「涼宮ハルヒの憂鬱(TVアニメ動画)」

総合得点
89.4
感想・評価
7750
棚に入れた
33164
ランキング
80
★★★★★ 4.1 (7750)
物語
4.0
作画
4.0
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.2

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ネタバレ

Raica さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

放送から10年、今振り返る自分のアニメの原点作品

 この作品を初めて見たのは2008年、高校一年生の時です。当時はアニメオタクなるものは理解ができず、美少女ものとか萌えとかはもちろん理解できず。でもある日試しに見てみるかということで本当にちょっとした好奇心で見てみたのです。そこからはひたすら世界観に引き込まれてアニメの世界に旅立ちました。

原作はすべて読了、映画の消失も見ました。

このシリーズの魅力は、5人のキャラそれぞれのキャラがとても濃いのに、見やすい作品であることだと思います。

キャラクターを重視するあまりストーリーを重視しなかったり、やたらと萌えを強調しすぎて見づらい作品はたくさんあります。

この作品はしっかりとしたストーリー設定があることが強みです。ある意味「設定勝ち」していると思います。
{netabare} 一人の少女が無意識のうちに世界を改変しており、宇宙人、未来人、超能力者がそれぞれの目的のためにその周りに集い、なぜかそこに巻き込まれた平凡な人間である主人公。ハルヒ本人にばれないように彼らが策を練り世界の平和を守る。{/netabare}
 このような世界観そのものがとても面白いです。
やはりどの作品の完成度というのは結局ストーリーが面白いかどうか、これにつきます。そしてストーリーものもとになるのは世界観。ハルヒはこの時点で大きなアドヴァンテージを持っているといえます。

 その上で少し恋愛の要素があったり音楽、作画も素晴らしいものです。「いかにも恋愛」ながちがちな恋愛ものだとこってりしすぎてみる気が起きないです。しかし本作品は要素の一つとして恋愛を程よく絡めているので、ちょうどよいと感じます。それでいて恋愛を強調するところは強調している、このメリハリが素晴らしい。{netabare}2006年放送の最終回(憂鬱Ⅵ)の異世界から帰ってきた朝のハルヒのポニーテール、長門の「また図書館に」。{/netabare}こういったたまに出る恋愛感がグッときます。ようは「ツンデレ」という一言に尽きるのでしょうが...よくある「ツンデレ美少女アニメ」ではそれを売りにしすぎて、ツンデレの場面を多くしすぎて、「またか。」という感じを視聴者に与えてしまいます。ハルヒは、そのバランスが良く、ハルヒ自身もツンデレなのでしょうが、このアニメの制作班がツンデレというか...制作班は本当にバランスよく恋愛要素を取り入れていると感じました。

 音楽、作画、これは10年たった今放送しても通ずるものです。これを10年前に実現していたとは信じられません。God knows...の演奏シーンなどは鳥肌モノです。

 本シリーズは2006年版、2009年版、2010年に映画、スピンオフ作品で2015年に長門有希ちゃんの消失とあります。
 2009年版で追加されたアニメは少し残念なモノでした。エンドレスエイトは言うまでもなく、溜息もいまいちだと感じました。2006年版の完成が高すぎてハードルを無意識に上げてしまっているのか、それにしてもスタッフの「やる気」があまりないと個人的には感じてしまいました。でもそれに比べ映画は素晴らしいものでした。映画の消失に本腰を入れすぎてアニメがおろそかになったのでしょうか。映画をやる以上、「笹の葉ラプソディ」を事前に放送しないといけないので2009年に新エピソードを放送しなければならない状況だったのでしょう。 
 2015年に長門有希ちゃんの消失が放送されたのは我々ハルヒファンにとっては一筋の光でした。驚愕が発売されて以降ハルヒシリーズには何も動きがなく、ハルヒが話題に上ることもなくなってしまっている状況で、スピンオフで制作会社も違いますが同じキャラが放送されるのはやはりわくわくするものでした。一番の収穫は、しっかりとそれぞれのキャラの声優が本家と同じ声優を起用していること。大人の事情などある中で、2015年にも本家ハルヒの声優が集まってアニメを完成させられたことがどんなにうれしいことか。ハルヒ三期が同じ声優でできることが実証されたようなものです。
 本家ハルヒの三期を望みながら昨日から社会人になってしまいましたがそれでも原作の続編とアニメの3期を待ち続けます。

 ハルヒという作品はのちの作品にも多大なる影響を与えたもので、現代深夜アニメのパイオニアといっても良いと思います。学園モノ、ハーレム系、萌え系、やれやれ系主人公、ツンデレ、学園バンドなどの要素はここが原点ではないのかとも思います。もっと前の原点だとエヴァンゲリオンなどあると思いますが...。
 ハルヒを含む2005年から2007年あたりの深夜アニメは本当に一番熱い時期だと思います。それ以降は模倣など目新しさがない作品も見られるようになっていると感じます。

 今もたまにアニメを見ますがこの作品の存在を超えるものには出会っていません。出会ってから8年ですが、今でもたまに見たくなります。まだ見ていない人は見てほしいです。

投稿 : 2016/04/02
閲覧 : 602
サンキュー:

7

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