「ガールズ&パンツァー(TVアニメ動画)」

総合得点
88.3
感想・評価
3197
棚に入れた
14033
ランキング
117
★★★★☆ 4.0 (3197)
物語
4.0
作画
4.1
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
4.0

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えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「戦争映画」の系譜

原作無しのオリジナルTVアニメ。

あまりに有名なこの作品、どうレビューを書こうかと悩んでいたのは確かです。いまさらストーリーについて語ってもあんまり意味なさそうですし…。

さて皆さん、唐突ですが「戦争映画」というものをご存知でしょうか。まあ、広い意味では作中が戦場だったらみんな戦争映画なんでしょうが、ここでは「第二次世界大戦後、概ね1970年代くらいまでに作られていた第二次世界大戦の戦場が舞台となっている映画」くらいの意味でこの言葉を使うことにします。

さてそんな「戦争映画」ですが、本作品中でウサギさんチーム(1年生たち)が観ていた『戦略大作戦』をはじめ、少なくとも日本で有名な多くの作品がハリウッドで製作され、ストーリーは連合国、特にアメリカ視点で様々なピンチが訪れるものの、最終的には勝利のカタルシスを得て終わる作品です。

「何で敗戦国の日本でそんなものが流行ったのか」という話はアニメの本題から外れるので深入りはしませんが、たぶん多くの作品が欧州戦線やアフリカ戦線が舞台で日本人は出てこないというのと、戦後アメリカ文化を日本が積極的に受け入れた辺りとは関係しているかもしれません。

そして本題、本作『ガールズ&パンツァー』ですが、各校との対戦の基本フォーマットがこの「戦争映画」という奴になっていると思うのです。

かの有名な「謎カーボン(笑)」により、絵的にも流血場面がない「戦争映画」の世界がアニメで再現されます。

ただ、大きく異なる点を挙げるとすれば、「戦争映画」で虐げられる(笑)ドイツ戦車や、見る影もない日本の戦車なども活躍する点です。

そして他の対戦校が1つの国のカラー(イギリス、アメリカ、ロシア、ドイツなど)で染まっているのに対して、主人公である西住みほの所属する大洗女子学園の保有戦力は他校に対して乏しく、またいろいろな国の戦車の混成になっています。

何というか、「寄せ集めの雑草軍団が正規軍に勝つ」的なカタルシスを得られるように工夫されているということですね。

もちろん、作中に出てくる戦車は実際に第二次世界大戦で活躍した実車両がベースになっており、本当の意味でのミリタリー好きの要望「アニメであの戦車が動く!」的なものにも応えています。

各校との戦いも、戦史や戦争映画を踏まえたパロディ的なものになっていて、そちらの知識があればより楽しめる作品です。

最後になりますが、本作品の特装限定版Blu-ray&DVDにはオーディオコメンタリーとしてキャストによるコメンタリーとスタッフコメンタリーの2種類が入っていて、特にスタッフコメンタリーで語られている内容がかなり面白いのでお勧めです。

特にプラウダ高校戦の前半が収録される4巻では、同志上坂(上坂すみれ: プラウダ高校 ノンナ役)が「スタッフコメンタリー」側に参加しているという驚愕の事実があります。ちなみに上坂さんはソ連・ロシア好きで大変有名ですね。

このスタッフコメンタリーが実に暴走気味で、メチャメチャ面白いです。視聴機会がありましたら、ぜひどうぞ!

投稿 : 2017/05/23
閲覧 : 651
サンキュー:

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