「心が叫びたがってるんだ。(アニメ映画)」

総合得点
78.3
感想・評価
1197
棚に入れた
6262
ランキング
553
★★★★☆ 4.0 (1197)
物語
3.9
作画
4.2
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

ostrich さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

冷静に評価できない作品

タイトルの通り、冷静に評価できない作品というものがある。
劇中にあまりに自分の体験やトラウマに近いシーンがあると、それだけで作品そのものを大好きになってしまう(あるいは大嫌いになる)、ということがあり、本作はまさにそういう作品だった。

一応、評価の星はつけたが、それは私がこれから書くシーンを体験したことがない人が観れば、こういう感じなのかな、という評価であって、個人的には何の意味もない。

誰かを愛するときに、その理由を語ることが難しいのと同じだ。

その人の美点(顔がかわいいとか、スタイルが良いとか、頭がよいとか)が、そのまま愛情に変わるならば話は早いわけだが、実際にはそうではなく、その人のある一面を見てしまった、遭遇してしまったために、決定的にその人を捨て置くことができなくなってしまうこと。これが、愛情の本質だと私は思っている。
そして、その一面が自分にとってどのような意味を持っているのか、それは、つまり、愛情を抱く理由ということになるわけだが、それを説明するのは本当に難しい。

本作の話に戻ろう。
私にとって、本作の「ある一面」とは、言葉が発することができないヒロインと男主人公との{netabare}ケータイでの{/netabare}やりとりだ。
私は10年以上前に実際にああいうやりとりをしたことがあるのだ。立場は男主人公の側だった。

それは現在の私に良くも悪くも大きな影響を残している出来事で、そのためなのかどうかわからないが、思い返してみれば、そういう出来事があったことを誰かに話したこともなかった。それどころか、私自身、本作を観るまで忘れていた。

そして、まったく出会い頭に、私にとっての10数年前の出来事がスクリーンで再生されることになったわけだが、そうなると、もう、いけない。私はヒロインも男主人公も決定的に捨て置けなくなってしまった。

たとえば、ヒロインのわがままぶりに手厳しい評価のレビューもあって、冷静に考えればその通りなのだが、でも、違うのだ! おまえらはヒロインのことを何もわかっていない!
…と言いたくなってしまうほどだ。

とはいえ、細かい部分で注文を付けたいことは私にもある。
たとえば、{netabare}ミュージカルについて。あれはもう少し丁寧にお話を説明、あるいは、絵として見せる必要があったと思う。
それは歌詞についても言えて、違う歌詞とメロディーを同時に歌うというアイデアはとてもよいと思ったのだけど、歌詞がよく聞き取れないのはいただけない。たとえば、字幕を使ってもよかったのではないか、{/netabare}などと思う。

が、あの{netabare}ケータイでの{/netabare}やりとりを観てしまったことで、そんなことは些末な問題になってしまった。
私はあのヒロインが大好きになってしまったし、男主人公の心の動きとも完全にシンクロしてしまった(彼の最終決断もふくめて、だ)。
だから、もう、この作品についてはそれ以上のことは何も言えない。

ただ、この作品が好きだ、と私の心が叫びたがってるんだ。

投稿 : 2015/11/24
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