「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続(TVアニメ動画)」

総合得点
87.8
感想・評価
3079
棚に入れた
15690
ランキング
139
★★★★☆ 4.0 (3079)
物語
4.0
作画
4.0
声優
4.1
音楽
3.9
キャラ
4.2

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ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

“普通”は盆に返らず

【物語 4.5点】
空気が変調する描写が圧巻。

虚構でも普通で心地良い人間関係を
本当の気持ちを伝える告白により、壊したくない。

本質を回避して、責任も回避して、自身の外面やブランドは守りたい。

依頼対処を通じて、2期でも継続する奉仕部のケーススタディ。
主人公・比企谷八幡は合理的な正解を導き出しているはずなのに、
当人たちが恋路を直視しないことにより、空気が淀み、
奉仕部の安らかな普通が失われていく。

この臨場感が本当に凄くて、
ヒッキーに感情移入し過ぎていた私などは、
中盤、どうして、こんな痛い空気になっちゃってるの?
と本気で頭を抱えた程w

(ストレス共有の余り私も姫菜やヒッキー同様、危うく{netabare}BL趣味{/netabare}に逃避しかけましたw)

けれど{netabare}葉山や“同中”女子{/netabare}をけしかける陽乃のちょっかい。
平塚先生の効果的な経過観察&面談。
なども経て、ヒッキーと一緒にもがいていると、
段々、もつれた原因が見えて来る。

だからこそ{netabare}「本物が欲しい」との叫びが高い共感度をもって胸に響いて来る。
例え、人間関係が虚構で、程ほどに折り合うことが大人になることなのだとしても、
本物なんてなくても、本物を求めたくなったヒッキーの気持ちの変化が重要なのだと思います。
{/netabare}

シナリオ運びの上手さに感嘆します。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・feel.(ブレインズ・ベースから変更)

作画の安定度は向上。
背景美術も聖地・千葉だけでなく、
竹林の小径(こみち)他、修学旅行先の京都の描き込みも良好。
(ホント{netabare}告白成功阻止の自爆の舞台{/netabare}にするには勿体ない幻想絶景w)

一方でヒッキーの瞳の濁り具合など、独特のクセも平(なら)される。
一抹の寂しさも覚えるが、キャラが崩れる心配をせずに、物語に集中できるのは大きい。


【キャラ 4.5点】
ヒッキーの妹・小町。
1期では正直、露骨な妹属性のテンプレキャラだと思っていましたが、
2期ではヒッキーが雪乃さんと丁寧語でしかダベれなくなり、居場所を失いつつある所を、
妹が、親密な毒舌で、兄の相談役となる高ポイント大量ゲットの大活躍。
あのダイニングはヒッキー最後の砦でした。

その他、戸塚&姫菜、川崎さんなど、モブと見くびっていたキャラの本領発揮もあり、
層がどんどん分厚くなる。

JSの留美ちゃんなど、思わぬ人物との再遭遇と問題解決への寄与も仕込まれ、
奉仕部メンバー自身の課題克服に向けた人脈構築も順調そのもの。


また、由比ヶ浜さんは雪乃の言葉を借りる間でもなく、2期の時点でも相当凄いが、
3期を思えば、これすらピーク途上。


ヒッキーと互いに嫌い合う葉山のエピソードも待望の回。
{netabare}マラソン大会連覇だの、進級による人間関係リセットの谷間だの、{/netabare}
ヒッキーが挽回不可能とみなす苦境を難なく乗り越えるように演じるイケメンぶり。
そんな葉山が、ヒッキーも私も妬ましいけど、結構、好きですw


【声優 4.5点】
声優・佐倉 綾音さんの人気キャラ投票をやると、
主役ヒロイン級を押しのけて上位に入って来る“いろはす”こと一色いろは。
途中出場で、メインヒロイン2人以外に刺されてなるものかと
視聴前、私は妙に捻くれていましたがw
“何ですか?口説いてるんですか?(中略)無理です”などと自己完結する
マシンガン・ヒッキー振りまくりボイスに
無事、蜂の巣にされました。ありがとうございますw


口車と言えば、“意識高い系”の海浜総合高校・生徒会長・玉縄役の日野 聡さんによる、
中身のない横文字の羅列→ヒッキーの“同中”かおり役・戸松 遙さんの“それあるー!”
の会議は踊るされど進まずボイスのコンビネーションw

日本のトラディショナルなホワイトカラーは、
机上の空論により、責任をアヴォイドし、
低生産性により失われた20年をもたらしたクリティカルなファクターであり、
そのパージこそが、喫緊のプライオリティなのでありますw


【音楽 4.0点】
劇伴は音楽制作集団・MONACAの石濱 翔氏や高橋 邦幸氏による提供継続。
作画同様こちらも、丸くなったのか慣れなのか、
修羅場では、1期ほど露骨に昼ドラではない印象。

むしろ敢えて音楽を使わない効果音のみの演出の方が強烈。
全く、教室で空気が凍った時のアナログ時計の秒針は、なんであんなにうるさいんだ。


OP主題歌は引き続き、やなぎなぎさんの「春擬(もど)き」
軽快なメロディに“本物と呼べるものだけでいい”など
作品の本質を繊細に捉えた歌詞をのせた逸品♪


ED主題歌も引き続き、雪乃&結衣のキャラソン「エブリデイワールド」
1期と同じく明るい曲調に、本編ではおくびにも出さない“恋”のワードも織り交ぜて、
葛藤する乙女心を吐露した良曲♪
こちらも1期同様、2人各々の心情回ではソロバラードVer.に。
{netabare}“真実よりやさしい嘘をプリーズ”{/netabare}など、どちらかと言えば結衣方面に刺さる歌詞。

投稿 : 2021/03/14
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