紫煙の心 by斑鳩 さんの感想・評価

2.6
物語 : 1.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 2.5 キャラ : 2.0 状態：観終わった

１話目は良かったが・・・2番煎じ

物語の展開が微妙な作品。

原作を未読で第1話を視聴した感想は
「物語のプロローグとしてはとても面白い、これから期待できそうだ」が
１話目を視聴しての感想だったが２話目で
「ん!?学園物にシフトチェンジするの？」になり３話目から
「ああ!この作品は腐女子を対象にした作品なんだ」に変わってしまった。

今回本作のレビューを書くにあたってざっとWikipediaを読んでみたが鏡貴也氏が
本作の原作者だと始めて知った、正直この人のアニメ化された作品は世界観や
人物設定など原案は良いけど残念ながら物語りは面白いと思えたものは一度も無い。
本作も世界観は良さげなんだけど、軍という組織にいるのに周りにひたすら噛み付き
上官にも反抗する知恵遅れのような主人公
確信的な事柄を知っていそうなのに何も語らない非協力的な柊シノア
主人公同様に協調性が無くひたすら周りに噛み付きまくるチームメイト
作者の狙いとしては協調性の欠片も無い馬鹿野郎共が戦いをくぐり抜いて行くうちに
強い絆で結ばれていくという演出をしたいのがみえみえです。
本作の舞台設定が学園物で部活などが舞台ならありかもしれないが、人類の存亡を
かけた命がけの戦いをチームで行っている時に、己の我を通す主人公たちに
強い嫌悪感を感じます。
第2話から7話まで物語の展開は場当たり的な創作をしたのかと思うほど
半端な出来でした。

作画はプロダクションIG傘下のWIT STUDIOなので丁寧な仕上がりですがきれいな
絵面だけに細かいディテールが気になってしまう、たとえば将校クラスが略章や
モールを装着した第一種軍装で前線などをうろちょろしない。
主人公たちも戦闘服というより制服といったいでたちなのも違和感がある
まぁそのあたりの絵はBLのネタ元としてはこの方が良いのだろうが(笑)

7話まで視聴してトータル的な感想は
放映前から話題作だったので期待をしていた、作画は丁寧に仕上げてあり綺麗な
絵なのだが物語の出来が作画に追いついていないのが残念。
今後の展開しだいだが現状では７話以降はストーリーを確認するためだけに
時短再生で視聴する事になりそうだ。

　　　　　　　　　　6月28日　追記

結局、8話から最終話までの視聴は1.5倍速の時短再生で視聴してしまった。
心惹かれるような展開になる様子もなかったので流し見になってしまったが
しょうがないかなこの内容では。

本作を視聴していて序盤からなんとも言いようがない既視感があり、最初に
本作のレビューを書いた時は確信を得ていなかったので書かなかったが
改めて考察してみると本作は『進撃の巨人』にストーリー構成やキャラ設定が
良く似ているということに気がついてしまった。

家族が敵に殺されその場を脱出し訓練所に入り前線で戦う。

ざっくりとだけど大まかなあらすじは両方共似ていて、また本作の主人公
百夜優一郎の台詞も進撃の巨人主人公エレンの台詞と同じような台詞がある
似たような舞台設定とキャラ設定なら似たようなシナリオになるのは
しょうがないかなと多少は思うが、ここまでストーリーの進行が似てくると
違和感が出てしまう。
本作と『進撃の巨人』のスタート時期を考えてみれば、本作の原作者鏡氏が
本作の着想の段階で『進撃の巨人』から影響を受けてしまったと思えるのだが…

まぁ進撃の巨人の作家さんも何かの作品に影響を受けて創作したと語っている
みたいだし。あからさまに本作をパクリ作品とまでは言わないが本作の内容の
出来具合ではオマージュ作品とは言いがたく、劣化した2番煎じの作品としか
言いようがないのは残念。

本作は分割２クール構成のようで、2015年秋クールの２期を放映するようだけど
秋クールがよほど凶作だとか、面白い展開になっているとかの情報があれば別だが
まぁ視聴することはないだろうな。