「SHIROBAKO(TVアニメ動画)」

総合得点
91.4
感想・評価
3718
棚に入れた
15359
ランキング
32
★★★★★ 4.2 (3718)
物語
4.3
作画
4.2
声優
4.1
音楽
3.9
キャラ
4.2

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

アニメ制作の「裏事情」が垣間見える所が、個人的には凄く楽しめました。

P.A.WORKSの作品は、全削除前の「花咲くいろは」以来2度目の感想になります。

京アニが自滅していった為に、自分が今1番評価している制作会社がP.A.WORKSになりました。

ただ、少女漫画っぽいキャラデザと昼ドラばりのドロドロした心理描写がどうしても好きになれず、あの「凪のあすから」でさえも途中断念してしまっています。

感想は書いていませんが、true tears、Angel Beats!、Another、TARI TARIは、完走しています(汗)




アニメ業界の人が見たら大爆笑出来たのだろうと思いますが、にわかのアニメ好きくらいの、レベルの低い自分にとっては『へぇ!そうなんだぁ!』と思うくらいで、ストーリーを楽しむというよりも、「業界の裏事情を勉強する」作品になりました。

でもアニメ制作という業界の方々からしたら『禁断の内容』なんじゃないかと思うんです。
今後、自分みたいな「知ったかぶり全開」の人達がうるさくなりますよ!きっと!!

分からないからと言って流し見という訳ではなく、「マンガ家さんとアシスタントさんと」や「月刊少女野崎くん」みたいに、制作サイドの裏事情が分かるような内容の作品は、個人的に『大好き!』なんです!(笑)

その切っ掛けになっているのが、日テレやNHKがスタジオジブリ作品の制作風景を放送していたのが「興味深くて面白い」と思い、かじりついて見ていたからです。

棚には一切入れてはいませんが、アニメ好きになる前から、ジブリ作品だけは欠かさず見ており、DVD・Blu-rayも沢山持っています。
この自分が円盤にまで手を出しているのですから、自分がジブリ作品をどれだけ見返しているかは、言わなくてもお分かり頂けると思います(笑)

ジブリ作品の中で、背景・美術の最高傑作は『ハウルの動く城』です!
ここでは場違いなのですが、
まずは『ハウルの動く城』の色使いと動きの素晴らしさです。
ソフィーがお婆さんになって荒れ地に入った辺りから城に入るまでの一連の背景も、雲の動きも高度別に速度を変えて、動きや形をも変化させながら描いてあり、風にたなびく草花の描写も繊細で実に素晴らしい。
ハウルとソフィーが王様の城から逃げ出して、ソフィーが荒れ地のハウルの城を目指して飛んでいる所の、雨雲の下に延びてるラインも、その雨雲の下ダケ雨が降っているという証拠で、実際に雲を良く観察しているからこそ描ける物です。
背景・美術全体もそうですが、雲と言うならハウルの動く城は『素晴らしい雲』が沢山描かれている、本当に数少ない作品の1つです。

SHIROBAKOの13話目ほかで、背景の雲へのこだわりを指摘しているシーンが有ったので、触れてみました。

因みに、12話目で動物の動き(モーション)の付け方について触れてますが、動物の動きなら断トツで『かぐや姫の物語』です!
8話目や21話目の猫の動きにも関連しますが、かぐや姫の物語の動物の動きは本当に素晴らしいですので、興味の有る方は参考になさって下さい。

そんなジブリ作品は、自分のアニメを見る基準点となっており、だからこそ「作画が安定しない」「背景が適当」等の『手抜き』と思える作品が嫌いなのかもしれません!



2014秋期の1番は『四月は君の嘘』としています。
2015冬期の1番は『SHIROBAKO』に決定しています。
どちらも2クール物の作品で、じゃあ、どっちが自分好みだったか?と言えば『四月は君の嘘』と答えるでしょうが、どっちが続きが気になって面白かったか?と言えば、間違いなく『SHIROBAKO』と答えるでしょう!

自分がP.A.WORKS作品を合わないと思っていた理由は、まずは『キャラデザ』に有ったのですが、最近はもっと②少女漫画色の強い作品が増えたので少女漫画っぽく見えなくなって来た事と、正直見慣れて来てしまった事も有って、気にならなくなりました(汗)
後は、心理描写にリアリティーが有り過ぎで、昼ドラばりのドロドロ感が見てて「イライラするし鬱になる」ので避けていたのもあります。

P.A.WORKSの今作『SHIROBAKO』で1番良かった所は、【恋愛感情】が殆ど絡まない事に有ります!!
これは自分だけの感覚かもしれませんが、人の好みは十人十色で、2話目の「あるぴん派」「あやちん押し」ではないですが、視聴者個人個人が大好きになる登場キャラって居ると思うんです。
そんな1押しの登場キャラが作中でドロドロの恋愛劇を展開していたら、自分なら「ドン引き」します。
自分が大ハマリしている作品も、恋愛とは縁遠い内容が多いんです!「ガールズ&パンツァー」「咲-Saki- シリーズ」「けいおん!シリーズ」等!

それと、働く女の子シリーズでしたっけ?その「働く女の子」って所が自分には良いのかもしれません。
削除前でP.A.WORKS作品の感想を唯一書いていたいたのも「花咲くいろは」でしたしね(笑)
今回自分でもビックリしているのは、好きなジャンルなら『舞台背景が学校』で無くてもOKだったって事ですかね(笑)

決定的だったのが、OVAで実際に『えくそだすっ!』が出たことです。
OVAででも何でも、SHIROBAKOを見せられた後に、実際に『えくそだすっ!』と『第三飛行少女隊』を見せられたら、面白すぎて「かじりついて」見てしまいますよね!
こういう販売戦略なら、正統派すぎて応援したくなります!
2期制作時には、「武蔵野アニメーション制作」でOVAを先に出してから、その制作エピソードをSHIROBAKO2期として制作・放映するのも面白いですよね!

後は、「こだわりの強さ・妥協しない姿勢」が、とても高評価です。
色々な「設定の細かさ」も、本当に大絶賛です。
元ネタ関連は、皆様が詳しく書いてますので割愛しますが、正直『そこまでやるか!?』という詳細な設定の数々で、『スゲーっ!!』の一言に尽きます。
本当に本当に、『素晴らしい』の一言に尽きます!!



サブキャラが別人に見えたり誰だか分からなかったりと、作画が統一されてなく安定しなかった回も“多々”有りましたが、全体のクオリティは非常に高く、さすがはP.A.WORKSといった感じでしょう!

ただ、2クール目の「第三飛行少女隊」の飛行機の動きは、ジブリ作品「紅の豚」や「風立ちぬ」以上に違和感たっぷりでした。
特に17話目の第三飛行少女隊のPVの冒頭に出てきた5機の編隊飛行のシーン。
例えれば「釣糸やピアノ線で釣り上げ浮かせたダケの「プラモデルの飛行機」」みたいで、動きにリアリティーも臨場感も何も感じなかった事です。
旋回シーンでは、22話目で絵麻が言っていた通り「中割りの付け方」なのですが、PV冒頭のイメージが強い為にPV後半の飛行シーンも、空気や風という見えない大きな抵抗を押し退けて突き進んでいるという速度感がいまいち感じ取れなかったんですよね!
背景イメージで誤魔化してるようにしか見えなかった(汗)
安定的に飛ばすのと、無機質に置物のように飛ばすのは全く別ですから!

なるべく真っ直ぐ飛ばす、旋回シーンはアップで誤魔化すでは、全体的な物は見えてきません。
戦場の状況がある程度視聴者にも分かるくらいの「引き」のアングルでの旋回・戦闘シーンの動きが違和感なく上手く表現出来れば、個々の寄りがより生きてくると思いますし、1対1のバトルシーンの臨場感も上がると思うんです。
20話目の飛行・戦闘シーンは、良くなって来ているのですから!

CGで言えば、21話目のジェットコースターは大変だったでしょうねぇ!
力作だっただけに、素晴らしい出来栄えでした!



背景は絶賛とまではいきませんが、全体的にクオリティが高くて良かったと思います。
背景を担当しているメインの会社が『Bamboo』さんなのですが、建物を描くのが特に得意な会社なのでしょうか?
街並みや建物の背景はグレードが1段アップしますよね!
それに、背景での光と影の使い方、照りの描き方も素晴らしいです。
特に光・光沢の表現が凄く上手いです!

その中でも注目して頂きたいのが、「武蔵野アニメーション」の『社屋』の外観の背景で、あの七色に輝くピカピカしたタイルの特性を良く理解して描かれていて、時間帯や天候の表現をも、七色に輝くタイルを利用した光沢と色合いで、社屋の外観を通して上手く表現されていました。
凄く感心した手法の1つでした!

あと元ネタ云々には触れませんが、色んな作品のポスターです!
特に大爆笑してしまったのが、19話目の武蔵野動画内に貼ってあった『新造人間 ガチョーン』で、本当にあのポーズを描いてるのに気付いた瞬間、吹き出して笑ってしまいました(爆笑)

強いて言えば、草花や木々を描くのは苦手なのでしょうか?

あと雲に関してですが、同レベルの雲を描ける会社も何社か有りますが、雲に関してもレベルは非常に高いです。
実際に穏やかで無風に近い青空では、べたーっとした雲の日も多く、動きが無い分、質感を表現するのはかなり難しくなります。
今作では雲の標高・高度で異なる雲を描き分ける事で表現していますが、実際には雲の下側が水色に見える雲ってあまり無く、やはり青みがかっていても灰色がメインになるんです。
建物とかに例えると雲の灰色の部分は「影の部分」ですから、空の青と雲の白と影の灰色に光と光沢を加える事で、「Bamboo」さん独特の雲の表現も可能ではないかと思っています!
5話目後半の朝に遠藤が宮森を待っていたシーンの社屋の色合い、宮森が自転車で出勤してきた所の社屋、日の当たってピンク系の表現から一転して、遠藤が待っていた影の部分の紫系の表現。
雲も質感は違えど表現の仕方は同じですよね!!タイル1枚がミクロの水滴に変わったダケです。

第三飛行少女隊の背景として描かれた雲は、素晴らしい出来栄えでした!
夕方や日暮れ時の雲も良かったのですが、進撃の巨人にも書きましたが、「見たことの無い雲」なんですよね(汗)

あと、都会ではあんなにスッキリとした綺麗な青空って滅多に見えないのでは?見えたとしても冬場の早朝くらいではないでしょうか?
田舎者からしたら東京の風景って、STEINS;GATEでのあの風景そのものなんです!
まあ、わざわざ埃臭いガスのかかった、くすんだ空気感まで忠実に再現しなくても良いとは思いますが・・・(汗)

18話目に登場した「大倉さん」。
元ネタは「小倉工房」の『小倉 宏昌 氏』なのですが、全削除前のレビューの何処かで、自分がべた褒めした方なのです。
18話目の作中にも小倉工房制作の絵が登場していますので、ご覧になって下さい。

あと、2話目冒頭のしずかが持ってるビニール傘を通して見える向こう側の風景の描き方なんて良いじゃないですか!
更に2話目の遠藤と宮森が階段で話しているシーンの背後のガラスの表現の仕方と質感も良かったです。



2話目繋がりでもうひとつ!
2話目後半のキャラ認識の共有会議で、各キャラの年表・履歴紹介の後の全員が描かれているカット!
遠くて小さく描かれているキャラもしっかり分かるように描かれていて良かったです。
メインキャラやアップで描かれているカットはしっかり描かれていて当たり前ですが、引きのアングルでの大人数のカットって、遠くにいる人は小さく描かれるのは当然なのですが、小さく描かれる=なんとなく・適当に描かれる場合が殆どなんですよね。

視聴者からすれば、1話目の「えくそだす!」放送時の会議室に集まってるスタッフ1人1人紹介カットの絵がサブキャラの基本になって行くので、似てない・他人に見える回も多かったです。



ミムジーとロロの扱いや表現方法は良かったと思うのですが、2話目と9話目に登場した「集団催眠的表現」は流石に???でした(汗)
集中力が高まると、目を開けて他の事をしながらも、考えている映像が目の前にハッキリ浮かんできたり、聴きたい音楽を脳内再生させて聴けたりするものですが、それって誰でも出来る事だとは思わないんです!
アニメーターさんやクリエイターさんなら可能だと思うので、有りっちゃ有りなんでしょうが、それが大勢で一緒の物を共有できるとは到底思えないので、やっぱり分かりづらい演出でしたね(汗)

それで言ってしまえば、11話目の他社空想や19話目の武蔵野動画やチャッキー空想は面白かったのですが、賛否両論になりそうですね!

あと、ロロの目の大きさが話数によって違ったのが、少し残念です。



動きで言えば、19話目で髭仙人こと池谷さんが釣り堀で釣糸を上げるシーンでの「釣糸の動き」が本当に良かったんです!
これは分かって貰えないかもですね(汗)

個人的には16話目が1番好きなんです。
「エンゼル体操」と「女ゴスロリ甲子園」にやられました!(笑)

12話目の杉江さんは本当に良かったですね!
「えくそだす!」の完成と杉江さんのエピソードと1クール目のラストを飾る素晴らしい回となりました。
EDでロロのラブレターをミムジーが受け取ってくれましたしね(笑)
ただ、残念ながら馬が走るシーン!悪くは無かったのですが、思っていたほど素晴らしい出来では無かったですね(汗)
SHIROBAKOのOVAとしての「えくそだす!」は、わざとクオリティを押さえて制作されてるようですので、「えくそだす!」として見れば大成功なのでしょうが、P.A.WORKSとして考えれば、猫の描き方や動きと同じで『頑張りましょう!』ってレベルですね!!

あと、12話目のアンデスチャッキーのOPが流れて宮森が車で首を振ってるシーン!あの動きで良くOKが出ましたね(汗)

酷い繋がりで、15話目のサブキャラの作画の乱れは酷いです。
これまでも首を傾げる作画の乱れは頻発してたのですが、15話目は流石に見過ごせないレベルです。
18話目のアフレコ収録の場面も崩れてました。



2クール目のOPで雨雲の間から光が指すシーンが有ったので、しずかも必ず報われるとは思っていましたが、23話目でルーシー役で抜擢されたしずかがルーシーの台詞として『今、私、少しだけ夢に近付きました!』からの、あおいの涙!!

自分ももらい泣きしました。

まさかSHIROBAKOで泣かされるとは、思ってもいませんでした。(笑)



2クール目から登場した『久乃木 愛』さん!良いですねぇ!!
もちろんキャラも良いのですが、キャラと声が凄く合っていて、大のお気に入りになりました(笑)
『う~っ!』良いですよねーっ(笑)
調べてみたら、ガルパンの「そど子」の声優さんだったんですね!!

てか、絵麻って、久乃木さんの言いたい事、良く分かりますね(笑)



最後に、最終回にはあまり触れないでおこうと思いますが、最後の最後に詰め込み過ぎましたね(汗)

「水島 努 監督」の作品は、「大きく振りかぶって」「大きく振りかぶって ~夏の大会編~」「Another」「ガールズ&パンツァー」位しか見てませんが、水島監督って、カーテンコール風の〆方が好きなんですかねぇ?

そこをこだわって尺を使った為に、最終回が窮屈になったのではないか?と思っています!(笑)




SHIROBAKOのOVA「えくそだすっ!」見ましたか?

正直、普段なら絶対に見ない作品だと思いますが 、制作サイドの裏事情を知った後で見る事になったので、大変面白く拝見することが出来ました(笑)

ってか、地球ゴマの伏線って、気になりますよね!










動画って、安いと1枚100円。平均で1枚150円~200円。

原画は、安いと1カット2000円。平均で1カット3000円~4000円。
1カットに24枚使えば、1枚約83円~約167円。1カット10枚でも、1枚200円~400円であると教えてもらいました。

自分の言ってる事って、100円ショップで販売する商品に最高級の品質を望んでいるような物で、制作サイドの労働条件等々を解決しないと、ただの机上の空論でしかないのだと改めて実感しております。

「安かろう悪かろう」かぁ・・・。

・・・・・・・。

投稿 : 2015/04/20
閲覧 : 424

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