「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld 2nd(TVアニメ動画)」

総合得点
76.0
感想・評価
499
棚に入れた
2301
ランキング
733
★★★★☆ 3.6 (499)
物語
3.3
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.6

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ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

よりアクションアニメ寄りに傾倒した『SAO』シリーズの集大成

【物語 3.5点】
アクション重視。テーマも生き様も説明を尽くすより
戦いの中で表現するスタイル。

設定の洗練度を測る指標の一つとして、
私は≪ペインアブソーバ≫ゼロ(=現実世界と同等の痛覚レベル)
に注目して見ていましたが、
同じ部位欠損ダメージでも割と平然としていたかと思えば、
突然、思い出したかのように、のたうち回ってみたりと適当で、
設定全体にムラがある感。


ラストの締め方についてもラノベ版準拠なのでしょうが蛇足感あり。
仮想世界で創造した魂の価値というテーマを重視するならば、
{netabare}“俺たたEND”も悪くはないのでしょうが、取り敢えずアリスの記者会見と、
キリトのアンダーワールド保護スタッフへの就職希望辺りまでで一旦締めくくる。{/netabare}
最後の内容はBD最終巻特典OVAに止めて置く位が良かったかな?と思います。



評価したいのは中盤。
{netabare}ヴァサゴらの扇動により反日憎悪を焚き付けられて、
アンダーワールド人の殺戮に加担してしまった{/netabare}中国・韓国人プレイヤーについて、
逃げずに描いてくれたこと。
仮想現実の可能性に水を差す悪意の描写については、アニメ版でも果敢だったと思います。


【作画 4.0点】
アクション作画監督を一人→二人に増員して戦闘描写を補強。
小説では想像しきれなかった部分まで再現し原作組にも刺激を与える。

ヴァサゴやガブリエルの攻撃は思っていた以上にドス黒くおぞましかったですw
それと、{netabare}リーファへの触手吸引攻撃も執拗に描写され想像以上にエロかったですw
『SAO』は“触手プレイ”をトレンド入りさせたアニメとして後世に汚点を残しました(苦笑){/netabare}


作品テーマとの関わりについては、
仮想世界の住民は亜人に至るまで表情豊かに描く一方、
無思慮に仮想世界住民を殺めてしまう現実世界のプレイヤーについては、
仮面を被せて画一的に描き、魂の軽重を問い掛けて来る。


【キャラ 4.0点】
華やか。

キリトを慕うプレイヤー仲間たちも
本格的にアンダーワールドに殴り込み、オールスター戦の様相。

アニメ版では劇場版『~オーディナル・スケール』のユナらも参戦し作品を彩る。
ただ、これもテーマ掘り下げの観点から言えば勿体ない使い方。
ユナは{netabare}ボトムアップ型の《アリシゼーション計画》に対するトップダウン型のAI計画として。
またキリトに先立って、他者の記憶の断片も頼りに魂を再生した先例として。{/netabare}
作品テーマを深める論点も多数持っていただけに、
戦場を盛り上げるお祭りキャラとして消費されたのは惜しいです。

これは万策尽きた後のミラクルに消費された{netabare}茅場晶彦{/netabare}も同様。
{netabare} 《世界の種子(ザ・シード)》{/netabare}の観点からこの大戦がどう位置付けられるのか。
神代凛子の代弁を通じてでも良いから説明が欲しかったです。


【声優 4.0点】
ガブリエル・ミラー役の石田 彰さん。ヴァサゴ役の小山 剛志さん。
両名が今回の『SAO』恒例の胸クソ、キチガイ悪役ボイス担当。
石田さんは終始、落ち着いた口調の中に垣間見える狂気で魅せてくれました。

スッカリ感情を取り戻したアリス役の茅野 愛衣さんも流石の表現力。
{netabare}師匠の散華{/netabare}などで見せた号泣ボイス。
あとは淡々とした鉄仮面ボイスの中に滲み出た怒りや嫉妬
など高度な萌え?も提供してくれました。


【音楽 4.0点】
劇伴・梶浦 由記氏。シリーズの象徴的BGMである「Swordland」も
ヤマ場で多用され、彼の帰還を強く印象付ける。

OPはReoNaさんの「ANIMA」
とにかく“魂の色は何色ですか”のワンフレーズが強烈な一曲で、
このクールのアニソンDL数トップに。

EDのトリを飾るのはシリーズお馴染みの藍井エイルさんの「I will...」
『SAO』主題歌で成長して来た彼女が、自身最高難度曲で恩返し♪
サビの後半が特にテクニカル。これカラオケで歌いこなせる方いるのでしょうかw


【感想】
2期までの伊藤 智彦監督から3期『~アリシゼーション』より
小野 学監督に体制変更されたアニメ版『SAO』

総括すると、情報量の多い<アリシゼーション>編を
特に作画カロリーが凄いバトル、大戦については
長丁場でよく再現してくれたという感謝がある一方で、
テーマの追求については、もっとアニメならではのアプローチで
掘り下げて欲しかったという要望も残りました。

アニメ『SAO』は特に1期<アインクラッド>編が、
時系列もバラバラな原作の諸エピソードを、
スタッフが構成を工夫して映像作品として再構築した熱意を感じる制作で、
そこが『SAO』がアニメでもヒットした要因だと私は思っています。

正直、伊藤監督なら<アリシゼーション>をどう料理してくれたのだろう?
という雑念も抱えながらの視聴でした。


とは言え、数あるラノベ原作アニメの中で、
本作のように大きな区切りまでやり切れた作品は稀少。
原作組として至福の一時を過ごさせて頂きました♪

投稿 : 2020/10/05
閲覧 : 349
サンキュー:

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