ろき夫 さんの感想・評価

4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

幸村誠、恐るべし。

いろんなところでよい評判を聞いてたので観てみることに。

内容はやや重め。ギャグを交えて軽くはしているが…。
近未来の宇宙を舞台に、国家間の貧富・紛争。人種差別。それが原因で生じるテロ問題をテーマに扱う。
それだけでもお腹一杯なのだが、個人的なメインテーマとしては、夢を実現しようと奮闘する
主人公「ハチマキ」の葛藤である。

適当な言い訳を並びたてて夢を諦め、「これでよかったんだ」と自分を納得させて…。
これは生きていくうえで身近な問題なだけに、上のスケールのでかい問題よりもよっぽどゾッとさせられましたね^^；
全身が痛くなりましたｗ

結局、自分との勝負なんですよねー。

でもそれは、裕福な層(一応、日本人とか)の場合にあてはまることで、貧困や人種差別を抱えてる国の人は自分に打ち勝つだけでは夢を実現できない。どうにもならない事情があることを認識させられました。
努力だけでなんとかなる内は、まだ幸せなんですよね^^；

でも、こういった事実を知りながらなかなか努力できない私自身のことを顧みると、鬱が止まりませんでしたｗｗ(-人-;)ｵｲﾂﾒﾅｲﾃﾞｰｯ!

また、主人公の葛藤の上で重要な役割を演じるのがヒロインの｢タナベ｣。この名前を聞くと稲中を思い出し、あのイメージが先行してしまい「ヒロインの名前じゃねえだろ、ププッｗｗ」という感じになってしまうのだが、このアニメのタナベもなかなかキャラが濃い。そして別の意味でクサいｗ

始終、正論を吐きまくり、ウゼーッと主人公の気持ちに共感してしまうのだが、ここまでネジがはずれてると逆に清々しいものがある。
次第に主人公はタナベに感化されていき、夢実現のために何もかも棄てる覚悟だったのだが、行き詰まってしまう…。
そんなとき、答えを求めタナベに会いに行く。

全ての存在が宇宙へと繋がっていて、もちろん自分も繋がっていて…ゆえにすべて愛すべき存在なのだと。

…とかなんとか、主人公が悟っちゃて、完全に置いてきぼり食らいましたねｗ崇高過ぎてついてけねーよっ。

がむしゃらに夢追いかけるだけでカッコイイのに、そんなたいそうなこと悟られちゃねぇー。
これはイケメンキャラの仕事ですよーっ!ハチマキさんｗ
顔が普通でよかったですε-(;ｰωｰAﾎｯ
素直に内面を観ることができますｗ

まぁ、この作品自体、萌えキャラとかとは無縁なので、純粋にストーリーを楽しむことができました^^

原作も読みましたが、ロック・スミスはアニメだとキャラ薄めですね。タナベも若干変わってるし。
でも、アニメオリジナルの構成・要素もなかなかよかったと思います。

幸村さんの作品は奥深いですね。ヴィンランドサガもおススメです^^