「機動新世紀ガンダムX [エックス](TVアニメ動画)」

総合得点
69.0
感想・評価
337
棚に入れた
1838
ランキング
1874
★★★★☆ 3.6 (337)
物語
3.6
作画
3.4
声優
3.5
音楽
3.8
キャラ
3.7

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

戦争が終わって僕らは生まれた。

【概要】

アニメーション制作:サンライズ
1996年4月5日 - 12月27日に放映された全39話のTVアニメ。
監督は、高松信司。

【あらすじ】

かつて行われていた地球連邦軍と宇宙革命軍の大規模な戦争は終結したが、
スペースコロニー群の落下で地球の環境は激変。人類の99%が死滅した。
アフター・ウォー(A.W.)15年。地球人口は9,800万人。
環境が安定し、小規模ではあるが地球の各地に国家が点在していた。

主人公のガロード・ランはモビルスーツを狩って機体やパーツを売って生活をしている、
戦後生まれを逞しく生きている孤児である。
ティファ・アディールという少女をバルチャー艦「フリーデン」から奪ってくることを、
アルタネイティブ社から依頼されるが、ガロードは任務中にティファに一目惚れしてしまう。
ティファはニュータイプであり、彼女の能力を目当てに身柄を求める者は少なくはない。

15年前に地球に惨劇を引き起こしたコロニー落下に居合わせたモビルスーツと同機種であるガンダムXに乗って、
ガロードはティファを、彼女を利用しようとする私欲を持った大人たちから守るために戦うことになる。

ティファとの恋愛関係。そして、艦長のジャミル・ニートを始めとする「フリーデン」の乗組員たち。
そして地球各地での新たな出会いと戦いによって、ガロード少年は人間として成長するのだった。

【感想】

『機動武闘伝Gガンダム』『新機動戦記ガンダムW』に続く「平成ガンダム三部作」の最終作であり、
これの打ち切りによって、テレビ朝日系列でのガンダム作品の放映は、
2016年の『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』まで、
20年間のブランクが出来てしまったという、いわくつきの作品。
尤も打ち切りの背景には視聴率以上に当時のテレビ朝日社内の政治事情がありますが。

さて、『ガンダムX』とは、どんなアニメでしょうか?
アムロやシャアがいた宇宙世紀のパチモノ(ジオングの偽物みたいなMSもあったし完全にパロディ)
みたいな戦争でボロボロになった地球の、『北斗の拳』みたいな無法がまかり通る地域がスタート地点。
そこへ、『ラピュタ』系のBOY MEETS GIRLを思わせるガロードとティファの恋愛。

見た目はショタ系のガロード君が億泰の濁声で舌っ足らずな少年っぽい喋りをしているのに苦笑い。

はっきりいって戦闘がつまらない。味方のガンダムがピンチっぽくなると、
いつも同じタイミングで援護射撃のビームやミサイルが敵に飛んで来るし、
雑魚敵はビームライフル一撃で爆散するのに味方機は、やたらと頑丈。
中破するときは必ず機体のパワーアップイベントの前ふり。

ガンダムXの母艦フリーデンのメカニックチーフは12歳のお子様でありますが、
大人に偉そうな口を叩きまくり。
しかも天才設定でもあるのか、『ジェバンニが一晩でやってくれました』レベルで、
パソコンを自作するような感覚でジャンクパーツでガンダムを改造して毎度の大幅パワーアップ。
こんな簡単に強くなれるんなら軍需産業なんていらんわwって思ったり。

ストーリー自体は真っ当過ぎる程な王道系。それ故に個性や意外性が不在。

簡単に死ぬゲストキャラ。絶対に死なないレギュラーキャラ。
味方は何度も敵に捕まるのですが、拘束具もつけずに全員を同じ部屋に閉じ込めておいたり、
敵に鹵獲された主人公側の機体を直ぐにでも起動・発進できる状態で保管しているために、
主人公側のキャラが容易に取り返して逃げたり戦えたりするという、
敵組織のセキュリティ意識の杜撰さ。

三文悪役にかき回される世界。ラスボスですら悪役としての魅力皆無の会話が通じない電波系小人物。

『刻が見えた』『人類の革新』などの宇宙世紀のガンダムワードを流用して、
ニュータイプ論に答えを出そうとしてたのですが、
ガノタからみれば大きなお世話っぽい感じが。

『力に振り回されること無く地に足をつけて人類は生きていこうじゃないか』みたいな、
テーマ性を以って丁寧にストーリーを構築しようとした作品ですが、
脱宇宙世紀路線を開拓したGガンダム、圧倒的な腐女子人気に支えられたガンダムWと比較して、
ファーストガンダム路線に回帰しようとして小じんまりとしてしまった感じが!
しかも、ファーストガンダムの人気が出た戦記・ミリ要素を徹底的に劣化させた挙句に、
イデオロギー対立だけで戦争を語ろうとした結果、壮大感やカタルシスに欠ける、
ただ、シナリオライターの頭の中のニュータイプ論をガンダムという書式に則って、
映像化したアニメに過ぎないと思いました。

私から見れば、このアニメの秀でているポイントはヒロインのティファが可愛いことだけです!


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2020/01/19
閲覧 : 600
サンキュー:

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