「ハイスクール・フリート (はいふり)(TVアニメ動画)」

総合得点
74.5
感想・評価
945
棚に入れた
4054
ランキング
882
★★★★☆ 3.5 (945)
物語
3.2
作画
3.7
声優
3.5
音楽
3.6
キャラ
3.6

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Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

「越えられない嵐は無いんだよっ!」を愚直に貫き通した晴風と乗組員たち・・・

この作品の原作は未読ですが、シリーズ構成に「のんのんびより」を手掛けた吉田玲子さん、そしてアニメーション制作が「いなり、こんこん、恋いろは。」手掛けたプロダクションアイムズさんという事で視聴を楽しみにしていた作品です。

「海に生き、海を守りて、海を往く・・・それがブルーマーメイド!」
第1話の視聴を終えて・・・このキャッチフレーズと衝撃的な展開に、これからへの期待のハードルを半端無く上げてしまっている事を実感していました。
そして一度膨らみ始めた気持ちは決して止められません・・・
毎回テンションMAXで視聴に臨んだ作品の一つで、期待通り全力で駆け抜けてくれた作品だと思っています。

この物語では国土の多くが海中に沈んでおり、人々は海上に都市をつくりそこで生活を営んでいました。
そして人々や物資の移動手段として船が使用されるようになり、海上都市間を結ぶたくさんの航路の出現に伴い、海の安全を守るための多くの船と人員が必要となりました。
その中で民間用として転用された軍艦で海の安全を守る女性ならではの職業・・・ブルーマーメイドが発足し、女生徒の憧れの職業として君臨してる・・・そんな世界観の作品です。

そんな未来のブルーマーメイドを養成するのが横須賀の海洋学校・・・ここにこの物語の主人公である岬 明乃以下、未来のブルーマーメイド候補生が入学し海洋実習で大海原に漕ぎ出して・・・物語が動いていきます。

作品に登場する主な艦船は、岬 明乃が艦長を務める航洋直接教育艦「晴風」と、明乃の幼馴染である知名 もえかが艦長を務める超大型直接教育艦である「武蔵」の2隻です。
成績上位者が搭乗できる「武蔵」と「晴風」を含むその他大勢に大別され海洋実習が始まりましたが、搭乗する船の大きさ・・・事の重大さは全くそんなところじゃありませんでした。

「晴風」は船体のトラブルから海洋実習の集合時間に遅刻してしまうのですが、それがこれから引き起こされる波乱に満ちた実習の幕開けになってしまうのです。
勿論船体トラブルが原因なので、悪気があって遅刻した訳ではありません。
でもその直後、視界に広がるのは驚愕の事実・・・
だって、女性が艦長を務めるのは平和の象徴のはず・・・
それなのに・・・
目を疑いたくなる光景は一向に留まる気配がありません。

「このままだと・・・海の仲間は家族だから・・・」
艦長としてその判断は間違っていないと思いますが、選択する行動としては最悪・・・
でもその最悪を選択せざるを得ない状況が待ったなしで待ち構えているんです。
他の乗組員も自分達がこれからやろうとしている事の重大さは十分認識しています。
でも、誰も艦長の命令に背くことはできません・・・
それは艦長の独裁的支配の影響ではなく、きっと誰の頭にも過ぎった事だと思います。
けれど発言する勇気が・・・
最初に口火を切った艦長は流石・・・としか言い様がありません。
こうして激動の海洋実習が始まるのですが、これはほんの序章に過ぎませんでした。

先日まで中学生だった彼女達・・・
ブルーマーメイドを目指して勉強はしてきたけれど、実践するのはどれも初めての事ばかり・・・
極度の緊張と不安の連続だったと思います。

そんな彼女達が見せてくれる日常パートが本当に彼女たちがここから安らげている瞬間だと思うと、物語の中で絶対に欠かせない部分としか思えませんでした。
物語的には緊張の連続・・・という展開の方が面白味はあるのかもしれません。
でも、それをまだ金の卵にも成りきれていない彼女達に押し付けるのはあまりに酷な事だと思います。
時には休息も必要ですよね・・・

そして海洋実習の集合場所で・・・晴風が遅刻してきた間に何が起こったのかは、物語の進展に伴い明らかになっていきますが、彼女達の苦難は留まることを知りません。
幸か不幸か、トラブルは常に晴風の近くで起こってしまうんです。
学生で実習中・・・それを口実にトラブルを回避する事も選択肢の中にはあったのかもしれません。
でも「海の仲間は家族・・・」と言って危険を顧みず常に先頭に立って走り続ける艦長に搭乗員も触発されたのでしょう・・・決して見過ごすことなく向かっていくんです。

ここから先は彼女達の本気が繰り広げるこの作品ならではの真骨頂・・・
全然順風満帆なんかじゃありません。
晴風が他の艦に優っているのは運動性能だけ・・・攻撃力や防御力は足元にも及びません。
だからみんな必死です・・・そしてその必死さがちゃんと視聴者に届くよう描かれています。

「越えられない嵐は無いんだよっ!」
こう信じて諦めなかった比叡との交戦は胸が熱くなりました。

でも激アツだったのは最後の交戦です・・・
何もかもが圧倒的劣位で足を停める事ができない・・・
何より圧倒的火力の違いは、晴風の心を折るには十分過ぎる材料だったと思います。
だから一度は諦めかけました・・・
でも、ここで終わらないのがこの作品が激アツである所以・・・

これまでの交戦で満身創痍の晴風・・・
只でさえ小さな船体なのに、あちこちで機器の損傷、火災や浸水が発生していて、人に例えるなら瀕死の重症患者もいいところです。
でも、まるで乗組員の意志を感じているかのように砲撃に耐え、そして戦火をくぐり抜ける雄姿・・・
艦橋の操舵に必死になって食らいつく晴風に感動する事しか出来ませんでした。

晴風は本当に頑張ったと思います。
乗組員の願いを叶えるため・・・そしてそんな乗組員を守るため・・・
そんな晴風からは最後の最後まで目が離せませんでした。

オープニングテーマは、TrySailさんの「High Free Spirits」
エンディングテーマは、春奈るなさんの「Ripple Effect」
エンディングはZAQが提供されている楽曲です。エンディングアニメとの相性も良かったと思います。
特に水雷長のメイちゃんの少しはにかみが混じった笑顔は印象的でした。
でも、それを遥かに上回ったのがオープニングとオープニングアニメの相性です。
オープニングアニメは今期の作品の中でダントツ1位でした。
特にサビに入る前・・・船内を皆んなが走り回り、美波さんが白衣を纏うシーン以降が特に大好きで何度見返したか分かりません。
曲も今期のアニソンBEST10の上位に入ると思っています。

1クール全12話の作品でした。最近円盤の発売情報がギリギリまで公開されない作品があり、このはいふりも同様だったので、1クールで終わっちゃうのか2クール作品になるのかで最後までドキドキしていました。
でも1クールでも綺麗に纏まっていたので結果オーライだったと思います。
ブルーマーメイドとしての今後の活躍を期待しています。

投稿 : 2016/07/02
閲覧 : 294
サンキュー:

36

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