「伝説巨神イデオン 接触編・発動編(アニメ映画)」

総合得点
72.8
感想・評価
126
棚に入れた
526
ランキング
1068
★★★★☆ 4.0 (126)
物語
4.1
作画
3.9
声優
3.8
音楽
4.0
キャラ
3.9

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ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

伝説巨神イデオン 接触編・発動編 レビュー

まず、TV版を見ずに接触編・発動編を見たときのストーリーの評価についてはこれに尽きます。
wikipediaより引用。
「内容は『接触篇』がテレビ版前半の総集編で、『発動篇』が最終回完全版となっている。富野は「起承転結の“承”の部分がないので、劇作としては0点」と評している。」

いつの間にシェリルに恋人が出来てなぜ死ぬのか(パイパールウを拉致する精神になってしまった理由に当たる)、コスモ、その青髪の彼女は誰だい?
いつの間に地球に下りたんだい?などと、発動編の開始1分で視聴者を混乱状態に陥れる内容にビックリ。そりゃ富野さんもこういいますよ。

そしてメカデザイン。これはイデオン側、イデオンがダサい!その前にやったガンダム未満。ちなみに富野さんもこういったらしい。
wikipediaより引用

「サンライズ企画室からの発注により、メカニカルデザインのサブマリンがイデオンのデザインをした。サンライズはイデオンのデザインでトミーにプレゼンテーションをし、企画が始動してから富野が作品に参加している(このようにサンライズの作品は基本的にマーチャンダイジング先行で、ロボットのデザインから作品がスタートする)。

こうした経緯への反発から富野はイデオンのデザインを見るなり「これは第六文明人の遺跡です」と言った。富野によれば「でなければ、こんな酷いデザイン誰が使います?」」

だそうです。

しかしこれに関してはバッフ・クランのメカデザインの方がかっこいいのでは?という事を気付かせてくれました。
ガンドロワのデザイン・・・こんなイカした宇宙兵器を敵側に出すんです。赤みがかった色、多脚のように生えた構造物。間近で見たときの威圧感。



ストーリーを排して、大きなメッセージ性を感じることも一面としてはあります。
宇宙で繰り広げられる戦争の中で、描かれるのは運命とも取れる力と、人間の内面との戦い。

イデと呼ばれる無限のエネルギーもしくは無数の精神の集合体、そしてコスモたちには敵と戦う大きな導きであり、そして破滅の罠を仕掛ける狡猾な存在に見えました。

その戦いの結末はイデの勝利のようにも見えるし、コスモはイデの意思に抗ったようにも見えます(結局敵を滅ぼしたという点で見解の分かれるところではあるんですが・・・)

しかし、ラストシーンに関して私が一番思うことは、あれだけ戦いの中で生きることに必死だった者達を、死者となった時に開放されたかのように描いた思想・宗教的なメッセージがあまりに衝撃的だったことです。
この人が描く生とはあまりに破壊に満ちていて、死によって開放された心があまりに生を惜しんでいないその描写に、彼らにとって生とは何だったのか、考えさせられる作品でした。


さて、まとめますが、やはり富野監督とも言うべきか、最後には何も誰も残らない衝撃的なまでの破壊が、すべての登場人物が育んできた物語に虚しさを与えています。
これが戦争によって個人が死ぬ事なんだなと、痛ましさが感じられるかもしれません。正直、ストーリーが飛んでたりしたことで無表情で見ていた部分があります。

物語としての出来は富野監督の仰るとおり、「0点」かもしれませんが
営みと戦争が混在する人間の歴史の虚しさを、衝撃的な破壊と宗教観を与えることによって描いてるのかもしれません。

投稿 : 2019/04/07
閲覧 : 426
サンキュー:

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