「終末のイゼッタ(TVアニメ動画)」

総合得点
74.9
感想・評価
795
棚に入れた
3900
ランキング
839
★★★★☆ 3.6 (795)
物語
3.5
作画
3.7
声優
3.6
音楽
3.5
キャラ
3.6

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ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

折角のネタを踏み抜くスタイル

初めてこの作品を知ったのは雑誌だったかCMだったか。
バカでっかい銃に女の子が跨ってるってだけでフロイト的にゲヒャゲヒャ笑ってしまうのだけど、果たしてこんな直情的なのって大丈夫か?
と思いつつ、そうはいっても昔っからある絵ヅラだよなぁと調べてみたらノーズアートっていうのに行き着いた。
なるほど、こういうのがあるならそんなに不自然でもないのかな?
けどどうしても自分的にはジュエルペットサンシャインのエンディングと同じようなものに見えてしまい、てっきり本編はギャグなんだと思ったら…シリアスだったのね!
そのうちかなまら祭のご本尊に跨って空を飛ぶ助っ人魔女とか出かねないカオスな作品かと思ったのに…。
まぁストパンのような例もあるし、どんなだか見てみましょうかーと視聴することに。

{netabare}で、序盤の頃は確かにシリアスなのだけど、見続けるてくうちに段々と…その……やっぱギャグじゃんコレ。
ギャグといっても自分が当初思い浮かべたものとは別方向の、狙ってなのか天然なのか分からない魔法戦争、いや、世界観的にウエルベール的ギャグ(この説明で通じるかな?)。
最初にあれ?変だな?と思ったのは5話。
4話で「魔法の使えない地域がある」といって、「うわー、じゃあそこで戦争になったらどうするんだろう」と期待をさせておいていざそれが描かれた内容が…あれれ?というものに。
4話で引っ張った問題は「魔法が無ければ勝てようもない戦場で勝つ」と「魔法が使えないことを悟られないようにする」の2つの要素から成るものだと思ったら、
前者は近衛兵の働きでアッサリ問題ない状態にし、後者だけが大変なことのようにして…いや違うでしょー。
どうやって切り抜けるのか?と期待した点はあくまで2つの問題を同時にこなすことであり、後者だけでいいならイゼッタに後衛で裸踊りでもさせて「ガハハ、ワシが出るまでもないわー」と吼えさせればいい。
結果は変わらんでしょ…というよりそっちのがボロが出ないし。
と思ってたら案の定ボロが出て、メガネ兵がどうのこうのの件はもはやギャグとしか…。
んで、5話から「あれ?」ってなって以降は、おとぎ話の真実(の証拠、日記と手記)が両陣営に都合よく登場したり魔石がこれまた都合よく両陣営に分配されたりと、なし崩し的に「あれ?」っていうことの連続が起こり、最後の方はもう何が何だか状態に。
おとぎ話の探求なんて歴史ミステリーみたいにして丸々1話使えるネタだと思うし、魔石も人の手を渡りに渡って運命の如く持つべき者の手に届くってネタも1話使えそう。

要約すると「前の回でヒキに使ったネタを、後の回で物凄くつまらない方向に落とすセンスが秀逸」

なんかこう書くと凄く嫌味ったらしくて自分でもどうかと思うけど、次の回に全く興味の沸かない作品も多い中、善戦したといえば善戦したほうかと。
そして一番「おやまぁ」と思ったのは他の方も指摘してると思うけどクローンの件。
クローンとひと言で片付けてるけど、これも複数の要素をないまぜにして誤魔化してる。

・元となる細胞は?→300年も昔の、しかも恐らく火あぶりで処刑されて灰であろう遺骸から生きた細胞が摘出できたのだろうか
・生育スピードは?→受精卵から赤ん坊になるまでですら10ヵ月以上かかるのに、あのサイズまで育て上げるとなるとどれだけ期間かかったんだろう
・記憶の継承?→これはイゼッタの血。しかも採血されたものでなく生き血である必要があった描写により、これは逆に魔法的な感じがしてそれほど違和感もないかなーとは思うも、なぜゾフィーの記憶になるのかは疑問

他にも増産ってどのタイミングで切り分けたの?(幹細胞?肉片?成体を半分に切り裂く?)とか馴化やテロメアどうなってんのー?とか色々と問題があるのだけど、
一言で片づけすぎっていうか、クローンって何なのか知ってる?と尋ねたくなるレベル。
これだけの技術があるなら皇帝のクローンも作っても良いような気がするんだが…アーリア人のルーツちゃうん?
記憶の継承は無理だとしても、影武者作り放題だぞ?
それとも魔女は人間とは全く別の生き物で、プラナリアみたいに切り分けると独立した別個体にでもなるのだろうか(それならイゼッタは怪我しても実は大したことないというドッチラケになるが)。

そして最終話。
結局一番悪いのは当時のエイルシュタット国王がゾフィーに「お国のために死ね」と言わなかったせい。
これに関してはフィーネが対比として描かれてるし、ベルクマンの生き様もそれに関わるものだし、恐らくスタッフはそこら辺をメインテーマとして描きたかったんじゃないか~という空気は感じる。
ただなぁ、いかんせんそれ以外の雑音がうるさくて気付きにくいかと…やっぱ詰め込みすぎだって。

最後のオチはチャイカオチ、あっちはチャイカとミクっぽいので責任分担したところを今作ではイゼッタ一人に押し付けた感じ。
まぁよくある系。
顔を見せないように演出してたけど多分自分の生き血をひと舐めして明朗快活なんじゃね?
ガズ皇帝もといオットー皇帝も、上にも書いたけど自殺したのはクローンで作った影武者な気がする。
記憶継承してないパーでもお稚児さんが偽装し放題な状況だったし。

で、総論すると、あれやこれやと詰め込みすぎた気がする。
折角面白く料理できそうなネタもつまらなく消化するのに手一杯って感じで、その畳み方たるやギャグレベル…勿体ないなぁ。
2クールあったらもっとマシになったかも?最初どうして(どうやって)イゼッタが捕まったんだかも謎なままだし。

あ、それと冒頭で書いたノーズアートの件。
あんな感じで広告戦術を繰り広げるシーンで1カットだけアメコミ調のイゼッタが出てました。
その絵柄で本編全部やれば、細かい点などは「まぁ昔のアニメの雰囲気再現してるんだろう」ってことで大目に見てもらえたかも??
ってかその絵柄でライドオンしたイゼッタ見てみたかったなぁ。{/netabare}

投稿 : 2016/12/19
閲覧 : 245
サンキュー:

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