「うたわれるもの 偽りの仮面(TVアニメ動画)」

総合得点
66.0
感想・評価
537
棚に入れた
2710
ランキング
2989
★★★★☆ 3.7 (537)
物語
3.4
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.7

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

後半に勿体なさが。。。

 原作は未プレイ。
 序盤においては1期と似たようなキャラの風貌、文化、風俗だが、設定的に地続きな
ものなのか、似たような世界観の別物語なのか判らないまま、話が進んでいく。
 しかし、徐々にハクという1期のハクオロと似たような名前が主人公に付けられたり、
ハクオロと同じくハクが鉄扇を持つことになったりと、1期との関係性を感じさせる要素を
小出しにしつつ、ついにカルラを始めとする1期におけるトゥスクルのキャラを登場させて、
同じ世界観であることを確定させるなど、この引っ張り方はなかなか飽きさせない。

 この1期のキャラ登場に関しては、1期を楽しんだ人にとっては単純に嬉しいところで
あるが、それだけでなく1期後もトゥスクルの皆が健在であることが明示されたり、更に
ヤマトとトゥスクルの関係性などの世界観の説明になったりと、その役割は大きかった
みたいな。
 ここでクオンがトゥスクルの出であったことが明らかになるが、その生母は明らかに
ならないまま。皆に共同で育てられたところから、病死したユズハのように思えるが。
 またカルラ、トウカに始まり、次にアルルゥ、カミュといった具合に一挙に登場させない
ところが、逆に「次は誰が登場するか?」といった楽しみもあった。

 メインキャラであるハクとクオンだが、記憶を失った男とそれを救った薬師の少女という
出会いから、1期におけるハクオロとエルルゥとの関係性に似たようなものを感じるが、
ハクオロとハク自体は、凛とした印象で自ら率先して動くハクオロに対して、飄々とした印象で
どちらかと言うと回りに引っ張られる感のあるハクとかなり対称的。主役の差別化を図ると
いう意味ではこれぐらい異なった主人公の方がいいかなと思ったり。
 次第に主人公の回りに様々なキャラが集っていく展開は同じで、1期と同様にこの過程が
楽しかったりするが、ハクオロの場合は皆が慕っていくといった感じであったのに対して、
ハクの場合は気のおけない友人の傍にいることの心地良さで集まっているような印象。加えて
ハクの性格から放っておけなくて、つい助けてしまうような魅力もあるみたいな。
 ただ、ハクに関しては本質は才を秘めているような評価だったが、この才という部分はあまり
うまく表現しきれていなかったような感じだった。
 一方のヒロインの方も、控えめで静かな印象で戦闘には参加しないエルルゥに対して、動的な
印象で腕っ節も強いクオンとこれまた対称的なキャラ。クオンに関しては本質な部分も
さることながら、早く一人前になろうと頑張っている部分もあったみたい。

 前半はていねいに作られたよく出来た作品の感があったのだが、後半はうーんといった感が
強く、個人的にはシリーズ構成に問題があったかなという印象。
 ハクの回りの人々が集う前半と、ヤマトを巡る動乱の後半といった具合に、内容で前後半を
分けると妥当な感があるが、描くべき内容量で見ると、前半の日常コメディ部分をもう少し
減らして、もっと動乱部分に尺を割くべきだったのかなという気がした。
 この後半に関してはとりあえず筋は判るが、そこに至るまでの詳細描写がないために展開に
唐突感が多く、更にストーリーのつながりがおかしかったり、放りっぱなしの部分が
あったり。基本的な流れは悪くないだけになんとも勿体ない
 加えて各キャラの心情描写も足りていない印象が、この後半では強かった。

 後半におけるヤマトとトゥスクルの戦争に関しては、1期のキャラ(トゥスクル)と2期の
キャラ(ヤマト)が直接ぶつかることになったが、ここで印象的だったのがトゥスクル勢の強さ。
 国力の差の印象やヤマトの対ウズールッシャでの圧倒的強さから、トゥスクルが相当苦しむ
ことになるのでは?と思っていただけに、やや意外な感があった。
 ベナウィやクロウがあれほどの強さを見せるなら、カルラやトウカが参戦していたら、一体
どうなっていたことか。
 ヤマトがトゥスクルへの侵攻を決めた時、クオンが心こそ痛めていたものの、トゥスクルへの
危機感を募らせていなかったのもある意味納得。
 本作も1期同様にハクに過去にまつわるSF的設定が描かれる。この辺は1期も含めた根本的
設定をより明確にするものではあったが、さすがに1期のようなインパクトはなし。

 最終的にはハクが死んだオシュトルに扮して、アンジュを助ける決意を固めるが、普段の
ハクからは考えられないような行動ゆえにより重いものに感じられたが、この辺はハクの性格
設定がうまいこと活かされているような印象。
 結局、話途中で終わった感が強かったが、原作の三部作の第二部ということで致し方ない。

 キャラ、世界観、大枠の展開などは結構魅力的であったが、この作品自体の本来の魅力は
こんなものではないのだろうなという感が強かった。

投稿 : 2017/07/30
閲覧 : 269
サンキュー:

2

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