「聲の形(アニメ映画)」

総合得点
88.8
感想・評価
1496
棚に入れた
7401
ランキング
96
★★★★★ 4.1 (1496)
物語
4.2
作画
4.3
声優
4.2
音楽
3.9
キャラ
4.1

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ネタバレ

ハヤブサ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

聲の境界線

ラストシーンにスクリーンに大きく映り出された文字
「The shape of voice」
そう‥「障害」を負っていたのは、人をまともに見る目も持たず、人の声に耳を塞ぎ、真っ直ぐ前を歩けない、人とまともに会話も出来ない将也だった‥そして、将也を応援し、入り込んでしまっていた目の前の私でした。対して、西宮さん(キャラデザ満点可愛すぎる)は、しっかり伝え、聞き、人を真っ直ぐみており、ハンディと向き合っていた。VOICE=「聲」を失っていたのは西宮さんではなく、将也だったのです。ここに、本当の「障害」って言葉の境界は、実に曖昧なものだなと感じ取れます。現に日頃、難聴もった方と接する中でも、私が思うことです。
また、将也にとって、「西宮さん」は、辛い想いをさせてしまった謝りきれない相手‥でも自殺しないと決めたし、許しを請いたい相手でした。しかし、西宮さんが飛び降りようとし、将也がそれを命懸けで止めた後、将也は西宮さんに対して「許しを請いたい相手」でなく「一緒に生きたい相手」へと変わり、はじめて、過去のしがらみは消え、西宮さんをちゃんと見て、伝えることができました。‥この時の、目耳口の障害弊害の垣根が取り除かれ、伝え合えたものこそが「聲の形」なのかなと思いました。
‥ナノデ、私にとって「聲」は、心の扉の奥にある心、伝える意志の様なものかなって感じがしました。
将也:人の痛みが分かったり、人との距離感に敏感なところ、170万の親への返済など、応援せずにはいられない主人公でした‥確かに自業なんたらかもしれない‥でも、だいたい加害者にも被害者にもならずに生きていけるほど器用な人なんて、そうそういない。自分を悔いて親に170万返済し、西宮さんに謝りたいと、手話を独学してきた純粋さは立派だと思います。失敗や過ちの先にこそ、真価は問われるもの‥将也は決してクズじゃないと思います‥だから、西宮さんの自殺を止めるシーンは、自分なんかよりも西宮さんに助かって欲しいという気持ちが伝わってきてすごく悲しかった‥いずれにせよ、西宮さんに聲の形を見せるができて、嬉しかったです。
神作画、キャラの可愛さについては、もう京アニだからいうまでもなし‥ぐいぐい引っ込まれます。
時には不安定、時には交ざり合う2人の心模様の演出に、水を巧く使われているのも素晴らしかった。
早見沙織さんの熱演、悠木碧さん演じるゆづるちゃん‥声素敵演技最高キャラもよかったです。その他、周りのキャラの「障害弊害」もかなり印象的に描かれています。両母のシーンにもジーンとしました。何よりも、私はどうにも苦しい将也と、それに対象的な西宮さんの強さ眩しさに持っていかれました。(キリがない‥)
京アニ作品をこれまでも観てきたけど、毎回一癖二癖あって、改めてスゴイと思います。
メッセージ性強く、観るものを選ぶ作品に違いないですが、私にとっては、もう一度観たいと思った今期No1の素晴らしい作品でした。

長々と失礼しました。読んで下さった方ありがとうございました。特に「痛み」を知る方には、ぜひお勧めです。
※かる〜く無彩限やってる間にこんなヘビーなの作ってたのね〜笑

投稿 : 2016/10/16
閲覧 : 283
サンキュー:

34

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