STONE さんの感想・評価

3.8
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

あまりにも「ばからもん」とは異なるテイスト

　原作は未読。
　「ばらかもん」の主人公、半田 清舟の高校時代の話ということで、時系列的には
「ばらかもん」の前日譚ということになるのだろうが、作品テイストがかなり異なり、やはり
スピンオフと呼んだ方が良さそうな作品。

　のっけから登場キャラが本作自体を語るというメタネタからスタートするが、これがあまり
うまくいっているとは思えない。
　「おそ松さん」や「深夜！天才バカボン」なども同じようなネタから始まっていたが、
これらは既に国民的知名度があるからこそできたネタという感があり、それほどメジャーでも
ない作品でやっても原作既読者以外は置いてきぼりなんじゃないだろうか？。

　出だしはつまづいた感があったが、その後はキャラの魅力もあって、結構面白かった。
　半田は学校で男性女性問わず愛され、かつ凄い人物だと思われており、図式自体は本作の
少し前に放映されていた「坂本ですが？」と同じもの。
　ただ、坂本が実際にハイスペックで、本人も自身の行動や校内の状況などをちゃんと認識して
いるのに対して、本作における半田と回りの人達は互いに勘違いした状態で成り立っている。
これが多くのネタの土台となっており、アンジャッシュのコントのような感じ。

　恋愛に関しては、半田自身が嫌われ者だと思っているせいか、女性キャラが一方的に半田を
好きになるばかりだが、中でもどんどん変な方向に突っ走っていくヤンデレキャラ、
金城 美代子が特に印象に残る。
　女性と言えば、特に名前がないようなモブに近いキャラが無駄に可愛かったりしたのが
なんだかおかしかった。

　最後は半田自身の偏見が取れるという、それなりにハートフルな感じで終わるが、気になる
ことが二つ。
　今までは(特に半田軍など)半田を凄い人物ということで、回りが評価していたわけだが、
それが勘違いということが判り、等身大の半田を知ると接し方はどうなるのだろう？。
　もう一つは本作の最後は素直になった感のある半田だが、「ばらかもん」を観る限り、本作
ほどではなくても屈折したものはあるようで、本作後にまた半田に何かあったのだろうか？

2018/09/30