STONE さんの感想・評価

3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

センスの良いお馬鹿作品

　原作は未読。
　かなりお馬鹿な内容のコメディ作品で、OPだけでお馬鹿な感がよく伝わってくる(笑)。

　基本的には庶民とお嬢様との異文化交流ギャグとも言うべき内容で、これまで異文化交流
ギャグと言えば、ファンタジー系の異世界、SF系の過去や未来、あるいは外国とのそれが
多かったが、現代の日本のみでのそれは珍しいかも。
　社会的地位や経済力ではお嬢様側の方が上だが、このお嬢様側が庶民生活に憧れるという点が
面白い。隣の芝生は青いということかな。
　本作もご多分に漏れず、複数のヒロインが登場するが、いずれもタイプこそ違えど、モブも
含めて世間知らずから来るボケが主流。
　この世間知らず振りを利用して、主人公である神楽坂 公人がヒロインの一人である
天空橋 愛佳で遊ぶ展開が多かったが、あれは何だったのだろう？。

　個人的にはお馬鹿系コメディは内容が内容なためか、作りがいまいちな作品が多い印象が
あるが。本作に関しては前述のようなダメ系お馬鹿作品かと思っていたら、かなりセンスの
良さを感じた。
　とにかく馬鹿をやりきっているところが素晴らしく、カオス的状況で終わってしまう締めも
結構好み。
　ただのギャグのオンパレードかと思いきや、前半は愛佳がクラスに馴染むための奮闘、終盤は
有栖川 麗子の結婚を巡るくだりなどストーリーも割とちゃんとしていた。

　他に印象的だったのはメイド長である九条 みゆきのくだりで、公人の目覚め時の「そのまま
ずっと目覚めなければよかったのに」が、公人を嫌っての発言、あるいはツンデレとしての
不本意なものかと思いきや、まったく違った意味での言葉そのものだったのは見事な仕掛け。
　もっとも、みゆきに関して、公人の幼馴染みである花江 恵理同様にストーリー上、あまり
意味の持たないキャラで終わってしまった。原作がアニメ部分以降も続いているためにその後、
重要となるキャラなんだろうけど。

　ネタとしては、ダンディ坂野、及び彼のギャグである「ゲッツ」押しが強く、今になって
何故ゲッツなのか？という点も含めて印象に残る。
　押しと言えば、原作と同じ一迅社である「ゆるゆり」をやたらと取り上げていたのも印象的。