「キズナイーバー(TVアニメ動画)」

総合得点
71.4
感想・評価
773
棚に入れた
3691
ランキング
1312
★★★★☆ 3.5 (773)
物語
3.4
作画
3.6
声優
3.5
音楽
3.5
キャラ
3.5

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ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

絆とナチズム

3.11以降、“絆”と言う言葉が氾濫した。

誰もが、自由と孤独がワンセットであること、家族、地域社会とのつながり、その“たいせつさ”に気付いたのである。

しかし、口を開けば“きずな”、チャンネルをひねれば“絆”の文字が、あるいは街中に溢れ、サブリミナル効果のごとく意識下に組み込まれ、次の瞬間には、社会を緊縛し、引き回してゆくトリガーとなるのではないか、といった被害妄想に捕らわれた覚えがある。

絆(きずな、きづな)
本来は、犬・馬・鷹などの家畜を、通りがかりの立木につないでおくための綱。しがらみ、呪縛、束縛の意味。

等と考えていたら、すでにドイツの社会心理学者のフロムが、ナチズムの台頭の中で次のように分析しているのである。

中世社会が市民革命と産業革命をへて、教会や階級といった権威的な絆から解放され、自由を得た代償に“安心”を失い孤立化したという。
そんな人々の不安を見事にキャッチし、自らが“神”となって権威に縛り付ける“新たな”絆を作り上げたのがナチズムであるとした。

人間関係の煩わしさ、それでも、家族であり、友人関係であると言った“しがらみ”に守られている自分と言う存在を問い続ける脚本家、岡田磨理らしい作品であることは間違いない。

テンプレなキャラたちに託されたメッセージ。

未成熟で偏りがあるからこそである。
感じ取ろうとするからこそである。
“絆”などに縛られるな!
我々は、“世の中”と言う“柵(しがらみ)”の中で生きているのだから。

身も蓋もない?

良いではないか。

投稿 : 2021/03/18
閲覧 : 431
サンキュー:

19

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