「PERSONA3 THE MOVIE #4 Winter of Rebirth(アニメ映画)」

総合得点
66.0
感想・評価
77
棚に入れた
464
ランキング
2990
★★★★☆ 3.8 (77)
物語
3.7
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.9
キャラ
3.8

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ネタバレ

chariot さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

四部作最終章。ゲーマー以外にも観て欲しい作品です。

ゲームを原作とする劇場作品全4章の最終章。
(繋がりのある構成なので3章までの視聴は必須です)


観て来ました、最終章。
なんだろう…観終わってすぐにまた観たい気にさせられた作品です。
ゲームの良シナリオをしっかりと表現しつつ、プレイヤーである「結城理」を中身のある主人公キャラに仕上げた力作。
理を中心としながら仲間たちの心情にもきちんとアプローチを忘れない丁寧な演出。
後半の理の「生」の意識の変革と選択、戦闘、BGM(挿入歌)…全てが噛み合って静かなラストを迎える。

原作プレイヤーとしては大満足、1章の時点でやや難はあるもののプレイしていない人にも受け入れられる作品になればいいなあと思ったのですが、最終章を経てP4A(アニメ化したメガテンシリーズ中で最も評価した作品)を上回る良作となった気がします。

全4章の中で理の淡白な性格を表現し、仲間との絆を描き、最終決断をする。
人として生と死を理解して、選択する、1章の頃に比べてしっかり成長した理の姿がとても印象に残りました。


・作画/演出
★雪
僕のようなにわかにもはっきりと解る「雪」演出のこだわり。
教室などで窓の外で降る雪が教室の中の光の当たる部分に影となって降る演出は目を惹く。
途中で雪が赤くなり、ノイズの入ったBGMが流れるシーンは不穏さを最大限まで引き上げる効果抜群でそのセンスに脱帽。

★ニュクス・アバター
CGバリバリでまるでゲームそのままな感じが逆に良かったです。
{netabare}「そのアルカナは示した・・・」淡々と紡がれる言葉と、次々と召還されるペルソナ。
スピード感や達成感の薄いバトルシーンでありながら徐々に疲弊して行く理や下層で戦う仲間たちのシーンも織り交ぜて、何よりも人生を辿るアルカナの戦闘を省くことなくやりきった所は高評価したい。
(ただし覚醒に関しては唐突さがあり、無理にねじ込まなくても良かったかも…){/netabare}

★エリザベス
{netabare}まさかここでコミュを挟んでくるとは思わなかった…。(PVでは観ていたので出るのは知ってましたが)
全体的に重く、みんなが悩み苦しむ4章に於いて唯一明るさを持たせる機転の利いた挿入。
彼女と街を巡る事で理が仲間との絆を意識する(パンフレット対談より引用)…事がメインなんですが、エリザベスの言動が可愛くてそれどころじゃなかったのも・・・(笑){/netabare}

一部に作画の悪い面の見受けられましたが(引き絵が顕著)、全体の色使いが綺麗な面と前出の雪のこだわりで評価4.5にしました。


・声優
トンチンカンな感想なのかもしれませんが、とりあえず石田。
{netabare}アイギスが影人間の群れに呑まれるシーンでの絶叫は、石田推しで多くの出演作品を観てきた僕でも鳥肌の立つ演技でした。
声が割れるぐらいの叫びは未だかつて聴いたことがない。
理の守りたかった者が救えない絶望の大きさ、理の仲間を思う強い気持ち、1章の頃の無気力無関心な理の変貌の全てを表す絶叫に圧倒されました。 {/netabare}
他に書く事ないのかよ…と言われそうですがベテラン揃いなので評価を下げるような点はなかった…です。
でもやっぱり緒方さんはうじうじすると有名すぎる某キャラとかぶるのでそこはこの作品に限らず厄介ですね。。

ゲーム音声を使い回しではありますがイゴール(田の中勇氏)の出演をはずさない気遣いは◎
イゴールなしでは語れないペルソナシリーズ、偉大なセリフを堪能出来た点は感謝したいです。


・音楽
ED曲「僕の証」、ゲームのED曲「キミの記憶」と対になる曲でかなり似ているのですが、主人公視点と仲間視点の違いでこれも良い曲。
しかしやっぱりゲームプレイヤーとしては「キミの記憶」が流れるとそれだけで感情移入出来てしまう・・・嫌なところで挟んでくるあざといまでの演出も良かったです。
あざとさ込みで5.0にさせていただきました。


・物語
原作に忠実に終わらせてます。
P3シナリオは最高に良いと思い込んでいる僕の評価ですが(客観的に見られていないです)4.5で。
3章まではいくらか尺に収める為に駆け足な面もあったのですが、4章に関してはラストバトルに向けての思いや決意、バトルも丁寧にしっかり作られていました。
ストレガの人たちに関してのみ扱いがさらっとしすぎな気もしますが…
そっちに取る余裕はないので概ね問題ないです。


・キャラ
結城理というキャラのはっきりと感じられる成長が描かれ、自分の中で好感度の上がっていくのを実感出来る設定。
ゲーム内だと選択肢しかないので、人物として構成しなおし彼を中心とした物語として成り立たせ、薄かった影がだんだんと色づいて主人公らしいキャラに成長した点は評価したい。



まとめ。
ゲーム未プレイの方でも観られる作品です。
{netabare}(いきなり「メギドラオンでございます」と言われてもピンとこないのはあるかもですが…){/netabare}
生と死を考えさせられるテーマ。
バトルシーンに於いても展開に於いても爽快感は少ないですがしっかりした軸のあるお話に仕上がっていますので、全4章観ていただけたら、と思います。

投稿 : 2016/01/31
閲覧 : 337
サンキュー:

8

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