「アイドルマスター シンデレラガールズ(TVアニメ動画)」

総合得点
71.3
感想・評価
1006
棚に入れた
4798
ランキング
1330
★★★★☆ 3.8 (1006)
物語
3.6
作画
3.8
声優
3.8
音楽
4.0
キャラ
3.9

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ハードル上げすぎたんじゃ

 原作は未プレイ。
 アイドルマスターシリーズでは「THE IDOLM@STER」(以後アイマスと表記)に続く
作品だが、アイドルものという基本構造は同じでありながら、アイマスとの差別化を図っている
感じ。これは原作の段階でそうなのか、アニメ化にあたってのものなのかは判りませんが。
 アイマスは765プロが弱小プロダクションで、所属するアイドル達も駆け出しの売れない
アイドルからスタートと言うことで、アイドルとしての上昇が765プロの上昇に繋がるという
一致した構造であり、更に小所帯ゆえのアットホーム感が強かったのに対して、本作の舞台と
なる346プロダクションは既に大手プロとして存在しており、その雰囲気もいかにも会社
組織然としたもの。それゆえに所属プロ内部で自分の魅力を出していかなければいけない印象が
強く、露骨にギスギスした描写こそないものの、前川 みくのように焦るのも判る気がする。

 プロデューサーの雰囲気もかなり異なるもので、アイマスのプロデューサーの印象が
あった分、無口で重厚そうな巨体キャラはかなり意外。意外と言えば中の人である
武内 駿輔氏が放映当時高校生だったというのも更に驚いたけど。
 このプロデューサーとにかく言葉足らずといった感じで、加えてアイドルに対しての
報告連絡相談、いわゆる「ほうれんそう」が足りない。みくのストライキ騒動にしろ、
本田 未央の引退騒動にしろ、このプロデューサーの態度が余計に話をこじらせてしまった
感がある。
 これに関してプロデューサーの過去の失敗に起因することが判り、未央の件でそれを克服する
ような描写がなされていたが、2ndシーズンでも相変わらずで、「この人は単に無能な人
なんじゃないか?」と思えてしまう。

 原作がソーシャルゲームゆえに登場するアイドル数もかなり多く、中心となるシンデレラ
プロジェクトの面々に加えて、他部署の面々も含めると相当な数。
 当然個別化を図るためか際立ったキャラが多い印象で、アイマスと較べて、良く言えば
バラエティに富んだ、悪く言えばキワモノが増えた感じ。

 序盤は島村 卯月、渋谷 凛、未央の物語といった印象で、それが一つの形になったのが
3話の城ヶ崎 美嘉のライブのバックダンサー。
 ライブ直前の緊張感・不安感がかなりのもので、それだけにいざライブシーンでの高揚感は
プロデューサーが言っていた「別の世界」そのものといった感じで、このシーンの描写は秀逸さを
感じる。
 この高揚感が凄かった分、それが後のnew generations(以後ニュージェネと表記)のデビュー
ライブから始まる未央の騒動へのフラグとなってくるわけで、こういった繋がり自体はなかなか
面白い。
 このニュージェネのデビューライブを端とする一件はシリアス部分の一つの山場といった
感じだが、この件での未央の行動、それに伴う凛の態度を見るにつけ、前述のプロデューサーも
そうだが、本作は話を動かすために特定のキャラに損な役割を押し付けている印象が強い。
 小説、漫画などストーリー仕立ての原作の場合、最初からそういうキャラということでの
納得感はあるのだろうが、本作のようにソーシャルゲーム原作の場合、ゲーム時から未央や凛の
ファンだった人は結構悲しい思いや嫌な思いをしたんじゃないかなという気がする。

 序盤のニュージェネ描写が一区切り付いた後、他のシンデレラガールズにも焦点が当たり
始めるが、結果としてシンデレラガールズの物語とニュージェネの物語の二重構造になり、話が
散漫になってしまった感が強い。
 特にシンデレラガールズに関しては、全員参加のフェスが山場となっていたが、アイマスに
おいて同じような位置付けであった「765プロ感謝祭ライブ」に感じられた一体感があまり
感じられなかった。
 アイマスの場合、仕事にしろ、遊びにしろ、これでもかというぐらい全員参加の描写が
なされていたの対して、本作はニュージェネの描写に尺を取られたか、そういった描写が
足りない。
 加えてシンデレラプロジェクトの多くがユニット単位での活動を取ったためか、ユニットが
常態で、シンデレラガールズはよそ行き感が強い。
 結局、本作の全体的な印象としては、色々やろうとしてうまく消化できなかった感が強く、
ハードル上げすぎたんじゃないかな。

 色々と不満を書いてしまったけど良い部分もあり、作画などはアイマスより良くなって
いるし、小物、物理的立ち位置、光と影、色彩などでキャラの心情や関係性を示唆する演出は
なかなかよく出来たもの。

投稿 : 2016/09/17
閲覧 : 284
サンキュー:

4

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