「剣風伝奇ベルセルク-BERSERK-(TVアニメ動画)」

総合得点
75.3
感想・評価
365
棚に入れた
1670
ランキング
803
★★★★☆ 3.9 (365)
物語
4.1
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
4.1

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ダークファンタジーの金字塔

 原作は未読。
 欧米のハイファンタジー文学の潮流を見ていくと、一つはJ・R・R・トールキンの「指輪物語」に
代表されるモダンファンタジーの系譜があり、多くの日本のファンタジー作品はこちらの系統の
影響下にあると思うが、もう一つがロバート・E・ハワードの「コナン」シリーズに代表される
ヒロイックファンタジーの系譜。一種のマッチョ信仰とも言うべきこちらはあまり日本人向けでは
ないと思っていた。
 そんなわけで本作が登場した時は、こちらの系譜の作品が出てきたのに一種の驚きもあった。
 実際、本作で描かれている範囲では魔法は登場せず、主人公であるガッツに代表される力と力の
ぶつかり合いといった肉体を駆使した戦い方が目に付く。
 加えて世界観やバイオレンス描写など、ダークファンタジーとも言うべき側面も印象的。

 描かれたのはいわゆる黄金時代編とも言うべき範囲で、ガッツとグリフィスの出会いから対立
するまでのもの。この二人の対立軸が後の展開の中心であることを考えると本作は長いプロローグと
言えそう。
 内容的にはガッツ、グリフィス、そして二人に重要な関わりを持つキャスカの3人の物語と
いったところだが、この3人近しい仲でありながら相手の本質を判っていないことが多く、
それゆえに自分の取った行動や発言が相手に思いの外大きな影響を与えてしまっているところが
興味深い。それが最終的な悲劇を招いた要因の一つでもあるのだろうけど。
 本作で描かれたガッツが10代後半ということもあって、ガッツの成長譚とも言うべき側面も
あるが、戦闘能力、及び肉体の成長こそ著しいものの、元々が真っ直ぐすぎる性格のためか、
精神的には幼い部分が多分に残っており、そういった一種のアンバランスさがキャラの魅力とも
言えそう。

 魔法や超常的な力を持つ武器などは登場せず、更に終盤において現れた使徒と呼ばれる異形の
ものも作品世界に住む人の認識においてはありえないものだったようで、超常的なものが登場しない
世界観は架空戦記という色合いが強かった。
 それが終盤の「降魔の儀」で様相が一変していくが、まさに一つの時代の終焉を描くに相応しい
描写。
 ここで生贄となった「鷹の団」のメンバーだが、これまでの激しい戦いでも主要メンバーが
欠けることがなかったためになんとなく「鷹の団」のメンバーはなんだかんだで死なないような
印象が強くなっていた。それだけにここでほとんどのメンバーが死んでしまったのはインパクトが
あった。

 作画に関してテレビ放映時は気にならなかったが、何分昔の作品ゆえに今回、再視聴したらやはり
古さは感じたかな。

2019/01/14

投稿 : 2019/01/14
閲覧 : 474
サンキュー:

4

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