「亡念のザムド(TVアニメ動画)」

総合得点
70.7
感想・評価
794
棚に入れた
4553
ランキング
1455
★★★★☆ 3.8 (794)
物語
3.7
作画
4.0
声優
3.7
音楽
3.9
キャラ
3.7

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ネタバレ

聖剣 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

不遇な名作

★★★★☆(4.5)

アニメを見るにあたって
似てる似てないはどれほど重要なのだろうか?

何にも『似てない』場合は好意的に受け入れられる印象があるが、
何かに『似てる』となると
さも鬼の首を取ったかのように晒し上げる傾向にある。
が、
いや、そこは比較じゃなくて
もっと他に書くことあるだろっ!


ということで、
作品の内容についていくつか特記しておく。

{netabare}まず
全体的に説明が不足していることが
この作品の評価を不当に下げている要因として挙げられよう。
{netabare}世界観、特に国際情勢や対立軸については
もう少し説明的な描写があっても悪くないと思っている。
ただ、
まだ若い主人公たちが、
意に反し厄介事に巻き込まれていく一見ありがちな展開は、
若いが故、失敗したり遠回りしたり、
乏しい経験値の中で、ひとつの答えを導き出すという流れと、
情報が足りないことで苛立ちを感じている視聴者とを重ね合わせ、
劇中の追体験を暗に促しているのでは?
と、
むしろ好意的に受け取っている。{/netabare}

また物語の世界観について、
{netabare}多種多様な人種、宗教、思想感が描かれているが、
少々バラエティに富みすぎている印象、いやむしろ少し雑にも感じられた。
が、冷静に考えてみると、
現実社会における欧米文化に対する、イスラム圏やアフリカ、中国等の
異なる文化圏との対比と、本作のそれと比べてみれば、
それほど突拍子もない表現とは言えなくもない。
むしろ、
一つの作品内で、民族や文化、風習等の違いを表現しようと試みたことに
一定の評価を与えるべきと考え直すに至る。{/netabare}

あと、気付いた人もいるだろうか、
昨今マンガ、アニメに頻繁に用いられる回想シーンが
全くと云っていいくらい無かったことを。
{netabare}
この回想シーンは
キャラクターのパーソナリティを掘り下げるに有効な手段ではあるが、
冗長に長く時間を割かれがちでもあり
その挿入によって前後の繋がりを解りづらくさせてしまうこともある。
なにより、
設定の後付け感が強く、多用すればご都合主義とも言われかねない。

この作品においては、これによって
キャラへの感情移入するタイミングを失ったのかもしれないが、
回想の挿入によって一向に劇が進まないというストレスはないし、
キャラ各々がそれぞれの立場で展開される物語が鮮明になり、
より群像劇の感が強まった気がする。
もちろん、
ドラマ性という点では一定のリズムで時間を刻むより、
緩急をつけたほうが効果的な場合もあるので、
この点においては好みの問題と言えようか。{/netabare}{/netabare}

と、まぁ
この作品は通常のそれとは少し異なるアプローチだったのは間違いない。
特筆するに、配信方法が一般的ではなかったことの影響だと推測する。
もし、
これが今日におけるNetflix配信で、且つ今日の恵まれた通信環境だったら、
もう少し評価が変わっていたのかも…
と、
徒然に思いに耽りつつ、
素直に『エウレカ』を押さえておくべきなんだろうなぁ、
と結論付けておく。

投稿 : 2018/07/29
閲覧 : 390
サンキュー:

9

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