「ちょこッとSister(TVアニメ動画)」

総合得点
57.4
感想・評価
82
棚に入れた
517
ランキング
6828
★★★★☆ 3.3 (82)
物語
3.2
作画
3.1
声優
3.4
音楽
3.3
キャラ
3.5

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

Lovin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

観た感じ

■概要{netabare}
 原作:雑破業
 作画:竹内桜

 監督:黒田やすひろ
 脚本:雑破業
 キャラクタデザイン:北野幸広
 制作:ノーマッド
 話数:2クール全24話

 OP:「DokiDoki! My Sister Soul」
     by ハレンチ☆パンチ

 ED:「ねこにゃんダンス」
     by ハレンチ☆パンチ
{/netabare}
■感想
 原作漫画は未読でレンタルDVDを視聴。空から女の子が降ってくる話。

 最初に書いておくが、決してねこにゃんダンスや妹属性に興味があったわけではない。大事なことなので繰り返すが、決してねこにゃんダンスや妹属性に興味があったわけではない。書けば書くほど信用できないことはわかっているが、決してねこにゃんダンスや妹属性に興味があったわけではない。ただ何となくキャラデザが嫌いではなかっただけで、決してねこにゃんダンスや妹属性に興味があったわけではない。

 {netabare}とまあネタは此れくらいにして、主人公が幼い頃に持ったクリスマスの小さな願いが、十数年越しで叶えられてしまう。だが何故十数年後なのか?何故叶え「られてしまう」なのか?ネタバレタグ以前の記述に答えがある。・・・ネタバレしないようにと心がけながら書いているのに、冒頭のネタを書きたいがために出オチという本末転倒に陥っている。つまり究極的に要約すると、ねこにゃんダンスと妹属性になるのだが、それだけでは余りにも簡素過ぎるので幾つかの感想やツッコミを書いてみる。

 {netabare}まず作画や雰囲気についてだが、一見綺麗に描かれているように見えなくもないが、細部に雑な部分があって少し残念だ。また原作の連載は2003年とあったが、TVが「昔ながら」のブラウン管TVだったのも残念なところだ。当時としてはブラウン管自体が珍しいわけではないが、チューニングにはダイヤルをガチャガチャと回さねばならない「昔ながら」のTVは流石に珍しいだろう。おまけにダイヤルは1つなので、VHFかUHFの何れか1波しか受信できないように見える。まるでボタンが9つしかない公衆電話の画像を見ているようだった。他にも回によって扉の開く方向(内開きか外開きか)が違っていたりと、これは設定の範疇なのかもしれないが一寸雑過ぎる。
 あとEDにも普通に出てくるラジカセやビデオデッキ。こちらは単語自体が死語と言うか、カセットテープが一般的ではなくなったと思うのだが、しかも再生や停止と言ったスイッチがガチャッと押し込むロックスイッチで、時代背景と一致していない気がする。CD世代やダウンロード世代には早送りや巻き戻しという機能を理解することは出来ないだろう。時代設定は80年代だとでも言いたいのか。ビデオデッキについて当時の記憶は一寸ないが、HDDレコーダは一般的ではなかった気がする。ロストテクノロジーに触れられてある意味感慨深いものはある。
 まあ作画自体は例のものごっつい沢山の妹が登場するシ・・・作品や、教師限定ハーレムのH・・・作品よりはマシだと思うが。
 作画はマシだとは思うが、観続けて気になるのが動画や演出だと思われる部分だ。あるキャラは嬉しいことがあった場合を表現するのに腕を大きく振りながら指をパチンと鳴らす行為、所謂指パッチンをするのだが、その時の腕の振りがスローではないのだが一寸勢いがない。また、嬉しいことがあったからといって指パッチンというのも昭和臭が溢れ過ぎている。今時なら抱きつくなどになるのではないだろうか。ここまでのレビューを要約すると、映像的にはかなり酷いレベル、の一言になる。

 そして主人公が暮らす「つばき荘」というアパートを中心に描かれる話で、有名なところで言うと「めぞん一刻」に似ていると思う。勿論本作品が後発なので仕方がないとは思うが、「めぞん一刻」の六本木朱美っぽいキャラが居る。また、リクルート中だが四谷さんっぽいキャラも居た。そして毛先が攻撃的で純朴そうな管理人さんも居た(本家の管理人さんが純朴だったのかは怪しいものだが)。あの毛先、そのうち顔を覆い尽くすのではないかと思うくらい前のめりで、管理人さんがカットに行きたくなるタイミングは「視界が狭くなったら」なのかも知れないと、フィクションに対して妄想が働いた。

 しかしこの作品、なかなかにギリギリの描写があり何かの法律や条令にヒットしそうなので、地上波での再放送は厳しいのではないかと思う。私が観たのは、パンツワイシャツで出てきた管理人さんの二つの胸のトップオブザマウンテンや妹(少女)の裸エプロンに謎の光が差し込んでいないDVDなので多少過激度が高いとも言えるが、「こどもの時間」ですら一悶着あった事を考えると、有料チャンネルでの再放送でも厳しいと思える。ただ前出のように期待すべき作画ではないので動きのあるシーンでは色が塗られていなかったりと、そういうシーンでテンションを上げた方には思わぬしっぺ返しがあるかもしれない。どちらにしろエロさ加減はそれほどではないものの、倫理的な意味や様々な理由でTV放送に期待すべきではないだろう。

 妹は学校に通っていない。彼女特有の物怖じしないコミュ力で友人は沢山居り、商店街でも店主達に顔を覚えられるくらいには有名である。だがその事実に対して誰一人として疑問を持たない。近所付き合いや人情が薄れていると言われる昨今に於いて、作中ではそういった雰囲気を感じないのだが、「学校には行かないのか?」という疑問や心配を全くしない。まあそれをすると話が終わってしまうことくらいわからんでもないが、口に出さずとも少しくらい考えても良いのではないのか。

 とある理由でイケメンが一人登場するが、流石と言うか右脳を使うイラストレーターという仕事のせいか個性的な髪型をしている。ただ私にとっては余りにも個性的過ぎてとても真似できない。その個性的さの度合いとしては「妖怪人間ベロ」と形容するのがストレートに伝わるだろう。

 電車って、一般的な家屋の窓みたいに左右に開く窓があると斬新なんだけど、実際には存在するのだろうか。新幹線のように開かないか、上に持ち上げる窓が一般的だと思うのだが・・・

 後半にあるプール回で水着を選ぶと言う定番のシーン。チョモランマ級の山岳をお持ちの管理人さんが大胆な水着を試着していると周囲の注目を集める、というこれまた定番の展開となるが、その周囲には男性客も居る。いやいや、其処は見ちゃダメでしょう。女性の居る試着室を凝視するなど、新たな事案が発生してもおかしくはない。

 同じ流れの祭り回では、妹がスタッフの玩具にされている、と感じた。と言うのも、出店で買ったチョコバナナを食べるシーンが、何処かで観た演技のようでわざとらしくあざとい。普通狙っている場合を除いてあんな食べ方はしないだろう。あれは妹に多大な幻想を抱く方々に対するサービスなのだと思いはするが、余り快いものではない。

 最終話で調理をしている管理人さんが放った一言には、此れまで私が想像していたことが間違っていたのではないか、間違っていないことを確認しておくべきではないかと、つまらない自信のようなものが揺す振られた。しかしここは敢えて頑なに調べないのが我流スタイル。あの一言はやっぱり時代錯誤ではないかと。
 あと妹の知人の集まりで全員がねこにゃんダンスを踊ると言うシーンにて、全員が全員、一糸乱れぬアクションである意味美しいのだが、四谷さんキャラまでもが一緒であったところに最後の爆笑ポイントが控えていた。
{/netabare}{/netabare}

 前半には余り主張がなく主人公の恋愛事情が軸になるのだが、描かれるエピソードの大半は妹が中心の話となる。主張がないと書いたのは失礼かもしれないが、この設定で私でも考えられるエピソードの範疇で余り目立つものがないと言うことだ。

 後半は件のねこにゃんダンスが登場して一大旋風を巻き起こす、わけでもないが、作中では流行していると言う設定で、妹に対して並々ならぬ興味をお持ちの方は、妹×猫のコラボレーションが堪能できるだろう。それだけではなく、妹に年齢の近い同性の友人が出来る、登場がそれほど多くはないものの、キャストは釘宮理恵ということで流行病を患っている方の急場しのぎにはなるかもしれない。

 物語として全体的にシリアスな展開は非常に少ないが、登場人物の過去には一寸切ない話もある。だがそういう切ない話は余り具体的な描かれ方はしないが、四谷さんキャラの過去話が中心のエピソードでは若干濃い目になっており、案外心に来るものがあった。

 まあ2クール全24話も観ていればある程度の感情移入も出来る。常日頃からあんちょこに頼るくらいに一般常識を知らない無垢な妹が、様々な物や人間達と触れ合いながら知恵や知識を身につけ成長していく姿を愛でる、と言う楽しみ方も出来るし、単純に妹と言う存在に興味があり愛でながら下衆く笑う、という余り近寄りたくない楽しみ方も出来る。世間一般で言う方ではなく我々の界隈で言う方の妹に興味がある方にはお奨め出来るとは思う。

■蛇足{netabare}
 ブレンパワードはOPなのに規制が入っていたが、

 アレは謎の光ではなく謎の影だったな。

 遥か上空で奇跡的な動きをしていた

 巨大な飛行物体でもあったのだろうか。
{/netabare}

投稿 : 2015/05/24
閲覧 : 494
サンキュー:

23

ちょこッとSisterのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
ちょこッとSisterのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

Lovinが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ