ダレイオス さんの感想・評価

4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

タイムスリップものにミステリーものを混ざらせた真新しさは良い。

まず思うことは開始２分で見るのに抵抗が出てきますね。
主人公だと思わる男が喋っているのですが
個人的には声優さんが下手だと感じるので、非常に抵抗があります。
素人臭さが出ていいアニメの場合もありますが
第一印象はこのアニメは厳しいな・・・と思ってしまいました。

そして、１話の内容は色々な出来事や設定の説明をやっていましたね。
主人公にはリバイバルという、主人公の身の回りで不幸な出来事が起きると
１分から５分、主人公の意思とは関係なく過去に戻り不幸な要因が
取り除かれない限り、永遠にループする能力を持っていて
その不幸を回避するために余計なことをして
プラスマイナス０か損をする人生を送っている
２９歳の売れない漫画家の男性
アルバイト生活を余儀なくしているので
その辺に、いそうな人の物語でいかにも苦労人な感じの開始です。
ただ、そんな中でもアルバイト先の女の子とは仲が良かったり
それなりには幸せを感じる部分があり
ある意味プラスマイナス０な感じの人かな

１話から伏線を回想シーンから普通に生活しているシーンまで
どんどん張っているので、色んなことがこれから起きるんだろうな
と考えられる作りで
２話以降の続きを見るまでは、面白いかどうかはわからないだろうけど
１話見る限りでは面白くなりそうな感じには見えました。
そして主人公の母親が何かに気付いたが
そんな状態で主人公の母親が何者かに殺される惨劇が起きて
急展開でさらにいきなり主人公が１８年前の過去に飛ばされ
１１歳から再スタートするストーリーで
タイムスリップものにミステリーものを混ざらせた
あまりない作りで真新しさもありました。

さらに普通のタイムスリップものと違うのは物語開始時点での主人公の人生の１１歳から２９歳を
否定するものだったと思います。
普通のタイムスリップものだと開始時点でのその主人公の人生そのものの歴史を
否定するものは少ないと思います。
大抵物語開始後起こった歴史を改変するものが殆どで
このアニメみたいに１１歳に戻り過去を改変し、正しき道を見つけ出す展開は驚きだったかな

ただ真新しさや驚きの展開ではあるものの
わかりにくいとかはなくて
主人公は１８年前の過去に飛ばされた、その理由は過去改変することにあると確信し
目的を見つけてそれに向かって頑張る展開が丁寧に
進むので面白さはありましたね。
最初は伏線だけでよくわからないことだらけでしたが
よくわからない状況が整理されて意味不明だったことも
ストーリー上で回収しながら進むのでナルホドなと思いました。
１話の出来事を早めに掘り下げながら進むので
最初は急展開だったけどストーリーが落ち着いてからは
面白そうなだけでなく実際に面白いと思える場面は増えました。

過去に飛ばされてからは主人公は過去のことは殆ど覚えてないので
視聴者が何も知らない状態からという
立ち位置も同じなので、飛ばされたその世界観で
色々わかってくるうちに主人公と一体感が出てくる
感じは中々心憎い。
それを増強させる仕掛けとして、現代のおじさんなら
チョット興味が出てくる子供時代の懐かしい単語を入れてくる演出が
効いていて普通の人なら主人公になった気分で
アニメを見てしまうこの演出を考えた人は中々のやり手である。
そして、ただでさえ主人公の母親の愛情は涙を誘うものがあるに
あの惨劇があったこともあって二重に主人公の母親の愛情には
何か来るものを感じ不思議とこのアニメに取りつかれてしまうくらい
魅力は出てきました。

ただし、展開はけして万人向けではありませんね。
バイオレンスなシーンが増えるので
バイオレンスな部分は中々重たい。
人間関係もネチネチとした展開も増えてくるので
そういった関係が好きな人には向くでしょうが確実に人を選ぶ作りですね。
個人的には大人が子供に理不尽に暴力を振るうのは嫌いですね。
まあストーリー上必要なのでしょうがないですけど

ストーリー自体も丁寧にじっくりと進むので
じっくりと色々解決していく
感じが良くて、地味ながら徐々に進んでいるとわかるのはいいかな
このアニメ、ミステリーものなので
ミステリーものだとじっくり考えさせる展開がなければ
いまひとつだと個人的には思うので
じっくりと進む展開は良かったと思います。
さらにた伏線はきっちりと回収しながら進むので
伏線回収の忘れ物とかは少ないと思うので
伏線を回収するアニメが好きな人にはバッチリな作りだったと思います。

ストーリー展開はタイムスリップものとしてはオーソドックスだったかな
主人公は過去改変を試みるも、何度も壁にぶち当たり
悩む展開で困難に立ち向かう姿は視聴者的にも応援したくなる作りだと思います。
ミステリーものとしても、犯人の卑劣な罠などオーソドックスで
難しいことがなくてわかりやすいので
主人公に降りかかる展開は涙ものな展開には感情移入しやすいかな
そうやった困難を乗り越えてストーリーが進むので
わかりやすい面白さは良かった。

ただ急展開でいきなり主人公がタイムスリップして
どこかに飛ばされる展開があるので受け入れるには戸惑いますね。
さらにそれ以外でも、話が飛んでしまう展開がありで
状況をリセットして整理するのは大変でした。
リバイバルの設定があるからなのはわかるけどチート能力ですね。
さらに主人公は何故警察から逃げるのか
行動原理が不明なので展開には違和感はありました。
さらに、みんな彼がそんなことをするわけがない理論で進むので
えっ？とは思いました。
信用する無理やりな理由付けはありましたがそれでも
何となくだけど都合がいいなと考えてしまうケースは多かった。

あと面白いとは思いましたが続きとかは、あまり気にならないかな
この手のジャンルのアニメは、何が起こってもやり直しがきくので
どんな衝撃的な展開が起こっても何とかなると
頭ではわかっているので、どうしても命綱をしている綱渡りなようなもので
そんなに手に汗を握る展開ではなかったので続きが気になるほど必死には見れなかった。

アニメだから、一瞬ですむからいいけど主人公の母親に最後辛い思いをさせているし
ハッキリ言って、本当なら想像を絶する苦しさだとは思うけど
アニメなので問題なく簡単に進んでいるし主人公の母親にこんな思いをさせるストーリーで良かったのかな？
とまじめに考えると思ってしまいます。
物語開始時点での主人公の人生の１１歳から２９歳を否定してまで
主人公の母親にこんな思いをさせて・・・だったと思う。

それでも、最後は綺麗に終わっていたと思いますね。
急展開が多く、いきなりどこかに飛ばされる展開が多かったですが
肝心な部分はしっかりと進め、過去の改変にしても
やるべきことはやったとは思います。
ミステリーものとしても最後は絶対にやっておかないといけないイベントは
やっているので綺麗に終わってました。
最後のシーンも１話と繋がっていますし新たなスタートを切る
主人公を描けているので終わり方としてはベストだったでしょう。

作画は独特の演出は頑張っていました。
グロい演出や光の当て方なんかもセンスの良さを感じました。
色付けも細かい所まで丁寧にしている感じが良くて凄く良かった。
キャラデザインは地味ですが作風には合っていたと思います。
緊迫する大事な場面での構図も工夫を感じるケースが多く
緊張感を感じる作画に仕上がっている所も評価点でしょう。

声優さんについては、上でも書きましたが主人公の声優さんは１１歳時、２９歳時共に
あまり上手くはなかったですね。
素人臭いのがいいとか褒めるほどの良さはなかった。
デメリットの方が多かったと思います。
ただ他の声優さんは上手かったですね。
加代役の悠木さんは、元々気持ちを伝えるのが上手くないキャラなので
喋りだけで気持ちが伝わる感じの演技は凄く良くて
個人的にはバッチリでした。
総合するとギリギリ普通ですね。

音楽については文句は無いですね。
劇中歌は深みのある曲で場面場面を盛り上げていました。
重たくてシリアスにあった場面で流れる曲は感慨深い
ものがありました。

バイオレンスな内容なので個人的には好きではないのですが
ストーリーの作りはしっかりしていたし
都合がいいかなと思える展開があるのが玉に瑕ですが
それを差し置いても、ストーリー展開は面白いと思える作りだった。
最後も綺麗に終わっているし
終わり方としてはベストだったので作品としては評価出来るでしょう。