「GODZILLA 怪獣惑星(アニメ映画)」

総合得点
68.1
感想・評価
104
棚に入れた
408
ランキング
2153
★★★★☆ 3.6 (104)
物語
3.5
作画
4.0
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
3.4

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ネタバレ

プラ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

人類の敗北

ここ半世紀、話題を席巻している「ゴジラ」のアニメ映画。脚本は何かと話題な虚淵さん。最新技術を駆使した高精細なフルCGアニメ。


舞台は、ゴジラに支配された数万年後の地球。人類=人型種族は地球を追い出され、なす術なく、宇宙をさまよっていた。

ゴジラ誕生後、地球には人間以外に人の形をした別の種族、要するに宇宙人たちがやってくる。彼らは地球の混乱に乗じてゴジラを制圧し、支配圏を得ようと企んでいた。彼ら宇宙人の中には、メカゴジラと呼ばれる人造ゴジラを研究し、対ゴジラ兵器を開発しようと試みる者、「魔法の石」ガルビトリウムの演算によって導き出される予測された未来をもとにした宗教を広める者などがいた。しかし、彼らの力をもってしても、ゴジラを倒すことはできず、人類(地球人+宇宙人)たちは、宇宙船に乗って逃げる。

最初はゴジラを倒すんだと意気込んでいた人類たちだったが、十数年方策を見出せないでいた。ただただ宇宙を漂っているだけの毎日に心は疲弊し、自殺する者も後を絶たない。また、資源の補給もできるはずもなく、姥捨のようなことも日常化していた。

そんな船内の雰囲気に、やるせない気持ちを抱いていた青年・ハルオ。彼は地球脱出のさい、親をゴジラの攻撃により失っている。その仇を討つため、ゴジラに対する異常な闘争心や執着心を見せる。

船内でも改革派のハルオは、ゴジラ討伐の手がかりをついに見出す。彼は熱心に軍上層部を説得し、ゴジラ討伐計画を立案するまでに至る。

ついに計画始動。地球から脱出するさいの光速飛行により、船内では十数年だが地球では数万年の時が経過していた。しかし、ハルオたちが目にした光景は、とても受け容れがたかった。あらゆる生物が金属化し、毒素を吐き出し続ける生命体に”進化”を遂げていたのだ。

ゴジラと対峙する以前に、ゴジラと同質化したような鳥獣に攻撃を受けながら、だんだんと兵力を減らしていく。地球をもう一度人類の手にという一縷の希望をモチベーションに、彼らたちは闘う。

そして、ついにゴジラと対峙する。見ただけでわかる、圧倒的力量差に怯みかけるが、そんな暇つぶしをしている時間などなく、作戦を開始する。たくさんの戦闘機・人型ロボ・銃火器を投入し、最初から高いテンションでゴジラに対して攻撃を繰り出すが、ほとんど効いていない様子である。さらには、すべてを焼き尽くす熱戦を発し、人類たちの戦力を削っていく。

この予断を許さない危機的状況で、ハルオはゴジラを倒す唯一の作戦を考案し、実行に移す。たくさんの犠牲を払いつつも、ハルオの命がけの特攻により、ついにゴジラに致命的な一撃を与えることに成功。ゴジラの活動停止を確認し、長年の悲願であったゴジラ討伐を達成する。

・・・・勝利の喜びに沸くハルオたちであったが、それに水を差すように彼らの眼前に現れたのは、数百倍規模の大きさの新たなゴジラであった。大ゴジラの一撃に為す術なく、彼らは敗走するのであった・・・・




ゴジラを題材にした社会派の作品である。わずかな希望もあっけなく粉砕されるディストピアを描くことで、何を伝えたかったのだろうか。

一つだけ疑問がある。彼らの目的は「地球を取り戻し、もう一度人類の惑星にする」ことであったはず。途中から「ゴジラ討伐」に変わっていた気がする。ゴジラに勝利したところで、人類が住めるようなところではなくなっている。ゴジラ討伐はハルオ自身の復讐であり、主目的ではなかろう。

投稿 : 2018/06/24
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