護天使)」なのかも良くわからん(笑)。

でも、私は案外この作品が気に入っています。
== [第1話視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2020.10.16追記:
まずは第2話を視聴前に、『アサルトリリィ~一柳隊、出撃します!~』(GCノベルズ刊)を読んでみました。これで用語や設定とかはだいたいわかりましたが、小説版は「アニメの原作」扱いではないようでメインキャラクターは共通ですが、アニメとはストーリーも若干異なるようです。

第2話では戦闘はなくて「CHARM」や「ガーデン」、あるいは「シュッツエンゲル」などアニメ視聴者向けの用語説明がされる準備回といった感じでしたね。

ということで、第3話まで視聴終了。原作があるわけじゃないですが1~3話で一区切りといった趣き。小説版よりもアニメの方が展開が早い気がしますが、これはこれで良いような気がします。

「シュッツエンゲル誓約書」が結婚誓約書の書式だったりとか、そのくせ署名だけでなくてハンコも押されていたりとか、そのハンコの文字がルーンだったりとか、印章とCHARMに浮かぶサインが同じっぽいとか小説版にはなかった描写が面白かったです。

ここまで視聴者が知りたい作中用語などはだいたい楓と二水が説明してくれて、他のキャラにツッコみたいところは楓が代弁してくれるといった役回りになっています。

今後、普通に3話でひとまとまりみたいな感じで「起承転結」みたいなシリーズ構成になるのかしらん…?

2020.12.25追記:
第12話(最終話)まで視聴終了。1話の尺によくこれだけ詰め込んだという感じの最終回でしたが、スッキリと終わりましたし余韻もあってなかなか素晴らしい出来でした。シャフト、まだちゃんとしたアニメ作れるんじゃん…。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

「お姉さまっ!」の響き、リスペクト。

>6話まで視聴して
本作視聴開始理由は、”かおす先生主演”に尽きます。
本作主人公のキャラにも、ぴったりあっていると思います♪。

百合ヶ丘・・ですか。たしかにそっち方向の要素いっぱいですね。
ただ現時点ではキャラが多すぎて、覚えきれてないし見分けついてません><。

作画・動画はとにかく美しいですね~。さすがシャフト様です。
ED動画もついつい観てしまう。
ただ、本編の作画は、現場が少し苦しくなってきてるのかな?・・とも感じる。
(全体の水準が非常に高すぎて、標準程度だと逆に気になるジレンマ)


物語的には、戦っている対象がよくわからない存在なので
個人的にはあまり好みではありません。

しかし、主人公をとりまく日常と登場人物たちの描写がほっこりしており
この点においては好みです。

主人公とお姉さまの絡みも良いですね。

「お姉さまっ!」っていうセリフを聴くたび
トップをねらえ!での日高さんがオーバーラップして
気分が高揚してしまいます^^。

 (※余談:トップをねらえ!OVA版の劇場公開
      この時代に公開なんてホント素晴らしい!!)


6話での仲間同士での連携技のところは
作画・動画ともに非常に力が入っていたと思います!(良かった)。
ただ、若干、大昔の特撮戦隊ヒーローものの必殺技感もw。


-------------------------------------------------
>最終話まで視聴して
個人的に大満足させてくれた作品でした!!(今期の新規ではNo.1)。

なんでしょう??。この居心地の良い感じなのに、感動させられる感じ♪。
ちょっと自分の中では感じたことのない”新感覚”ですっ!。

いままでの経験では
居心地の良い感じに振ると、日常系っぽく振り切れてしまうのですが
本作はシリアス面もしっかり残している。

作画の丁寧さと、何より構図の良さ、カット割り?っていうの??
のバランスが絶妙でした!。
文句なしに芸術的!!。


チャーム??っていうの?の光るシーン?
観るたび
あれってイデオンゲージ??、オマージュ?、無限力?・・って脳裏で感じさせられ


最終話の、あそこへ降りていくシーンでは
あの角度の構図作画であることから
トップをねらえ!での降りていくシーンと自分の脳裏で重なり
ラスト手前でのあのセリフ!!。
トップをねらえ!オマージュも入ってますよね!!ねっ!(勝手ないいがかり)。


TV放送アニメの1クールものって
ほんと限られた時間の中で
でもラストで、ある一定の終始感が必要とされる。
その制約の中では文句なしの満点だと思います!!。


アニメ放送終了後にソシャゲ展開が決定してるのかな?。
ソシャゲではさらに多くのキャラを絡めてくるのでしょうけれど
アニメでもしっかりそこにつながるように作られている。

すごい!。
メインキャラ以外の名前と顔なんて全く覚えられてない一致しない自分ですが
そんな自分ですらにも、メインキャラ以外を魅力的に描き切ってる作品。
いやー、脱帽です。


どのキャラももちろん魅力的なのですが
特に重要な役割を果たしたと思ったキャラは
一柳結梨と楓・J・ヌーベルでした。
百合ヶ丘女学院理事長代行の中田さんが報われているシーンも何気に高評価^^。

続編制作を熱望します!。


-------------------------------------------------
>さらに追記
1周観終えた際の勢いでオール★5つけてしまってたので
念のため再視聴してみたところ

2周目の1~3話は、正直それほど面白さや感動も少なく
若干つまらない感じもありました・・(汗)。
このあたりは導入部のため仕方ないかな~?。


しかし!!。
4話から一気に面白さ・感動・満足度が大上昇でした^^。
4話から最終話まで、ほぼずっと神回ですっ!!!(言い過ぎ?w)。


特に4話から
登場キャラたちの表情がみんな
こわばっていた某キャラまでもが、ゆるやかに♪
そして、やわらかくなるんです!!。

某キャラのポンコツ感♪(誉め言葉)も劇的にUP↑↑。

鼻が詰まったようなセリフ、くしゃみ感いっぱいのセリフも心地よい^^。

・・このあたりを”あざとい、ウザい”と感じてしまうかどうかが
評価の分かれ目になるのかもしれません・・。
自分の場合は、高評価にシフトしました!。


赤尾さんの演技って
個人的に、なぜだか人を惹きつける力があるように感じられます。
(特に、かおす先生の演技で経験済)

だから本作のようなカ〇スマスキルっていうのにも
どこか説得力を感じてしまうのですっ。


某まとめサイト様の記事で見かけたのですが
監督さんがガイナックス好きな方なのですか??。
・・それで合点がいきましたw。

エヴァの印象的なシーン複数個所に関しては、あからさまにそのまんまだしw
ラストのトップも、やはりそうか!と嬉しくなりました^^。


他にも名作アニメのエッセンスを
ちょこちょこ盛り込んでますよね~♪。
自分が「そうかな~?」って思ったのは
マクロスの島への主砲、カミーユのラストのハイパーサーベル?、天子様のセリフ(コードギアス)あたり。
このあたりは自然な形で取り込まれてたので
リスペクトした上での引用だと感じました♪(高評価)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21

71.2 9 百合で魔法なアニメランキング9位
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ(TVアニメ動画)

2013年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (985)
5219人が棚に入れました
イリヤは穂群原学園に通うごく普通の女の子。ある日、飛来してきたカレイドステッキの人工天然精霊マジカルルビーによって、強制的に契約を結ばれ、魔法少女プリズマイリヤになる。本来のカレイドステッキの持ち主の魔術師・遠坂凛に命令され、冬木市に眠るというある危険なカードの回収の手伝いをすることになる。

声優・キャラクター
門脇舞以、名塚佳織、植田佳奈、伊藤静、高野直子、松来未祐、杉山紀彰、七緒はるひ、宮川美保、伊藤美紀、伊瀬茉莉也、加藤英美里、伊藤かな恵、佐藤聡美

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

初『Fate』( ^ ー ^ )♪

強力な力を持つ“クラスカード”の回収に奮闘する
魔法少女の姿を描いた作品。 全10話。


一般的にも、あにこれでも評価の高い『Fate/stay night』。
そんな人気シリーズのスピンアウトにあたる作品です。
個人的に、これまで『Fate』シリーズには縁がなく
この作品が初めての視聴になりました。

ストーリーは至ってシンプルな王道に近い作品。
難しい専門用語等も少なく解りやすい展開でした。
魔法少女となった主人公の成長や苦悩、友情が
上手く描かれていたと思います。

登場人物も少なくキャラを愛でるにはちょうど良しw
小学生チームがとても可愛らしかったです( ´艸`)
声優陣もイメージにぴったり合った配役でしたね。

「小学生は最高だぜェェェ」って言った人…天才w

コメディとシリアスのバランスがとれていて
全10話の中で上手にまとめられている印象です。
魔法少女もの好きな方、『Fate』シリーズファンには
オススメできる作品だと思います。


『Fate』シリーズを視聴していなくても楽しめますが
登場人物の関係性・今作の世界観などを堪能するには
やはりシリーズを視聴していた方が良いと思います( ^^ )




《キャスト》

イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(CV.門脇舞衣)
美遊・エーデルフェルト(CV.名塚佳織)
マジカルルビー(CV.高野直子)
マジカルサファイア(CV.松来未祐)
遠坂 凛(CV.植田佳奈)
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト(CV.伊藤静)
衛宮 士郎(CV.杉山紀彰)
アイリスフィール・フォン・アインツベルン(CV.大原さやか)
桂 美々(CV.佐藤聡美)
嶽間沢 龍子(CV.加藤英美里)
栗原 雀花(CV.伊藤かな恵)
森山 那奈亀(CV.伊瀬茉莉也)



《主題歌》

OP
『starlog』/ChouCho
ED
『Prism Sympathy』/Stylips


【2017 3/22 レビュー投稿】
【2017 8/10 レビュー加筆】

投稿 : 2024/05/11
♥ : 61

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

『Fate/stay night』を先に見た方が、より楽しめますよ~(*´∀`)

原作 漫画 未読

全10話

魔法少女ものです。

『Fate/stay night』&『Fate/zero』は、視聴済み

『Fate/stay night』のスピンオフ的作品なので、別の世界のお話です。

物語は、主人公のイリヤが、魔法少女になる苦悩と、同じ魔法少女の友達 美遊との友情?を描いてます。


感想
自分はシリーズを観てたので、士郎や、凛、セイバーが出てきたのは嬉しかったです。

それに、クラスカードの英霊達も、キャラを知っているから興味深く観れました。

シリアスが多い展開ですが、たまに笑わせてくれる所もあって、飽きなかったです。

特に、イリヤが可愛いので、楽しさ倍増でした。(●´ω`●)ゞ

イリヤと美遊の声も、可愛くて好きでしたね~。

(最近、小学生のキャラが可愛く感じるようになってきてるw うーん・・(〃 ̄ω ̄〃 いかんな!)

今期の作品、小学生の娘キャラ多いよね~ (*´∇`)

2期が製作決定してるみたいなので、楽しみです。


stay nightを観てなくても、別世界の話なので別段問題ないですが・・・
やっぱり見ていた方が、倍 楽しめると思います。

魔法少女もの、Fateシリーズを見て好きな方ならオススメです。(@´▽`@)ノ


OP:「starlog」 歌 - ChouCho

ED:「Prism Sympathy」(第1話 - 第8話、第10話) 歌 - StylipS
ED:「ツナグキズナ・ツツムコドク」(第9話) 歌 - StylipS

「starlog」は、さすがChouChoさんですね!
良い曲です CD購入。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 50
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

魔法少女はロリっ子に限る!

制作はSILVER LINK.で原作は漫画です。
ジャンルは魔法少女ファンタジー・萌え燃え系です。


Fateに登場するイリヤスフィールを主人公にしたスピンオフ作品。
ごく普通の小学生だったイリヤがカレイドステッキ・マジカルルビーにのせられて魔法少女の契約をする。
彼女は本来のステッキの持ち主である遠坂凛のもと、クラスカードを回収していく。


Fateシリーズは見たことないので初視聴ですね。
初めてがこれって明らかにおかしいような気がしますが、気にしたら負けです。

前半は退屈と言えばまあ退屈な展開ですね。
イリヤがなんだかんだで魔法少女になって、なんだかんだで戦う。
途中でヒロイン?の美遊が加わってうんぬんかんぬん。
バトルもあんまり見ごたえがないし切っても良かったのですがだらだら見ていました。

キャスターとのバトルあたりから派手になってきて面白くなってきました。
6話なんて戦闘シーンが格好良すぎて呆然としましたw
ここら辺はさすがFateって感じがします。


終盤は若干シリアス展開に。
{netabare}戦う意味、命の危険{/netabare}といった内容です。
お決まりなやり方ですが結構盛り上がったので悪くはなかったかなと。
最終回で美遊が{netabare}イリヤに対してベタベタのヤンデレになっていたのが吹きましたw{/netabare}

いろいろと萌え要素は備えていますが小学生なので紳士向けw
イリヤも美遊もなかなかな萌えキャラで見ている分には楽しかったです。
気になる点は、その他の小学生は必要なのかということでしょうか。


総括して、そこそこ面白かったのですが物凄く空気な作品になっていますw
Fateとは全く違うような気がしますが、正統派な魔法少女ものだと思うのでそれが好きならばどうぞ。
二期も決定していますので、放送したら多分見るでしょう。
美遊が{netabare}どこまでイリヤにデレまくるのか{/netabare}期待ですw

投稿 : 2024/05/11
♥ : 45

68.0 10 百合で魔法なアニメランキング10位
マナリアフレンズ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (137)
623人が棚に入れました
ここは、《人》《神》《魔》あらゆる種族の入り混じる神秘の世界ミスタルシア 快活なマナリア王国のお姫さま"アン" 内気な竜族のお姫さま"グレア" ふたりの出逢いからマナリア魔法学院の生活がはじまる。

声優・キャラクター
日笠陽子、福原綾香、水樹奈々、羽多野渉、こやまきみこ、井上喜久子、内田雄馬、沢城千春

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

キャラ萌え勝負!「毒にも薬にもならない」よりはやや薬より…?(おまけ: 作中でサブタイトルに使われていた文字を読んでみた!)

== [下記は第3話まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
ゲームが本業と思われるCygamesが、本業の宣伝のために作ったようなアニメです。本作品の舞台ミスタルシアは複数のゲームに出てくるようなのですが、まったくプレイしない私には良くわかりません。

さて、そのミスタルシアにあるマナリア王国にはマナリア魔法学院という学校があり、本作のダブル主人公としてその学院で学ぶマナリア王国の王女アンと、竜族の姫グレアが登場します。

基本的にはこの二人を中心とした学院の関係者による、学院あるいは王都を舞台にしたお話ということのようです。ここまで観る限り二人の交友関係を中心とした完全に日常系のストーリーでしかなく、考察や伏線などの要素はほとんど考える余地はなさそうです。

結局、二人を始めとする「キャラ萌え」要素と「百合」要素で勝負しようという感じの作品なので、気に入る人は気に入るだろうという一方、特に「大嫌い」という人は出てこなさそうなある種「安全牌」的な作品と言えます。

毎話ともEDの背景画が数枚切り替わって、それが本編のエピローグ的になっているのはちょっと面白いかも。

そんな平坦なお話ですが、第3話では二人が王都散策中にある服屋を見つけて入店するというお話でした。

これ以上ストーリー自体には触れませんが、置かれていた服がどう見ても我々の世界の体操着とかそれ系な感じだったので「イベント・コスチュームはこうやってこの世界に供給されているんだよ」的なお遊び回だったのかなあと思いました。
== [第3話まで視聴時レビュー: ここまで] ==

2019.3.25追記:
第10話で最終回ということだったようです。結局、作中での経過年数は1年ということだったんでしょうか。全寮制の学院ですが、学年の変わり目には多くの学生が帰省するようですね。

王都出身のアンも実家である王の居城に帰るようで、たぶん遠すぎるからなんでしょうが寮に残るグレアは独り取り残されながら、これからアンと一緒に過ごせる時間はどれくらい残っているのかと思いを募らせるといった感じのお話でした。

おまけ:
『神撃のバハムート』などでも使用されていた作中の文字ですが、本作のサブタイトル表示にも使われています。どうやらアルファベットをベースに作られた文字のようで、解読は難しくないので読んでみると英語っぽく読めるみたいです。

各話サブタイトルで日本語の左側に出ていた物を英語表記に書き換えてみたものを並べてみます。

1. ANNE AND GREA
2. AGONY OF GREA
3. PRINCESSS HOLIDAY
4. TEST TIME
5. ACADEMY DOWN
6. FLOATING AT SEA
7. HIDE AND SEEK
8. BACKSTAGE CONFIDENTIAL
9. A SLICE OF LIFE
10. THE PAIRS PROMISE

3. は読めた通りに書いたらこうですが、英語的に正しくは’が入って「PRINCESS'S HOLIDAY」じゃなかろうかとかツッコミどころはあります。10. も「THE PAIR'S PROMISE」なんですかね?

まあ「読んでみたらこうでした」ということでご参考まで。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 36
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

なんか覗いちゃってすみません

ゲームはしてない


まあ明確なターゲットがあるんでしょうけど、、、

実は本作が『神撃のバハムート』系列の作品と聞いて、視聴にあたってはTVアニメ『神撃のバハムート GENESIS』と『神撃のバハムート VIRGIN SOUL』で予習しました。
これだけ聞くとすごい気合いが入ってそうですが、よくある続きものの放送前に旧作を漁る的なやつです。両作品ともソシャゲ原作らしからぬ面白さで観て良かったと思える良作。

さて、『マナリアフレンズ』ですが、そういった予習は一切不要(笑)
15分一本勝負の百合百合ガチンコバトルです。

前クールの『やがて君になる』でまんざらでもないと思ったのも束の間、やっぱあたし無理!と思ってしまい撤退を視野に入れながら録り溜めてたものを観てるうちにうっかり完走しました。さすがの15分です。


■とはいえ良いところは良いのでは?

1.アンとグレア
アン:快活なマナリア王国の王女さま(CV日笠陽子)
グレア:内気な魔竜族の姫君(CV福原綾香)
それが男同士だろうが女同士だろうが関係なく、性格が陰と陽である鉄板の組み合わせです。


2.常にデレる
15分あっという間なのでこっちがじらされることはありません。アンはさっきまできゃんきゃん吠えてたのが突然顔を赤らめ、グレアは言葉に出せず恥じらいながら顔を赤らめます。
{netabare}あまりにもほっぺが赤くなるので第1回の頬を赤らめた回数を数えてみました。

アン⇒6回  グレア⇒6回

実質10分ちょっとの尺でどんだけデレてますの?というツッコミは置いといて、両者五分五分のいい勝負です。・・・と思っていたら見落としがありました。グレア特有の感情表現で、嬉しいと尻尾がピョンと上に跳ねるため、その尻尾ぴょこんの2回を含めると若干グレアに軍配が。。{/netabare}

もじもじしながら、「べっ別に・・・(以下略)」大解放中です。
そこにアンが「べっ別に・・・(同じく省略)」被せてきます。

笑い飯だと思えばイメージしやすいかもしれません。


3.綺麗
背景も人物も綺麗。神撃のバハムートでも感じたところですが磨きがかかってます。


このような感じで、王女さまと姫君といったやんごとなきお家柄のご令嬢が、これまた由緒正しい学園を舞台に〇〇したり××したり。
EDのピアノ曲は旋律がこれまたとても美しく、綺麗な絵と合わせて、耽美というか退廃的な雰囲気まで醸し出す。触れちゃいけない覗いちゃいけない世界な気がしてきます。
毎話のセレブの宴を庶民が覗き見るみたいな姿勢で毎週15分お付き合いする感覚でちょうどよいのかしら?


物語がないように見えて一区切りつけさせましたし、無理にとは言いませんが、30分枠だと匙を投げだしてしまうそこのあなた!
日笠陽子さんのロリボイスに釣られて15分×10回完走してみてはいかがでしょうか?



19.03.27 初稿
19.08.22 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 35

すがさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

静かなる百合

美少女2人が永遠にイチャついてるアニメ。

15分アニメとはいえ、お話の中身は無いに等しいので、
『神バハ』とか『グラブル』とか、登場キャラが出ているサイゲのゲームをある程度好きでないとキツいかも。

私は『シャドバ』をやっていたことがあったので、キャラはギリギリ知ってたんだけど、
個人的に"両想いの百合"にあまり興味がないということもあってか結構退屈だったので、途中からほぼナガラ見状態だった。

別にいいけど、「アン」って名前すげー呼びづらそうですね(笑)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 16

62.6 11 百合で魔法なアニメランキング11位
メルヘン・メドヘン(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (261)
1007人が棚に入れました
「きみのためだけの、
物語を。」

物語が叶える、少女たちの願い。
世界に散らばった物語の原書。

少女たちは「原書」(=メルヘン)と出逢い、
選ばれ、魔法を得てやがて「原書使い」となる。

これは、そんな「原書使い」を目指す
「原書使い見習い」(=メドヘン)の少女たちが、
「原書」と共に自らの物語を紡いでいく

夢と魔法と青春の物語―

松智洋&StoryWorks
× カントクが贈る
魔法少女ファンタジー開幕!

声優・キャラクター
楠木ともり、末柄里恵、Lynn、日高里菜、大津愛理、加隈亜衣、上田麗奈、本渡楓、岡村明美

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

まあまあ面白いのですが、エンジンのかかりが遅くてもったいない…。(2回落としても作画は改善せず。→ 10話で放送打ち切り…?→ 11話&12話制作予定が決まったようです!)

ダッシュエックス文庫からライトノベルが出版されています。既刊3巻で4巻の発売は2018年4月に予定されているようです(原作未読)。

作中の特殊な用語はドイツ語がベースになっているようですね。

童話や昔話など、物語(メルヘン: Märchen)の力を宿した本である「原書」と契約してその力を行使することができる「メドヘン(Mädchen)」達が、チーム戦でトーナメントを戦うバトル物としての大枠があるようです。

通常はメドヘンは代々その血を受け継ぎ、私たちの世界とは別の世界にある魔法学園に通って一人前になるようなのですが、主人公の鍵村葉月(かぎむら はづき)は普通に育った人間であるはずなのに、なぜかシンデレラの原書に選ばれ、契約を結んでしまいクズノハ女子魔法学園に出入りできるようになってしまう、というのが物語の導入でした。

メドヘン達の本来の育成目的も気になるわけですが、それとは別に「ヘクセンナハト(Hexen Nacht)」という各国の魔法学園による対抗試合があり、その試合結果を巡る一つの取り決めなどもあって目下の興味はトーナメントの勝敗の行方となっています。

トーナメントに出場する権利を持つ各国のラインナップが興味深くそこらも含めて面白そうではあるのですが、その状況が見えてくるのに5話くらい使ってしまった感じです。

また人とのコミュニケーションが苦手で、嫌なことがあるとすぐに読書で物語の世界に逃げてしまうという葉月の性格が視聴者を苛立たせることもありそうで、早い段階で見切られてしまっているように思います。

そして、調べてみた感じでは原作でもヘクセンナハトは終わっていない様子なので、アニメをどうやって終わらせるつもりなのかも気になります。

…全話観終わってもカタルシスは得られない気もするけど、どうなんだろう?

2018.3.23追記:
制作が間に合わず(?)、第8話の後で第1、2話を再放送するという悲しい事態が発生。エンドカードだけ変更しても騙されないぞ(笑)!

とういことでようやく第9話を放送。3月中に予定話数は消化できないのが確定的な上に、第9話の作画はかなり悲惨な事態に…。

ただ、(まともなカットを選んだだけかもしれませんが)次回予告を観た限りでは次回は今回よりはましな作画かも…?

残り話数から逆算すると予定話数を放送できればヘクセンナハトは終わるところまで行けるのかもしれませんが、とにかく作画はかなり残念と言わざるを得ませんね。

2018.3.27追記:
Buzz Plus News より。

【緊急事態】作画崩壊アニメ「メルヘン・メドヘン」第10話で打ち切り決定 / やるはずだった11~12話は放送中止
http://buzz-plus.com/article/2018/03/26/maerchen-maedchen-end/
ここ
うへえ、延期ですらなく打ち切りってマジか…。まあ、作画に関してはキャラ表が意味をなさないレベルでおかしかったのは確かですけど。

#訂正追記: 打ち切りは公式情報では否定されているようです。

2018.3.29追記:
第10話: 放送枠的に最終回でした。11、12話については公式には「作るつもりはある」ということでしたが、逆にこれで終わっても「俺たたエンド」として成立しそうなのがかえって不穏…。

わりと面白かったとは思いますけどね。原作読もうかしらん…。(← 円盤を買う気無しの構え。)

2018.5.23追記:
公開方法は観ていながら、11話と12話の制作予定が決まったらしいです。
http://maerchen-anime.com/news/index00840000.html

投稿 : 2024/05/11
♥ : 45

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

クズノハ女子魔法学園にようこそ! ほへ?

2018年放送中のテレビアニメ

原作 MMM 総監督 斎藤久 監督 上田繁 構成 松智洋
制作 フッズエンタテインメント

原案が松という人でなんと去年急逝、イラストはカントクのメディアミックス作品のようです。

妄想ぼっち物語逃避少女「鍵村葉月」が召喚されたのは、
魔法の本「原書」に選ばれたメドヘンたちの女子魔法学園だった。

第一話の魔法学園全裸一周に度肝を抜かれました。
どっかで見たような気もしますが、可愛い系キャラの微エロ魔法少女アニメでいいんでしょうか? 

第三話まで視聴
基本は自宅から高校に通いながら部活と称しての魔法学園なんですね。
お母さんは怖そうできれいだけどコミュニケーションがとりにくいタイプのようですね。
再び、全裸へ。もしかして全裸系魔法少女アニメ?

第四話
なんとお風呂回 もちろん全裸です。
とりあえず悲劇系ではなさそうで、ゆとり美少女の異世界学園冒険物のようです。
戦闘よりも学園生活の描写を重視したほうが楽しそうなんですが、
少年漫画系と言うことで、主人公の力が目覚めて、学園の危機を救うと言う展開は読めます。

この作品、完成のめどが立たないらしいですね。
11、12話の放送がいつになるか分からないとかいうことです。
今期はいいスタートだったのに、まずはメルメドが脱落ですか。

10話まで見たので、視聴終了です。
葉月ちゃんに謝らせて終わりとかスタッフも酷いですねえ。
この作品を売り物にするためには大量の作画修正と、あと2話作らなくてはなりません。
それでも、ありがちすぎる設定と展開では歴史的爆死決定ですが。
キャラデザはもう一工夫あれば内容次第では人気が出たレベルですが、
全てが足りていないです。
全裸かブルマに全力とか分かりやすければマニア向けになったでしょうが。
放送分の作画レベルでは内容が良くても無理な作品でした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

兎にも角にも完結しました~。

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
いや、このアニメ、普通に、、、いや、普通より少しだけ上のレベルで、ちゃんと面白いと思います。

本好きの剣道部としては、本のタイトルをモチーフにした能力バトル(魔法少女)ものとして、普通に楽しんでいました。

しかし、これは「ヤシガニ」や「キャベツ」に並ぶレベルの(とまでは流石に言えないが、近年では1、2番と言えるほどの)作画崩壊を起こしたアニメとして、ある意味歴史に残るかもしれません。だから、あにこれの評価としては、苦しいでしょう。制作のバタバタもあり、12話が完結するまで、1年?を要しました。

もちろんそれは、マイナスでしかないんだけれど、これだけ時間を使っても完結させてくれたことには、素直に感謝ですね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
作画に関しては総括で触れたので、中身として良いところを。

ロシアですよ、ロ~シア(7~8話)♪

こういう、「実在の国をモチーフにした争い」系では、とかく、悪者にされやすいロシアチーム。しかし、なんとも明るく、可愛らしく、おバカで素敵なロシアチームだったと思います♪

ウラーーー!。

Wi-Fi通じる(笑)

空手でフルボッコ(笑)

いずれも笑えたし、萌えました♪

ロシアチームを主役にして、スピンオフ作ってもらいたいな~と思うくらい、楽しかったです!

→延期放送の11話以降

まず、11話冒頭の台詞が、「分からない、覚えていない」って、いきなり自虐かよ(笑) 確かに、10話までの内容はあんまり覚えていないけれどもw

12話、「物語に準じろ」「いや、新しい物語は私たちが作るんだ」の問答。

ハッピーエンドの魔法。

この作品らしい台詞に、展開に、好印象。

う~ん、やっぱり、悪くない。

この作品をちゃんとした作画と制作スケジュールで作っていれば、63点くらいには達したのでは?

あ~、ロシアチーム、好き~(笑)

EDの百合、いらねぇな~。超蛇足。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
読書好きが、コミュ障の記号みたいになっているのは、まあしょうがないが、本当はそうじゃないこともあるんだよなと。ちょうど、「本好きヒロインベスト10」を作っている最中なんだけど、ランクインできるかな? 異世界モノになるのかな? 魔法少女?

2話目
物語のストーリーが、能力に関係するのかな? 主人公はシンデレラ。蹴りとか強いのかな(笑) 現実でも時間が進行してるんだね。んじゃ、学校サボりまくりか? 退学するよw 土御門さんはかぐや姫。竹取物語じゃなくていいのか? メタネタw シンデレラって、凄いんだ。基準が分からんが、認知度? じゃあ、不思議の国のアリスが最強か? 聖書の次に翻訳されてるし。あとは、ドンキホーテとか、ハリポタ、指輪物語なんかかな? 学園対抗戦とか(笑) お母さんも原書使いだったパターンだね、多分。

3話目
どんな願いでもって、破格だな。あ、放課後だけ行ってるのね。原書原理主義者? シンデレラがなぜそんなに強い原書なのか、教えてほしいな。

4話目
一寸法師ね。和の物語は分かりやすい。桃太郎もいてほしいな。ゼーレかよ(笑) 微妙にリアルの政治的だな(苦笑) 諸国連合、イスラエルとかがモデルなの? それともカザフスタンとかかな。ニュータイプかな(笑)

5話目
3Pして終わんない? より、それを即座に理解している葉月が(笑) 服を買いに行く服がないって、スロウスタートでもやってたね。鶴の恩返しね。チーム戦で世界的なエース(かぐや姫)がいるなら、むしろ補助回復系がいた方が良いんでない? ほ~、バトルの種類も様々あるのですね。学園長、ニクい演出。なぜ、ナルト走り(笑)

6話目
このタイミングで新OP? ここからが、新たな、本当の(葉月の)物語って比喩かな。上手いと言えば上手い。なるほど、鶴の恩返しらしいリスクだ。長靴を履いた猫にハーメルンの笛吹き男。なかなか能力に幅があって面白い。バトル作画がクソショボい(汗) へ~、原書にリスクもあるんだね。ハッピーエンドなら良いんだね、じゃあ。シンデレラ改変とかって、大事件やん(笑)

7話目○
タチアナ、可愛いな(笑) ウラー! 毒じゃないんかい(笑) ロシア校、可愛いな、人が良すぎる(笑) Wi-Fi、メール送信、確かに(笑) イワンのバカ、敵だけの魔法封じ込めとか、チートクラスに強くねぇ?

8話目○
風邪をひく(笑) サムい小話(笑) つまりは影真似の術ですね。空手でボコボコw ロシアチーム、良いね(笑) ほとんどのアニメでロシアチームは悪者だったりやられ役だったりするけど、こういうロシアチームも新鮮で良いね♪

9話目
やばい、バトル作画酷すぎて笑える(笑) 作画酷いのはわかるけど、準備体操前に画面がガタついたのはなに? いや、むしろ、偉いな、(残った)スタッフ。こんなんなってるのに、ちゃんと放送しようと頑張っていて。なんか、泣けるわ。

10話目
作画、やや回復したかな? まさかのメテオ(笑) 範囲魔法最強系かな? 原書の新章ってのは、面白い発想だと思う。原作者の出身地によって、ある程度、国ごとの戦力が決まるのも悪くないし。うちきりは、残念。。。
{/netabare}

「11話以降」
{netabare}
11話目
一番最初の台詞が、「分からない、覚えていない」って、いきなり自虐かよ(笑) 確かに、10話までの内容は覚えていないけれどもw

12話目
この作品の個性をちゃん生かした最終回に好印象。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40

62.2 12 百合で魔法なアニメランキング12位
シムーン(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (114)
590人が棚に入れました
宮国だけが持つ孤高のエンジン“ヘリカル・モートリス”を近隣大国の侵攻から守るため、選ばれし少女たちが戦う。

声優・キャラクター
新野美知、高橋理恵子、小清水亜美、細越みちこ、豊口めぐみ、能登麻美子、高橋美佳子、相澤みちる、水樹奈々、ゆかな、森永理科、名塚佳織、桑島法子、木内レイコ、水沢史絵、玉川砂記子、喜多村英梨
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

夕凪の余韻「みな、少女だった」

(初見、あらすじ)
{netabare}男女の境目なく皆が女として生まれてくる国。17歳になると泉へ行き、男女を選ぶ瞬間を迎えます。

17を越えても性を選ばず少女として生かされるのが赦されるのは、古代からの神秘の動力を搭載した、少女だけの飛行艇乗りたち。
古典美を感じさせる三半規管のような形の飛行艇に乗って滑空し、ラインを描きます。神聖な儀式とされ、意味は忘れられているとしても、敵国よりの攻撃を打ち砕く力があるという。

聖なる技と、戦争の道具としての追求の間で揺れ動く、思春期の少女達。

また彼女たちの思いをかき乱すのは、飛行艇が二人で乗るものだから。パートナー(“パル”)となる相手への信頼と敬い、複数人で組む部隊へのシンクロ性で、この仕事は完成されます。

女の子だもの。あの人が好き、私を好きになってよ、私を選んでよ、あの人みたいになりたい、私は私のやり方でやりたい、私の理想は、私のポリシーは… せめぎあいです。

女の子達がしょっちゅうチュッチュしてるんですが
皆それぞれの矜恃がスッと台詞に示され、ピアソラ風の楽曲にのって見せられる様子は品があります。西村純二節のゆったり感が生きている気がします。

女だらけ部隊とあって、最近観ている「クロスアンジュ」が思い出されたのですが、こちらは優雅ですね。なかなか、いい雰囲気です。
{/netabare}

19日まで、gyao!で無料配信中です。



(観終えて)

ちょっとした表情がハッとする美しさや上品なセクシーさで、たいへんに目の保養でした。色設定が独特のくすんだ彩度で。
アイキャッチのカット、毎回違うキャラの決め画で艶やかでした。

年配男性含む全てのキャラを女性声優さんが担っているということで。宝塚のようで、はじめは違和感を感じ段々慣れましたが、苦手な人もいそう。


キャラクターそれぞれのいいところが垣間見えるシナリオは、いいところが裏返って悪く反転する時もあるという描き方が深みがあり、魅入りました。最後には取りこぼしなく皆輝いていましたがね。
(悪い、というと語弊があるかな。もっと仕方のない、その資質だから陰に作用する事もある、という)
春が夏になり秋になる、季節が訪れるような、確実に少女達が成長の時を迎えているんだと言う描写を味わいました。


あたしゃー、思春期に戻りたいとか昔に戻りたいとは微塵も思わないんですが、だからこそ、最終話で敵国側だった艦長による見送り時の「私にも、わかる。 みな、少女だった。」という表情のない言葉に、無性にぐっときましたですよ…。



飛行艇が飛ぶ姿は、夜が似合いましたね。金縁に星明かりが冴えて。最終話での夕凪の艦隊の姿…。

少女のわかりにくい心理が面倒くさいって人には向かないお話かもしれませんが、戦う少女らの情緒の機微を味いたい、百合が好きって方にはお勧めできる良作でした。
矜恃の果たし方に鳥肌の立つ話もあり、締めの充実と何とも言えない余韻は余りあります。
欲をいえば、笑い成分が欲しいですかね。


最も美しい人に最も哀しい罰が与えられていたこと、そしてそれを許し継いだ少女の存在も、印象的に効いていました。

脚本は小山田風狂子(會川昇)、岡田麿里、大和屋暁、西村ジュンジ。


登場人物について思ったこと

{netabare}パラ様
好きな人と当たり前にそばに居たため、想いは存在感が薄く(T . T)。それでも変わらず相手を護ると言い切れる…その健気さが反転した時は、名前に反して重い人でした。でも、それらを越えて大人姿の美しいこと。

主人公アーエル
不思議なカラッとしたおおらかさで。打算が無い分、考えが甘いとも言えるけど。型にはまらない可能性を体現してる子でした。

ロードレアモン
おさげ髪をバッサリにドッキリですよ。ぬいぐるみの趣味はウワァ〜(; ̄O ̄)

マミーナ
家柄やコネもなくシムーン乗りになるには、実力を見せて這い上がるしかなかった子。怒りを力に。その心の重荷を下ろせて、「本当はアタシ、こういう事が好きみたい」と厨房のまかないを買ってでたり掃除を切り盛りしたりする姿…(T . T)輝いてるよ!素敵だよ!と思ってたら……もっと輝く瞬間が。。・゜・(ノД`)・゜・。19話は鳥肌、鳥肌の連続でした。



ネヴリル
お姫様っぽくて、どこから抱えたらいいのかわからない形の美しい花瓶のような人。何を悩んでるのか掴みづらく、美しい人は悩んでないといけないんだろうなと漠然と思っていました。(酷い)
「高みを目指すための道具としてでなく、ただ自分を欲してほしかった」という女らしい想いが語られて、ナルホドと。
御父様に政治の駒のように使われていたから、ですかね。その望みは、シムーン乗りを辞めて得られるものような気もしますが、こういうとこが、思春期の間の物語らしいですねぇ(u_u){/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 35
ネタバレ

文葉 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

お喋りはね、唇で塞いじゃえばいいの・・好きだとキスしたくなるんだって。

皆女性として生まれ、17歳になった時に泉に行き
性別を選んで成人することのできる世界・・。

まだ性別を選んでいない思春期の少女達は
シムーンを操れる巫女シムーン・シヴュラとして
常に死の危険に晒されながら戦争へ駆り出されます。

女性同士の恋愛&友情を描いたシーンが多く
キスシーンが多いです。
{・・最初はそれ目当てで見ました(笑)}
声優が女性キャラも男性キャラも
全員女性なので宝塚っぽくて馴れると良い感じです。
雰囲気的に少女革命ウテナを思い出しちゃいました。

ドロドロしたシーンも多い中、心理描写が丁寧なので
とても感情移入しちゃいます。
第一話と最終話ではまるで別人のように
キャラが成長するので必見です。

ここからキャラ&最終話までのネタバレ!
{netabare}
アーエル;男気溢れて好奇心たっぷりな主人公
金髪お団子ヘアーがめちゃ可愛い!
ネヴィリルのトラウマ「翠玉のリ・マージョン」を迫るなど
ちょいKYだけど・・うん、すごい!

ネヴィリル;まるでお姫様みたい!綺麗な人
悩みがとても多い。だいたいアーエルのs{ry

パライエッタ;む、胸が大きい・・!
と、他のキャラに言われたほどグラマーなのに
男になるなんてもったいないよ^^; 
羨ましすぎる!私にも分けt・・{ry

最後の方の話でネヴィリルとダンスを踊った時に
{netabare} 愛されることを知りたい
と、今まで男希望で男らしい口調が急に頬を熱くしてそういったのが
女の子らしくて・・成長したんだなーとしみじみ・・( ;∀;)
ラストのパラ様美しすぎる・・!
{/netabare}

カイム&アルティ
一線を越えてしまった姉妹
あの夜さえなければ・・と罪悪感に駆られて
仲が酷く悪くなってしまった。
カイム「いくらお風呂に入っても落ちないんだ」
アルティ「戻りたいのは、新しい感覚を教えてくれたあの夜じゃない
昔の姉さんと仲良かった日に戻りたい」と言ってたのが印象に残る

リモネ
リモネ可愛いよリモネ・・!
ラストで髪が伸びて大人っぽくなってて
月日の流れを感じた。
ドミヌーラを屈ませてちゅーしたときが萌えた!w

ドミヌーラ
19歳・・最年長シヴュラ・・
ポジション的に一番感情が移入してしまう
あの事件でおかしくなったり色々あった子だけど
{netabare}翠玉のリマージョンで飛んだ世界で性別を選ばずに歳をとったせいか
ラストで衰弱して歩いたあとにキラキラが落ちてるってことは
オナシアと同じになる・・わけないよね・・。 {/netabare}

ロードレアモン
三つ編み・・(´;ω;`)

フロエ
タイトル通りのフロエ語録をアーエルにくれたり
毒舌だけど的確なアドバイスをくれる恋に恋する乙女☆
・・師匠って呼んでもイイでしょうか・・?w
マスティフとくっつくかと思ったら意外な展開!
一番女の子っぽいキャラだったのになぁ・・

マミーナ
マミーナああああああ!!泣
19話・・最高だった!
最終話でロードレがマミーナと同じ髪型にしていたのが印象深い

ユン
金髪碧眼ロングヘアの美少女&俺っ子
・・イケメン枠・・!
オナシアとの話、感動しました。

ワポーリフ
泉に行って男になったんだよね?
本当に男になったんだよね?
・・なら、何で胸が大きいの!?{錯乱}
シムーンのキャラ胸が大きいキャラ多すぎて
私のコンプレックスが・・!汗
寝ているモリナスにキスするシーンはドキドキだった!
モリナスとお幸せに♪
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

百合アニメにあらず?神聖なる少女たちの選択

舞台は大空陸(だいくうりく)という名の世界。
ここでは人類は全て女性として生まれ、17歳になった時、自らの意思で性別を選んで成人する。
シムーンを操れる巫女シムーン・シヴュラである少女達は、
様々な理由から戦争に身を投じていく

百合色がかなり強いアニメですが、ジャンルとしてはSFファンタジーでしょうかね
戦争を扱っていますが、その背景はあまり描かれないし
ガンダムのような戦争アニメとして見るべきではないです。
むしろ、モラトリアムに生きる少女達の悩みや結びつきに焦点を当てたアニメです
そういう意味では「スカイクロラ」と似ているかもしれません。

世界観はしっかりしているし、どこか美しい
単なる百合アニメではなく、深いテーマ性も感じられる良作です
単純に少女達の生き様を描いた作品とも言えなくもないですが
ラストは色々解釈が分かれると思われるので、考察の余地もかなりあります。

謎の多い作品だった記憶はあったのですが
色々な解釈に触れてみてると、この作品は凄いアニメだったなと・・・再確認。
結構分かりにくい上に、癖のあるアニメなので、かなり人を選ぶ。
しかし、独特な世界観は素晴らしいし、もっと評価されても良いと思える作品でした

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12

68.3 13 百合で魔法なアニメランキング13位
魔法少女特殊戦あすか(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (228)
927人が棚に入れました
21世紀。人類は遂に他の知的生命体との接触を果たす。しかし、その出会いは幸福なものではなかった。地冥界より侵攻する化け物は、現用兵器の多くを無効化し、人類の運命は風前の灯火と思われた。だが同じく地冥界に苦しめられていた、精霊環境条約機構の助けにより、人類は起死回生の一手を手にする。魔法少女である。強大な魔力を手にした少女たちは、心身に多くの傷を負いながらも、人類を勝利に導き、ついに大戦を終結させる。しかし、それさえも、新たな戦いの始まりに過ぎなかった。国際犯罪、無差別テロ、内戦、紛争……。魔法少女の戦いは終わらない――

声優・キャラクター
洲崎綾、関根明良、松井恵理子、竹達彩奈、高橋李依、橋本ちなみ、M・A・O、日笠陽子、乃村健次、菊池こころ

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

せいぜいがんばれ!魔法少女くるみ(違

== [下記は第2話まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
原作マンガは未読で、第2話まで視聴済みです。

かつてあすかの同僚で、あすかが自らスカウトしたらしい第二の魔法少女、ウォーナースくるみが出てきました。どうやらくるみと一緒に戦うときには、あすかがくるみを守ると約束したらしいです。

曰く、「約束、これからは守ってくださいね。私、強くないんです…。」

誰のというわけでもないですが、今後も作中でPTSD的な描写は多そうです。くるみの考え方が、魔法少女なのに軍人っぽいのは面白いですね。敵が弱すぎないのも良い感じだと思います。

第3話以降も楽しみです。
== [第2話まで視聴時レビュー、ここまで。] ==

2019.4.1追記:
第12話(最終回)まで視聴完了していましたが、レビュー更新が遅れていました。

さて、本作における「魔法少女を近現代戦における『戦力』として扱う」という視点はなかなか斬新だったと思います。もしかしたら『Re:CREATORS』にそういう視点はあったといえるかもしれませんが、そもそも魔法少女の戦闘がリアルな人の生死に直結する戦争の一部というあたりが本作の魅力の一つかもしれません。

自衛隊における「特殊作戦群」は存在は認められているものの詳細は明かされず、『GATE』など他作品でも時々名前は耳にするものの一般人にとっては都市伝説級の謎組織ですが、それ故にファンタジーとの相性は良いかもしれないですね。

そこに十代の少女が所属することは現実にはおおよそあり得ないわけですが、それを許す秀逸な作品設定の中で、魔法少女が実戦部隊として戦力に換算されているのはとても面白かったです。

中国のペイペイを除くあすか以外のマジカル・ファイブ(先の大戦の生き残りの魔法少女)の面々も、それぞれの国軍に所属し然るべき戦力として戦っています。そんな中で行方をくらませたペイペイもそれはそれで凄い(笑)。

そのような作中で唐突に出てくる「マジカル○○」(何にでも「マジカル」をつけて、さも特殊なもののように解説するネタ)が笑いを誘いました。「マジカルスパンキング」ってなんやねん(笑)!?

そして大好きなあすかに近づくものあらば瞬時に察知しさりげなく間に割って入る、そんなウォーナースくるみこと夢源くるみさんが大変魅力的なキャラでした…。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

このままでは、魔法少女は、子供がなりたくない職業1位になるぞ(苦笑)

[文量→小盛り・内容→余談が本論系]

【総括】
グロ、鬱ありの、新しい時代の魔法少女モノの定番。

全体としては悪くなく、平均すれば☆3くらいには楽しめた感じもするんだけど、、、どうにも私とは相容れないモノがあるというか。。。胸くそ悪い、いくつかのシーンで大きく評価を下げさせて頂きました。

ただ、クオリティ的にはそんなに悪くはないので、こういう作風が好きな方だったら、まずまず楽しめるアニメかと。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
9話や10話(沖縄防衛戦)のように、きちんとバトルしている時は、標準以上に楽しめた。

「魔法少女の辛さや、背負った業」を表現するために、グロが必要というのも分からなくはないので、最低評価はしません。が、やはり「焼けたトングに皮膚がはりつく」とか「脳に直接注射して感覚を強め、お胸をモミモミ」とか、贔屓目に見てもやり過ぎな描写が多く、手放しには誉められない。

う~む、評価が難しい。
{/netabare}

【余談~私にとっての味噌ラーメンと魔法少女~】
{netabare}
これは、極々個人的な話なのですが、私にとっての味噌ラーメンって、「白味噌 卵麺 野菜たっぷり」の甘いラーメンなんすよ。北東北は、それがスタンダートだと思います(少なくともウチの地域はそうでした)。

例えば仙台に行って、初めて「辛味噌ラーメン」なるものを食べた時、「これも味噌ラーメンなのか!?」という衝撃を受けました。でも、メチャクチャ美味しくて、今でも時々食べたくなる味です。

とはいえ、やはり(私にとっては)味噌ラーメンといえば、白味噌であり、野菜の甘味が感じられるやさしいものであり、他は、亜流に過ぎません。もし、店のメニューに「辛味噌」や「赤味噌」と表記がなく、ただ「味噌ラーメン」と書いてあるのに、辛い味噌ラーメンが出てきたら、ちょっとガッカリします(まあでも、美味しく完食しますがw)。

でも、東京に行って分かったのは、「白味噌 卵麺 野菜たっぷり」の甘い味噌ラーメンって、むしろ少数派なんですよね。なんか、寂しかったです。

魔法少女モノもそうです。

私にとっての魔法少女モノとは、「魔法使いサリー」を出発点にし、「美少女戦士セーラームーン」や「魔法騎士レイアース」を経由し、「カードキャプターさくら」くらいまでを指します。さくら なんかは少し現代に近づいていますが、基本的には、「勧善懲悪」で「ヒーロー的な」、優しく強い存在でした。

それが、初めて「魔法少女まどか☆マギカ」を観たとき、「これも魔法少女なのか!?」という衝撃を受けました。でもメチャクチャ面白くて、今でも記憶に残っている作品です。

ただ、それがスタンダートかと言われれば、やっぱりなんか違う気はする。

本作なんかも、ガッツリ激辛の、蒙古タンメン系味噌ラーメン的な魔法少女モノです。正直、やや食傷気味です。

本作や、マギカ以降の魔法少女モノもあって良いんですが、やはりベースは、人々を幸せにし、自らも幸せなる、魔法少女モノを観たい。そんな気持ちを込めたのが、このレビュータイトルです。

セーラームーンに憧れる少女はいても、あすか に憧れる少女はいないんじゃないかと思うわけですよ(まあ、そっち方面はプリキュアがカバーしてるから大丈夫という説もありますが)。

ただ、勿論出身地が違えばベースになる味噌ラーメンも違うわけで、本作のような魔法少女モノこそ本流で、他は亜流だという方もいて当然だと思います。

あくまで、「私は」という話です。(って書いてたら、深夜にラーメン食いたくなった)w
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
大戦後の魔法少女。これ、グロに流れていくなら、ノゾミやらサヤコやら、死んじゃうかもな~、惨たらしく。いや、出血多量で死ぬだろう。ストーリーを売りにするなら観られるし、グロを売りにするなら、途中離脱かな。

2話目 ☆3
ノゾミの父、拷問官か。女キャラ全員、半端ない巨乳だな。ナース、正論だな。

3話目 ☆3
ナースも、病んでるの、か。わりと平和な日常系見せたか。作風的に、次は更なるグロ、かな。。。

4話目 ☆1
焼肉トングに、皮膚の張り付き。BPO、大丈夫か?

5話目 ☆2
魔術斧は回収して使おうよ、特殊部隊の良い武器になるよ。記憶消去で解決ね。まあ、1週間くらいなら、良しとしないと。

6話目 ☆2
まあ、死んだと思われた魔術少女の誰かだろうけど。あんな都合よく、ピンポイントで落ちるか?

7話目 ☆2
とりあえず、腕を切り落としがち。

8話目 ☆3
マジでクソだな、あの親父。宜野湾、、、内村さま~ずのイメージ(笑) ゴーナース、汚れ仕事担当なのか。マジカルスパンキング、は、ギャグなのか? 無駄なサービスシーンに、ドン引き。スゲェ、魔法少女試験だな。

9話目 ☆4
タマラ、お前も変なのか(笑) なんかちゃんと組織戦をしてるな、相手も味方も。

10話目 ☆4
まあ、足が折れてても走るよな、普通は。ミアは、ハロウィン3体くらいでやられるの? これは、タビラ将軍が弱いのか、敵が強いのか。

11話目 ☆3
どした?? ああ、やっぱり斧は回収してたのね。

12話目 ☆2
拷問シーンはやはり胸くそ。ただ、後半の説教は、良い話、、、なのかな? よくワカラン。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

まさに魔法少女特殊戦。ただし、グロ注意!

原作未読。最終話まで視聴。

「魔法少女」はともかく、何故「特殊戦」なんだろう?って思いながら視聴開始。
魔法戦アリ、武器戦闘アリ、肉弾戦アリとまさに何でもありのまさに「特殊戦」でした。

彼女たち魔法少女が各国の軍隊の特殊部隊に属しているとか、こういう設定は大好きですね。
魔法少女たちが各々、心に傷を持っているという設定も好印象。

かなりグロイ演出もありまが、最後まで面白く視聴出来ました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

66.1 14 百合で魔法なアニメランキング14位
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 2wei Herz!(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (400)
2450人が棚に入れました
魔法少女のネクストレベル イリヤと美遊とクロの3人の魔法少女たちが紡ぐ新たな物語の幕が開く!! Fate<運命>に巻き込まれた少女たちの物語は遂に夏休みに突入!?海! 水着! 誕生日! 魔法少女たちの日常(⁉)はこれからが本番!!

声優・キャラクター
門脇舞以、名塚佳織、斎藤千和、植田佳奈、伊藤静、大原さやか、生天目仁美、小清水亜美、高野直子、松来未祐、杉山紀彰、七緒はるひ、宮川美保、小山力也、伊瀬茉莉也、加藤英美里、伊藤かな恵、佐藤聡美、伊藤美紀、玄田哲章
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

絶対引きずり出してひっぱたいてやる!

原作未読 全10話

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤの3期?です。視聴には事前に1期・2期を観ることをオススメします。

冬木市の小学校に通うイリヤスフィール・フォン・アインツベルンが、ある日を境に魔法少女プリズマイリヤになりました。もうひとりの魔法少女美遊と魔術師2人と共に強力な魔力を封じ込められているクラスカードの回収を始めました。このクラスカードに色々と翻弄されていくお話です。

前半は、イリアが通う小学校の友人たちとの交流やイベントが中心で、ユリ要素満載なコメディでこのまま日常のお話で終わるのかと思いましたが、

後半は、シリアスなカード回収のお話がメインでしたね。色々と謎が分かってきました。{netabare}(美遊のことと、そしてやっぱり出てきましたね〜ギルガメッシュ!){/netabare}

ギャップがありすぎですw 前半に伏線もありましたが、完全に分かれていましたね。後半のシリアスな展開の中にもコミカルなシーンもありましたが、結構シビアな戦いでした。

前半のユリ展開・ハーレム展開についていけないところがありましたが、後半きちんと締めてくれたので全体的には面白かったです。

4期が発表されましたね。(Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!)まだ回収されていない部分も残っているので、続きを楽しみしています。

OP fhánaが歌っています。1期がChouChoさん、2期が栗林みな実さんとこの作品は意外なアーティストさんが歌ってますね。
ED 前半は可愛い感じで、後半はバラードで素敵な曲ですね。どちらも幸田夢波さんが歌ってます。

最後に、{netabare}バゼットさんは{/netabare}2期とあまりにも印象が違いすぎて笑ってしまいましたw

投稿 : 2024/05/11
♥ : 25

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

英霊ギルガメッシュを倒せ!イリヤの戦いは佳境に!?

2015年放送のテレビアニメ 全10話 プリズマ☆イリヤの第3期
スタッフキャストは2014年放送の2期と変わらず。

プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!の後編です。

これは見事な日常ギャグアニメ。
前回ありそうでなかった水着回もあり、いろいろ微エロ満載の美少女アニメ。
Fateファンが愕然となりそうな明るい雰囲気ですが、
後半には強烈な戦闘シーンが待ってます。

イリヤ(門脇舞以)マジカルルビーの力で魔法少女プリズマ☆イリヤに変身する
美遊(名塚佳織)マジカルサファイヤの力で魔法少女に変身する。
クロエ(斎藤千和)カードの力でイリヤから分離した
マジカルルビー(高野直子)自称、愛と正義のマジカルステッキ
マジカルサファイヤ(松来未祐)ルビーの妹 冷静沈着だが露出が多い

遠坂凛(植田佳奈)貧乏で凶暴な元魔法少女 どう見ても少女ではない
ルヴィア(伊藤静)金持ちで凶暴な元魔法少女 巨乳過ぎてどうにも・・・

他に脇役で士郎などFate/stay nightのキャラが多数出演する。

ツヴァイ編の後編と言うことで前編の伏線回収もあり、
戦闘も真のラスボスとのキャラ総出演全力戦になる。
そして聖杯戦争とのつながりも語られはじめ、新たな謎を生み、
翌年の4期となる、プリズマ☆イリヤ ドライ!!へとつながるのです。

ふくよかで優しく少しエッチなマジカルサファイヤを演じた松来未祐さんの、
最後の作品になりました。
2015年10月27日死去。38歳。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 24

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

正直ここまで続くと思っていませんでした^^;

この作品は、Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤの3期に位置する作品です。物語の内容に繋がりがあるので、前期の作品を未視聴の方はそちらからの視聴をお薦めします。

本編である「Fate/stay night」におけるイリヤの運命があまりにも不憫だった事もあり、イリヤを主人公としたスピンオフには賛成でしたし、アニメ化を知った時には嬉しい気持ちで一杯でした。
今もその気持ちは変わらないのですが・・・このシリーズの並々ならないパワーを感じます^^
ここまでポンポンと続編の決まる作品も珍しいのではないでしょうか^^?
しかも3年連続で放送するって、原作やゲームなども含めてそれだけ人気の作品・・・という事なのでしょうか^^;?
この勢いのまま、どこまでも突っ走って欲しいと思っています。

でも・・・人気が出るのも分かる気がします。
まず主人公のイリヤですが、本編のキャラに萌え要素が多分に盛られており、名前でやっと本編と同一人物である事が分かるくらい徹底的に弄られています。
そして見た目には幼さを残しながらも、「きっとこんな小学生はいない」というくらいの色気を身に纏っています。
そしてすっごく子供っぽい時と大人びいている時のあるリアクション・・・
そして何よりマジカルステッキを使う魔法少女として、クラスカード回収という日常とはかけ離れた極めてシリアスな事をやってのけてしまうこと・・・
これらの半端無いギャップが彼女の魅力に拍車を掛けているのだと思います。

そしてそのギャップは単独で出せるものではありません。
クロや美遊といった同じ様な立ち位置のキャラとの絡みがよりギャップを引き立たせてくれています。
イリヤとクロの絡みなんかが正に良い例だと思います。
小学生2人の仕草にドキッとさせられることなんて・・・何回もありましたから(//∇//)

こういうのを「あざとい」という事は分かっています・・・分かっていても吊られちゃうんですよね^^;
今期もこの作品をドキドキしながら視聴していました^^;

物語の方ですが、これまで聖杯戦争の英霊の数と同じ7枚のカードの回収を行ってきました。
2期では同じ回収者であるバゼットと死闘を繰り広げたり新たなカードが示唆されたりと、イリヤ達が行っているカード集めは最早単純な回収作業ではない事がハッキリしました。

こうして3期が始まるのですが・・・まず日常パートにおける過激さは着実に増している様な気がします。
イリヤ達3人はまぁ置いておいたとしても、学校の同級生の発言や妄想が結構激しいんですよね^^;
今の小学生って、こんな感じなんでしょうか^^;?

物語は回を重ね・・・ついに新たなカードとご対面する事になるのですが、このカード・・・何となく想像していましたが、とんでもない強大な力を秘めていました。
皆んなが束になってかかってもビクともしないんです・・・
でも、どうしても勝たなきゃいけない相手・・・だから、どんなに跳ね返されても立ち向かうのを決して諦めないイリヤ達・・・その活躍は是非本編でご確認下さい。

そして本シリーズにおけるこの作品の重要性が明るみになります。
3期はこれまで目を背けていた事・・・聞けずにいた事・・・確かめようとしなかった事・・・
これらが明るみになるんです。
一歩踏み出せなかったのは、この関係が壊れるのが怖かったから・・・
でも大丈夫・・・一緒に紡ぎ上げてきた時間が不安を現実にはさせないから・・・

オープニングテーマは、fhánaさんの「ワンダーステラ」
エンディングテーマは、「ハプニング☆ダイアリー」と「Wishing diary」
どちらも幸田夢波さんが歌っています。
イリヤとfhánaさんの組み合わせは想定していませんでしたが良い感じだったと思います。

1クール10話の作品でした。始めの頃は10話じゃ尺が短い・・・と思っていましたが、これだけ物語が続いてくれると1クール10話の構成も気にならなくなりました。
物語は思い切り続きを思わせる終わり方・・・そしてエンドテロップは「・・・to be continued」
了解しました。続報を楽しみに待たせて頂きます^^

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21

68.5 15 百合で魔法なアニメランキング15位
フリップフラッパーズ(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (293)
1166人が棚に入れました
あなたには、世界はどう見えているんだろう―――。

扉をひらくカギを手にしたふたりのヒロイン、パピカとココナ。

少女と少女は出会い、そして別の時間、異なる空間「ピュアイリュージョン」での冒険が始まる。

願いを叶えてくれるという謎の結晶体"ミミの欠片"を求め、ピュアイリュージョンを巡るふたりの前に 様々な困難が立ちふさがる。

ふたりに危機が迫ったとき“ミミの欠片”が輝き、そして彼女たちは変身するのだった。

声優・キャラクター
M・A・O、高橋未奈美、大橋彩香、津田健次郎、福島潤、日笠陽子、興津和幸、村瀬迪与、大西沙織、久保田民絵、井上沙香、歳納愛梨
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「ざ!クリエイター天国」物語の破綻は気にしないで、とにかく最後まで視聴してみて

監督:押山清高
ストーリーコンセプト:綾奈ゆにこ(代表作[シリーズ構成]【ろこどる】、きんいろモザイク))
第1話脚本:綾奈ゆにこ
アニメ制作:Studio 3Hz
主要キャスト
パピカcvM・A・O
ココナcv 高橋未奈美

アキバ総研の記事から引用

これは、「天体のメソッド」「Dimension W」を手がけたStudio 3Hzによる新作オリジナルアニメ。監督は押山清高さん、キャラクターデザイン・総作画監督は小島崇史さん、コンセプトアートはtanuさん、プロデュースはインフィニットが担当。変身する2人のヒロインを描いたSF冒険活劇で、変身シーンやアクションが見どころだという。
ーーーーーーーーーーーー

だそうです。

正直ノーマークでしたので、オリジナルなんだ〜へー・・と思いつつ第1話を視聴。
「ピュアイリュージョン」という世界観は面白いですね。

【第11話】メモ「ネガティブアーキタイプは自我を支配する」
{netabare}脚本:ハヤシナオキ
絵コンテ:押山清高・五味伸介
演出:篠原啓輔
作画監督:鶴窪久子、長谷川早紀、小島崇史、杉薗朗子、田中志穂
(1)意識下に抑圧されている自律的な意識
人間の無意識は(顕在)意識が認識するより早く感知し(顕在)意識よりも先に重要な決定をしている。
『Science and Technology(無意識からの回答)』(2009 Science and Technology)
上記は無意識が何らか干渉(物理的、内観的)を受けると意識へ影響を与えることを示した実験結果である。
つまり、イロドリ先輩はPI(無意識)をパピカ達に干渉された結果、記憶(意識)が改変され行動が変化した科学的根拠となる。
また、ソルトの父はミミとパピカナにPI(無意識)を干渉され発狂している。
今回のミミはソルト父により自分のPI(無意識)に飛ばされ、人格分裂(解離)として意識に異変を来たす。
ミミがりんごに手をかけてPIが開く描写で、
「りんご」→「禁断の木の実(旧約聖書)」
の隠喩であろう。

人格分裂(多重人格)は様々な学説があるが、PIは無意識空間であるため、ユング説の論文抜粋を下記(2)に提示する。

(2)ミミの人格分裂からユングの元型論(アーキタイプ)における元型の二面性を考察
2―1 元型の二面性
元型にはいろいろなものが考えられる。
この元型は,意識に与える影響から考えると,ポジテイブな面とネガテイブな面を持つ。
例えば,元型太母(great mother)は,包含機能を中心に恐 母としての死の働きと,善母としての生の働きの二面性を持つ。
ユング心理学の見地から見れば, 無意識は地球全体に匹敵するほどの大自然であり,一方意識は,陸地に発展した一つの都市にす ぎないのである。
・・元型には二面性が見られるが,自我にとっては元型のネガテイブな力の大きさに脅威を感じざるを得ない。

2―3 意識―個人的無意識―普遍的無意識の関係
人間の出生,発達を考えると,出生時は全く意識はなく無意識だけが全てである。
ノイマンはこの状態をウロボロスとよんだ。
やがて無意識から意識が生まれる。
意識はその中心に自我 を発達させる。
自我は社会に対して開かれた存在として自己主張し,経験を通して自己拡大をはかる。
この時,自我に都合の悪いものが無意識に抑圧される。
これが個人的無意識である。
従って個人的無意識は意識に最も近い存在と考えることができる。
一方,普遍的無意識は意識を生み出した母体である。
従って起源的には普遍的無意識の方が個人的無意識より古いことになる。
図示すると

無意識(普遍的)→意識→無意識(個人的)

人の生活は自我を中心になされる。
自我にあわないものが無意識に抑圧されることは前に記したとおりである。
この日常生活上の経過をもとに考えると,意識→無意識(個人的→普遍的)と推移するようにみえるが,起源的には上記図示のとおりである。
無意識内のダイナミックな変化を考えるとき,この無意識の発生起源は重要な手がかりとなる。
加藤實『意識と無意識の関係 個人的無意識の肯定的側面について 』岐阜聖徳学園大学教育学部 2003

参考『ユングが述べる普遍的無意識(集合的無意識)』の意味

大地が草木や動物を育むさまを、母親の豊かさと厳しさに重ねる潜在的な感覚。
渦巻きや暗く深い場所を死と関連づけ恐れる潜在的な感覚。
森の暗さや深さを未知の怪物と捉える潜在的な感覚。
月や太陽に神性を思う潜在的な感覚。
動物、または人間が火と赤い布を同一視して怖がる感覚。
人間は上記のような内面の感覚を、直感的に神や悪魔として恐れ敬っている。
人間は神話や民俗学の知識がなくても、直感的に神話や伝承に通じるイメージを抱いている。
人間は日常生活でも、深い部分で前述のような感覚に影響を受けているのではないか。
だとすると、人間は目に見えない、考え方や連想のパターンに支配されているとも言える。

河合隼雄『ユング心理学入門―“心理療法”コレクション〈1〉 』(岩波現代文庫) 2009

「2―1 元型の二面性 」では元型のポジテイブな面とネガテイブな面の二つの性質が説明されているが、正常なミミ(ポジテイブ)と闇落ちしたミミ(ネガテイブ)の関係に当たる。
自我(意識)はネガテイブな元型により支配を受けやすい性質を持つ。
ミミは自分で自分のPIを干渉したために普遍的無意識(集合的無意識と同じ)が作用して人格の分裂が生じ、ネガテイブ元型が意識を支配し起きた現象としてシナリオが組まれたと推測できる。
なお、個人的無意識(PI)が干渉されたとしても、必ずしも意識が侵食されるとは限らないようだ。
その基準は不明。
普遍的無意識、個人的無意識、意識の関係は「2―3 意識―個人的無意識―普遍的無意識の関係」の通り。
なお、本レビューでは
普遍的無意識→集合的無意識
個人的無意識→無意識
元型→アーキタイプ
として記述をしているが、同じ意味である。

次に、PIの二重性だが、ココナとパピカは集合的無意識内の冒険をしているが、エピソードの殆どは誰かの個人的無意識だろう。
現在分かっているもの。
6話:イロドリ先輩
7話:ココナ(メモで説明済み)
8話:ヒダカ(メモで説明済み)
9話:ヤヤカ(下記の(5)参照)
11話:ミミ、ソルトの父(ミミは下記、ソルトの父は一目瞭然で説明不要)
※10話はPIの設定無し。
6話の止め石のようにPIには個人的無意識の入口が無数に存在している。
要するにPI空間とは集合的無意識と個人的無意識からなっており、ミミの欠片は個人的無意識に存在する。
個人的無意識の入口を本作では鳥居に似た門でも描写をしており、6話と11話に登場する。

ココナはミミの欠片がある個人的無意識へ100%の確率で誘導されているが、ミミの欠片はココナの母親ミミの一部であるが故にだろう。

ミミのPI(無意識)はクローバーで満ち溢れていた。
アスクレピオスに対しての攻撃もクローバーが使われた。
クローバーの花言葉「復讐」は、ココナを取り上げた、アスクレピオスに対する隠喩だったのかもしれない。

(3)パピカの足環、成長と退行、記憶喪失の謎
7話でパピカの外せない足環が登場したが、これは研究所で装着された逃亡防止装着だった。
11話ではパピカナは大人になり、おっぱいも膨らみも豊かになっているが、パピカのときは少女に退行をしている。
記憶が喪失した謎も明かされてはいない。
体位退行現象については、御都合設定かもしれないが、現時点では不明である。
11話回想で、ミミがココナを抱いて消えようとした時にパピカナはミミを追い、PIに迷い込みそこで記憶を失い、体位に何らかの変化が生じたのかもしれない。
パピカについては、なお、謎が多過ぎる。

(4)アスクレピオスの正体
もう殆どの方は知っているだろうが、ここのメンバーはミミが居た研究施設の連中で、トップは発狂したソルトの父。
ソルトの父がミミの破片を集めるのは世界征服のため。

(5)9話のPIはヤヤカの無意識
割れた鏡に映るヤヤカとココナの楽しい思い出、ベゴニアの花壇の前で笑う幼い頃のヤヤカとココナ、ペゴニアの花言葉は「片想い」「愛の告白」「親切」「幸福な日々」。
ヤヤカはココナと急激に親しくなったパピカにジェラシーを抱いていることから、ココナに対し片想い、パピカ登場までのココナとの幸福な日々、ココナへの親切。
状況証拠だけど間違いないだろう。
無意識が干渉された後にヤヤカの心境変化が生じる。
11話ではソルトに頼まれとはいえ、嫌っているパピカの背中を押し、ココナ救出へと舵を切るまでに心変わりをしている。

(6)最大の謎。
ミミがココナを連れてPIに消えた後、何故ミミは欠片となり、ココナは通常世界に戻ったのか。
ソルトがミミに銃口を向けた意味と関係がありそうだ。

(7)追記予定{/netabare}


【第1話】メモ
{netabare} 2人の主人公、電波キャラのパピカと優等生キャラのココナがそこヘ願いを叶えてくれる「ミミの破片」を集めに行くんですけど、魔物が出てきて、そう簡単には取得できない設定で彼女等に危険が迫ると新ウルトラマンのように勝手に「変身」しますけど変身シーンもあれいつ変身したの?とても番宣がいうような見所はありませんでした。
作画で特に背景は正直Dimension Wを制作したスタジオとは思えないほどチャチ!?
異世界をやるなら背景は特に大切だと思いますけど、さすがにベタ塗り(仕上げのブラシむらもしっかり残して・・)はないでしょう(呆)
キャラデザは「12歳」に似ていてうーんあまり惹かれませんね・・
「12歳」は原作がそういう絵柄なので仕方がありませんけど、この作品はオリのキャラデザだから微妙です。
ぶーちゃん?というヘンテコなロボットもしますけど、ネタか何かでしょうか。

OPとEDは良いだけに、なぜあのクオリティを本パートで出せないのか・・設定やストーリーは斬新で面白いのですけど作画があまりに残念過ぎて、せっかくの見せ場も迫力半減です。
なんだか、低予算だなぁと感じる作品でした。{/netabare}

【第2話】メモ
{netabare}相変わらずよくわからない展開。
電波アニメなのか否かはまだ判断できない。
とにかく不思議な世界観。健常者では想像できない、薬物から生じる幻覚か統失患者に見えているような世界観というか形容するのが難しい。
2話のピュアイリュージョン空間は犬カレー空間よりも更に不可思議さの手が込んでいて侮れないと率直に思った。
今回、分かったことは作画は単純に手抜きとはいえないこと。
あらためてクレジットを読んだら原画が超一流スタッフでこれもびっくり。
いわば、あえて「画風」でやっていると考えるべきなのかな。
しかし、キャラデザへの抵抗感はどうしても拭えない。
背景担当の「スタジオPABLO」は画力で定評があるし、1話の遠近感外しベタ背景も演出だったか。
どっちにしろ並の感覚や想像力では2話のピュアイリュージョン空間は描けない。ここまで行くと一種の芸術だ。{/netabare}
考えるよりも先に雰囲気を感じることを要求される作品かもだが、内容が面白くなければ、ただの雰囲気アニメになりかねないが、今後の展開しだいで超ダークホースの可能性すらある。

【第3話】メモ
え!なんだ、この超展開・・?
いろいろなものがミックスオマージュされているのは気のせいか。
{netabare}ココナとパピカは変身で色が逆転するんだ。{/netabare}
で、二原にアクタスがクレジットされているけどそんな余裕あるのか、おいおい。
動画はP.A.、ライデン、ディオメディアとか元請けクラスのスタジオが下請け参加しているんだ。
クレジット凝視して動画チェックの佐藤さん、この方動画の大家だけど見落としていた。
道理でよく動くはず・・ユーリはクイックモーションが多くてよく動いて見えるけど、1話通しての中割の枚数はフリフラの方がずっと多いだろうね。
脚本の綾奈ゆにこさんがOPでクレジットされないのは、絵コンテに合わせて脚本書いてるとか普通とは逆の順序でやっているからかな。
物語構成はよくわからんし、そもそも構成なんてしているのだろうか。
もう、アニメーターがやりたい放題やっているイメージで、題名まんまのドタバタ展開。
EDはグリム童話っぽくて曲も合わせクセになるぐらいに幻想的だ。
個人的にはZAQのOPよりも中毒性がある。
展開の意味不具合なら、グラスリップを超えた。

【第5話】メモ
久しぶりに凄いモノを観た。
こりゃ本物!神回と言ってもいいし、今までで一番理解しやすい回でもある。
{netabare}古い校舎、無限ループ、いつの間にか迫ってくる「ごきげんよう」三つ編み女学生達の不気味さからホラーとしても格別だ。
異常空間に様々な舞台装置をセットし、完璧なカタルシス感の描写している。
ココナが向きを変えた人形・・時間リセットで元に戻る不気味な暗示。
時計台の崩壊でピュアイリュージョンの終わりのメタファー、静かに目を閉じる人形・・驚愕の演出だ。
合宿の成果で呪文で変身も可能になったな。
ヤヤカがパピカを邪険に扱ったことで、百合三角も明確にしてきた。
時計台内の異様な空間描写、様々なオマージュだと分かっていても、何もかもが出来過ぎているだけではなく尺に上手くまとめている。
2話あたりから従来の杓子では測れない異様な作品だと感づいたが、回を追うごとに作り込みに磨きがかかってきている。{/netabare}
おいおい・・大変な作品を作ったもんだ・・

【作品考察】長いのでたたみます。

{netabare}(1)作品タイトルについて
各話のタイトルはおそらくサウンドエレクトロニクスに関すること。

第1話 ピュア-インプット
第2話 ピュア-コンバータ
第3話 ピュア-XLR(XLRコネクター)
第4話 ピュア-イコライゼーション
第5話 ピュア-エコー
第6話 ピュア-プレイ
第7話 ピュア-コンポーネント
第8話 ピュア-ブレーカー
第9話 ピュア-ミュート
第10話 ピュア-ジッター
第11話 ピュア・ストレージ

ここから推理すると作品タイトル『フラップフラッパーズ』の由来は、サウンドアンプや調整機器に用いられるツイン構造のデジタル回路「flip-flop(回路)」と擬音の「flip-flap」を捩ったものではないかな?
flip-flopはパピカとココナ二人を象徴し、flip-flapはピュアイルージョンを旅する二人の様子の直喩とか、考えすぎかな?

(2)EDの作画
魔女、お菓子の家、かまど、そしてパピカ(服装が男の子)ココナ(服装が女の子)
これは『ヘンゼルとグレーテル』そのもだけどね。

(3)物語構成と演出
上記EDの意味を踏まえながら、物語の基軸はおそらく寓話であろうことは3話辺りから感じていたが、まとまりがなく支離滅裂な各話の展開の考察はこの回まで確信が持てなかった。
私は本作の第一印象で「統○失調症患者か薬物中○患者の脳内世界観でも表現したのだろうか?」と不謹慎にも思ったが、この直感は間違いではなかった。

さて、ほとんどの方々は「電波」や「お花畑」と聞くとスラングと思うだろう。
アニメでは『電波女と青春男』や『電波的な彼女』、『電波教師』などの作品における「電波」は基○外的な様相を比喩しているが、この三作のキャラも脚本構成も電波とは言えないし、真の意味も違う。

真の意味とは、某巨大掲示板に今でも存在するこの「板」の趣旨である

【健常者が異常者の「フリ」をして書き込みそれを楽しむ】

こと。

あくまで「真性」の「フリ」をすることが重要な勘所だ。
電波板、最近は過疎化が激しくて一時期ほどの勢いはないが、予備知識なく覗いた方は板の異様さに驚いたことがあるかもしれない。

人は誰でも複数の人格を有しているが、普段の顔である「ケ」では社会性の強い自我で過ごすが、「ケ」だけではストレスが溜まるのも人間の性で、所謂「ハレとケ」の場の使い分けで我々は精神のバランスを保っている。

「ハレ」では、酒を呑んで誰彼構わず無礼講ヨロシクでくだを巻いたり、ダンスやサイクリングなどの運動、またはゲームやアニメで自己陶酔したりと「ハレ」モードの自我を出すことは「ケ」の自我をリフレッシュさせることでもある。
当然、「ハレ」の自我でのみでは社会生活は営めない。

電波板とはこの「ハレ」に切り替え、別人格の自分で遊ぶ板と換言してもいいだろう。
ただし、電波板に不向きな方が無理に電波を出したりお花を咲かせると、乖離性障害という副作用も生じる可能性もあるので程々にした方が良い。

職業的に別人格の出し入れが上手い(感情移入と演技)が役者(声優も)、作家、芸術家だと思うが、彼等の能力を引き出して物語を作るのが監督や脚本家の役割であるから、制作スタッフに電波な心得があっても不思議なことではない。

ストーリーコンセプトを担当した脚本家の綾奈さんや、監督の押山氏に電波板遊びの心得があるのか否かは不明だけど、私が知っている限り暗喩、直喩をふんだんに散りばめた演出技法や、一見無秩序でデタラメな構成だけど最後は纏まる(であろうと仮定)のであれば、かつて(15年程度前かな)電波板に結構書き込まれていた電波小説の構成と酷似している。

しかし、電波脚本で作品制作となると話しは別だ。
まず、視聴者にどうやって理解させるのかが最大のネックだろう。
電波脚本で大失敗をした『グラスリップ』を想像するとイメージ出来ると思うが、多くの方々に理解不能とされたあの作品が電波アニメの代表作。
逆に、電波板に馴染める感性があれば理解は可能な作品でもあるが、それは一種の特殊能力の要求だ。(電波ソングに魅力を感じるのであれば脈ありだ。)

さて、本作のクリエイティブが卓越しているのは、固定観念では理解不能な電波な世界観を斬新(極めて実験的だが)な演出で視聴者の感性にダイレクトにインプットしていることだ。
『グラスリップ』はドラマの定石どおり左脳で咀嚼させて右脳を反応させる演出構成だが、本作は先に右脳を反応させて左脳にインプットする逆方式の情報流入を目指している。
したがって、言語の含蓄性や設定の論理的な説明など左脳を反応させる脚本や演出は抑制的である。(現在放送中のまほいくとは正反対の演出姿勢)

上記演出手法は万人受けという面では極めてリスキーではあるが、一度感覚が取り込まれると麻薬のような中毒性を発揮する。
回を増すごとに人気が増していることこそが、右脳→左脳にフローさせる演出の効果であろう。

(4)PIと集合的無意識
未編集。

(5)演出技法としてのゲシュタルト崩壊
「(3)物語構成と演出」を再整理する。

(6)ココナのペット「ユクスキュル」と生物記号論
環世界という概念を提唱した生物学者にヤーコプ・F・ユクスキュル(ドイツ)がいるが、ココナのペットはこの学者の名前である事に相違なさそうだ。
そもそも生物学は門外漢でこの世界観は理解しかねるが。
ユクスキュル理論は現代では「生物記号論」に継承されているが、この学問はたいへんマイナーで国内では論文がほとんどない…このために海外文献を読むのもなんだかな…

しかし、ズバリ名前を出しているところをみると、本作の設定に生物記号論が関わっているのは間違いなさそうだ。
この学問、一言で言えば生物学から唯物性を取り除き「記号」に着眼するという事になるが、還元主義に偏重し唯物解釈で生命の謎を解明しようとしている現代科学に対しての批判とも言える。

事実としては、「記号論」のように科学的事象の意味解釈は哲学の分野とも重複する点において、論理学の範疇かよくてフリンジかな。
まぁ確かに、騙し絵や寓話や音響関係の直喩なり「記号」が頻繁に登場する。
本作の「記号」はどういう意味付けか、還世界にこだわらず記号論から突っ込むこともできるかな?検討してみよう。

(7)ED曲の歌詞
『こっそりそっちを覗いたら、そっちもこっちを覗いてた、瞳の奥落ちていく、ここはどこかな』
この部分の出自はニーチェの146節かな。
心理学が確立されるまでは人の心に関する分野は哲学で取り扱っていたが、PI、そしてココナとパピカの関係で、ニーチェの一節がどう関与しているのかを考えるのも面白い。

「(怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。)おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。 」{/netabare}

【第6話】メモ
{netabare}考察の前置きが長くなったが、本作は極めて特殊な構成なので、理解不能な局面も多々ある事から、最低2回は視聴してからレビューを書いているが、今回も多くの暗喩で物語が構成されている。
唐突に美術部先輩「いろは」回であるが、構成のことは「電波小説」で述べている通り。

美術部先輩から「彩いろは」として登場したのは今回が初めてだ。
結論から先に書くと、マニュキュアをする資格がないと言っていた「いろは」だが、最後はマニュキュアをして登場しているが、ここが今回最大のメタファーである。
さて、一体何があったのだろうか。
アバンで脳味噌に電極?みたいなものを刺して弄っている場面から暗喩が開始されているのか。
パピカはなぜマニュキュアの匂いを嫌うのか。
お馴染みとなったピュアイリュージョン、今回も突然移動だがいつもと様子が違う。
「ホール」の発生だ。

鳥居に似た入り口だが「ヤヤカ」の慌てぶりからすると、これはピュアイリュージョンとは違う別の次元の世界の入り口ではないのか。
物語上では相変わらず詳しい説明はないが「ホール」の正体は「いろは」の記憶領域であるようだ。
ピュアイリュージョンの正体とはある種の精神世界(無意識下)なのかもしれない。
それにしても、魔女結界を描いた犬カレー空間に勝るとも劣らないピュアイリュージョンの空間設計には毎度感服させられる。

「ホール」に入り込んだ「いろは」の過去のエピソードをパピカとココナの二人が「いろちゃん」となり、なぞっていく。

「いろちゃん」のココナは父母の不仲が嫌で「おばあちゃん」の家に入り浸り「おばあちゃん」と楽しい思い出を作り、生まれて初めてマニュキュアをおばあちゃんに塗ってもらう。
しかし「おばあちゃん」は認知症を発症しており、最後には「いろちゃん」のことも忘れてしまう。
忘れられた「いろちゃん」はショックで病室を飛び出すが、ここでエンドが「彩いろは」のエピソードで「いろは」はこのおばあちゃんに対するトラウマでマニュキュアをすることが出来なかった。

専らココナが「いろちゃん」としてこのエピソードに関わったようだが、パピカと入れ替わる意味は何か。
ココナが「いろちゃん」のときパピカは意識的存在(内面)となっているみたいだし、逆パターンも同じだろう。
「いろちゃん」に具現化しているときはカラー描写で、意識だけのときはモノトーン描写で使い分ける暗喩は良い演出だ。
また、パピカ単独の「いろちゃん」は3カットだけだがどういう意味があるのかは不明。
そのうちの1カットはマニュキュアを塗って叱られているシーン。
これはマニュキュアのトラウマに対する暗喩描写だが、なぜパピカとするのかこの意図も不明。

あくまで推論の域は出ないが、二人は何らかの血縁関係であるか、または、電波の説明でも触れたが、人の人格とは一つではないことを考えると、ココナから見たパピカ、パピカから見たココナは相互に自己の別人格の投影なのかもしれない。
ここから、シンクロ二シティ(非因果律的共時性モデル)を用いた考察も面白そうだが、オカルト的な香りを全面に押し出すには、SFファンタジーな作品イメージとの乖離も感じる。

もう少しオーソドックスに考えてみると、哲学では物象化という考え方がある。
第三者から見ても二人称の存在であるパピカの存在自体が壮大な暗喩設定とすると、考えられなくもない想定だ。
しかし、これも物理的にはスッキリしないから、まだまだ考察の余地がある。

それに、パピカの過去や生い立ち、家族構成など素性らしきことがはほとんど明かされておらず(まさか土管から生まれた訳ではあるまい)ココナの祖母が物語の重大な鍵を握っているような気もするが、現段階では考察材料が足りないので、この二人の関係の考察はもう少し材料が揃ってからにしよう。

物語の続きだが、ショックでココナの「いろちゃん」が「意識のいろちゃん」パピカに泣きつくと、突然記憶の崩壊を暗喩するような現象が生じ、いろはの記憶(ホール)の外に出る。
ここで、ココナは「おばあちゃん」との約束「忘れたときはいろはが教えてね。」という約束を思い出す。

その刹那、「おばあちゃん」が具現化してモノトーン描写の二人は手を繋ぐとカラー描写、初めて二人の「いろちゃん」が登場するが、二人で「おばあちゃん」に「いろちゃん」と名前を教えて「おばあちゃん」との約束を果たす。

自分達の世界に戻った二人はホールでの記憶を共有していた。
ただ、二人一緒の出現の意味は分からないが、一方(ココナ)がいろはのトラウマ役でもう一方(パピカ)がいろはの希望役だったのであろうか。

パピカ達の行動の結果、最後にマニュキュアをして登場することで「いろは」の伏線は回収されているが、二人の役割が上記の通りだとすると、この暗喩は無意識下に封印された希望が叶い記憶が改変されたと考えるべきが妥当なのかな。

結局、アバンでのヒダカの電極はピュアイリュージョンとは無意識下をリーマン幾何学のように世界観を擬似イメージで模したものか、更に無意識下を物理的に操作し得る可能性を示唆しているのだろうか?
ホールが生じたのはヒダカの怪しげな実験の結果か、謎は残されたままだ。

今回の物語は社会的にも対策が急がれている「認知症」という重い課題に取り組んでいる。
記憶を喪失することで身内や周囲が受けるショックの重みは想像以上だろう。

今回ココナは、ショックと悲しみを伝える大役を見事に演じたと思う。
第6話は社会的になメッセージを込めたシリーズ各話に中でも異色の内容でもあり、身近な親族に「認知症」の現実を抱える私にとっては観賞後、本当に切ない気持ちになった。

(11月13日追記)
精神世界の入口が鳥居に似ていると記述したが、入口が開く前にパピカが触れたのは神社や仏閣で見かける「止石」だろう。
「止石」には「結界」の意味があるが、パピカは結界を解いてしまったのか。
道理で鳥居が出て来る訳だ。
この作品、何気ないところに伏線が隠されているから3回ぐらい観ないと見落とすな・・w

ここで本作のコンセプトが70%ほど見えた気がする。
タイトルのイメージに間違いがないなら、既存アニメの常識をひっくり返す大変な神アニメであり、ベストクリエイティブとはまさに本作に与えられるべき称号だろう。


EDの『FLIP FLAP FLIP FLAP』の配信が開始されて早速DLしたが、フルバージョンはより神秘的で心が酔ってしまいそうだ。{/netabare}

【第7話】メモ
{netabare}スタッフ
脚本・絵コンテ:押山清高
演出:江副仁美
作画監督:りぱ

今回は押山監督が脚本も担当。
コンテも担当だから押山回と言ってもいいかな。
綾奈ゆにこさんのTweetによると、本作のストーリーコンセプトとはシリーズ構成とほぼ同じ意味だね。
通常どの作品でも複数のシナリオライターが関与するし、既にクールの半分は消化していることから、構成が終わっているのならライター変更でも物語の大勢に影響はないだろうし、情報が濃縮されているOPの作画もできなかっただろう。

今回で明確になったことはPI(ピュアイルージョン)は物理的な異世界などではないということだ。

さて、今回は本作では初めてとなる続き回。
内容が濃すぎるので、3回は視聴する必要がありそうだ。
前話で記憶改変をしてから先輩の様子が変だぞ。
先輩が絵を描いていたのは、おばあちゃんに対するトラウマが原因だったのだな。
そのトラウマが消滅した以上、絵から興味が失せたということか。
しかし、この様子を見たココナのショックは想像以上だった。

ヒダカにくってかかりPIの謎を問い質す。
そのとき、二人のやり取りを遮るようにソルトが語る。
「PIも全て世界は滑らかに存在している。しかし、実際にはそうではない。摩擦のないユートピアなど存在しない。摩擦は世界の真理だ。」

結論から述べるが、ココナが落ちた世界は自分自身の無意識。

そして、ヒダカの示唆とソルトの解説、さらに分身パピカでPIの正体は集合的無意識ではなかろうか。

さて、サブタイトル「ユングの世界観」の考察に移る。
以下ではユング心理学を中心に考察をするが、ユング心理学の心得がなければ読むだけで混乱するので予め注意をしておく。
逆にこれ以上の考察はユングへの知見がないと困難かもしれないが、ユングを正確に理解するにはサンスクリット哲学への造詣も必要なのでハードルはかなり高く、バラエティ番組ではユングの表層を浚った如く紹介をされることもあるが、実際のユング心理学はそんな甘ちょろいものではない。

ここで註釈を加えるが、ユング心理学のうち分析心理学は個人の無意識までしか扱わない。
ここまでは医学応用されているので科学だが、集合的無意識は「超心理学」に属する分野である。
「超心理学」に関して我が国では科学としては認めていないだけで、国によってはプロト科学に分類しているケースもあり、また学会も存在する以上一概にオカルト扱いともできない分野である。
つまり、本稿では科学(分析心理学)と科学ではない分野(超心理学)にまたがる考察となる。

ユング心理学では、個人の無意識は人類共通の無意識の集合体(集合的無意識)と繋がっていると仮定している。
そして、集合的無意識は個人の無意識に干渉して人格が形成されるとしている。
また、集合的無意識にも幾つかの階層があることも示唆している。
集合的無意識の詳細はユングの著書を読んでいただきたいが、PIが集合的無意識と仮定をすると、6話のように個人の無意識への干渉も可能となる。

次にアーキタイプから考察する。
ユング心理学を会得している者なら、個人の無意識にはアーキタイプが存在することは承知のことと思う。

PIがユングの世界観であると確信できる点は今回のパピカの役割である。
集合的無意識が個人の無意識に干渉して生じるのがアーキタイプであるが、6話におけるココナとパピカの関係考察を踏まえ、今回のパピカはココナのアーキタイプを演じたと考えればこの推定は可能だ。

また、集合的無意識を経由すれば自己俯瞰(メタ認知)も可能であることから、ココナが見たパピカは全て自己投影(内観手続き)であったとも言える。

人格とはアーキタイプに支配され、ペルソナを被せて表層意識(個性)が形成される。
稀にペルソナの調子が悪くなると、アーキタイプが剥き出しとなった異常心理や精神疾患を伴うが、この点を無意識(深層心理)から解いていく内観手続き(自分自身の内面との対話)が分析心理学でもあり、また、内観を用いた精神疾患の治療として箱庭療法が有名である。
余談だが、無意識と(表層)意識の不一致がもたらすペルソナ系疾患として性同一性障害が有名である。(ただし、精神疾患ではない。)

なお、ユングはマンダラに描かれた世界こそが人間の精神構造を模していると考え、仏教の如来や菩薩が持つ哲学的な意味からアーキタイプ仮説に至っている。

本作では、優しい妹、やんちゃな男の子、ヤンキー、イケメン、もこっちなど様々なパピカ(計8役)の姿が描かれているが、これは全てココナのアーキタイプを表現したと思われる。
したがって、自身のアーキタイプと対話をしているココナが居た今回のPIは、ココナの無意識世界となるだろう。

それにしてもEDクレジットが凄まじことになっているが、演じ分けたMAOさんにはただただ感服した。

本作は数多にあるアニメの中でも特に難解に属する設定だが、ユング心理学については公開講座も開設されており、一通り学び理解をすれば、ユングの世界観で物語を創作することは容易くはないだろうが、けっして不可能でもないだろう。

次にゲシュタルト崩壊に移る。
ゲシュタルト崩壊とは主に認知心理学で用いられ用語だが、全体の形が分解されパーツとして再認識される様を言う。
ジグソーパズルを崩すとピースしか認識できなくなる現象を想像すればよい。

ここで何を述べたいかと言うと、本作の物語はゲシュタルト崩壊から元の形へと復元する方向で構成が組まれているということ。
6話までの考察で「本作の構成と電波小説との類似性」を記述しているが、電波な現象はゲシュタルト崩壊に含まれる。
この考え方は非フロイト学派から発展した経緯があり、後にフロイトを否定したユングにも大きな影響を与えている。

物語の基軸となるPIが集合的無意識であるならば、この物語の構成はゲシュタルト崩壊を意識していると再定義する方が整合がとれるだろう。

ゆえに、各話の表層を浚うだけでは本作の設定は到底理解に至らないだろうし、また、理解するには高いハードルを備えるロジックの存在も浮き彫りとなった。

ユング心理学を用いて以下の会話を分析してみる。

パピナ(小悪魔パピカ)とココナの会話(設定を観測するにあたりこの会話の全てが最も重要だ。)
コ「ここは楽しいけど、でも、帰らなきゃ。」
→知人の精神科医曰く、内観手続き(内面対話)は実際、やっている本人は楽しいとのことだ。
パ「残念、つまんないの…」(パピカ消滅)
→ココナ=パピカのこのPIではどちらもココナの本音となる。
コ「パピカ探さなきゃ。」
→自分探しを意味する直喩。

パ「迷子のココナ発見」
コ「何言ってるの迷子だったのは・・(暗喩)」
→ココナが内観手続きを表層意識で認識した瞬間の暗喩と思われる。

それでもなお解決していない設定の存在かつ、今後、最終回までに明らかになる事実もあることから、以上が7話時点の本作設定の仮説としておく。

なお、理解をしなくても楽しめる所以は、前回考察したように、本作は右脳の刺激を先に行う演出であることから無意識レベルを刺激しているからかもしれない。

7話のネタバレだが、ココナが居た世界は郡山市。
6話の先輩の精神世界(無意識)PIもだが、デフォ世界はメルヘンチックなのに精神世界はなぜか極めて現実的に描写されている。
7話に至ってはモブすら存在していない。

パピノ(妹パピカ)が言った「さすけねえ」について。
goo辞書から引用
>さすけね (福島の方言)
>大丈夫。気にしなくてよい。

ま、考察抜きにすれば、二人の入浴シーンもあり別の楽しみ方もできよう。

ココナのPIからまた別のPI?に来た二人、短いがEDにかかるまでの間の描写はこの物語の核心に触れる意味深いものだろう「ミミ」、そしてクレジットされていないキャラ達・・そこからOPが表す意味か。
トトとユユの正体、ヤヤカの立場も含めて僅か2分ほどで詰め込み過ぎだ。{/netabare}
7話はあまりに濃かったので結局5回も観た罠w
あー疲れた。。。。。

【第8話】メモ
{netabare}
脚本:ハヤシナオキ
絵コンテ・演出:榎戸駿
作画監督:榎戸駿 小島崇史 りぱ 鶴窪久子 田中志

今回の核心はCパート。

その前に、
「お茶でも入れますか?Dr.ヒダカ」
今話も可愛いいオペ子ちゃん!登場回数は限られるけどすっかりオペ子に入れ込んでしまったw
プールの中でブーちゃんがスク水JCを堪能しているのにはワロタ。

おちゃらけはさておき、これは今回のPIトラベルの伏線なのだが、Aパートの最初とBパートの最後でヒダカの機械修理シーンがある。
今回のPIトラベルはこの区間で発生していることと、オペ子の「ガラクタはこの部屋」発言最後に破壊されてがらくたになるPIを直喩しており、それはヒダカの無意識のようだ。

PIでココナが連想した環世界を描いた先輩の絵は何を暗喩しているのか。
鳥はユクスキュルが変身した姿とでも言いたいのかな。

まぁヒダカのような科学オタがロボ好きとしても違和感がないし、Bパート最後のブーちゃんの修理はPIの出来事に対する暗喩だとも思う。
オッチャンはヒダカのアーキタイプと解釈してもいいか。

それと、脳型の星はブーちゃんの脳なのか?パピカ達に破壊されて、現実世界に戻ったブーちゃんは壊れていたとかのオチかな。


アバンからヤヤカのジェラシーが全開だが、欠片を放棄したときユユの「報告するから」には戦慄が走ったな・・ヤヤカは居場所がなくなるのではないか?
ロボシーンではヤヤカの心境変化とパピカとココナと一時的にせよ仲間になった、この辺りがキーポイントかな。

アバンのパピカの足環にも注目。何故取れなくなったのか?この足環とCパートの展開に何か因果関係があるのか。
しかし、今話ではこの謎の解明には至らない。

さて、Cパートを引っ張ってすみません。
これは濃いねー!いやー濃すぎる。。
パピカが持っている欠片とココナが共鳴したぞー、パピカの様子がおかしい・・
パピカが認識齟齬を起こしたのか、ココナ自体がミミに意識転換されたのか。
パピカはココナのアーキタイプの具現化と考えると、集合的無意識がココナに作用したと考える方が自然かな。

毎度思うが、最後の最後のひき方に余韻を含ませる、高等テクニックな演出ばかりだ。
しかし今回のパピカの一言は今までの中で最も重いだろう。

物語は重大な局面を迎えてきた。

この作品、下手したら1カット1カットに伏線が仕組まれていて油断も隙もあったものではない。

蛇足になるが、ロボバトルは特撮スーパー戦隊をアニメ化したものだが、元ネタはフッラッシュキングか懐かしいな。
おじさん達へのサービス回とも言えるが、実際70、80年代のロボアニメを観ているような気分になったし、劇中曲もいいが、この一話の為に作曲したのならなんて贅沢な作品なんだろう。

同じインフィニットプロデュースのロボアニメ『クロムクロ』や『レガリア』に爪の垢を煎じて飲ましてやりたいほど素晴らしい出来だった。
やはり、爆発シーンの2Dは外連味があっていいね。

しかし、冒険活劇の一話が、本格的ロボアニメを凌駕してしまうのも笑える現象だが、アニメーターが楽しんで作り込んでいるのが伝わって来る。

(余談)
ストーリーコンセプト(構成)担当の綾奈ゆにこさんによると、8話はゾンビでPIも違う人物の設定だったらしい。
視聴側としては内部事情に関係なく、あくまで出来上がった作品で評価するまで。{/netabare}

【第10話】メモ「環世界が意味する虚像のパラドックス」(記号と認識)
{netabare}今回でココナの平和な日常が崩壊したのだけれど、ココナの日常そのものが虚像だったということ。
これが「環世界」が暗喩する意味だろう。
タイトルの解説となるが、《【作品考察】(6)参照》「環世界」とは生物目線が認知する場合、どのように意味づけられるのかということだが、例えば猫と私が同じ物体を見ていても捉え方が変わる。
つまり「認知」の結果としての「認識」は猫と私で変化する。
猫が鼠を見れば「捕食」するものと考えて行動するが、私が鼠を見たら「駆除」するべきものとして行動するだろう。
この場合「鼠」が「記号」となり「記号」は観察生物ごとに意味づけが変化する。
「環世界」を簡単に説明をすればこういうことだ。

上記を踏まえ、ココナが見ている現実と、パピカが見ている現実は非対称であるということを暗喩している。
これ、科学では「観察者効果」(量子論)に相当するから置き換えて考えることも可能。
『とある科学の超電磁砲』で「観察者効果」を踏まえ佐天さんが「自分だけの現実」と呟いたが、ロジック手順や目的は違えど「環世界」と同じ意味になる。
おそらくパピカはココナの現実を知っていたから、ココナの問いに答えられなかったのだろう。

パピカはパピカナと二つの人格を有しているが、パピカもパピカナも深層心理(無意識)はミミで共通しており、パピカの時はココナで認識し、パピカナの時はミミで認識する。
7話のココナのPI回ではパピカがココナの無意識内でのパピカ8変化。
イロドリ先輩の方へ目が行っていて、ココナの件が演出で巧みに逸らされたが、ココナの無意識はミミとの共通フィールドであり、パピカ8変化はココナが認識しているパピカの他にパピカナの存在を「表象」した一種の隠喩表現であろう。
ココナの無意識がミミとの共通フィールドであるのは、ココナがミミの母であるならば、それは胎児のときから無意識層に記憶が刻まれるからだ。
これは私達も同様だが、無意識に蓄積された記憶データが顕在意識に呼び込まれ記憶と認識されるのが心理のメカニズムである。
一般に無意識内の記憶の殆どは自律的に認識出来ないと言われている。
しかし、顕在意識では認識出来なくても夢で認識する事は多々ある。
ココナの夢にミミが出現するのは、無意識層の記憶を夢で認識している事に他ならない。
無意識と夢の関係は、PTSDの症状フラッシュバックのメカニズムを調べるといいだろう。

つまり、共通フィールドとはココナとミミの記憶の共有領域である。その中にパピカが入り込みパピカナもパピカも同じ意識体だとココナに伝えているのが、7話の意味であろうし、8変化はパピカから見た場合、ココナ=ミミである事をアレゴリーしたとも解釈出来る。

7話Cパートでのソルト登場がココナの無意識の二重性を象徴している。
よって、ココナには認識が出来ないミミもココナもパピカ(パピカナ)にとっては「記号」であり、それこそが「環世界」観念での観察効果とも言えよう。

10話でココナが見ていた「環世界」が崩壊し11話から新しいココナの「環世界」が始まるのであろうが、その世界がハッピーなのかアンハッピーなのかまでは推測出来ない。
しかし7話でパピカがココナにプレゼントし、10話でもパピカナがミミにプレゼントしたこのクローバーの花冠、同じ描写をしたことは、その花言葉がメタファーだと推測するが、その花言葉には「幸福」の他「復讐」という不吉な意味もあることから必ずしもハッピーエンドで終わるとも限らない。

本日放送の11話先行カットではココナがミミの人格になるような事が記載されているが…
もう一つの切り口で、EDの『ヘンゼルとグレーテル』が本作の基軸であると仮定してみる。魔女のメタファーは何を意味する?

ヤヤカの件も記述したいが、長文になるので11話のメモにでも。

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要点列挙。
・アモルファスを集めるとPIを支配できる。
・PIの正体は集合的無意識だろう。
・ミミはココナの母だった。
・パピカはパピカナの時、ミミのパートナーだった。
・7話のパピカ同様、パピカナはミミにクローバーの花冠をプレゼント。
(クローバーの花言葉は「幸福」「約束」だが、「復讐」の意味もあり、バッドエンドの可能性も捨て切れない。)
・ソルトの父はPIの研究者。
・ココナの父はおそらくソルトだろう。(過去にも暗喩あり。)
・パピカはソルトの少年時代からの知人。
・パピカは全く成長していないが、此処にも秘密があるだろう。
・ココナの足にアモルファスが埋め込まれている。
・パピカはココナと共鳴しないとPIには行けない。
・ココナのアモルファス探知能力は百発百中。
・ココナの祖母はアスクレピオスの監視員でロボット。
・ココナは幼少期のどこかで記憶を操作されていた。
・ヤヤカもアスクレピオスの監視員。
・ユユとトトとココナは血縁関係(クローン含めて)の可能性。
・ニュニュの秘密は11話。ミミを含めて相当詰め込んでくるな。
・トトとユユはアモルファスの力を先天的に宿す。
・ココナが見ている世間は記号(環世界の暗喩)
・(記憶が戻った)パピカはミミとココナを混同したのかも知れない。{/netabare}

初稿(本作品はリアタイ視聴です。)
2016/12/17

校正
2021/3/9

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

パピカが連れていってくれるピュア・イリュージョンの世界

セル画時代を思わせる水彩画風の淡い色使いの背景と、よく動くキャラが一際目を引くアニメです。

将来の事、進路に悩む中学二年生のココナの前に、どこからとも無く唐突に、空飛ぶサーフボードに乗って、元気いっぱい、好奇心いっぱいのパピカが現れました。

パピカに誘われ、ピュア・イリュージョンなる異世界で繰り広げられる摩訶不思議な冒険活劇。

ピュア・イリュージョンという世界はその名の通りの幻想世界? あるいは未来世界? それとも夢? ‥不思議そのもの。一面の雪景色とそこに埋もれた見覚えのある文明の遺物、雪が甘かったり(笑)異形の生物が生息していたり、パピカとココナはそこで遊んだり、危険に巻き込まれたり、様々な冒険を繰り広げます。

キャラデザ以外の要素に重なる部分を見出せるのか、雰囲気は何となく映画版ドラえもん。今の所、戦いとか探し物(ココナ?)とか特別な目的がないので、ピュア・イリュージョンは元いた世界の煩わしさから解き放たれて自由に振舞ってもいいという開放感とか、隠れた不気味さとか、そんな空気に満たされている印象があります。

1話
{netabare}
やってきた異世界に戸惑いながらも甘い雪を食べたり、雪だるまを作ったり、割と楽しんでいるココナの姿は鬱屈した日常から解放された子供の行動そのもの。

まだ第一話ですが、色々なものが描かれました。"候補者"なるものを探す人たち、土管でワープ(笑)パピカに"ぶーちゃん"と呼ばれる脳を内蔵したロボット、ピュアイリュージョンという異世界、そこに住む巨大生物、そこで見つけた青く光る石、ココナの変身、そしてロボット兵士。
{/netabare}
2話
{netabare}
今回はパピカとココナがウサギに変身? 心も姿に準じた様で何かをかじりたい衝動にかられていた様子(笑)ピュアイリュージョンでは心のありようでいかようにも世界が変化するという印象。1話では雪景色の確固とした世界が描かれていましたが、今回の2話ではどちらかというと不定形の世界が描かれていた様に感じました。

1話でも登場した謎の組織"フリップフラップ"や青く光る石"ミミの欠片"の正体も徐々に明かされる兆しが見えてきました。謎多き物語というのはやはり楽しいものです。

パピカとココナが仲良くしているのをあまり面白くなく感じている様子のヤヤカ、今後物語にどの様に係わってくるのでしょうか?
{/netabare}
3話
{netabare}
世紀末救世主伝説+DBZなピュアイリュージョン(長いので以下PI)。指先一つでスパーキングなオーバーアクション。ケンシロウVSジャギなのか? 悟空VSフリーザなのか? 他にも魔法少女に変身とかやりたい放題。色々とやらかしてくれちゃうアニメです。

ヤヤカと双子という意外な面々が、意外な組み合わせでPIに登場したり、フリップフラップと対立する組織の一端が描かれたり、物語にも動きがありました。PIでは何でもあり、根底にはシリアスなドラマがある様な印象を残すアニメです。

次回はどんなPIが描かれるのだろう。妙に期待してしまう‥。
{/netabare}
4話
{netabare}
今回の冒険の舞台はピュアイリュージョンの世界では無いけれど、同じくらい不思議な世界が描かれている様に感じました。

パピカの土管ハウスとか、キーウィがいたり、自生しているトマトがあったり、巨大ぜんまいがあったりする森とか‥。キーウィや巨大ぜんまいはまだしも、良く知られているはずの野菜であるトマトについてココナが無知である点に、このアニメで描かれている世界を読み解く鍵がある様に思われました。

‥もしかしてフラクタル構造だったりして‥。

パピカの「むふ~」とか面白かわいい‥(笑)
{/netabare}
5話
{netabare}
今回のPIは寮制の女学校が舞台。三つ編み制服女子とか、深夜のお茶会とか、折り目正しくも怪しい雰囲気は「人類は衰退しました」を思い出します。ストーリーコンセプトに綾奈ゆにこさんが参加しているのでその所為かも知れません‥。

パピカとココナの、宝物を掲げて"フリップフラッピング"の掛け声で変身するという設定は、魔法のアイテムとかで変身するのとは少しだけ違って、PIが仮想現実である事を考えると、一種の自己暗示と捉える事が出来ます。

変身バンクの背景から「変身」の二文字が消えていたのは好印象でした。何となく悪ノリが過ぎる気がしていたので‥。

物語の進捗はとてもゆっくりで、2話以降横ばいの印象。今回も人間関係の変化や大きな事件などは見られないお話でした。

次回「ピュアプレイ」では美術部の先輩がお話に関わってくる模様。動きのある展開に期待したいです。
{/netabare}
6話
{netabare}
幾層にも重なる世界を描いているのか、全ての存在がデータ化された世界が描かれているのか? 謎の深まるお話でした。

こういう不明瞭な世界を見ると洋画「マトリックス」とか、攻殻機動隊の派生作品で、よりヴァーチャルな世界観に踏み込んだ「RD潜脳調査室」とかを思い出します。

先々週のトマトのエピソードから気になっていましたが、主人公であるパピカとココナと言う存在もまた、確固とした存在ではないのでは?と言う印象を受けました。

イロやいろは先輩という存在の正体も否応無く気になってくる第6話でした。物語のターニングポイントとも言える回と言えると思います。次回以降はおばあちゃんのお話もあったりして‥?

一見すると荒唐無稽、摩訶不思議ながら、謎の核心に迫る展開に惹きつけられるアニメです。
{/netabare}
7話
{netabare}
ヒダカの言っていたイデアワールドと言う言葉、またPIが現実と地続きの世界であるという言葉を鵜呑みにするなら、PIはパラレルワールドの様な別世界ではなく、全て単一の世界である可能性が濃厚になりました。万華鏡の様に見る角度によって姿を変容させる、わたしたちのいる現実に近いものなのかも知れません。

そう考えるとパピカとココナがイロという一人の人間の中にある二つの人格あるいは二つの性格面であり、一方から見てもう一方が迷子という見方にも納得出来そうです。今回は様々な姿のパピカが描かれましたが、パピカもまた、自らの持つ視点からココナの百面相(笑)を見てきたのかも‥。終幕後のスタッフロールのM・A・Oさん無双には笑かされました。声優さんってほんとにスゴイ!

公式サイトでミミの欠片という言葉を目にしていたので、ミミとは何なのか気になってはいましたが、今回のお話ではその正体の一端が垣間見える場面もありました。

先週から回答編とも取れる後半に入り、ますます目が離せなくなりました。次回が待ち遠しいです。
{/netabare}
8話
{netabare}
今回はロボバトル回。

熱血、友情、魂のスーパーロボットバトルが繰り広げられます。‥スーパーロボットというよりはむしろスーパー戦隊の合体ロボ‥。この手のロボは大人の都合上、バージョンアップすると、どんどんフォルムが鈍重になってきてダサくなってしまうという痛い欠点があります。今回のお話ではそれを極端なまでに表現していました。究極の姿は巨大ダンボール形態(笑)敵はエヴァン○リオン? 色々と笑かされました。

終幕前、唐突にパピカの口から出たミミという言葉、全編に渡って描かれたヤヤカの心の揺らぎなど、物語の流れに影響を与える要素はそれほど多くありませんでしたが、着実に核心に迫っている気はします。

自らの創造した街を守る使命感に燃える天才科学者?オッチャンさんも良いキャラでした。

次回にも期待したいと思います。
{/netabare}
9話
{netabare}
PIでまたしても遭遇したパピカ&ココナとヤヤカ&双子。ココナと双子が天井の高い和洋折衷の趣のだだっぴろい部屋、脱出不能の奇妙な空間に閉じ込められてしまいます。

敵味方がピンチに際して休戦するという展開は古典的ながら、情報交換があったり、歩み寄りがあったりして面白い筈なのですが、ココナと双子の会話が少な過ぎるので不毛な印象‥。双子の名前が男の子の方がトト、女の子の方がユユ、二人には願いが無いという事だけ辛うじて分かったのみ。

後半は回想シーンも交えてヤヤカのココナへの思いの強さが見て取れました。でもヤヤカ、ココナを助け出そうとするパピカへの背中キックは良くないぞ‥。葛藤しながらも二人で協力して助け出す展開の方が自然だったと思いますし、このシーン、演出として不要だった様な‥。パピカ痛そうだったし‥(汗

中休みシーンでヤヤカの食べてた携帯食料がうんまい棒みたいだったのにはちょっと笑かされました‥(ちくわ状になってなかったけど)まどマギとか「がっこうぐらし!」とかでも食べてた人がいたけど人気あるのかな‥わたしも結構好きです(笑)

PIそのもののとミミについての謎は置き去りのままですが、何話も前から仄めかされていた双子のいる組織とヤヤカの離反が決定的になった回でもありました。

次回にも期待したいと思います。
{/netabare}
10話
{netabare}
双子が言葉でココナを疑心暗鬼にさせるシーンは前回にもありましたが、こういうのは見ていて気持ちのよくないものですね‥。あれこれと不信感が積み重なったココナは、拒絶される前に拒絶するという冷静さを失った行動の末、とうとう独りぼっちになってしまいました。さらに追い討ちを掛ける様にある人の正体も明かされます。悲痛な展開でした。

終幕近く廃墟に佇むココナの口?から発せられた「これからはお母さんが守ってあげるからね」というミミの言葉については、そのままの意味で捉えるよりも、ココナそのものがミミの欠片の一つという解釈の方がしっくりする気がします。割れたガラスに映ったココナの像がミミであったことも考え合わせると分断されたミミの欠片(アモルファス=データの一部?)がココナに成長したという解釈も出来そうです。

今回はパロディやおふざけもなく物語は目まぐるしく展開しました。緩急があるのは良いけれど、アクション偏重の回には辟易気味だったので、極めて充実した回という印象でした。

来週も楽しみです。
{/netabare}
11話
{netabare}
ココナに宿ったミミの力によってアスクレピオス(三角帽の組織)はほぼ壊滅。

ミミの暴走を止めようと決死の覚悟で挑むソルト博士の声も届かない。

PIが現実を侵食する? ココナの望んだかたちに世界が書き換えられていく様な描写がありました。

パピカみたいに大好きな人に大っ嫌いって言われても、好きで居続ける事は多分かんたんですが、追っかけて行っちゃったら現実ではうざったがられるだろうし、異性間だったら多分ストーカーさんって言われちゃいますね(汗)

アニメではこの様な選択を度々美化し、むしろすべき事の様に映しますが、それは私たち視聴者が両者の関係を俯瞰出来る立場にいて、その選択の結果をある程度予測出来るからなのだと思います。こういうのは予定調和という言葉で揶揄される事もありますが、やはり興を削ぎ、どうせ~になるんでしょ‥と諦めにも似た心持になってしまいます。そうなる方が良いのは決まりきった事なんですが‥。

ココナの正体やパピカの子供化の謎など、まだまだ不明な所がありますので最後まで気を抜かずに視聴していきたいと思います。
{/netabare}
12話
{netabare}
いつの間にか子離れ出来ない母親と、親離れ出来ない子供の話になってしまっていました。壮大な世界観を提示した割にはテーマがかなりこじんまりしてしまっていてちょっと残念に思いました。

そして最終話1話前にしてとうとうヤヤカも変身。でも何故か変身コスチュームは露出過多。フリップフラッパーズではありがちな傾向ですが、趣味を前面に押し出し過ぎると物語がコメディ寄りに傾いてしまうので自制して欲しい気もします。こういうの喜ぶ男って意外と少数かも知れませんし‥。

次回の最終話でPI、アモルファスなどについて、果たして全ての謎が明らかにされるのか、ちょっとだけ不安はありますが、最後まで期待して視聴して行きたいと思います。

出来れば今回の様にバトルとかガッツとかで何となく解決してしまうという様な安直な展開にはならないで欲しいですね(汗)
{/netabare}
13話
{netabare}
前回から一抹の不安はありましたが、PIにもアモルファスにもパピカの子供化にも明確な説明が与えられる事は無く、残念ながら情報不足‥。SFとしては最後まで不明な点がいくつも残ってしまいました。

それに今回の最終話でも妙な演出が‥これまでの描写だとパピカもココナもヤヤカも自分の気持ちと素直に向き合う事で"フリップフラッピング"出来る様になっていたはずですが、何故にお母さんまで? 理屈が良く分からずいつもの悪ノリとしか受け取れず興醒めしてしまいました。そして最後は大好きパワー(笑)による力技で大勝利。‥なんてこった。


ピュアイリュージョンについて、物語の折り返し点の6話では、パピカとココナがイロという少女の持つ二つの相(人格)として描かれていて、イロの両親の描写はミミとソルト博士とは異なったものでした。同じ回でいろは先輩がおばあさんとして描かれていた事も踏まえると、今回のココナの台詞「前はね、お姉さんだったの‥その前はおばあさんで、その前は赤ちゃん」にはかろうじてPIの正体の一端が含まれていた様にも思えます。

異なる世界で異なる役を演じるそれぞれの人物の魂(の様なもの)の表層(一面)があり、そこから自ら(ココナ)の望むイメージを見出すという世界観が浮かび上がってきました。

これはもうSFというよりはファンタジーや寓話の類で、私はメーテルリンクの「青い鳥」を思い出しました。魔法の帽子に付いているダイヤの徽章をちょこっと回転させると、腰の曲がった魔法使いのおばあさんが美しい王女様に見えたり、火だのパンだの、様々なものに宿る精を見る事が出来たり、もっと回すと過去や未来の風景まで見えたり‥。

ココナの抱える未来への不安や他者に対する疑心暗鬼、その様な目に見えないものに対する恐れが、パピカやヤヤカの友情、自身の成長によって晴れていく。そんな物語でした。
{/netabare}

OPの「Serendipity」を担当されたのはZAQさん。「紅殻のパンドラ」他色々なアニメに楽曲を提供している引っ張りだこの人。EDテーマ「FLIP FLAP FLIP FLAP」は伊藤真澄さんの作曲によるもの。「人類は衰退しました」のEDのちょっと不安気なふわふわとした雰囲気の曲を綴られた方です。絵本みたいに美しい絵と元気に動くディフォルメキャラが同時に描かれるEDムービーは必見の面白さかも‥。

劇中音楽とEDの編曲及び歌の担当は※TO-MAS。日常世界では沈んだ感じのピアノソロ、ピュアイリュージョンやパピカが登場するシーンでは賑やかでワクワク感全開の楽曲が光ります。

脚本は綾奈ゆにこさん。「人類は衰退しました」とか「電波女と青春男」の製作にも参加されている方です。

思い切りのいいアクションとか、柔らかな背景描写は初期のスタジオジブリの作品を髣髴させます。邪推かも知れないけれど、王蟲とかメーヴェとか飛行石っぽいのとか「メガネ、メガネ」(笑)とかやっぱりパロディ? 否、オマージュとして受け止めましょう。

フリップフラッパーズのレビューらしく、どちらも真なりの二通りの"最後まで観終えて"で締め括りたいと思います。

最後まで観終えて その1
{netabare}
夢の中の夢、その夢の中の夢、以前本レビュー内でPIはフラクタル構造の様なものでは?と言及させて頂きましたが、フリップフラッパーズの世界観はそれにちょっと近い印象でした。

ただ、面倒な説明を避けてひとたび"PIでは何でも有り"を押し通してしまうと積み上げてきた謎の価値が暴落してしまいます。ファンタジーにせよSFにせよ、ミステリーにせよバトルにせよ、一定の決め事があってこそ魅力が生まれるわけで、そういった枷を一旦外してしまうと答えの無いなぞなぞ同様、または裏ワザ使ったゲームみたいに、推理の楽しみも得心の喜びも気の抜けたものになってしまうのではないでしょうか?

ココナとパピカ、ヤヤカの友情物語にしても、優しさや思いやり、寂しさなどは伝わってきたものの"好き"を呪文の様に繰り返すだけで"なぜ"が足りない印象でした。

中盤で登場し、最終回ちらっとだけ顔見せがあった"いろは先輩"についても掘り下げが足りず終幕の下りに‥(汗)マニキュアを塗るいろは先輩と塗らないいろは先輩、怖いお母さんと優しいお母さん、どこにも行きたくないココナと冒険したいココナ、いずれも真なれど、それ故に"何を描いてもOK"となってしまいます。

思い返してみると色々とやりたい放題な事をしていただけで、中身はあまり無く「天元突破グレンラガン」みたいに感傷に訴える、勢いで見せるタイプのアニメだったのかも‥。でも※ドラッグムービーとしては振り切りが足りず、楽しさの性質の多くがパロディの域に留まってしまっていた点は残念です。変身"フリップフラッピング"についても最後まであざとい印象を拭い去る事が出来ませんでした(汗)

楽しい場面はあれこれ有りましたが、一貫性とテーマが希薄で、伏線の回収も大雑把、今ひとつ感動には至れない煮え切らなさがあるアニメでした。

※:トリップムービーとも。麻薬などによる幻覚状態を視覚化した映像とされる。ブリキ男は怪しいクスリを使った事は無いのであくまでも想像の話。
{/netabare}
最後まで観終えて その2
{netabare}
世界はただそこに存在し、見る角度によって如何様にも変化する。"失敗するからやりたくない"を"成功を信じてやってみる"にする事も出来るし、周りの人間はみんな悪人と思う事も出来れば、逆に善人と思う事も出来ます。同じ様に、つまらないと思えるものを素晴らしいと思う事だって出来てしまいます。

疑いや恐れは健康な人間の至って当たり前の感情ですが、少しばかりの勇気と素直さ、そしてちょっとしたきっかけで振り払える。ココナはPIでの様々な冒険を通してそんな事を学んだのでは無いでしょうか?

不満な点が多く残るアニメでしたが、前半の謎の提示の仕方は素晴らしく、6話の展開では釘付けになり、最終話までは毎回わくわくしながら視聴していました。

今期観たアニメの中では最も実験的でインパクトのあるアニメだったと思います。
{/netabare}

※:EDの「TO-MAS feat.Chima」という記述が気になって調べました。

TO-MAS feat.=TO-MAS SOUNDSIGHT FLUORESCENT FORESTは伊藤真澄さん、ミトさん、松井洋平さんからなる音楽ユニット名。ただ"TO-MAS"と略記されている事もある様です。Chimaさんは北海道札幌で活動するシンガーソングライターとの事。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 37
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

世界には魅力が詰まっている! ~不確定な未来(世界)への冒険~

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
雰囲気系アニメとしては、かなり高いクオリティ。作り手の遊び心というか、自由度を感じる。ストーリーは一応流れているものの、基本は1話完結なので、(終盤以外は)どこを切り取っても面白い。私は考察しちゃったけど、「考えるな、感じるんだ!」で、翻弄されるように楽しんだ方が、良いかもしれませんね。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
これぞアニメーション、っていう作品。

風景は昔のアニメのようで好印象。絵が綺麗、というのとも一味違って、なんか魅力的。現実ではありえない世界観と合わせて、正に「アニメでしか観られない」物語だと思います(同時期の「オカルティックナイン」が「言葉で魅せるSF」なら、「フリップフラッパーズ」は「映像で魅せるSF」といった感じでした)。

何気に好きだったシーンが、第1話でココナがパピカと出会うシーン(路面電車のところ)。踏み切りで待つココナは、ふと空を見上げます。そこに、不思議なボードに乗った少女が空を飛んで現れるのですが、それに気付いたのはココナだけでした。なぜなら、他の生徒はみな、スマホをいじっていたから(背景となっているモブの生かし方が絶妙)。

私事ですが、今の職場からの帰り道、必ずとある高校前のバス停を通ります。時間的にちょうど高校生達がスクールバスを待っています。バス停の前には20人近くの高校生が立っているのですが、皆一様に視線を落とし、スマホをパチパチ。あれは凄く、もの凄く異様な光景です。

すぐ隣にいても、隣には誰もいない集団。普通、隣の人と世間話のひとつでもしませんか? 同じ部活の奴とか、クラスは違うけど同中でそん時しか会えない奴とか、いないの? 懐古主義のおじさんの戯言かもしれないけれど、彼ら彼女らは、何か大切なものを見落としていると思います。

例えば、パピカとの素敵な出会い、とかね(笑)

本作では、ココナとパピカが現実と空想の境目のような不思議な世界(ピュアイリュージョン)を冒険して回ります。まるで、サン=テグジュペリの「星の王子さま」のような世界観(もしくは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」)。「星の王子さま」の有名な一節に、「砂漠が美しいのは、どこかに井戸をかくしているからだよ」「いちばんたいせつなことは、目に見えない」「子どもたちだけが、なにをさがしているのか、わかってるんだね」 などというものがありますが、同じようなメッセージを、この「フリップフラッパーズ」からも感じました。

この作品を貫くテーマは、「不確定な未来(世界)への冒険」だと思います。それを、百合と神作画に乗せて、雰囲気アニメとして表現したのが、「フリップフラッパーズ」という解釈です。

最終回では、母親の比護下から飛び出すココナが描かれていました。例えばお祭りなんか、子供の頃は家族と一緒に行っていましたが、中学生くらいになると、友達だったり付き合っている相手と一緒出掛けるわけで。親としては寂しいし不安だけど、やっぱり子供としては成長なんだと思います。そういう比喩(親離れ、子離れ、冒険、成長)に感じました。

最終回では一度、「現実世界風ピュアイリュージョン」に行きます。全体を通し、灰色の(色の少ない)暗い風景。テレビからは不幸なニュースが流れ、街には機械の音だけが無機質に響く。ユクスキュルはただのウサギになり、セーラー服も地味に(笑) これまで見てきた数多のピュアイリュージョンの中でも一番つまらない世界。

でも、それこそが私達(視聴者)が生活しているリアルな世界なわけです。

これ、1話冒頭のココナが塾で模試を受けている場面(世界観)に似ていました。(もしかしたら、あのテストの最中にココナは初めて能力を発動させ、そのあと過ごした世界はずっとココナのピュアイリュージョンだったのかもしれませんね。)

そんな灰色の世界に再び現れたパピカ。パピカの登場と共に音楽(特殊挿入歌)が鳴り始め、世界は色を取り戻します。そして、ココナとパピカは手を繋ぎ、そんな灰色(リアル)の世界を飛び出します。

(そう考えた時、この「フリップフラッパーズ」という作品自体が、毎週、私達(視聴者)をリアルの世界からピュアイリュージョン(アニメ、空想の世界)に連れていってくれたのかも。ココナにとってのパピカが、私達(視聴者)にとってのフリップフラッパーズ、みたいな感じ。毎週、難解で不思議な話ばかりでたくさん振り回されたけど、なんだかんだ楽しかったな~、というこの作品の感想は、ココナがパピカに抱く印象と同じなのかもしれませんね。)

ラストシーンもまた印象的。まず、ユクスキュルが空を見上げ(多分そこにはパピカとココナがいて)、続いてヤヤカも空を見上げます(この時の表情が実に良いです。眉間にシワが寄り眉毛が下がる困り顔でありながら、口角は上がり、口元は笑顔。苦笑、「アイツらしょーがねぇーなぁ」という声が聞こえてきそうでした)。続いて、歩道橋で遊んでいたトト、ユユ、ニュニュが空を見上げ、絵を描いていた いろは先輩が空を見上げます。私はここに、前述の「1話でのパピカとの出会いのシーンでうつむくモブ達」との対比を感じました(世界の美しさに気付けた人達)。ユクスキュルやパピカと仲良くなった、ヤヤカ。戦い以外の日常系を得た、アモルファスの子供達。空を切り取ったいろは先輩の爪には、しっかりとマニキュアが塗られていて。それぞれのサブキャラもちゃんと「何かを得た」んだな~と、感動しました。

この作品はとにかく難解で、最終回を見終えても、正直半分も謎を解けていないように思います(つか100%理解できてる視聴者っているのかな)。なんだったら、制作自身も明確な答えがない、あるいは求めていないのかもしれません。

「あなたに世界はどう見えていますか?」……

この世界には、見えないだけで、見てないだけで、気づいていないだけで、気づこうとしていないだけで、実は魅力がいっっっぱい詰まっているんだよ!

未来は不確定で、100%こうなるなんて保証はないけれど、だからこそ面白い。さあ、冒険にいこう!

具体的に言えば、考察なんかしきれなくても良いじゃないか、さあ、アニメを楽しもう(笑)!

と、そんなメッセージが込められた作品だと思いましたw

「フリップフラッパーズ」……「flip flap」で、宙返りの意味。確かに、作風に合っています。しかし、「flip」だけなら、「はじく、めくる」。「flapper」だけなら「おてんば娘」。私は、単語を分けた方が好きですね。

「世界をめくるおてんば娘達」

なんか素敵でぴったりなタイトル解釈だと思うのですが。
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
我々は、灰色の日常の中にある、素敵なモノを見落としてはいないだろうか?

美しい映像で描かれた素敵で多彩な世界が、「不確定な未来への冒険」を疑似体験させてくれます。

難解ながらも、キッチリと感動を伝えてくれる、良作です。
{/netabare}

【余談 ~パロディーまとめ(気付いたものだけ)~】
{netabare}
スペースダンディに似ている。もしくは、不思議の国のアリス(第2話なんてモロに)。

てか、パロが多すぎ。個人的には、パロなんか入れ込まなくても、素敵な絵と魅力的なキャラ、不思議な世界観だけで充分に良作に成り得たのでは? という立場(パロにはやや否定的)です。

1話→ジブリ(魔女宅&トトロ&ナウシカ&ラピュタ)。2話→アリス。3話→北斗&ドラゴンボール&スケバン刑事&セーラームーン&必殺仕事人。4話→エヴァ&ナディア? 5話→スペースダンディ? 6話→まどマギ? 7話→スタンドバイミー? 8話→超新星フラッシュマン? 10話→エヴァ? 11話→ラピュタ? 12話→ロックマン(笑) 13話→ドラクエ(笑) セーラームーンやらスケバン刑事やら、これまのネタ元のポスターがw

第1話の中には有名な錯視(ルビンの壺、少女と老婆、少女と骸骨)が登場しますが、この3つは全て「ちょっと立ち止まって(光村図書・中1版)」という、国語の教科書に載ってるやつなんで、そこからとったのでしょうね。「私たちが見ている世界だけが世界じゃない」ということでしょうね。

ココナが授業中に読んでいたのは、夏目漱石の「夢十夜」。現在過去未来の不思議な世界を夢でみる小説で、明らかにフリップフラッパーズと被る。

EDは「ヘンゼルとグレーテル」? 幸せは意外と身近にあったとか、そういうノリか。
{/netabare}

【各話感想(レビュー)】
{netabare}
【印象に残った回①】⬅一番好きな回でした。
4話。これといってなにかあった回ではなかった。サービス回? 無人島回? 百合回? まあ、なんでもいいけど、何かは分かんないけど、とにかく面白かったというのが率直な感想。パピカの部屋(土管ホームw)に入った瞬間の明るくカラフルな世界。無人島で迎える、夜の暗い海を照らすわずかな月明かり。対照的なんだけど、どちらにもハッと息を飲むような美しさがある。この作品の作画は、軽く流す所と「見せ所」を意識して力を入れるところの塩梅が実に上手く、的確だと思う(この姿勢を「ろんぐらぁいだぁす」に欲しかった)。エピソード的にも、時間の経過の中で、切るとこ切って見せる所はしっかりじっくり魅せている。なんか、「ステキ」が詰め込まれたような世界、というか、「素敵な写真で埋め尽くされたコルクボードを眺めながら共に思い出を語っているような幸福感」を覚えた良回でした。まっ、今になってもイマイチ意味は分かりませんが、雰囲気アニメの完成形のようにも思います(流石に言い過ぎかなw)

【印象に残った回②】
5話。ループ&ホラー回。がらっと作風を変えてきた回。スペースダンディのカレンダー回に近い感じ。しっかし、怖かったw なんどかマジで鳥肌たった。制作が楽しんで作っているのはわかる。

【印象に残った回③】
6話。なんか毎回になってきた(笑) いろちゃんは美術部の先輩(彩いろは)。 いろはがパピカでパピカがいろは? でも時代背景が? 過去に飛んでいろはの代わりにいろはのトラウマを解消したのかな? とすると、ピュアイリュージョンとは、人々の純粋な記憶の世界、とか?

【印象に残った回④】
7話。とにかくもう、M・A・Oさん凄いっす! こうして聴いてみると、本当に声優さんって技術職なんだと分かる。

【印象に残った回⑤】
8話。いや、ホントにもう毎回凄くて(汗) ダレる回がない。ロボ展開はそのうちあるかもと思ってたけど、まさか挿入歌まで作るとは(笑) Cパートはなんか怖かった……。

【印象に残った回⑥】
10話。やはりお祖母ちゃんは敵だったか。まあ、それは何となく分かっていたけど、ロボだったとは。謎解きが始まり、ラストへの助走となってましたね。

【印象に残った回⑦】
11話~最終話。ここまで、1話完結形式で様々なピュアイリュージョンを巡り、少しずつストーリーを進めてきた本作。11話を境に、伏線を回収しつつ一気にまとめてきましたね。ラストは「友達を救いにいく」「崩壊する世界を救う」という、THE王道の展開。母親の重すぎる深すぎる間違った愛……リアルモンスターペアレンツになっていましたね(笑) 13話は、これまで以上に意味不明な展開。謎解きが謎解きになってないよ(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 35

72.3 16 百合で魔法なアニメランキング16位
第501統合戦闘航空団 ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (183)
664人が棚に入れました
突如出現した人類の敵「ネウロイ」に対抗するべく世界各国が連合軍を組んだ。ただし、彼らに対抗できるのは特殊な魔力を持った、少女たちだけだった・・・。遂に連合軍によるベルリン奪還作戦が始動し、再び結成される第501統合戦闘航空団「ストライクウィッチーズ」、新たな501メンバーとして「服部静夏」も加わりネウロイとの死闘を繰り広げてゆく!果たしてベルリンの空を開放する事は出来るのか!?

声優・キャラクター
福圓美里、園崎未恵、世戸さおり、野川さくら、名塚佳織、斎藤千和、沢城みゆき、小清水亜美、内田彩、門脇舞以、田中理恵、大橋歩夕

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いつものストライクウィッチーズ(← 良い意味で)

[総評]
ストーリー展開が宮藤さんのコンディション任せという点では、悪い意味でもいつものストライクウィッチーズでしたね。

内容は悪くなかったですし、これまでのシリーズのファンであれば問題なく楽しめる良作だったとは思いますが。

== [下記は第2話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
「ワールドウィッチーズ」プロジェクトとしてはどうだったか良くわかりませんが、『ストライクウィッチーズ』のテレビシリーズとしては無印、2に続く3作目で、時系列的には2の後になる劇場版のさらに後のお話のようです。

とりあえず第2話まで観たところでこのレビューを書いています。

タイトルに「ROAD to BERLIN」とありますが、本作での戦略的目標は「ベルリン奪還」となるようです。

第1話、第2話で前後編という感じのエピソードで、解散して各地に散っていた501部隊の面々の現在と再結成までを見せる構成でした。

501部隊再結成までの間、短期留学でローザンヌ医学校にいた宮藤芳佳が、学友アルテアによる縁で侵攻するネウロイと戦艦ドージェとの遭遇戦に援軍として駆けつける戦闘からの流れでの綺麗な導入エピソードでした。

作画はこのシリーズでは最高峰じゃないかなと思います。さすがは最新作。動きも込みで、とても良かったと思います。

メンバーはいつものメンバー+劇場版からの服部静夏ということで、良くも悪くも「いつものストライクウィッチーズ」な雰囲気でした。

とりあえず冒頭の2話は面白かったので、今後も楽しみにしています。
== [第2話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2020.11.12追記:
第6話: X-29みたいな前進翼型のネウロイがおっかなかった。(小並感)

2020.12.25追記:
第12話(最終話)まで視聴終了。

「ROAD to BERLIN」というタイトル通り、ベルリン攻防戦で幕を閉じました。陸上巡洋艦ラーテは思ったほど「かませ」ではなく意外と活躍していましたね。

でも第6話の高速ネウロイがもっとたくさんいたら、わりと人類終わってないか…(笑)?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

安心安定信頼と実績のいつものストライクウィッチーズ

良くも悪くもいつものストライクウィッチーズですね。
だが、それでいい!余計なことしなくていいと思う。

これまでの作品と全く変わらない日常で、いっそ清々しいまでのマンネリですが、このシリーズのファンはそのいつものストライクウィッチーズを求めているんでしょうから、需要をよくわかっていると思います。
私はマンネリを気にして意味不明な超展開とか無意味にシリアスシーン入れるよりかはマンネリのほうがマシだと思います。

それはいいのですが、他のかたもレビューで言われていますが、宮藤が魔法の制御上手くできなくなったのは、またかよ!って思いましたね。
同じネタやるにしても、新入隊の服部でやればいいのに。
さすがに大して面白いわけでもないネタを2度使うのはいかがなものかと。

基本的に501部隊の誰かにスポットライトを当てて、キャラクターエピソードを半分やって後半でそのキャラが戦闘で活躍するというパターンは変わらず、キャラクターの掘り下げは特に力を入れていることがわかる。

私はみんな好きですが、エーリカ、サーニャ、エイラ、バルクホルンが好きです。さすがにベルリン奪還作戦なだけあって、ドイツ組や欧州組の活躍は目立ちましたね。

劇場版からのキャラクター服部も新キャラとしていいテコ入れだと思う。
宮藤とは違ったタイプのマジメ後輩キャラでいいですね。

それにしてもこの作品の階級はよくわかりませんね。明らかに勲章もらえるような大活躍しているキャラが何故、いつまでも少尉とか中尉なんでしょうか?

さすがに人気シリーズなだけあって高いクオリティで安定しており、今期も楽しく視聴することができました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 25
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

土偶パワーには参ったな!

前作まで視聴済み

お話のざっくり概要
詳しくは前作までを視聴へGO!
基本的にパンツです。
だいたいそんな感じ!
…なんですか?なにか文句あります??

魔法圧の制御が効かなくなった芳佳ちゃん
服部さんの加入とか諸々
見てて色々と思ってたんですけどぉ…ですけどぉ
7話みたらそれまで見てた全部忘れましたw

7話
…………………
…………………………
………………………………
なに…これ?…
…………………
神回すぎるんですけどw

{netabare}土偶を壊す{/netabare}なんてとんでもない!!!
{netabare}
豊穣の実りをもたらすんですよ!?
そいつは世界平和の為に必要ですよ!(力説)
必要ですよ!(大事な事なのでry
{/netabare}


物凄く名言風な迷言
{netabare}
芳佳ちゃん…おっぱいは怖くないよ
{/netabare}
なんだよこれwやりたい放題すぎwww
スタッフさん遊びすぎにもほどがあるよー?w

{netabare}
揺れる!揺れますわ!
{/netabare}
ペリーヌさんが幸せそうで何より♪
チーン! ってやめろ!(`・ω・´)
ペリーヌさんだけアップでイジメるの許さない!

空戦部分とかも凄く楽しめてたのに
7話のインパクトで全部記憶持ってかれました。
一体何をみてたんだっけ?あぁストパンだったw

ルッキーニのしまパンこそ至高(`・ω・´)ゞ
異論ある人…パンツについて熱く語りましょうw

投稿 : 2024/05/11
♥ : 24

65.6 17 百合で魔法なアニメランキング17位
ひなろじ ~from Luck&Logic~(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (146)
666人が棚に入れました
桜が散り始めた春の日。天真爛漫な小国のお姫様・リオンはホッカイドウの学校に通うことに。そこは世界の平和を守る定理者〈ロジカリスト〉を育成するため、ALCAが運営する特別な教育機関。リオンが入った1年Sクラスには、定理者のニーナをはじめ、個性的なクラスメイトたちがたくさん。定理者のヒナたちが送る、とってもにぎやかでかわいらしい日々――合体〈トランス〉!! はじめます

声優・キャラクター
朝日奈丸佳、山村響、高森奈津美、三森すずこ、植田佳奈、小倉唯、湯浅かえで、内田真礼、大橋彩香、佐々木未来、相沢舞、高柳知葉、矢島晶子、種﨑敦美、小山力也、松井恵理子、西本りみ、橘田いずみ、尾崎由香、三宅麻理恵
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

萌え系と侮ることなかれ!物語として面白かった!

ラクエンロジックは視聴済み。最終話まで視聴。

正直、本編(?)のラクエンロジックより楽しめたかもしれない。
終始一貫、萌え要素と日常ほのぼの要素に包まれた作品。

だけど、物語に筋が一本通っている良作だった。
{netabare}【第2話】元はALCAに所属しており実戦経験を持つニーナが、ALCAの命令でピラリ学園に通うことになった際、不満を漏らすニーナに対して、ヴェロニカ局長が言った一言。
『学ぶべきものがあるからだ』
学園生活の中で、ニーナが見付けた「学ぶべきもの」とは?{/netabare}

もちろん、物語全般は萌え要素と日常ほのぼの要素に溢れていた。
個性豊かな登場人物たちが織り成す、笑いと感動(たまに)の物語。

もう一人の主人公・リオンのキャラが評価の分かれ目か?
私も、あの甲高い声と度を越した無邪気な天然ぶりに、少し心折れそうになったけど・・・。
{netabare}第5話の実技試験の最中、崖から落ちそうになった弥生を助けたシーンは良かった。
「実技試験中にはトランスは2回まで」という厳しい縛りの中で、あえてトランスして弥生を助けたリオン。{/netabare}
このあたりから、むしろ好きなキャラになった気がする。

万博みたいな『マイペース』なキャラが一人いると、物語が安定する。

ラクエンロジック本編のキャラが登場すると、何故か嬉しくなる。
{netabare}第5話『実技試験』で登場したクロエと七星、明日葉。
第9話『学園祭』ほかで登場したヴェロニカ局長。{/netabare}

『ラクエンロジック本編でも彼女たちの活躍を見てみたい!』という気持ちにさせてくれた作品。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

萌えラクロジ…(笑)?→ これ、ちゃんと「教育」が描かれる作品なんですね…。

ゲーム「ラクエンロジック」のブースターパック新シリーズの宣伝アニメ。

無印『ラクエンロジック』と同じ世界観のはずですが、時代はかなり下って戦いは日常的に発生することはなくなっているようです。舞台はロジカリスト(作中で盟約者:神話に出てくる神様などとトランス(合体)して変身する能力がある人)を養成する学校のようですね。

作中設定は無印『ラクエンロジック』と近い物ですが、作品の空気としてはCMアニメ『私たち、らくろじ部!』に近いかも。とりあえず様子見ですかね。

2017.8.2追記:
無駄に学園モノにしたわけではなくて、メインキャラクターたちの成長を描く気はあるようです。シナリオは意外とちゃんとしています。無印『ラクエンロジック』よりは本作品の方が圧倒的に面白いですね。

Cパートで先生たちが飲みながら、話している内容は「ガールズトーク」的なのに絵的にはクダ巻いているのが地味に面白いです。

2017.8.18追記:
キャラクターデザインや微笑ましいエピソードなどのせいであまり意識することがなかったのですが、作中のALCAが対フォーリナー的な意味で事実上の軍事組織であり、ピラリ学園は士官養成学校的な性格を持っているということにふと気づきました。

ああ見えて彼女たちは本来の意味での「エリート」なのです。

そのせいか学園の生徒たちは本質的には真面目であるし、教育カリキュラムも作中世界の実戦を想定したものになっています。そして通常のいわゆる「学園モノ」では学業がおろそかに描かれがちなのに対して、よりも良くも悪くも定理者(ロジカリスト)としての「教育」や「成長」にフォーカスされたストーリーになっているように思いました。

ちゃんとストーリー寄りに観てもまともに観られる作品になっている。『ひなろじ』、恐るべし…。

2017.9.12追記:
第10話まで気づいてませんでしたが、これ1クールの尺でちょうど1学年分のエピソードをやる話なんですね!?
(↑「学園物」なんだから、もっと早く気づけ(笑)!)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 29

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

合体!!(トランス)はじめます。

この作品は、ラクエンロジックの続編に位置する作品です。
前作との繋がりは薄いので、この作品から視聴しても物語的には通ると思います。
でも、まったく繋がりが無い訳ではなくALCAに所属する定理者達として登場するので、その姿に懐かしさを感じたい…或いはこの作品を深く堪能したいという気持ちをお持ちの方は1期からの視聴をお勧めします。

1期では、次々に現れる敵と戦う日々の連続で、大怪我をする事も珍しくありませんでしたが、この作品では1期での定理者達の活躍により、ほぼ敵が出現しない平和な世の中になっています。
それでも、有事の際に定理者達として人の役に立ちたい…困っている人に手を差し延べたい…そんな思いを抱いた定理者の特性を持つ少女の学び舎としてALCAが運営する定理者養成学園として設立されたピラリ学園が物語の舞台となっています。
そして、本作の主人公であるリオンが入学してきて時にゆるふわ…時にガチンコバトルが繰り広げられる物語が動いていきます。

物語の設定は1期よりだいぶ柔らかいです。
敵の攻撃に緊迫した雰囲気になる、という事はほぼ皆無です。

でも、緊迫した雰囲気は無くても定理者として強くありたいという思いは、どれだけ世の中が平和になっても決して変わることはなく人々の心に根付いています。
だって定理者としての特性は、誰もが願って手に入れられる能力ではありませんから…

結果的に自分の身を危険に晒す事になるのかもしれない…
でも、人の役に立てるかもしれない…
自分を助けてくれたこの能力を誰かを救うために使いたい…
こういう気持ちって、リアルなら偽善というのかもしれません。
でも、そういう気持ちって無くしてはいけないと思うんです。

そう思えるのは、仲間と日々を積み重ねていく彼女たちを見ているのがとても心地よいから…
定理者としてはまだまだ未熟な彼女たち…
今のまま戦場に投入されたら、きっと誰も生きては帰ってこれないでしょう…
その位、彼女たちは危うく幼いです。

でも、危うく幼いといって何もできない訳ではありません。
彼女たちは少しでも高みを目指そうと一生懸命なんです。
失敗したりやり過ぎてしまう事もしばしば…
きっと成功も失敗も全て自分たちの糧として吸収していくのでしょう…
だから彼女たちを見ていると元気を分けて貰えるような気がしました。

主人公であるリオン…天真爛漫という言葉がピッタリな彼女はとっても相手思い…
時には自分を殺しても相手の気持ちを優先する…そんな女の子です。
でも、きっとリオンは羨望の眼差しを受けることになると思います。
今は未だ自分をまだまだ制御する力を持ち合わせていませんが、将来花開いた時、彼女の中に眠る潜在能力の高さはALCAの大きな武器になると思います。

そんな彼女と肩を並べているのがリオンの大親友であるニーナです。
生徒の中で唯一ALCAでの実践経験を持つ彼女…知識・経験とも頭一つ突き抜けている感じです。
この学園で過ごす時間は彼女にとっては不服な面もあるかと思います。
だって、戦場と学園では得られるモノが違うから…
これは学生と社会人との差に相当する訳ですから、彼女の気持ちが分からない訳ではありません。
でも、学生としてでなければできない貴重な経験があるのもまた事実です。
学生としての本分を満喫して欲しいと思える女の子でした。
だからこそ、彼女の最後の選択には彼女らしい優しさを感じた気がしました。

年相応の女の子の精一杯で紡がれているこの作品…
他にも魅力的なキャラがたくさん登場してくれるので、飽きも中だるみもありません。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、TRUEさんの「BUTTERFLY EFFECTOR」
エンディングテーマは、リオン・ニーナ・万博の「ベィビィバード!〜ガクエンロジック〜」
TRUEさんはインタビューで、これまでで最もアップテンポな曲…という感じのコメントをされていましたが、そのアップテンポの気持ち良い事といったら…作風にもピッタリの曲だったと思います。

1クール12話に物語でした。
全体的にほんわかした感じなのですが、要所でしっかり物語を締めてくれていたので、癒し半分、元気半分ずつ貰える…そんなお得な作品だったと思いました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18

67.5 18 百合で魔法なアニメランキング18位
ストライクウィッチーズ 501部隊発進しますっ!(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (141)
576人が棚に入れました
人類の防衛線『第501統合戦闘航空団』に宮藤芳佳が入隊!・・・しかし、肝心の敵・ネウロイはなかなかやってこず、戦闘ではなく炊事洗濯の毎日に追われる日々。個性的な隊員たちに振り回されたり、ツッコミを入れたり、フォローしたりと、そんな芳佳と愉快な魔女(うぃっち)達のおかしな日常が始まる!

声優・キャラクター
福圓美里、世戸さおり、名塚佳織、沢城みゆき、田中理恵、園崎未恵、野川さくら、斎藤千和、小清水亜美、門脇舞以、大橋歩夕

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ウィッチーズたちの日常は‥‥‥

原作未読 全12話 1話15分枠の作品

突然出現した敵「ネウロイ」に対抗するために結成された統合戦闘航空団一つの第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズのスピンオフ作品。敵ネウロイがなかなか出現しないので、日常シーンをメインにコミカルに描いています。

各キャラクターを演じている方々は本編と同じ方なので違和感がありませんが、作画は本編と比べて大きく違いますね。(OPではそんなに思わなかったのですが)

ギャグばかりなので、そのギャグが合うか合わないかだと思います。個人的にはみなさん、弾けすぎですねw

本編の世界観やイメージを崩しかねませんので、お気楽に観るといいかもしれません。

OPは本編OPでおなじみの石田燿子さん、EDは第501統合戦闘航空団みなさんがそれぞれ歌っています。

最後に、この作品の劇場版が発表されました(上映時間30分の予定)。OVAやOAD、本編のおまけでよさそうな作品が劇場版になることが多いように思えます。儲かるのでしょうね〜

投稿 : 2024/05/11
♥ : 17

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

『異世界かるてっと』の流れで、何となく・・・

『ストライクウィッチーズ』視聴してないし、どうしようかな?って思っていて・・・。
『異世界かるてっと』の流れで、何となく最終話まで視聴しちゃいました(笑)。

元の作品を見ていないので、コメントしづらいところですが・・・。

かなりぶっ飛んでいて、日常系コメディとしては面白かったと思います。
キャラの個性や関係性など知っていると、もう少し楽しめたのかな・・・?




皆さんのレビューを拝見していると、そうでもないらしいですね(笑)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

欧州本土の大半がネウロイの勢力に落ちているはずなのに…

このストパンシリーズは、テレビ本編、劇場版、OVAと視聴済です。
言わずと知れた大人気シリーズ…私にとって視聴しないという選択肢は初めからありませんでした。

とは言え、これまでの作品と雰囲気はだいぶ異なっています。
もともと第501統合戦闘航空団「STRIKE WITCHES」は、対ネウロイ一大反抗作戦の一つとして各国のトップエースや将来有望な若いウイッチらによって結成されました。

だから彼女たちの居場所は常に最前線…のはずなんですが、本作品では敵であるネウロイが一向に出てこないんです。
彼女たちに下されている命令は「待機」と「哨戒」のみ…


人類の防衛線「第501統合戦闘航空団」に宮藤芳佳が入隊!
…しかし、肝心の敵・ネウロイはなかなかやってこず、
戦闘ではなく炊事洗濯の毎日に追われる日々。
個性的な隊員たちに振り回されたり、ツッコミを入れたり、
フォローしたりと、そんな芳佳とゆかいな魔女達の
おかしな日常が始まる!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
第1話を見た時に、懐かしさを感じました。
私が1期を視聴したのが2012年…
それから2014年にOVAが、2016年にブレイブウィッチーズが放送されましたが、約3年もの間音沙汰がなかった訳ですから、そう感じるのも当然なのかもしれません。

改めて本作を見てみると、声優陣の何と豪華な事か…
最初に視聴した頃、声優さんのことは何も知らなかったので気に留めることはありませんでしたが、こうしてみるとホント凄い声優さんばかりが起用されているんです。

宮藤芳佳:(CV:福圓美里さん)
坂本美緒(CV:世戸さおりさん)
ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ(CV:田中理恵さん)
リネット・ビショップ(CV:名塚佳織さん)
ペリーヌ・クロステルマン(CV:みゆきち)
ゲルトルート・バルクホルン(園崎未恵さん)
エーリカ・ハルトマン(CV:野川さくらさん)
フランチェスカ・ルッキーニ(CV:斎藤千和さん)
シャーロット・E・イェーガー(CV:小清水亜美さん)
サーニャ・V・リトヴャク(CV:門脇舞以さん)
エイラ・イルマタル・ユーティライネン(CV:大橋歩夕さん)

一方、物語の方は日常系なので抑揚無くまったりと進んでいく感じ…
個人的に嬉しかったのが、芳佳の魔法を見れた事でしょうか。
ハルトマンの部屋が汚かったり、ルッキーニの悪戯好きは相変わらずでしたけれど…

最終回に「重大発表あり」のテロップを見た時には驚きと共に嬉しさが…
詳しくは公式サイトをご覧くださいと記載されていたので行ってみたら…とんでもないことになっていました。

「501部隊発進しますっ!」が10月から劇場公開されるんだそうです。
でも、それだけじゃありません。
ワールドウィッチーズの公式サイトを見ると「ウィッチシリーズ3連続アニメ化!!」と書かれているではありませんか。
3連続アニメの一つ目がこの「501部隊発進しますっ!」だったみたいです。
その他、2020年には第3期として「第501統合戦闘航空団 ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN」が、2021年には「ルミナスウィッチーズ」が放送されるそうです。
こんな嬉しい話があったなんて…

オープニングテーマは、石田燿子さんの「空が呼ぶほうへ」
エンディングテーマは、第501統合戦闘航空団による「Treasure of life」
やっぱりストパンと言えば石田さん…この組み合わせは鉄板です。

1クール全12話の物語でした。
ショート枠なので、サクッと視聴できる作品です。
2020年の第3期に向け、良い足掛かりになる作品だと思いました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 16

65.0 19 百合で魔法なアニメランキング19位
私の推しは悪役令嬢。(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (110)
345人が棚に入れました
社畜OL・大橋零は、前世でプレイしていた乙女ゲーム『Revolution』のヒロイン・レイ=テイラーとして転生し、異世界での生活がスタート。 王立学院を舞台にイケメン王子たちを攻略する、夢のような乙女ゲームの世界。 しかし彼女の”推し”は、悪役令嬢・クレア=フランソワだった! 「私はクレア様が大好きです!!」 クレアのワガママも嫌がらせも、彼女にとってはむしろご褒美。 前世でゲームをやり込んでいたレイは、その知識と愛でクレアとお近づきになれるのか?

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ツンデレ悪役令嬢は今日も憂鬱

男向けの百合ギャグアニメかな? 
綺麗にまとまっていて良かったです
設定は乙女ゲーム世界だけど、全然乙女ゲームっぽくないのが残念
はめふらは結構乙女ゲームっぽさがあるんですけどね

他の悪役令嬢アニメと一緒で全然悪役してないから、本当に悪役令嬢が好きな人が求めてるのはコレじゃないと思います、もっと悪役令嬢らしく極悪なことしてくれないとただの百合アニメ・・・
でも舞台が乙女ゲーの中なので攻略対象の男(しかもキャラ薄い)が結構絡んでくるのが、百合アニメ好きには邪魔なような?

最近、乙女ゲーム×悪役令嬢アニメ多いのが不思議
乙女ゲームちょっとしか知らないけど、乙女ゲームの悪役って男なイメージ
なにあの男、やな奴!って言いながら血眼になって攻略ルート探すのが私が知っている乙女ゲームです
性格悪い女にはリアルでさんざん振り回されてうんざりしているから、たぶんゲームでまで相手したくないんだと思う、だから乙女ゲーム×悪役令嬢モノは乙女ゲームやらない人が書いたシナリオかな?って思います

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

悪役令嬢は良いけど、貴族関係の設定が邪魔…。辞めておけば良かったのにね。

 最終話(12話)まで観ました。2023.12.31

 なんやかんやでマナリア様に勝利したレイ、これでまたクレア様にウザ絡み出来るね!

 しかし…、マナリアは使用人をレズレイプしたり、クレアとレイを手に入れようとしたり、王位継承権があったり、最強の魔法使いだったりとかなりの危険人物です。

 ゲームでは主人公のレイの味方でお助けキャラの様ですが、モブ化している他の王子に比べると、キャラが悪い意味で立っています。

 ゲーム本編で、実力者マナリアのお気に入りのクレアはなぜ、ギロチン行きに?貴族制関係の設定のせいで、物語に無理が出てきています。革命でも起こるのか?

 レイの恋路の邪魔をしただけでクレアは処刑されるのかな?王族も無事では済まないでしょう。貴族と平民が対立しているというのは、あまり良い設定ではありません。

 多分、今後物語は破綻するか、クレア様にウザ絡みし続けるエンドとなる以外無いでしょう。まぁ、ここらで終っておくのが丁度良いのかも知れません。
……………………………………………………………………… 

 10話まで観ました。2023.12.05

 貴族と平民のイザコザは、なんか解決し、クレア様の身内が裏切っただけで済んだ様です。さすがゲームクオリティ…。

 ゲームはもう後半戦に入っており、後半の重要キャラ、マナリアが登場します。こいつがまた、色々引っかき回します。

 ゲームが終了したら、主人公とクレア様、どうなるのかな?オチをつけられるとは思えない状況になりつつあります。

 主人公のレイが、ガチ同性愛プレイをしているため、ゲームの世界観が崩壊しそうです。
………………………………………………………………………

 8話まで観ました。2023.11.21

 主人公の行動はやっぱり何か変です。コミカライズ版では読み飛ばしていましたが、アニメではシリアス寄りになると
シナリオのおかしさが目立ちます。

 レイさん、転生前にやり込んだゲームの世界だから、全てを把握しているはずなのに、唐突に登場した近親相姦カップルの犯行に対応出来ません。

 一歩間違えばクレア様、殺されてましたよね?シナリオに居ないキャラが黒幕らしく、事態はかなり深刻なはずですが、相変わらずクレア様にウザ絡みします。

 こいつ…、所詮登場人物全員NPCだと思ってね?ラスボス飼いますもそうでしたが、女性向けのゲーム、小説転生ものは、自分以外の登場人物への冷酷さと甘えが見え隠れします。

 何だか、主人公にヘイトが集まりそうな展開で、こんな物語だっけ?と思いつつも、結末が気になります。

………………………………………………………………………

 7話まで観ました。2023.11.14

 冒頭、貴族・王族学生達が床に直に体育座りで座って、クレア様の使用人と主人公の講義を聞きます。

 もう駄目ですね。本作品、貴族様をちょっと出自の良いボンボン程度にしか描けていません。階層差は表現出来ても、階級差の表現が出来ていません。

 階級差による所作の違いは、漫画だとサラッと流すシーンですが、アニメ化には工夫が必要です。王侯貴族が床に直座りするか?この時点から駄目駄目です。

 平民ですが、学園に主席で入学できた名誉貴族の主人公と、クレア様の使用人は同列ではありません。

 封建社会で貴族達が一見、平穏に暮らしているのは、何代も前の血族関係を完璧に把握しており、現時点の貴族社会内での地位も把握した上でのことです。

 先祖が権力者に連なっていない下臈など、同じ空間の空気すら吸えません。血統による閉じた人間関係こそが貴族制社会の本領です。

 漫画や小説等の、百合ならオケ!的な狭い層にウケれば良いメディアと違い、幅広い層に訴求しなければならないアニメ化に際し、企画者に文学の教養があれば、階級差のリアルティを本原作のアニメ化で表現するのは難しいと判断出来たのではないでしょうか。

 例えば、学校で習う、平安朝期の貴族達の愛と暗闘を描いた源氏物語等が良いテキストです。

 主人公の源氏の母、桐壺更衣は、ちょっとした身分差から他の女御の嫉妬をかい、イジメ殺されます。貴族社会のリアルを描いたとして、1000年経っても評価される物語です。

 テキストを全部読んで無くても、アウトラインを知っている位の教養はあっても良いでしょう。

 最凶女王でも感じたのですが、原作漫画や小説にケチをつける気はありませんが、封建社会を表現出来ていない作品をアニメ化して死屍累々になるのは、企画にたずさわる人間に教養が無いのが原因としか思えないのが残念です。

 ナーロッパ似非封建社会は、便利な舞台装置ですが、頼りすぎるのも、知的レベルの後退でしかありません。
………………………………………………………………………

 6話まで観ましまた。2023.11.09

 内容はともかくとして、学園が高校みたいなのと、主人公達がジャージを着たりしている所がものすごく気になります。

 原作漫画だとそれほど気にならないのですが、不思議なものです。大貴族のクレア様が全く貴族らしくありません。

 階級がはるか上の貴族に平民の主人公がウザ絡みするのが売りの本作品ですが、クレア様が単なるツンデレ同級生です。

 現実の近世以前のヨーロッパ貴族は、未婚の女性貴族でも、平民の使用人など人間だと思って無いので、使用人の前で裸になっても羞恥心を感じ無かったそうです。

 それほど階級社会というのは厳しいのです。たかだか数代前には小作人や下人だったような大多数の今の日本人は先祖が階級社会で受けた仕打ちを忘却しすぎです。
 
 ゲームの世界の上にギャグだから…。でも、何か釈然としません。江戸時代の作品なのに、キャラがジーンズを履いているような違和感があります。

 貴族と平民の対立もテーマな本作品ですが、全員ユニクロを着ていては、テーマが霞みます。

 もう少し、服飾だけでもリアルティを出す工夫が欲しいところです。
………………………………………………………………………

 4話まで観ました。2023.10.26

 リアルティラインがグチャグチャなお話です。ギャグだから良いのかなぁ…。アニメだと凄い気になります。

 ナーロッパ封建社会なのに、学園は平等主義で、自由恋愛に寛容です。同性愛にも理解があるとか…。あり得ないだろう。

 現代でも、後進国では同性愛者は秩序を乱す存在として容赦なく死刑とかにされているのに、ギャグに組み込むのは引きますね。(チェチェン共和国とかではマジで同性愛者は刑法犯で死刑)

 そもそも封建社会で男女共学なんて、庶民の子供が通う寺子屋じゃ無いんだから…。

 魔法を使える人間が平等に扱われている、いつものナロウ学園ですが、それにしても平民の主人公は誰彼構わずウザ絡みします。

 後、王族もいるのにでっかいスライムが学園を襲ってきたり、セキュリティどうなってんだ?

 頭の悪いイベントも、ゲームの世界でギャグだからで、片付けるしか無いようです。
………………………………………………………………………

 1話観ました。2023.10.03

 ゲームの世界の主役、レイ・テイラーに転生した女性主人公が悪役令嬢にウザ絡みする本作…。コミカライズ版は読んでおります。

 主人公、アニメで動くとウザさ爆発ですねぇ。悪役令嬢を愛するあまり暴走します。

 悪役令嬢クレア様を愛せれば面白いかもしれません。平民が学校とはいえ大貴族様や王族にウザ絡み出来るのか?とか思ったらいけません。

 そこはナーロッパ舞台のギャグなので、スルー案件ですね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4
ネタバレ

とろとろとろろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

あれ・・・意外と面白いぞ?

そして意外と重いぞ(笑
まぁ今期は豊作だから特に勧めるようなアニメじゃないけど。

・最終回まで
うん、見ていて結構楽しかった。
クレア様かわいい、超かわいい。
まあ全体の感想としては最終回のあの一言に尽きるかも?
{netabare}「俺たちは何を見せられてるんだ?」{/netabare}
それなw

投稿 : 2024/05/11
♥ : 1

60.9 20 百合で魔法なアニメランキング20位
ファンタジスタドール(TVアニメ動画)

2013年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (415)
1933人が棚に入れました
鵜野うずめは勉強も運動もそこそこのごく平凡な中学2年生。だがある日、彼女の運命は大きく変わってしまう。特殊な能力を持つ女の子・ファンタジスタドールを実体化できる不思議なカードを手に入れてしまったのだ。

うずめはカードマスターとなり、5人の個性的なドールたちと契約。街を、いや世界を救うための戦いを始める……“どうしよう、私には無理”とあわてるけれども、うずめはもはや逃れられない。

さまざまな武器やコスチューム、特殊イベントのカードを組み合わせて戦っていかねばならない。しかもドールたちは、次々と、可愛い要求をつきつけてくる。うずめは世界を守れるのか!? いや自分自身を守れるのか!?

声優・キャラクター
大橋彩香、津田美波、徳井青空、赤﨑千夏、長谷川明子、大原さやか、三澤紗千香、上坂すみれ、名塚佳織、保志総一朗、津久井教生、倉田雅世、山岡ゆり

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

子供向けの印象

全12話

ジャンル:ファンタジーカードバトル

主人公が女の子で、カードからドール(女の子)を召喚し、バトルする内容。


正直、日曜の朝 又は平日の夕方枠で放送されるような内容に感じました。
視聴対象者が、小中学生の女の子 
あと楽しめるのが、萌えキャラ目当ての人くらいかな?

みどころは・・・
マスターとの絆
師従関係を超え、友達としての友情
仲間を想う気持ち大切さ
って感じでしょうか?

ストーリーや展開は、ありきたりなので普通に感じました。
正直に言うと しょっぱい (-ω-)

キャラは、みんな可愛いので、それ目当てに観るのもありかな?

自分は、ただ なんとなく観てました。
(よく断念せずに完走できたな~と^^; )
残念ですが、魅力は感じられなかったです。

小中学生の女の子や、キャラ目当てに観れる人にはオススメかな~? ^^;


OP:「今よ!ファンタジスタドール」 歌 - 鵜野うずめ(大橋彩香)、ささら(津田美波)、カティア(徳井青空)、しめじ(赤崎千夏)、マドレーヌ(大原さやか)、小明(長谷川明子)

ED:「DAY by DAY」歌 - 鵜野うずめ(大橋彩香)、ささら(津田美波)、カティア(徳井青空)、しめじ(赤崎千夏)、マドレーヌ(大原さやか)、小明(長谷川明子)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 34

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

放送時間、まちがってますよ~

アニメオリジナル作品。
カードゲームをベースにした、女の子向けっぽいお話です。有り体にいってしまえば、お子様アニメのような雰囲気。
主人公とカードから出てくるドールと呼ばれるキャラクター達との信頼関係と友情の構築。
ドール達のマスターとしての成長を描いた内容になっています。
アニメとともにメディアミックスとしてソーシャルゲームもサービスされていますので、販促的な意図も見え隠れします^^;

色々とアレだという前評判は聞いたうえでの視聴でしたので、それほど失望感はなかったんですが、問題有りと評される要素はたしかに確認できました。
なんていうかコレ、色々とチグハグな仕上がりなんですよね。
完全な低品質アニメというより、何かをちょっとヘンな方向に間違えているク○アニメ・・・とでも言えばいいでしょうか。
嫌悪感はないんですが、残念さは充分味わうことができましたw


まずは良いところ。
ちょっとありがちすぎるとは思いますが、全体のプロットは悪くないと思います。
ドール達に出会って、一人一人と絡んだうえで親好を深めて、彼女達との絆を強くしていく。まさに友情と努力。
終盤でドール達の過去と敵対勢力の事が明かされ、最後に決戦を・・・・といったいかにもな安定感。
いがみ合っていたライバル達との関係も徐々に変化していくのもお約束。
定番的な爽やかさに溢れた構成になっています。

キャラの造形も可愛い。
ドール達の装備や技も、それぞれで個性が違っていて、ファッショナブルです。
カードを保存するアイテムや、ドール達が普段待機している空間などはファンタジックで、まさに女の子にウケそうな要素が盛り沢山。
もともと、ソーシャルゲームにする目的に企画されたものらしいので、アイテムやキャラクターが豊富なのは当然といえば当然なのですが。
朝アニメのシリーズにして、おもちゃとか作れば、そこそこ売れるんじゃないかと思える基礎はしっかり作り込まれている企画です。


ただ、これは1クールの深夜アニメ。
構想段階では女児向けのテイストでよかったのかもしれませんが、それをちゃんと練り直さないで世に送り出してしまった・・・そんな感じでした。
これじゃ、大きなお友達は納得しません^^;

以下、残念だった部分です。

まず何といってもバトルがダメダメ。
せっかくのカードゲームなのに、キャラの装備強化や連携技、トラップや駆け引きの要素がお粗末すぎます。
緊張感がないのは作風だとしても、ドール達の能力や特性もはっきりしないまま、ゴチャゴチャ&バタバタと小突きあいをするだけの戦闘。
結構戦う機会は多いんですが、1話から最終話までバトルの見所が膨らむことは決してありませんでした。
(ただ、みなさんの批判に対象になっている、技やアイテムが超バカバカしいのは私としてはアリでしたw)

また設定が全然活かせていない。
変身のバンク映像などを見る限り、ドールの装備や装束はチェンジできて、いろんなバリエーションになるんだろうな~と誰もが想像するのですが、その想像は空虚なものに終わります。
ドレッサーにズラッと並んだ多彩な衣装の数々は披露されることはなく、少なくともこのアニメではただのコケ脅しな演出にすぎません。
ソーシャルゲームには着替えをさせる機能があるそうですから、それに基づいた映像化なだけなのかもしれません。
作中に着替えさせてあげる機会なんかいくらでもあったのに、これは勿体無い。

あと、致命的なのがキャラがうすい。
一人一人のエピソードが用意してあるのに、結局そのエピソードを経ても、ドールがどんな性格でどんな戦いをするのか、イマイチ伝わらない。
どこかで見たようなお決まりのエピソードがキャラにくっ付いてるんだけど、義務的にそれを消化していて、キャラに愛着が全然わいてこないんです、何故か。
すったもんだするけど見た目ほど個性が立っていないと思えます。
5人もいるのに主役回以外は言動の足並みが揃いすぎていて印象がものすごく薄いドール達。
アホな特徴をもった敵のドールの方がむしろインパクトあって良かった気が・・・(^-^;)


とまぁ、いろいろダメ出ししましたが・・
一番ダメなのは、何をやるにしても突飛すぎな所が極めつけだと思います。
キャラが突然怒り出したり、コロっとデレたり、特に悩みもキッカケもなく行動原理や考え方を変えたり、ユルユルでグダグダなブレ方をします。
コイツラ、分裂症じゃなかろうか?と思えるほど説得力に欠けています。
王道のストーリーラインのくせに、動機付けを見せるための定番演出がまったくヘタクソ。
普通にやってれば大きくコケはしないと思うのに、妙な部分で大きな欠落があるシナリオがなんとも不思議でした。
明るくおバカな雰囲気にしようとして、失敗した?


なんというか、謎な作品。
ゲーム販促用のアニメが残念な結果になるのは珍しい事ではありませんが、本作は何かが違う。
ゲームで売りにしたい筈であろう部分、カードバトル用のアイテム類や特殊能力の事を殆ど扱っていないので宣伝にもなりゃしません。

さりとて、キャラを売りにするわけでもなし、
おバカ路線で笑いをとりたいわけでもなし、
萌えや美麗なバトル作画を見せつけてオタを引き込みたいわけでもなし。はてさて・・・・


深夜に迷い込んだ、女子児童向けアニメ。

やっぱり、こう評するのが一番しっくり来る気がします^^;

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「天翔る星の輝きよ。時を越える水晶の煌めきよ。今こそ無限星霜の摂理にもとづいて、その正しき姿をここに表せ!・・・アウェイキング」

この物語の主人公は、中学2年生の鵜野 うずめちゃん。少し引っ込み思案なところはあるけれど、いわゆる普通の女子中学生です。でも、彼女はある日ひょんな事からファンタジスタドールのデバイスを手に入れるのです。ところが、手に入れた途端、デバイスに入っているカードを狙って襲われるようになってしまいました^^;
そこで、デバイスのカード・・・ファンタジスタドールと契約し、カードマスターとなるのですが、襲われるという状況は一向に改善が進みません。
この作品は、ドールを通して自らの至らない点を知り、ドールとの絆を深めながら、自分の弱点を克服すべく前に進みだそうとする主人公の少女を描いた作品です。

この作品は、視聴の対象を深夜アニメを見る層ではなく、もう少しライトな層を対象にしていたのだそうです(wikiより)。どうりで、ストーリーも作画も子供が見ても問題無い作りになっていたと思います。

だからといって内容までライトになっている訳では決して無かったと思います。

カードマスターはドールの「ご主人様」に相当するので、そこには主従関係の間柄が成立する事になります。
なので、従の立場であるドールは自分の事よりご主人様の事をいつも最優先に考えて行動します。
そこで、主の立場であるには、従来の主従関係に対する固定観念に囚われる事なく、従の立場を抑圧ではなく、どうせ動くなら気持ちよく動いて貰いたい・・・同じ目線で楽しみたい・・・という考えで自分のドールと接するうずめちゃんは、良かったと思います^^
現実世界でも社会の中でコミュニケーションをとっていく上で、大切な事だと思います。

次にうずめちゃんの友達との接し方も良かったと思います^^
土壇場に追い込まれ、もう後がない・・・
これを逃したら、大切な探し物が二度と探せなくなっちゃう・・・
こういう時って気持ちも焦りますし、ややもすると人の道を外しかねません・・・
そんな時、上手い台詞が頭に浮かばず説得する方も気が気じゃありません^^;
そういう時に出来る事って・・・包み込んで、解決に向けて一緒に頑張る事なんですよね^^
こういう人との繋がりの中で大切な事が、しっかり盛り込まれていた作品だと思いました。

そして、尊敬する先輩と向き合い・・・自分の考えをしっかり主張する・・・
普段引っ込み思案で人に合わせようとするうずめちゃんには難しい事ですが、しっかり出来ていたと思います^^

でも・・・この作品はこれだけじゃありません^^
私が一番感動したところでもあるのですが、主が身を挺して従を守ろうとします。
これは、実践しようとして中々できるものではありません。
そして・・・そういう主だから従も付いていこうと思うんですよね♪
うずめちゃんは、ドールを友人と言っていましたが・・・それも納得です^^

この作品は1期12話で終幕しましたが、適度な尺の長さにしっかりとメッセージが込められていたこと・・・うずめちゃんが織り成すマスターとドールの絆を感じる事が出来て良かったと思いました^^

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

70.0 21 百合で魔法なアニメランキング21位
魔法少女にあこがれて(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (161)
470人が棚に入れました
わたし、柊うてなは魔法少女が大好きなごく普通の女の子☆ある日、変身する力を与えてくれそうなマスコット的なやつに出会って不思議な魔法をかけられちゃった! これでわたしも魔法少女に――と思ったらえ? なにこの格好?悪の組織の女幹部ってどういうこと!?これからわたしどうなっちゃうの~~~!!?魔法少女ファンの心優しい内気な少女がサディスティックに大変身!!?正義と悪の激しい SM プレイ(!?)スタートです!!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

オリジナルのないエロ2次創作が生み出したオリジナリティ。

 最終回が一番面白かったのが意外でした。ツボに入って声を出して笑い転げました。
(追記 12話で終わりと勘違いしていました。13話がありました。この作品に水着回が意味があるのかわかりませんが、マジアアズールの覚醒が明言されていました。やはり、マジアアズールが真の主役でした。伏線はずっとありましたから、一応これで伏線回収ということで)

 この手の作品は出落ちが多いので本作もそうかなと思っていたら、どんどん面白くなってゆきました。原作未読なので、アニメの制作の力なのか原作の出来の良さなのかはわかりませんが、エロと面白さの相性の良さを最大に引き出した秀作と言えるでしょう。

 それと本作をメタ的に俯瞰した場合、本作はちゃんと構造上「魔法少女もの」の物語になっているのが素晴らしかった。魔法少女に憧れている少女が闇墜ちして、悪役に回る。悪に取り込まれそうになるけど、悪のやり方が気に入らず、3つ巴の対立構造になる。そして、真の悪役である異質な悪意(ヴェナリータ)が次の展開をにおわせる。

 これをシリアスにやろうと思えばそのままダークヒロインものにもなりそうだし、原点ともいえる女児向け魔法もの(プリキュア等)にもなりそうです。つまり本作はプロットがしっかりあります。

 キャラのコンプレックスを使えばテーマの深堀りもできます。悪と正義の仲良しごっこは魔法少女モノそのままです。本作はそれをエロに持って行ったということですね。

 出来がいいので、テーマ的なものを牽強付会できなくはないです。が、それは視点を間違ってしまう気がします。
 本作の優れているところは「魔法少女」というカテゴリーのエッセンスを抽出して、そこにエロのガワをかぶせることによって作品を仕上げているということです。
 オリジナルのない「魔法少女もの」という概念に対する2次創作が、結果的にどんな作品よりもオリジナリティを産み出したという評価が正しいかもしれません。要するに本質を見抜く目を持った人が作り出した作品と言えるでしょう。

 最後のエピソードが特撮怪獣ものの視点でも描けるよ、というのを見せてくれたのもいいですよね。シンウルトラマンでみんなが思った事をそのままやっている感じです。
 いろんなカテゴリーのエッセンスを抽出して、是非、特撮もの、戦隊もの…と続けて欲しいものです。


 作画の評価4が高すぎるのは分かりますが…しかし、ここまで攻めた作品をやり遂げたスタッフへの敬意も込めて。

 



1話 化けたらすごい作品になるかも。推し活の深層にあるリビドーを描いている?

{netabare}  可能性を感じる作品です。明らかにまどマギのオマージュですが、力と引き換えの自らの選択を試されているわけでなく、強制的に魔法少女…のアンチとされてしまうところが秀逸です。

 少女の憧れだった魔法少女をまどマギで少女の欲望・ダークサイドとして描きました。その後「魔法少女特殊戦あすか」「間違った子を魔法少女にしてしまった」等過激さは増して行きますが、いずれも魔法少女側です。この作品はその点で視点が非常にいいです。

 そして、その逆転構造にエロス・リビドー・性癖を入れてきています。これはメタ的な視点で 2次元の魔法少女を愛でるマインドとは?理屈をつけてもエロだろう?という意図が見えます。少女の性の切り売りというのはまどマギのテーマの一つでもあると思いますが、あまりそこは注目されませんでした。

 また丁度今やっている「SHY」のヒロインのメンタルに非常に近いので、正義・悪というよりも、コンプレックスと2面性、承認と立場のような構造になるのかな?という気もします。

 ウテナという名前にも何か意図があるのか?柊の意味は?マギアレコードの方には出てくる苗字みたいですが見てないのでわかりません。花言葉というより棘があるのと冬の字が入るのが重要なのでしょう。

 とにかく1話面白かったです。これは期待枠…と言いながらも、アニメは結構安っぽいので、ほどほどの期待にしておきます。今のところ可能性ですが、化けたら面白そうだなあ、とは思います。出落ち、パターン化ではないことを祈ります。そして、謎の光いる? {/netabare}


2話 放送事故並みの止め絵も、やっぱり面白い。演出力でしょうか。

{netabare}  地上波でもやってるんですよね?今回は随分攻めてましたけど大丈夫か?と思ったら、ATXの他はサンテレビ、KBS、BS11ですか。一応選んでるんですねえ…

 巫女に面…そして○○○○とはマニアックな…古き良き日本の緊縛ですね。

 で、なかなか面白い展開でした。一方的な蹂躙だと飽きるかなと思っていたら、まさかでしたね。ヒロイン?のコンプレックスをエピソードでもっと描いてくれると奥行が増すのですが、まあ、過剰な期待はしませんが、おバカな作品に見えて、妙な何かに引っかかりがありますので、展開に期待します。テーマ的なものが見えてくるのでしょうか?

 それにしても面白さは作画じゃないということでしょうか?ファミレスのアップシーンとか放送事故か?と思うレベルでしいた。5,6秒は動かなかったと思います。一番力が入っていたのがSM雑誌だった気もします。それでも面白いのは演出力なんでしょうか?

 で、1話のあこがれverも見ましたが、謎の光があった方が見やすいかも。どうせこのレベルの作画ですからね。想像を掻き立てられる分で変な効果が出ていると思います。{/netabare}

3話 アニメは予算じゃない。センスと工夫だ。

{netabare} 面白い作品は予算じゃなくてセンスなんだろうなあ…と。本当に面白いです。ストーリーやキャラが秀逸なのはもちろんですしプレイのシーンが秀逸なのはもちろんです。謎の光があっても…というかあったほうが面白いのはすごいですね。
 それだけではなくて、金髪の娘の髪のハイライトが白抜きではなくピンクになっていたり、EDの歌詞がしっとりとSの目覚めについて歌ってたりで、アニメ作りに関していろんなところの工夫がいいですね。

 あるいは原作×制作会社の奇跡のマリアージュかもしれません。

 というか、これが予算があっていい作画だとつまらなくなる気がします。作画のB級感が脱力系の面白さにつながっています。その点では「おにまい」と似て非なる面白さですね。

 3話はちょっと電気ショックプレイだと物足りないかな…と思ってたらアズール…最高です。「うてな×アズール」がいい感じなのが伏線なんでしょうか。

 レオパルトが承認欲求キャラでうてなとの対比で、結構キャラがちゃんとあるんですよね。これが物語の面白さを引き出しています。ところでレオパルトはベットの上で何をしてたんでしょう?自家発電ではなく、エロ系の写真アップでいいねを貰おうとしていた…と見えたんですけど、スマホとかが描かれていなかったので確信がもてませんでした。 {/netabare}


8話 笑いの感情とサディズムは相性がいい。境界線上だから面白い。

{netabare} いわゆる一般と成人の線引きって、考えてみればかなり恣意的ですよね。性癖の多様性を考えれば、単にどこまで見せているのかで考えるのはかなり乱暴です。その線引きに挑戦しているのが本作かなあという気がします。

 変な言い方出すが、大人が見ればこの作品はギャグです。決してアダルトには見えません。魔法少女もののパロディとしてギャグ要素をエロにする、というだけの話です。薄い本の様なニーズでは決してないと思います。

 こういう面白さを表面上の裸体表現の有無で安易に判断することで、どこかでクオリティを犠牲にしているのではないのか?という気がしなくはないです。「お兄ちゃんはおしまい」でも、ある意味本作のベクトルのチャレンジはありましたが、そのコンセプトは本作においてもっと先鋭的です。

「笑い」はサディスティックな感情と相性がいいのは漫才・コントで良く知られています。みっともない、醜い、痛い、そして裸…蔑む心が笑いを誘います。

 なんとなく本作を見ていると「笑いの構造」「エロとギャグ」「ジャンル・規制とは何ぞや?」などと考えてしまいます。見ているときはもちろん普通に楽しんでますけどね。
 要するに本作の「ジャンル」は境界線上ぎりぎりだと思いますが、その境界線が生み出す面白さだなあ、と思います。そこに人間の感情が一番動くポイントがあるのかもしれません。

 それとマジアアズールだけ、妙に内面の深掘りが丁寧ですよね。このキャラがいることで深みがあるように感じているのは錯覚でしょうか?7話最高でした。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

憧れと似た、このどうしようもないキモチ

DアニであこがれVerを視聴、あまり隠れてなくてビックリ
ゆ、湯気がにゃい(*´ -`)
悪の女幹部に焦点当てた話で、元々は善人なのにだんだん悪に目覚めていくコンセプトは面白いと思うけど、魔法少女アニメの本来のターゲットである、女性向けでこのコンセプトの話が見てみたい
黒猫のマスコットがかわいい

プリキュアなど女の子が変身して戦う話でヒロインサイドがピンチになるのは最大の見せ場だと思うんですよ、追い詰められて酷い目にあうからこそ、頑張って!!って応援したくなるんです
男だったらボロボロになって立ち上がればいいんだけど、女子が殴られて傷ついてボロボロになるところはあんまり見たくない、でもかわいそうな目に合うのを見ると共感して応援したくなるのが女子なので、だから魔法少女は怪人の変な能力にやられてピンチになるのがちょうどいいのだと思うし、心のどこかにピンチになるのを期待している気持ちありますよね?
だからドSなのはともかく、ウテナの魔法少女に対する倒錯した気持ちはそこまで特殊なわけじゃないと思うんです

残念なのは、ウテナが悪に堕ちていく過程が雑なところ、例えば魔法少女アニメを見ていてヒロインがピンチになるとドキドキして期待しちゃうような描写とか、元々あった狂気の片鱗とか、魔法少女との友情と興奮する気持ちの葛藤とか、サディスティックに目覚めていく過程をじっくり描けばもっと面白い作品になったと思う
魔法少女3人ともっとウテナとがっつり絡ませて、大好きなみんなに酷いことをして興奮する私、どうかしてる・・・って言いながらもはまっていく、そういった倒錯していく気持ちをねっとり描けばよかったかな?
エロのほうに力入れちゃったのは残念だけど、面白い作品だと思う

投稿 : 2024/05/11
♥ : 16

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

やはり魔法少女は素晴らしい…byマジヤベーゼ。久々に円盤商法が輝くとき。

 主役の名前がうてなで、ネイチャこと前田さんが出ている時点で期待作。もこっちっぽい陰キャデザインをここまで良くしたのは素晴らしい。


 アリス登場くらいから作画もテンションも下がっちゃったけど、7話終盤から持ち直しましたね。声優さんもノリノリで、イジり辛い感じに下手とか、アリスちゃんとキウイちゃんの仲良しぶりも良い。こっからの展開が楽しみでワクワクしてきた。


「ラブリーロコ」が聞けただけでこの作品見た甲斐がありました。「イジり辛い感じに絶妙に下手くそだなお前…」byキウイちゃん。それにしても、ウテナ役の和泉さん新人ぽいが才能あるなぁ〜。こんな汚れで才能開花させちゃうと、一発で終わっちゃうか、大輪の花を咲かせるか2つに一つやでぇ。


 全体的に作画が平均的に良しとされがちな退屈な優等生感ある昨今のアニメ業界で、本作は平均より重要なポイントで作画開放するというどちらかというと昔ながらな姿勢で臨んでいて好感がもてる。なにより魔法少女の敵という道に矜持を見せるマジヤベーゼという主役が一本筋が通っているからやる気のない単なるネタエロに堕していない。


 薄っぺらい弱肉強食論を説いてるロードに対して、マジつまんねぇーこの人なに言ってんだろう?というマジヤベーゼの姿勢には、昨今現実にも跋扈しているイキリ逆張り小賢しい勢に対する良いカウンターで心地よい。ロード、実は正体はイキってる小学生とかでも良かったなぁ。久々に2期が欲しくてオラわくわくしてきたぞ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10
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