「ガン×ソード GUN×SWORD(TVアニメ動画)」

総合得点
70.9
感想・評価
609
棚に入れた
3553
ランキング
1417
★★★★☆ 3.8 (609)
物語
3.8
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.9

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ネタバレ

セメント さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

俺は童貞だ!

人呼んで夜明けのヴァン!


<物語>
痛快娯楽復讐劇ということですが、どこか暗めでありつつ最後には清爽な気分になれる作品だったと思います。
主人公がダウナー系の猫背タキシードというのは鮮烈な印象を与えますね、今までに無かったタイプの主人公を追及しているなといった塩梅です。
ロボットアニメという大きな柱あって、一応「スーパーロボット大戦」にも参戦しています。
"ヨロイ"という名前で色々出てきます、変態達を倒していく構図が共通する「スクライド」と一線を画す点がここにあると言えるでしょう。
{netabare}さらにここからはネタバレになりますが、舞台である"エンドレス・イリュージョン"というのは地球で悪事を働いた囚人達の流刑地と後半で明かされます。
元々オリジナル7というのは、囚人達を監視する獄卒的な立ち位置だった訳です。
そんな囚人惑星は問題が起きた時いつでも対処できるように月に設置された惑星破壊兵器が備えられていました。
ところが何らかの事情で地球が滅亡し、管理者を失ったエンドレス・イリュージョンでは囚人の末裔が好き放題に生き、無法地帯と化したという背景があったんですね。
粗暴な人間が多いとは思いましたが、なるほど納得の設定を提示してくれたような気がします。
谷口監督の作品は細々とした気配りに長けていて、それが安心の出来に繋がっていますね。{/netabare}

<作画>
キャラデザはキムタカこと木村貴宏さんです、作監にも何話か入ってます。
キムタカといえば「コードギアス」でのお仕事が印象に強いですが、本作は一つ前のお仕事ということで、合わせて抑えておきたい作品ですね。
「ガオガイガー」リスペクトなエルドラVの出動シーンも見所ありますね、作画は総じて悪くなかったと思います。

<声優>
「俺は童貞だ!」でお馴染みのヴァン役には星野貴紀さん、放送当時はあまり知られてない方だったと思います。
他のキャストは谷口監督の作品では毎度の顔ぶれですね。
個人的にはナレーションであり、新聞記者として最終回に出演した銀河万丈さんが「からーい!!!」の台詞を吐いた場面がお気に入りです。

<音楽>
OPはインスト系ですね、映像は最初は影絵でキャラが登場すると色が付く仕様になってました。
オリジナル7の面々が登場した後も一人だけ影絵のままの踊ってるキャラが居て、一体この後どんなキャラが追加されるのかと楽しみで仕方が無かったのを思い出します。
{netabare}ちなみにそのキャラというのはプリシラでした。{/netabare}
EDは基本的に沖野俊太郎さんの曲ですが、時折hitomiさんの浄化ソングが流れたり、水着回の時にはピンクレディーの「S・O・S」を声優が歌ったバージョンが流れたりと凝ってましたね。
BGMもOP宜しく荘厳で格好良かったです。

<キャラ>
{netabare}それにしてもカギ爪の男はとんでもなく壮大な野望を持つ悪党でしたね。
月に設置された惑星破壊兵器を作動させエンドレスイリュージョンを破壊、その衝撃を利用して時空を巻き戻して歴史を再構築するという。
その際にオルフェの花に自分自身を微粒子化して植え込み、花の花粉を吸ったものの思考に影響を及ぼすとかそんな感じでしょうか。
一体どういうこっちゃいってな作戦ですが、とにかくスケールが計り知れないというのは分かりました。
人となりも、最初は名前の響き的に小悪党を想像していましたが、よもやあのようなサイコパスだったとは。
ポジティヴシンキングでラブアンドピースな人間が如何に凶暴性を孕んでいるかを示しているようでしたね、擬態してる分根暗なオタク系より断然性質が悪いです。{/netabare}
さて、カギ爪の男に負けず劣らず個性的な面々が登場する本作ですが、二分するに"捨てることが出来る人間"と"捨てることが出来ない人間"になるのでしょうかね。
{netabare}妻を捨てられないヴァンと妹を捨てたミハエル、童貞を捨てられないヴァンと童貞を捨てたミハエル。
やはり童貞を捨てない人間に勝利が訪れるのですね!
・・・それが言いたかっただけです。
死んだレイやメリッサは元から捨てることが出来ない人間でしたし、ミハエルとてファサリナを捨てられない思いが芽生え始めたところで、悲惨な結末を辿ってしまっていて、その線引きは曖昧なのかも知れません。{/netabare}
総括するとカイジが好きです!(何の脈絡も無い


「創聖のアクエリオン」と同じ時期に放送してて影に隠れていた感は否めませんね。
しかし流石は谷口悟朗監督作品、氏の作品は本当に外れないですね、感服します。
一見するとハードボイルド系ですが、中身は結構華やかで見やすいと思います。

投稿 : 2017/01/23
閲覧 : 284
サンキュー:

7

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