「GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり(TVアニメ動画)」

総合得点
83.5
感想・評価
1852
棚に入れた
10123
ランキング
317
★★★★☆ 3.8 (1852)
物語
3.9
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

イタリカ防衛戦を見せたくてアニメ化した気がします。

アニメーション制作:A-1 Pictures
2015年7月 - 9月に放映された全12話のTVアニメ。

原作は、柳内たくみによるライトノベル。
分割2クールの1クール目です。

【概要/あらすじ】

西暦200X年 夏。東京都中央区銀座。午前11時50分。
突如として「門」が出現して、その中から6万もの軍勢が現れた。
馬上槍や剣を構えた騎士隊。一斉に無数の矢の雨を放ち得物を貫く弓兵隊。
ラージシールドに長槍で固めた密集隊形で全身する歩兵集団。
人間に使役されて尖兵となっているゴブリンやオークなどの亜人の群れ。
ワイバーンライダーの部隊まで存在する。
彼らは侵略と略奪を繰り返し勢力を拡張してきた覇権国家「帝国」の軍勢であった。
帝国軍は逃げ惑う多くの民間人を狩りを楽しむように虐殺した。
常に勝者であった帝国軍にとって日本とは、名も知らぬ蛮族であり、
彼らの目的は侵略戦争であった。

あまりにも非現実的で突発的な出来事のために予防が不可能ではあったが、
一般の警察官や機動隊が応戦し時間稼ぎをしている間に自衛隊が到着。
金属製の盾を紙切れのように貫通する自動小銃、装甲車両に戦闘ヘリ。
現代兵器の前では帝国の軍事力は無力であり、帝国軍は屍の山を築いて壊滅した。

そして、日本政府は自衛隊に命令して「門」を占拠し、
「門」の向こうの勢力の再侵略を防ぐべく駐屯し、
実際に攻め込んできた軍勢に応戦して、敵を殲滅した。

主人公「伊丹 耀司」二等陸尉。33歳。
オタクの息抜きに自衛官をやっているような男である。
非番当日に銀座の事件に居合わせていて、
的確な判断でいち早く民間人を避難誘導して救うという功績を立てた。
その、伊丹に第三偵察隊隊長就任の辞令が下った。
門の向こうの世界を調査し地元住民と接触し友好関係を構築するのが任務である。

二一世紀の科学文明の日本と、
こちらの水準では文明が千年以上の開きがあると推測される剣と魔法の世界の「特地」
「門」を介して繋がった二つの世界の物語が始まったのだった。

【感想】

竿尾悟による漫画版は既刊10巻とアルファポリスでweb公開中の最新3話を読みましたが、
原作小説には手を付けていません。

アニメ版ではエロやグロ方面ではマイルドになっています。
(漫画版では全裸の女性の生首などが見られます)
また、実在の戦闘兵器の戦闘シーンに力が入っています。
あっちの世界で実在する魔法使いは希少な存在であり、
学者としての意味合いが強いこともあって軍用化には到ってないようです。

このアニメのイメージ?
軍事が好きな人。オタク趣味があると自覚している人。強くてかっこいい日本が見たい人。
「そこまで言って委員会NP」「和風総本家」が好きな人なら多分、気にいると思います。
兵器の描写は非常に素晴らしいのですが、
一方的に敵を蹂躙するのが不快な人には全く合わないかもです。

自衛隊強すぎ、敵弱すぎみたいな感じがありますが、
軍事格差を見せつける自衛隊無双が本筋ではない気もします。

それこそ、自衛隊が苦戦するには文明レベルが高い第三世界とか、
もしくはアメリカとかが「特地」に新たなる「門」で繋がるしか無いのではないか?みたいな気がしますが。
実際に作中では日本の敵が「帝国」に限らず、「特地」利権を狙う地球の各国との駆け引きが描かれています。

文明の格差は人類が世代交代を繰り返して歩んできた叡智の歴史の積み重ねですからね。
戦略・戦術・兵器技術の格差は覆しようが無いとしか思えなかったりしてます。
自衛隊が戦国時代にタイムスリップした小説と違って日本本国から補給を受けられますし、
何も恐れるものがない。その気になれば中世世界で神になれますよね。
でも、そうしない。日本人は優れた美徳と倫理観を持った民族として作中では一貫して描かれています。

ストーリーを読み解くに後進国である「帝国」が、先進国である日本の価値観や文化や外交など、
未知なる遭遇によるカルチャーショックを受けている様子を上から目線で楽しむ作品であると思いました。

主人公の伊丹が「特地」でオタク趣味に合致した複数のヒロイン格の女性と仲良くなっていき、
エルフ、亜神、魔法使い、皇女殿下といったヒロインたち一人一人に物語があって展開に絡んできますが、
彼女たちは物語のデザート的な意味合いが強いものだと思います。

アニメ版1期では、単行本第4巻第28話「ヤオの絶望」と中途半端なところで終わっています。
原作未読ですので、的はずれなことを言ってるかもしれませんが、
このアニメは他のメディアとの差をあまり感じない手堅い作りに思えました。

・アニメでは現実世界での事案を連想させる政治的な発言を削除。
・実在モデルが存在する登場人物を似せない方向性でキャラデザを変更。
・2期では駆け足気味になる。

など、色々あるにはありますけどね!


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2017/02/25
閲覧 : 358
サンキュー:

47

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