「探偵はもう、死んでいる。(TVアニメ動画)」

総合得点
65.9
感想・評価
385
棚に入れた
1118
ランキング
3032
★★★★☆ 3.1 (385)
物語
2.7
作画
3.3
声優
3.2
音楽
3.0
キャラ
3.2

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ネタバレ

クソアニメの魔女 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0
物語 : 1.0 作画 : 2.5 声優 : 2.5 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

11話で覚醒を遂げた第二のジビエート……2期発表されましたね。クソアニメ好きには期待しかないです。

最終話まで視聴、加筆しました。

原作は未読です。

8話まで観ましたが、ツッコミどころは置いといてもシエスタ以外のキャラに魅力が見出せないのがとにかく致命的です。 

このアニメの良い点としては顔役であるヒロインシエスタが魅力的なキャラとして描けているところ。特筆すると、7話Bパートのシエスタは声優さんの演技も素晴らしく、見所の一つに数えられるでしょう。
作画も1話Aパートにおいて、FGOバビロニアや呪術廻戦に匹敵する美麗な戦闘シーンは必見です。特にシエスタが画面いっぱいに迫る演出は圧巻でした。

一方で悪い点は山程あり、正直言って書き切れません。なのでここでは自分の一番言いたいところを中心に話します
タイトルとは裏腹に推理ものではなく、実態はラブコメや異能バトル、SFなど、古今東西の様々な人気ジャンルを集めた闇鍋らしいですが、どれをとっても中途半端で面白みが薄いです。
話の内容は正直なところ劣化物語シリーズと言って遜色ないと思います。あちらと違ってキャラクター、伏線やシナリオ、演出などが致命的に雑です。
おさまけに並ぶ低品質のラブコメをしたり、推理もどきの茶番劇をしたり、寄生獣やバイオハザードみたいな化け物が出たり、ロボットで戦ったりしますが、全体的にそれぞれのジャンルの強みを活かし切れておらず、結果訳の分からなくなっているところがこのアニメの低評価に拍車を掛けています。

主人公、君塚君彦は禁書の上条さんからヒーロー性を抜いてダメなところだけを抜き出したような悪いタイプのやれやれ系で魅力に欠けていて、声優の演技も微妙。会話も妙にもったいぶっていてテンポを悪くする元凶になっています。話し方や性格を含めた1キャラクターとしては物語シリーズの主人公である阿良々木暦っぽい雰囲気もありますが、阿良々木は見ていて不快になり難い紳士的な気持ち悪さに対して、君塚は阿良々木を劣化させたような中身の無いかつ気持ちの悪い会話しかしないから本当に魅力が無いんですよね。あとはシエスタがシナリオに絡むと活躍が局所的過ぎて影が薄いことが多い。主人公なんだからもっと前面に出て良いと思いました。
君塚のフィジカルの低さからして多分忍野忍と阿良々木暦の独特な関係性をシエスタとのセットで再現しようとしたのだろうけど、キャラに魅力とか積み重ねが無いせいで全部台無しです。
シエスタ以外のヒロインに関しても特に魅力を感じるような場面には出逢えていません。

特に主人公の魅力の無さがこのアニメの評判を地に落としてるのに貢献してしまっていて、正直他のキャラを主人公にした方がまだ見られそうだと思ってしまったり。

また、8話のアリシアが人狼から変身能力を獲得したヘルが化けた存在か否かについて答えを出す推理パートはもはや茶番を超えていて、探偵要素云々以前にキャラクターへの信頼を大きく損いました。

特に致命的なのがシエスタがその推理の過程で偽刑事の正体を推測するシーン。
敵組織のメンバーが扮していたであろう偽刑事に彼らが会った際、その場にはアリシアもいたということで、動揺する君塚が苦し紛れに出したそんな彼女への擁護に対し、シエスタはなんと偽刑事を別の変身能力者だと予想しました。

ここから、敵にはヘル以外にも複数の能力者がいる可能性が浮上します。
これにより、アリシア以外のキャラクターも敵が化けているのかもしれないという不信感が生まれます。
よって視聴者がキャラクターに信頼を寄せるのが難しくなり、前述した魅力を引き出せていないキャラクターたちの問題も相まって感情移入がより一層困難になってしまいました。

理論が多少ぶっ飛んでいても自分は受け入れられますが、キャラクターの魅力を根刮ぎ吹き飛ばすようなことをしてしまうのは流石に悪手かと思います。

キャラクターの問題以外にも、これまで繰り広げた推理のせいでこのアニメにおいては悪い意味で無限大の考察ができてしまう問題があります。
考察というのはある程度可能性を絞れてこそ楽しめる要素ですが、この作品の場合は人造人間やクリーチャーなどの要素が裏目に出て、なんでもありになっています。
そのため考察する余地が無く、その手のアニメにおける楽しみ方が根本から潰されています。

良い点と評した作画も1話Aパートを境に急落。流石に百錬やいせスマ、同アニメ会社制作のフルダイブRPGよりはマシですが、静止画はともかく動画になるとその低品質があらわになります。6話のシエスタロボvsペテルギウスのシーンが特にアレです。
背景やモブの書き方も微妙で、五等分一期やおさまけ、ダイナミックコードを彷彿とさせること請け合いです。

後はキャラデザや設定に既視感が多々あるところが挙げられます。
あらかじめ言っておきますが、個人的には他作品からの引用は悪いとは思いません。
鬼滅の刃や呪術廻戦を始めとして、他作品から数多のインスパイアを受けている作品は自分の作品に合うように調理した結果上手く歯車が噛み合い、社会的に人気になる程の完成度となりました。

しかしこの作品は、アニメだけを見る限りでは人気作の上辺を掬って繋ぎ合わせたようにしか見えないのが難点です。

心臓の話はエンジェルハートがおそらくベース。探偵と助手という設定は表向き探偵稼業ということになっている伝説の掃除屋(スイーパー)冴羽獠と、組織に仕込まれた殺しの技術から、元殺し屋として圧倒的な戦闘力を誇る助手、香瑩(シャンイン)の関係を多少弄った感じですが、君塚に魅力が無いのがあってオマージュ元と違って劣化具合が著しいです。一応バディ設定は台詞回しなどから推察して、物語シリーズの阿良々木暦と忍野忍の方を参考にしている可能性もありますが。

君塚の巻き込まれ体質はとある魔術の禁書目録の上条当麻の不幸体質、話し方は物語シリーズに多大な影響を受けていると思われます。
ベースとなる雰囲気は物語シリーズそのものですが、出来はやはり天地の差です。これにはシャフトの特異的な演出や会話劇における工夫、キャラの魅力も無いので画面が動かず、会話劇はおろかアニメとしてもつまらない二重苦となっています。しかも阿良々木暦が戦場ヶ原ひたぎに脅されているシーンの劣化オマージュみたいなところもあり(夏凪渚と君塚君彦の邂逅シーン)、気取った台詞回しも含めて西尾維新に影響を受けているというのは確定的でしょう。

ヘルのキャラデザや催眠能力はAngel Beats!の直井文人に似ていて、彼女が謳う福音書関連の話はリゼロに登場するロズワールやベアトリスの思想に近いです。

シエスタの扱う銃弾はFATE/ZEROの衛宮切嗣の扱っていた起源弾に性質がやや似ています。本質は違いますので実際にオマージュしたのかは謎ですが、可能性は否定できません。

このように、考えるとすぐに引用元が分かるくらいで、しかもほぼそのまま引っ張ってきてしまっているのが仇となり、結果パクリと言われても仕方のないつぎはぎ作品に見えてしまう欠点も持っています。

総評して、全体的に致命的な粗を抱えた作品であり、シエスタ関連では良い点も持ち合わせているものの、評価が悪くなるのも頷ける出来だと思います。

シエスタ要素を除くと、これを見るくらいなら大元のオマージュ元であろうエンジェルハートを観る方が遥かに有意義です。

11話視聴後、追記
子安の熱いぃ死ぬぅで腹筋が捩れました。
燃料ダダ漏れなのに墜落しないヘリとか甲板しか炎上しないクソ雑魚炎とか、クリーチャーの癖に人間に劣勢を強いられる子安とか、ジビエートに匹敵する謎展開のオンパレードです。ジビエと同じく11話でさらに斜め下に振り切るのはある種、奇跡の産物でしょう。
それだけならまだしも、挙句の果てにシエスタに夏凪の体が乗っ取られるとか……

こういう展開もアリってことだ!

12話視聴後

シエスタが表に来たのは夏凪の願いだと判明しますが……

とにかくバトルのテンポが悪過ぎの一言に尽きます。登場人物たちはいちいち止まらないと会話ができないのでしょうか。何回も子安を倒せそうな状態に追い込んでもシエスタたちはとどめ刺さないし。
戦闘演出はもはや1話とは雲泥の差ですね。

そしてラストのホラー演出。

結局、最初から最後まで悪い意味で期待は裏切りませんでした。

クオリティとしては流石にジビエよりは少しマシといった具合に落ち着きそうです。

追記
2期発表されましたね。すごく楽しみです。

投稿 : 2022/10/18
閲覧 : 994
サンキュー:

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