101匹足利尊氏 さんの感想・評価

4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

周到に準備されたハチャメチャバトル

続編『～戒めの復活』も含めた感想。

原作コミックは未読。

最近、コミックやマンガ原作アニメを観ていると、
作家さんが連載を始める際、
一体、どれだけ大量の設定を事前準備して描き始めるのだろう？
そう感じることが多いのですが、本作は特に顕著に感じます。

アニメだけでも1期2クール+アニメオリジナルSPの『～聖戦の予兆』全4話（未見）
+『～戒めの復活』2クール+アニメオリジナルの劇場版+今秋予定の『～神々の逆鱗』
と既にかなりの長丁場になっていますが、
未だに主人公の設定すらも底を見せていない。
その豊富な設定備蓄量に圧倒されます。

そもそもメリオダスは{netabare} 少年のような体型をしていますが、
これすらも元々の姿じゃないようで……。
視聴者は未だ主人公の本当の姿すら明らかにされていないと思われますｗ{/netabare}

昔の連載漫画やアニメ化作品だと、あらかじめ用意した設定なんて早々に使い切って、
あとは主人公や作家さんが根性で強敵と連載継続に挑み、
限界突破するのか？それともこのまま主人公も作品も破綻して連載が終わってしまうのか？
何て展開もしばしばで、あれはあれでスリリングでしたがｗ


本作は繰り広げられるバトルはハチャメチャ。
聖騎士をワンパンで吹っ飛ばす主人公を始め、
街や山々がド派手な戦闘を演出するミニチュア、破壊可能オブジェクトと化す。

シナリオ展開も人と人ならざるものとの古の戦いを描くとあって、これまたハチャメチャで、
斬っても死なない。落しても死なない。何回か殺さないと死なない。
死にたくても死ねない。いや、むしろ死んでも死なない。
（何言ってるか段々分らなくなって来ましたがｗ実際こんなだから仕方ありませんｗ）

さらに続編になると、{netabare} 死者を蘇らせて使役する敵や、
記憶を弄くり回す展開や、
過去に記憶を封じられた可能性が示唆されたりして、{/netabare}
もう無茶苦茶ですｗ

ただ、上記のハチャメチャ展開は、決して設定枯渇した凡作の苦し紛れではないと分るので、
少なくとも大地が割れたついでに、作品まで破綻する心配はなく、
さらには、バトル演出を支える作画や澤野 弘之氏の劇伴も迫力があり、
その点は安心してド派手なバトルを堪能できると思います。

それでも上記みたいな設定があるだけで嫌だという方もいるとは思いますし、
また主人公や作家さんが万策尽きた中、壁を打ち破るか否かというギリギリ感はなく、
そういう類のスリルはありませんが……。

あ……これ死んだかな？……けど、本作ならまだまだ起死回生の設定を備蓄しているだろう。
どんな復活劇を見せてくれるのだろう？
こんな感じで楽しめば満足度は高まる作品だと思います。


王国の聖騎士たちも参戦するバトルアニメとあって、甲冑姿も眼福な本作。
漢の騎士甲冑は燃えますし、女の騎士装束は萌えます。

主人公ら“七つの大罪”も最初の1クール目は武器すらまともに持たず、
ピンチ？でも素手で準備運動モードでしたがｗ
回想シーンでは格好いい騎士甲冑に身を包み任務に当たっている様子が窺えます。

彼らもいつか本当の意味で本気を出す際は、
私服や裸ではなく、ちゃんと伝説の鎧などを装備して
戦う勇姿も見せてくれたら嬉しいなと期待しています。