「少女たちは荒野を目指す(TVアニメ動画)」

総合得点
63.3
感想・評価
591
棚に入れた
2890
ランキング
4331
★★★★☆ 3.2 (591)
物語
3.0
作画
3.3
声優
3.4
音楽
3.2
キャラ
3.2

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ネタバレ

アレク さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

う~ん見たかったのとは違ったかな

このアニメはPV見たときから注目していてまず数々の話題作を世に送り出してる
ライターであり仕掛け人タカヒロさん企画、アニメでは人類は衰退しましたで有名で
エロゲ業界からも評価が高い田中ロミオさんがシナリオ担当、きんいろモザイクや
ろこどるなどを手掛けてる個人的に大好きな脚本家綾奈ゆにこさんがシリーズ構成と
しかも勝手知ったるエロゲいやもとい美少女ゲーム業界の舞台裏を描いてくれるということで
「荒野を目指す」というタイトルが示すようにバクマンやSHIROBAKOのように
精神力はゴリゴリ削られそうですが甘くない現実に立ち向かいながら
夢を形にしていく過程みたいなのが見れると期待してました。

{netabare}実際一話はすごい良かったです、夕夏のさりげないアドリブで彼女の演技力の高さが
表現されてたし脚本は文太郎が書いたということ、さらに学校やバイト先の振る舞いで
自然なキャラ紹介をしていてよかったです。それに毎日忙しくしていても
道を定められない不安な感じや、夕夏の「一日二十四時間じゃ足りない」なんて
言葉にはまだまだやり足りない飢餓感というか若々しいパワーがあふれていて
その才能なりエネルギーなりがこれからぶつかり合って一つの作品ができていくのかと
いい滑り出しだと思いました。

しかしそこからの展開というのがいまいち想像していたのとは違う、キャラ紹介が若干
唐突なのはその後のプロットもあるであろうからまだいいとして、
まず彼らの役割分担というのがあまり見えてこない、プロデューサーである黒田さんが
関係各所の根回しとか今の流行りとかニーズとかを見て受けそうな
題材を企画、なのかな?ライターである文太郎が細かくストーリーを肉付け、それ以外の人も
各々の受け持ちを担当というのはいいんですが作中ではイマイチその役割分担が機能してないように感じた。
特に黒田さんの役割って売り上げが大きく左右される大事な舵取り役だと思うんですが
残念ながらあまりその大変さとか細かいディティールが感じられなかった
(プロデューサーの仕事を作中の手掛かりから勝手に想像しました間違ってたらすいません)
夕夏も後半まで遊ばせているのももったいないと感じたし、声優という役割ゆえの性質なので
彼女の責任ではいがもっとフォローとかの役与えてもいいんじゃないかと思いました。
作ってるゲームがどんなものかもイマイチ不明瞭なのでゲームが完成しても
作り上げた喜びの共有というものができなかったし缶詰などそれっぽいイベントはあるが
ゲーム作りの実際というものが作中であまり見えてこなかった印象です。

中盤の安東の一件にもあるようにキャラが未成熟な点も気になりました、
高校生なのでそういう点も差し引いたとしても黒田さんが説得を丸投げしてるのはちょっと・・・
それは本来彼女の役目だと思うしコミュ力低いのを自覚しているとしても
ライターである文太郎に負担かけるのはダメだろうと、しかも彼女が発起人なんだし
無理してでも大人になんないと、これに限らず俯瞰目線のまとめ役って描くの難しいと思いますが、
裏では仕事してるかもですが作中では後から文句つけるだけという役回りに見えてしまうんですよね。


それに一話で覚悟した社会の厳しさや壁といったものが作中では感じられない
後半とあるライバル会社とゲームの本数勝負をするんですけど実際の社会ってこんなわかり易い
敵はいないがでも日々戦っていかなければならないしオリジナルブランドとして
自営するのであればなおのことだと思うんですがわかり易さを重視したにしても極端すぎる
エンタメとして本数勝負するのはいいと思うがお互い業界内の噂とかもあるので
もう少し自然な形で持って行ってほしかった。

さらにここら辺から自分が見たかったものとの齟齬が一番出てて、ゲームの本数勝負で
仲間たちが売れ行きを心配してる時、黒田さんが自分たちの作ったゲームは
ライト層をターゲットにしてるから本数勝負では有利だと発言するんですがまず作るゲームを
どの層のニーズに応えるかターゲットを絞る段階でライターとプロデューサーが一戦交えて欲しかった、
ライターをやってるなら通に認められたいと思いますがみんなに知ってもらうには
圧倒的にライト路線のほうがいい、そこでライターと商業視点のプロデューサーとの
ぶつかり合いがほしかった、同人活動特有の溢れる情熱のバチバチと
生々しい舞台裏を描いてこそ「荒野を目指す」なのではないか。

ライターの文太郎がプロデューサーの黒田さんの方針を最初から受け入れていたということは
初めからそんな路線を狙ったものではないというわけで、実際個性的な仲間たちとの
取材にかこつけたデートや海での合宿や幼馴染の夕夏との淡い恋心など
ライトなラブコメとして楽しく見れました。

PV見て勝手に内容を想像して文句言ってりゃ世話ないんですけど
一話はすごくよかったし期待してた路線だと思ったんだよなぁ・・・

ちらとも業界っぽいものを見せないのは逆説的によっぽど夢も希望もないところなのかな
などと益体もない事を邪推しつつ、いい言葉も多くて例えば黒田さんが創作論を聞かれ

「物作りとはコスト」

と答えるんですがそれが対価に見合った人材と作品ができるという
プロデューサー目線の意図かそれともかけた情熱に見合うだけ作品は応えてくれるという
意図の発言か作中で明らかにならないし夕夏に

「限られた時間内に結果を出してこそプロ」

というんですが、思わず身につまされるいい言葉だと思うのですがその後の展開が仲間と一緒に
頑張るみたいなマイルドで口当たりがいい感じになっていて、それもいいと思うが
その言葉を引っ張り出すんならプロとして自立する夕夏の姿が見たかったし
他にもいくつか胃にズーンとくるいい言葉があるんですがそれを言葉でなく彼らのゲーム作りの
過程で感じたかった想いが強いです。{/netabare}

投稿 : 2016/03/26
閲覧 : 528
サンキュー:

29

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