ノリノリメガネ さんの感想・評価

3.4
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態：観終わった

摩訶不思議京都散歩

「ルーのうた」と同時期に公開された湯浅監督の新作。
{netabare}
原作は昔読んだことはある。概ね原作通りに物語も進んだように思う。
演出が光っていて、原作の摩訶不思議な京都の雰囲気が的確に表現されていたように思う。

キャラクターも、「四畳半神話体系」のキャラデザが一部流用されていて、ファンだったらなんだか見てるだけ楽しい気がする。
小津を小さくしたような古本市の神様がかわいかった。

ただし、「四畳半神話体系」や「ルーのうた」とかと比べちゃうとどうしてもストーリーは盛り上がりに欠けたように感じた。

「私」と「黒髪の乙女」のダブル主人公で物語は進むのだけど、「私」の描かれ方がとっても微妙で、結局「黒髪の乙女」は大活躍するのだけど、「私」はほとんどいいとこ無いのが引っかかった。
ラストの演出やアニメーションはかっこよかったのだけど、カタルシスがそれに伴ってこないというか、「お前何もやってないやん」とツッコミたくなっちゃった。

悪くはないのだが、ものすごく感動することもなかった。時間の感覚が一人ひとり違うところは哲学的で良かった。
森見さんの作品自体人を選ぶので、たぶんこの作品も合う人と合わない人があると思う。

アルコールトラブルには気を付けよう。
{/netabare}