「アリスと蔵六(TVアニメ動画)」

総合得点
75.5
感想・評価
558
棚に入れた
2473
ランキング
784
★★★★☆ 3.6 (558)
物語
3.6
作画
3.5
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.7

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かんろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

アダルトチルドレンに向き合う児童発達心理学的ファンタジー 小学生の細やかな心情の表現にホロリ…

1話を観た時は、
キャラクターデザインが軽くて、
またありきたりの異能力バトルかと思いましたが、
それはまだ早計です。
1期とされる5話までは、
ブリュンヒルデ?みたいなストーリーみたいですが、
この作品の本当の話は、6話から始まるのです。
5話終わりのお爺さんとさなちゃんが
東京の夜景の上空を飛ぶシーンは、
グッと来て泣けるし、美しいシーンでした。

ハードSFや超能力バトルの話を期待すると、
ちょっと違うかもしれない。
これは、ジブリのような
小学生の児童発達心理学の話なのです。
人間の基本的姿勢を叱ってくれる
古臭い頑固なお爺さんに、
なぜか安心感や暖かみを感じさせられます。
アダルトチルドレンに悩む人は、
癒されるかもしれません。
小学生の心理がきめ細かく描かれていて、
子どものいる人は、共感できる事も多いのでは。
小学生の心理といえば、
ちょっと団地ともおも、彷彿とされる印象もあります。
ホロっとさせられることもしばしば。
良い作品です。

ファンタジー世界と現実世界のリアリティの
ギャップが素晴らしく、
ほんわかした印象なのに、ぐいぐい引き込まれます。
色々な作品を日夜研究し、
レイアウトや人の仕草にこだわりを持つ監督の
演出の力が感じられます。
生活感ある日常生活が細かく描かれていて、
舞台に厚みを与えています。
現実世界の小学生のリアリティある動き、
ファンタジーの世界がまるで隣合わせのように、
唐突に現れるタイミングに驚きます。
ファンタジー場面も負けていません。
ハラハラして、息の詰まるようなシーンもあり、
面白いです。

原作が良いのか、
思った以上に深い内容を垣間見れます。
って、
原作者は、文化庁メディア芸術祭漫画部門の
新人賞を取っているのですね。
アニメアニメしていない感じがして、
児童文学的な良い映画を観てる感じです。

あまり期待していなかったのですが、
回が進むに連れ、
真摯な作画への姿勢が出て来て、
後の方は、表情などもよく描けています。

思った以上に、
評価してもらいたい、
期待出来る出来の作品なのではないかと
思います。
また、ここで原作の話の続きを見ると、
2期か続編か映画か、
まだその先が見たいと凄く思います。

投稿 : 2017/06/28
閲覧 : 325
サンキュー:

14

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