STONE さんの感想・評価

3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

終盤が勿体ない

　原作は未読。
　基本的には退魔バトルもので、割とオーソドックスだが、
しっかりした作りの印象。
　終盤になると、話のスケールが急に大きくなるが、これが
急すぎてキャラ達がそれに付いていけていない印象。また、
少ない話数で展開を大きくしたため、プロットが雑にも
見える。
　この終盤は原作にはないオリジナルストーリーらしいが、
このオリジナルストーリーは、原作を上回る魅力が無かったの
かな、と思ってしまった。
　バトルものであるが、「育ての父の敵である、実の父を
倒そうとする」という一種のジレンマを含んだ主題が、この
作品のポイントに思える。

　また、主人公の燐はサタンの血をひくため、絶えず疑いの
目を向けられる。悪魔と戦う以上に、エクソシスト仲間の
信頼を得ることに苦労するが、これが燐の個性を強めている
印象。
　この燐だが、目の前のことに熱くなるあまり、回りのことが
全然見えなくなる。正直、見ていてイライラさせられることも
あるが、この燐の熱さが話を引っ張っていっているのも事実。
　一方、弟である雪男だが、こちらは一見冷静な印象だが、
「悪魔から燐を守る」という行動理念が強く、この理念に拘る
あまり、やはり回りが見えなくなることがある。燐と違って、
内に秘めた熱さがある男で、「やっぱり兄弟だなあ」という
印象。

　話の大半はエクソシストになる学校が舞台で、一種の学園
もの。この手の学園ものは主人公が学校内のライバルと
戦ったりする展開が多かったりするのだが、この作品は
あくまで戦うのは悪魔相手で、学校内で生徒同士が戦うような
展開はなく、学校はあくまで仲間を増やす場という扱い。
　この仲間達はそれなりに魅力的なキャラであるのだが、
終盤になると敵が強大になり、それに見合う強さを持って
いないために、あまり出番が無くなってしまう。なんか勿体
ない。

　あと面白いなと思ったのは、ヒロイン(しえみ、出雲)が
いわゆるアニメ・漫画的な美少女ではない容姿だったり、
女生徒にモテる設定の雪男がイケメンではなく、どちらかと
いうとのび太顔だったりと、ステレオタイプな容姿設定とは
ちょっとずれている印象。それがこの作品の個性なのかな。