「彼女がフラグをおられたら(TVアニメ動画)」

総合得点
67.5
感想・評価
1056
棚に入れた
6495
ランキング
2358
★★★★☆ 3.3 (1056)
物語
2.9
作画
3.3
声優
3.5
音楽
3.2
キャラ
3.4

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

原作ファン視点での感想になりまする。

どう考えても良作とは言えない出来なんだけど、原作ファンとしては久野さんボイスのくるみ子を聴けただけで満足なんじゃ。あと予想よりもはるかに月麦の声が可愛かった。
まぁこの作品の本当に面白いトコロはアニメじゃ表現できないってのは、分かりきってたことなので。だって内容よりも地の文が一番面白いんだもの。どうやってアニメにしろっていうんや……。

あくまでも本作は【超ダダ甘やかされ学園ラブコメ(作者談)】であり、結局のところフラグ操作能力とか、世界の真理を暴くとか、死ぬ運命を変えるとか、そういう重苦しい設定はラブコメを引き締めるスパイスでしかない。……が、このスパイスが絶妙な効き目。
まず、主人公に課せられた設定からして相当キツイ。なんせ登場した時点で既に死亡することが確定しているんだから。
いつ死ぬか分からない。それは誰だってそうだけど、だからといって普段から【死】を意識してる人間なんて、おそらくそういないだろう。

でも旗立颯太は違う。コイツは毎日鏡を見る度に死と向き合っているんだ。船の事故で姉を失い、世間から疫病神扱いされ、日々の生活に楽しさを見いだせず、しかも鏡を見れば死亡フラグが頭上に見える。
毎日のように死を意識させられ、しかもその死を回避する方法は皆目見当もつかないときた。
これは人生諦めてもしゃーない。ここで「どうせ死ぬから」と開き直ってフラグ操作で自分の好きなような対人関係を作らず、周りが悲しまないようにと他人と極力距離をとる。それでいて困った人がいると放ってはおけないお人よし。(1話の冒頭、トラックの事故を防いだことからそれが分かる。ただの自暴自棄であれば、あの場で周りの人間もろとも死んでいただろうし)
この不器用な優しさがあってこそ、本作のダダ甘やかしラブコメに癒されるのだ。

主人公が、とことん応援したくなる造形とくれば、対するヒロインはとことん応援してくる人物だ。
1クールなのに意味分からんぐらい登場するハーレム要員。だけど全員かわええんじゃ。
フラグを折ることができる、心が折れた主人公を全力で応援するのは、折れないヒロイン達。生を諦めた主人公を取り囲む、性を意識したチョロイン勢のダダ甘なラブコメ空間。
こんなにも甘やかされ、こんなにも想われて、颯太はようやく自身の運命を変える決意を固める。
その過程で強化されていくフラグ改変能力。それにともなって増していく死亡フラグの影響。
基本がラブコメだから考えにくいけど、足掻けば足掻くほどに死に近付いていくとか、実際は半端じゃない恐怖だろうなぁ。

一方で、原作ファンとしては声のついたキャラが動いてるというだけでやっぱり喜ばしいことなのだけど、それを差し引いても、物足りなさは感じてしまう。
とくにキャラに関する描写だ。まず1話ラスト。原作では学園に入学してくる前から既に颯太は自身の死亡フラグの存在を知っていたのだけど、アニメだと何故かこの場面で初めて死亡フラグに気づいた、みたいな反応になってる。
次に、クエスト寮で謎の手紙を発見した直後。颯太が謎の手紙を読み、自分の死を回避する為に足掻いてみようと決意するシーンの描写が、めちゃくちゃ弱くなってる。

こうした、描写の物足りなさを感じる場面が非常に多かった。
シリアスパート時に限らず、キャラの描写でもそうだ。本作のコメディパートでは、各ヒロインにつきひとつやふたつ、定番ネタがあったりする。
例えばお菊ネェなんかは、分かってないお姉ちゃんの「お姉ちゃん分かっちゃった」発言とか、颯太へのダダ甘やかしを周囲の人間が「ダダ甘やかされとる」「ダダ甘やかしだ」「ダダ甘だ」と呆れる、というやり取りが鉄板ネタ。
凛だと、彼女のチョロチョロしさに颯太が衝撃を受けるというシーンもあるのだけど、アニメでは颯太が軽く呆れるだけで流されてしまった感が否めない。フラグの飽和状態、という描写も物足りなかった気がする。地の文による説明ができない分、おもいきり誇張して描いて欲しかったところ。
擬似的にしか能力を持たなかった鳴が、死亡フラグを直接掴むことで颯太の内面の深くまでを共有し、畏敬から恋慕へと感情が瞬時に登り詰めていく流れなんかも、結構グッとくるシーンのはずなんだけど、アニメだとかなーり伝わりにくくなってるしねー……。

クエスト寮名物の【譲り合い逆修羅場】にしても、出番がほとんどなかったよなぁ。あれ、新規キャラがクエスト寮に入寮する上で通過儀礼的な扱いになってるはずなんだけど。
魅力を満足とも言えるぐらいに描写してくれていたのは、菜波ぐらいかな。茜さんにしても、超ポジティブシンキング、という面がちょっと薄かったし、美森さんの場合、颯太の前では女っぽく振る舞ってる無理矢理感が可愛さのはずが、声が田村ゆかりさんだからか、女の子口調の時の方がむしろ違和感なくなっちゃってて、普段の男勝りの口調に違和感を覚えてしまった;
恵の可愛さアピールも、やはり弱かった。

投稿 : 2015/07/24
閲覧 : 196

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